著者
清水 寛太 山田 義智 古賀 志門 平野 修也
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.265-272, 2021

<p>本研究は高流動コンクリートのスランプフロー試験を対象として、機械学習の一種であるランダムフォレストによりフレッシュ性状(スランプフロー値、500mmフロー到達時間、空気量等)の推定を試みた。ここでの学習は、使用材料、混和剤の成分、調合、練混ぜ条件、経過時間などの特徴量(説明変数)を60項目からスタートして、その重要度を評価した。その結果、重要度の高い10項目の特徴量(説明変数)でフレッシュ性状の各値が推定できることを示した。また、推定したスランプフロー値、500mmフロー到達時間より既往の研究成果を基にレオロジー定数を推定し、目視材料分離判定や数値解析による高流動コンクリートの充填シミュレーションに用いることが期待できる。</p>
著者
野中 潔 目黒 貴史 石田 征男 山田 義智
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.258-264, 2021

<p>本研究では高流動・中流動コンクリートについて、従来目視で行われる材料分離の判定をコンクリートのスランプフローの挙動と関連付け、レオロジー定数である塑性粘度、降伏値および観察状況を説明変数とし、ロジスティック回帰分析により予測する取組みを行った。p値や調整済みオッズ比の指標から全ての説明変数が材料分離判定に影響していると統計的に判定され、得られた回帰モデルで実験データの最大90.7%において材料分離の有無を正しく予測できた。また、目的に応じてより安全側の判定を行うことも可能であった。本研究の結果においては、一般的に中流動コンクリートに分類されるスランプフロー径550mm以下のコンクリートでは材料分離はほぼ起こらないと予測された。</p>
著者
池田 勇 山田 昌彦 栗原 昭夫 西田 光夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.39-45, 1985
被引用文献数
3 58

旧園芸試験場 (現在, 果樹試験場興津支場) における30年間にわたるカキ交雑育種の調査結果をとりまとめ, カキの甘渋の遺伝様式を検討した.<br>1. PCNA同志の交雑からはほとんどPCNAしか生じなかった. PCNAと「PCNA以外」の交雑及び「PCNA以外」同志の交雑からは, PCNAはほとんど生じなかった. これらのことから, PCNAと「PCNA以外」は質的遺伝をし, 前者は後者に対して劣性であると考えられた. PCNAと「PCNA以外」とを交雑して得た後代のPCAをPCNAに戻し交雑した場合には, 15%程度の割合でPCNAを生じた.<br>2. 「PCNA以外」における脱渋性の遺伝は, 育種的にはPVNA, PVA及びPCAの3段階に区分されるしきい形質として, 量的遺伝をするととらえるのが有効であると考えられた. PCA同志の交雑からはPVNAはほとんど生じなかったが, PVNA同志の交雑からはPCAがかなり生じた.<br>3. PCNAとPCAとの交雑において, &lsquo;富有&rsquo;は他のPCNA品種に比べて特異的にPVNAまたはPVAを多く分離した.
著者
野見山 亜沙美 山田 典子
出版者
大阪教育大学附属高等学校池田校舎
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.53, pp.1-8, 2021-03-05

「比較すること」は文学を理解する上で欠かせない過程であり、古典文学に関しても例外ではない。そして古典文学には、かつて実在した人物の登場する作品が数多く存在する。作品が変わればその人物の描かれ方が変化していくことも多く、そこが古典文学の特徴であり、面白さとも言えるであろう。本授業ではそのような「人物像やキャラクターは作者が意図的に操作することができる」という点について、「今までに培った能力を用いて、自ら問題に気付き、自ら解決策を考える」方法を用い、そのために「何が必要であるのか、与えられた選択肢の中から取捨選択する」力を測ろうとした。

1 0 0 0 OA 元禄雛形

著者
山田繁太郎 編
出版者
山田繁太郎
巻号頁・発行日
1905
著者
山田 ひとみ
雑誌
聖学院大学論叢 = The Journal of Seigakuin University (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.第25巻, no.第2号, pp.145-160, 2013-03

GHQ/SCAPにおいて財閥解体を担当した部局ESSが,占領期早々に日本の制限会社に対し財務諸表作成に関する多数の「指示書」を交付したことはよく知られている。しかし,これら「指示書」に先立って,形式および内容が大きく異なる『1946年英文フォーム』の交付が現存資料で確認できた。「日本固有の発展を十分に踏まえたもの」とされてきた「指示書」と分類できるものではなく,「指示文書」という新たな枠組みで資料的整理を行った。このことによって,共通の理解を目指して財務諸表作成が行われてきたESSと制限会社,および日本側会計学者との協議の意味がより明確に資料的に位置付けられた。
著者
池野 友基 山田 章貴 顔 邦男 麻田 達郎
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.130-132, 2015-05-15 (Released:2015-06-19)
参考文献数
8

症例は75歳女性.2年前に経胸壁心エコー図検査で約10 mm大の可動性の左室内腫瘍が認められ手術を勧められていたが拒否し,当科外来通院中だった.1カ月前より目のかすみを訴え,MRIで急性期脳梗塞を指摘され,左室内腫瘍からの塞栓症の疑いで当科紹介となった.左室内腫瘍に対し,経左房アプローチでの腫瘍摘出術を施行した.前乳頭筋に付着する径10 mmの綿毛様の腫瘍を摘出し,病理所見より乳頭状弾性線維腫の確診が得られた.退院後18カ月が経過するが,腫瘍の再発なく良好に経過している.
著者
梅谷 献二 山田 偉雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-24, 1973-03-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
11
被引用文献数
27 28

コナガPlutella xylostella (L.)は日本全国に分布しているが,北日本における越冬の可否については確かめられていない。一方,本種は欧米においては長距離移動昆虫としてよく知られ,日本においても太平洋上の定点観測船上で採集された例がある。このことから,日本の個体群にも移動による他国との交流や,本州から北海道に及ぶような移動が行なわれている可能性を残す。これを確かめるひとつの手段として,札幌,平塚,鹿児島の各地およびインドネシア・ジャワ島Malang地方(Batu村)産の個体群を用い,温度と発育期間の関係について実験し,地理的な分化があるかどうかを調査した。温度と卵から羽化に至る発育速度の回帰から,発育零点を算出した結果,最も高かったのは平塚個体群の9.5°Cで,ジャワ島Malang(8.6°C)がこれにつぎ,鹿児島と札幌の個体群はそれぞれ7.5°C, 7.4°Cと低い値を示した。しかし,1世代の有効積算温量ではこれと全く逆に札幌個体群が313日度と最も多く,鹿児島(294日度),ジャワ島Malang(250日度)がこれにつぎ,平塚個体群の229日度が最も低い値であった。このような発育零点と有効積算温量の間には負の相関関係(r=-0.978**)が認められた。温度-発育速度の回帰について,2地点ずつ共分散分析法によって比較した結果,平塚個体群は札幌および鹿児島のそれに対して,回帰係数(b)が有意に大きいこと,および札幌-Malangの個体群間では回帰直線の高さ(a)において異なっていることがわかったが,その他の組み合わせではいずれも相互の回帰に有意差が認められなかった。したがってコナガの個体群のこれらの生理的特性にわずかながら地理的な分化があるように思われる。しかし,その変動の原因については推論することはできなかった。
著者
山田 隼也 伊藤 雅流 福山 陽子 米田 實
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.48-54, 2021 (Released:2021-04-03)
参考文献数
8

超初期・初期の発育期腰椎分離症患者20例に対して,短期間の運動休止と段階的にスポーツの一部を行なわせるリハビリテーション・競技復帰プロトコールを前向き研究として施行した.結果,全20例のうち17例(85%)は約1.5ヵ月時点にてCT所見で分離部の亀裂進行は認められず,18例(90%)は約3ヵ月(2例:約4ヵ月)時点にて骨癒合傾向を認めた.全対象のうち12例(60%)が初診後約3ヵ月にて運動復帰も可能であった.特に超初期・初期例においては,約1.5ヵ月の時点で癒合傾向であれば短期間の運動休止のみで,早期の競技復帰と骨癒合を目指すことができる可能性がある.
著者
熊谷 崇宏 伊藤 健 西川 滉大 伊東 淳一 山根 和貴 山田 伸明 名和 政道
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.4, pp.313-323, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
41
被引用文献数
2

This study proposes a reduction method for iron loss in stator core using the optimum pulse pattern for a high-speed interior-permanent-magnet-synchronous-motor (IPMSM). In this paper, a simple evaluation function for iron loss of stator core in a pulse-width-modulation (PWM) drive is introduced. In particular, the iron loss in stator core is approximately estimated from the flux level obtained from the integral of the line-to-line voltage of the PWM drive. In addition, the pulse pattern is optimized to reduce the iron loss in stator core based on the introduced evaluation function. To validate the evaluation function, the correlation coefficient between the evaluation value and the measured iron loss is calculated in 12 random pulse patterns applied to the inductor and IPMSM. As a result, the correlation coefficients are 0.991 and 0.982 in the inductor and IPMSM, respectively. In addition, the iron loss of the IPMSM with the optimum pulse pattern is reduced by 8.5% and 3.7% in comparison with a carry-asynchronous PWM and carry-synchronous PWM, respectively.