著者
鈴木 ひとみ 山本 昭
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第6回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.105-109, 2009 (Released:2009-10-01)
参考文献数
5

戦後日本国内で、外国の理工学図書の海賊版が作られ、広く使われていた。1980年代には姿を消した。広く流布していたにもかかわらず、その非合法性から実態が記録されることはなかった。本研究では、新聞記事等の文献、実際にそれらに接した研究者からの聞き取り、実物を入手しての原本との比較の三つの面から、物理的特徴、原本入手から、発注、印刷、頒布までの作成・流通過程等の実態を明らかにした。
著者
高山 佳奈子 山本 雅昭 神例 康博 辻本 典央 品田 智史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

定例の研究会を3年間で全13回実施し、報告を基にした成果を法律学術雑誌に公表した。公正取引委員会から講師も招へいした。武漢大学法学院および華東政法大学法律学院との国際シンポジウムを各2回実施し、「証券犯罪」「金融犯罪」「インターネット金融犯罪」をテーマに各国の最新の立法および実務の状況を報告するとともに理論的な討論を実施した。成果は平成30年度内に論文集として刊行する。
著者
高山 佳奈子 山本 雅昭 神例 康博 松原 英世 品田 智史 張 小寧 松宮 孝明 斉藤 豊治 平山 幹子 佐川 友佳子 嘉門 優 永井 善之 大下 英希 中島 洋樹 井上 宜裕 前嶋 匠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本・中国・台湾・韓国などの東アジア諸国では、従来、それぞれソビエト連邦法、ドイツ法、日本法などの影響下に独自の刑事制度を発展させてきた。経済刑法もその一部であり、個別に発生する問題に対処するための立法が多かった。しかし、経済活動の国際化に伴い、各国に共通する問題が見出されるとともに、その対策においても、相互の方法を参照する意義が高まっていることが、本研究によって明らかになった。その意義は、個別具体的な立法のみでなく、刑法総論や制裁制度論全般に及んでおり、今後研究を継続する必要性もまた示された。
著者
謝 心範 山本 理
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.73-81, 2020-05-26 (Released:2020-06-09)
参考文献数
32

新型コロナウイルス感染症が中国の武漢で突然爆発的に蔓延した現象は世界の人々へ大きな驚きと衝撃を与えた.医療現場では,確実な治療法や治療薬も無い局面にどう対応すべきか混乱し,確かな効果を求める切迫した願いも強くなった.そのような状況下,漢方薬の出番があり,自然植物由来の「三薬三方」(3 つの薬と3 つの方剤の意)すなわち,金花清感顆粒,連花清瘟カプセル,血必浄注射液と宣肺敗毒湯,清肺排毒湯,化湿敗毒方の作用と効果がCOVID-19 感染症の現場から報告されたので紹介する.「三薬三方」は,植物由来成分の潜在力を総合的に利用し,人体自身の自己治癒力と免疫系の賦活,障害要因に対する抵抗力強化を可能にするものである.新型コロナウイルス感染症の現場から報告されている「三薬三方」の様々な効果は単一成分によって発揮されているのではないことは明白である.作用機序,原料,処方,加工法,効果,安全性の向上など更なる研究が必要である.
著者
清水 晶平 望月 翔太 山本 麻希
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.173-182, 2013-12-25 (Released:2014-12-25)
参考文献数
37
被引用文献数
4 3

イノシシ(Sus scrofa)による農業被害が近年深刻な社会問題となっている.被害の地理的発生要因を解き明かすことは,被害対策を効率的に実施するうえで重要である.本研究の調査地である新潟県上越市柿崎地区では,被害地域が大きく拡大した後,電気柵を設置したことにより,被害地域の縮小に成功している.そこで本研究では,新潟県上越市柿崎地区におけるイノシシ由来の農業被害に対し,被害の拡大前期(2004年~2007年),拡大期(2008年),そして,減少期(2009年~2010年)の3期に分け,3つの期間における被害地点とその周辺の地理的要因との関係を明らかにすることを目的とした.本研究では,「水稲共済損害評価に係る獣害(イノシシ)申告データ」と,現地踏査により作成した土地利用図を使用して分析した.被害地点と被害のない地点について,林縁や河川からの距離など,被害地点の景観構造を示す変数を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った.また,電気柵を張る前と後の被害地点についても,同様にロジスティック回帰分析を行った.この結果,林縁,沢,耕作放棄地に近いほど被害が増加する傾向が認められた.河川,道路,都市部に関しては距離が遠いほど被害が増加する傾向が認められた.また,電気柵を設置したことにより,被害の分布が都市部に近づいていることが判明した.イノシシによる被害は見通しの悪い林縁や耕作放棄地の周辺で発生していることが明らかになり,イノシシによる被害対策には,林縁の刈払いや耕作放棄地の管理と個体数調整を同時に考慮した対策を見出す必要性があることを示した.電気柵を設置する場合は,十分な捕獲計画と併用するか,被害がまだ起きていないエリアも全体的に電気柵で一気に囲ってしまうなどの配慮が必要であろう.
著者
山本 政一郎 尾方 隆幸
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.68-83, 2018 (Released:2018-03-16)
参考文献数
44
被引用文献数
2

高等学校の地理教育,地学教育で共通する自然地理学,地球物理学,地質学に関連する項目の用語や説明について,2017年度に使用されている「地理A」「地理B」「科学と人間生活」「地学基礎」「地学」の全ての教科書で比較検討した.その結果,地理教育,地学教育それぞれの中でも,両者の間でも異なる用語が多いことが分かった.また,学術用語と教育用語とに齟齬がある場合もみられた.今後は,現在の科学界の知見を高校教育に反映させて,よりふさわしい用語や説明を検討・採用していく必要がある.
著者
江川 裕人 尾形 哲 山本 雅一 高原 武志 若林 剛 藤山 泰二 高田 泰次 保田 裕子 八木 孝仁 岡島 英明 海道 利実 上本 伸二 伊藤 孝司 吉村 了勇 吉住 朋晴 調 憲 前原 喜彦 阪本 靖介 猪股 裕紀洋 篠田 昌宏 板野 理 北川 雄光 川岸 直樹 石山 宏平 井手 健太郎 大段 秀樹 水野 修吾 伊佐地 秀司 浅岡 忠史 永野 浩昭 梅下 浩司 日髙 匡章 江口 晋 小倉 靖弘
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.062-077, 2015-03-10 (Released:2015-03-31)
参考文献数
12

【Objective】To estimate a standard dosage of rituximab prophylaxis for ABO incompatible living donor liver transplantation (ABO-I LDLT), we retrospectively investigated rituximab dosage, efficacy and safety in 37 patients including 4 children undergoing ABO-I LDLT with rituximab prophylaxis in 15 centers in 2013.【Methods】We analyzed the data collected by questionnaire that were sent to registered surgeons or hepatologists of the Japanese Liver Transplantation Society.【Results】Doses of rituximab in adult patients were 500 mg/body in 16 cases (48%), 375 mg/m2 in 12 cases (36%) and 300 mg/body or 100 mg/body in 5 cases. The number of administration was one in 29 cases (89%). The scheduled timing of initial administration was 2 weeks of operation or earlier in 14 centers (93%), and the median of actual timing was 14 days prior to transplantation. One-year patient survival rate was 82%, and the incidence of antibody-mediated rejection (AMR) was 9%. Patients with a standard regimen consisting of 500 mg/body or 375 mg /m2 rituximab 2 weeks before operation or earlier had significantly better one-year survival rate compared to a non-standard regimen consisting of 100mg/body or 300mg/body rituximab later than 2 weeks (100% vs. 70%, p = 0.009) and a lower incidence of AMR (0% vs. 15%, p=0.074). ABO-I LDLT with rituximab prophylaxis was well tolerated.【Conclusion】The recommended regimen for rituximab prophylaxis is a single dose of 375 mg/m2 body surface area 2 weeks before transplantation or earlier. The dose should be reduced carefully according to patient condition.
著者
鈴木 越治 小松 裕和 頼藤 貴志 山本 英二 土居 弘幸 津田 敏秀
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.786-795, 2009 (Released:2009-10-02)
参考文献数
53
被引用文献数
2 1

A central problem in natural science is identifying general laws of cause and effect. Medical science is devoted to revealing causal relationships in humans. The framework for causal inference applied in epidemiology can contribute substantially to clearly specifying and testing causal hypotheses in many other areas of biomedical research. In this article, we review the importance of defining explicit research hypotheses to make valid causal inferences in medical studies. In the counterfactual model, a causal effect is defined as the contrast between an observed outcome and an outcome that would have been observed in a situation that did not actually happen. The fundamental problem of causal inference should be clear; individual causal effects are not directly observable, and we need to find general causal relationships, using population data. Under an “ideal” randomized trial, the assumption of exchangeability between the exposed and the unexposed groups is met; consequently, population-level causal effects can be estimated. In observational studies, however, there is a greater risk that the assumption of conditional exchangeability may be violated. In summary, in this article, we highlight the following points: (1) individual causal effects cannot be inferred because counterfactual outcomes cannot, by definition, be observed; (2) the distinction between concepts of association and concepts of causation and the basis for the definition of confounding; (3) the importance of elaborating specific research hypotheses in order to evaluate the assumption of conditional exchangeability between the exposed and unexposed groups; (4) the advantages of defining research hypotheses at the population level, including specification of a hypothetical intervention, consistent with the counterfactual model. In addition, we show how understanding the counterfactual model can lay the foundation for correct interpretation of epidemiologic evidence.
著者
塩谷 英司 栗山 節郎 渡辺 幹彦 星田 隆彦 山本 茂樹 石川 大樹 宮岡 英世 阪本 桂造 雨宮 雷太 田中 宏典
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.385-393, 2005-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成させるためには, いかにスノーボード外傷の受傷率, つまり, スノーボーダーにおける“エア (ジャンプ) 外傷”の受傷率を減少させるかが鍵である.
著者
仁藤 二郎 奥田 健次 川上 英輔 岡本 直人 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.187-205, 2021-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
123

応用行動分析学はその黎明期において、精神科臨床の領域においても盛んに研究が行われていた。ところが、その流れは1980年代には行動療法の一部としてみなされるようになり、現在では広義には第3世代とされている認知行動療法(CBT)の中で、行動分析学の原理を取り入れた臨床行動分析として発展を続けている。しかし、CBTあるいは臨床行動分析の効果検証は、実証的に支持された治療(EST)の影響を受けて、主に無作為対照化試験(RCT)などのグループ比較デザインにとどまっており、行動分析学の方法論に基づいた実践研究はほとんど行われていない。本論文では、最初に、①精神科臨床における応用行動分析学の歴史を振り返る。次に、②現在の精神科臨床において薬物療法以外で標準治療とされているCBTについて、その歴史と行動分析学との関係について整理する。そして、③CBTが掲げるエビデンスの特徴と問題点を指摘する。最後に、④精神科臨床において、グループ比較デザインの知見とシングルケースデザインの方法論に基づく実践効果検証それぞれの利点を活かして統合し、応用行動分析学に基づく完成度の高い実践(well-established practices)を目指すことが重要であることを論じる。今後、精神科臨床の領域においても行動分析学の方法論を用いた実践を増加させる仕組みづくりが必要である。
著者
小林 美佳 岸野 光司 秋山 友子 進藤 聖子 大槻 郁子 菅野 直子 藤原 慎一郎 山本 千裕 室井 一男
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.613-618, 2020-08-25 (Released:2020-09-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

生後4カ月未満児のABO血液型検査は,母由来の移行抗体や抗A抗Bの産生が不十分であることから,オモテ検査のみの判定でよいと厚生労働省の「輸血療法の実施に関する指針」に明記されている.しかし,生後4カ月以降のウラ検査については,明確にされていない.今回,当院でABO血液型検査を実施した2010年1月から2017年4月までの約7年間における3歳未満の乳幼児,延べ1,068例のABO血液型検査について解析した.生後1カ月未満児と生後1カ月以上4カ月未満児のABO血液型オモテ検査とウラ検査の一致率(一致率)を比較すると有意差は認められなかった(P=0.638).さらに生後4カ月以上1歳未満の乳児を2カ月毎に一致率を比較検討した.その結果,月齢を重ねるに従い一致率も上昇した.また生後4カ月未満児の一致率(56.6%)と生後4カ月以上1歳未満児の一致率(76.5%)の比較では,有意差(P<0.001)が認められた.さらに,生後1歳以上では約90%の一致率が認められ,以上の結果より乳幼児のオモテ・ウラ検査を用いたABO血液型を確定する時期は,生後1歳以上が適切と考えられる.
著者
安宅 和人 チェン ドミニク 山口 高平 山本 勲
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.865-881, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)

人工知能に関して第一線で活躍している4人をパネリストに招いて,トークセッションを開催した。セッションのテーマは「AIとは何か」「AIによって人間の仕事はどう変化するのか」「これから身に付けたい能力」「若者への提言」などである。パネリストの発言はAIの真実やAIの現状を知り,AIとの付き合い方を考える大きな手がかりとなる。
著者
山本 敏充 斎藤 成也 徳永 勝士 布施 昇男 (長崎 正朗) 河合 洋介 カラセド アンジェル
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

スペインのコリア・デル・リオ市内及び周辺に住んでいる約800名の「ハポン」姓を名乗る人々のうち、DNA解析希望者男性50名、女性51名から血液試料を採取した。スペインでDNA抽出され、匿名化後、日本で、男性DNA試料について、Y染色体上のSTRsのハプロタイプ解析を行った。また、全てのDNA試料について、ジャポニカ・アレイと呼ばれる日本人に特化された約66万個のゲノムワイドなSNPs解析を行った。その結果、日本人に由来すると考えられるY-STRハプロタイプは観察されず、また、ゲノムワイドなSNP解析からも日本人に由来すると考えられる結果が得られなかった。今後、新しい手法による解析が期待される。
著者
吉村 勇哉 藤﨑 孝輔 山本 武範 篠原 康雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.5, pp.581-587, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3 7

Magnesium oxide (MgO) tablets are widely used as laxatives in patients with constipation. Recently, the “Revision of Precautions on the Use of Magnesium Oxide” has been issued by the Japanese Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, warning against the risk of hypermagnesemia with the use of MgO. However, the majority of physicians continue to administer MgO for constipation without adequately considering its safe use. In the present study, we performed two analyses using an identical lot of MgO tablets and evaluated the risk of hypermagnesemia. Approximately 90% of the MgO tablets dissolved within 120 min in dissolution testing; it was believed to form an absorbable state for magnesium. With orally administered MgO, 15% is absorbed in the body and 85% is excreted via the feces without being detected in pharmacokinetic analysis. Magnesium absorbed into the plasma demonstrated peak concentration 3 h after administration and was excreted via the urine within 48 h.
著者
山本 政儀 坂口 綾
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.173-184, 2015-09-25 (Released:2015-12-25)
参考文献数
25

Huge amounts of radionuclides were released into the atmosphere and ocean from the Fuku shima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP), as a result of the reactor accident after the magnitude 9.0 Great East Japan Earthquake and subsequent gigantic tsunami on March 11, 2011. This paper summarizes our research activities on measurements of actinide elements (236U, 238,239,240,241Pu, 241Am and 242,243,244Cm) in the environmental samples.