著者
高岡 宏行
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.163-180, 1976-04-15 (Released:2016-09-05)
被引用文献数
12 10

過去6年間の南西諸島全域におけるブユ相調査の結果, これまで6亜属18種類が認められた。この第1報では, ツノマユブユ亜属に属するS. (E.) uchidai, S. (E.) subcostatum koshikiense, S. (E.) aureohirtum, S. (E.) satsumense, S. (E.) mieおよびS. (E.) morisonoiの6種について報告した。新種および新亜種として記載されたS. (E.) satsumense, ならびS. (E.) subcostatum koshikienseには共に下甑島より見出された。このうちS. (E.) satsumenseはaureumグループの種類として我国より初めて記録された。また, S. (E.) uchiclaiおよびS. (E.) mieの2種は本諸島初記録でおのおの屋久島以北, 沖繩以北域での分布が明らかにされた。
著者
安部(小貫) 有紀子 川嶋 太津夫 山口 和也 南岡 宏樹 妹尾 純子 アベ(オヌキ) ユキコ カワシマ タツオ ヤマグチ カズヤ ミナミオカ ヒロキ セノ ジュンコ Abe(Onuki) Yukiko Kawashima Tastuo Yamaguchi Kazuya Minamioka Hiroki Seno Junko
出版者
大阪大学全学教育推進機構
雑誌
大阪大学高等教育研究 (ISSN:21876002)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.35-42, 2016-03-31

The purpose of this paper is to share information about context trends of student learning outcomes A general education assessment is focus on student learning outcomes. It is affected by demand from the federal government and an area accreditation association. An assessment process is a good opportunity for faculty development itself as discussing student learning and an educational philosophy for faculty members each other. The new trend is making a “Rubric” together as part of an assessment process in recent years. Because a “Rubric” is an one of good tools for creating a visualization of an internal assessment criterion in faculty themselves. and education reform in U.S. higher education. 5 members who are faculty and staffs at Osaka University conducted a field survey at 3 U.S. colleges and an association (Association of AmericanCollege & Universities) in March 9-13 2015. Surveyed 3 colleges (Carnegie Melon University (CMU),James Madison University (JMU), University of Maryland) are selected by variety backgrounds. Thispaper is constituted with focus on interviews with key persons at an association and colleges.The learner-centered philosophy since the mid-1980s leaded education reform powerfully in U.S. higher education. It is trends in provision of subject about “a scholarship in practice” in a general education curriculum. 3 colleges work on a student learning outcomes assessment in curriculums. Central management offices in colleges like an institutional research and development of teaching and learning, support assessment activities in each department and programs. It is called “a liaison model” and “a client model.” A general education assessment is focus on student learning outcomes. It is affected by demand from the federal government and an area accreditation association. An assessment process is a good opportunity for faculty development itself as discussing student learning and an educational philosophy for faculty members each other. The new trend is making a “Rubric” together as part of an assessment process in recent years. Because a “Rubric” is an one of good tools for creating a visualization of an internal assessment criterion in faculty themselves.
著者
曽良岡 宏 足立 正信 本田 国保 田中 浩一
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.1123-1128, 2001-06-08
被引用文献数
4

実大規模で製作したボックスカルバートの2試験体を用いて水平載荷実験を行い,主鉄筋量および内空幅の違いが構造物全体系としての水平耐力および変形性能に及ぼす影響について検討した。その結果,主鉄筋量が多いと水平耐力は大きいが荷重低下時の変形が小さいこと,また,内空幅が広く主鉄筋量が少ない場合は,耐力は小さいが水平荷重が低下するときの変形は大きいこと,さらに鉛直部材のせん断破壊によって頂版の沈下量が増加することなどが分かった。
著者
中村 譲 山形 洋一 高岡 宏行 高橋 正和 OCHOA A. J. Onofre MOLINA Pedro A. 高橋 弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.51-58, 1981
被引用文献数
3

国際協力事業団のグアテマラ共和国におけるオンコセルカ症の研究と防除プロジェクトは1976年から5年計画として開始された。その昆虫学部門は, エスクイントラ県サンビセンテパカヤ郡のパイロット地区の北部を流れるラバデロス川流域において最初のブユ駆除をおこなった。対象種はSimulium ochraceumとし, テメフォス10%固型剤を水量0.5l/secあたり2g投入することを2週ごとに繰り返した。作業は1979年3月下旬より開始され, 同年5月末までの結果につき報告した。同川には支流が21本あり, 支流上流部で水量0.1l/sec以上の流れのすべての水源と, 途中で2倍以上に水量が増加する点とを殺虫剤投入点としたところ, 5月末現在で投入点は57カ所となった。投入薬量は合計242gであった。作業量は2人1組で乾季で1日半であった。殺虫剤投入前に19支流調査して11支流にS. ochraceum幼虫が存在したが, 2回目の殺虫剤投入後には21支流中4支流のみで同種幼虫が見いだされた。幼虫定期観察のための2カ所の定点においては, 10分間採集法でも人工基物(シリコンチューブ)法でも1∿5週後に幼虫はゼロになった。成虫は, 殺虫剤投入2∿4週間前に人囮3時間採集法で286∿403個体採集されたが, 徐々に減少し, 5月かには6個体になった。テメフォス固型剤は, ブユ幼虫に対する高い有効性とともに作製, 保存, 運搬, 投入などの点から野外での実際の散布計画でも有望と思われる。
著者
田ノ岡 宏
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.9-12, 1997 (Released:2010-02-25)
参考文献数
20
著者
福田 昌子 . 佐藤 寛子 Choochote Wej 高岡 宏行
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.121-123, 2004

Gynandromorphism was found in one adult black fly of Simulium asakoae collected while attracted to a human in Thailand. This is the first record of sexual mosaicism of Simuliidae in Thailand.
著者
緒方 一喜 渡辺 登志也 宮本 和代 川口 正将 豊田 耕治 小曽根 努 松岡 宏明 白石 啓吾 森岡 健志 吉岡 照太 鈴木 雅也 千保 聡 美馬 伸治 中村 友三 足立 雅也 芝生 圭吾 池田 文明 玉田 昭男 田中 生男 石原 雅典
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.51-58, 2012-11-25 (Released:2019-04-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2

ヒトスジシマカ成虫に対する殺虫剤による防除実地試験を東京の寺院の庭で2010年の夏に実施した.5%ペルメトリン,10%フェノトリン,7%エトフェンプロックス水性乳剤の50倍希釈液を背負式噴霧機によって50 ml/m2の量で草むら,植木,空地に噴霧した.スイーピング法,ドライアイストラップによる捕集密度の変化,配置した成虫の死亡率から効果を評価した.結果として,ペルメトリンでは約10日間,他の2剤では4~5日間は成虫飛来密度が0近くに減少した.その違いは,処理面積の違いに基づくものであろうと考えた.その後密度は緩やかな回復に向かったが,吸血シーズンの終了に伴い散布前のレベルにまで回復することはなかった.以上の結果から,処理面積を大きくすることで,感染症発生時の緊急的媒介蚊防圧にこの手法は充分に実用的効果があるだろうと結論した.
著者
葛西 礼衣 福井 誠 栁沢 志津子 片岡 宏介
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.173-177, 2022 (Released:2022-08-15)
参考文献数
6

本研究では,1,450 ppmフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング後60分間の唾液中フッ化物イオン濃度の経時測定を行い報告するものである.歯磨剤には市販1,450 ppmフッ化物配合歯磨剤を,そしてこれまで複数の報告があるが,参考として現在広く用いられている950 ppmの市販フッ化物配合歯磨剤による経時測定も行った.ブラッシング直後の洗口については,行わない場合ともしくは25 mLによる超純水による洗口を行う場合とした.ブラッシング直前およびブラッシング直後,5分,10分,15 分,30分,60分後の計7回の安静時唾液を4分間採取し,唾液中に含まれるフッ化物イオン濃度を測定した.1,450 ppmフッ化物配合歯磨剤では,洗口なしの場合,ブラッシング直前の唾液中フッ化物イオン濃度と比較してブラッシング10分後までは有意に高いフッ化物イオン濃度が認められた.また,洗口ありの場合,ブラッシング直後にのみ有意に高いフッ化物イオン濃度が認められた.また1,450 ppmと950 ppmフッ化物配合歯磨剤の比較では,洗口なしの場合,ブラッシング直後の唾液にのみ950 ppmフッ化物配合歯磨剤よりも1,450 ppmフッ化物配合歯磨剤が有意に高い唾液中フッ化物イオン濃度を認め,ブラッシング5分以後は有意な差は認められなかった.
著者
片岡 宏介 吉松 英樹 栁沢 志津子 三宅 達郎
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.13-20, 2023 (Released:2023-02-15)
参考文献数
23

ヒト成人の皮膚総面積の200倍以上を占める粘膜の表層では,常に細菌やウイルスといったさまざまな病原体が体内への侵入を試みている.それに贖う手段として,非特異的防御バリア(自然免疫機構)と特異的防御バリア(獲得免疫機構)が粘膜部では作働している.粘膜ワクチンは,病原体の侵入門戸である粘膜面に病原体由来の抗原と免疫賦活化剤(アジュバント)を直接投与することにより,自然免疫機構を効率良く誘導し,異的防御バリアの主体となる抗原特異的分泌型IgA抗体を産生することを可能とする. われわれはこれまで,加齢の影響を受けにくい鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)の樹状細胞をターゲットに,サイトカインFlt3 ligand発現DNAプラスミドとCpGオリゴデオキシヌクレオチドを併用した経鼻ダブルDNAアジュバント(dDA)システムの構築を行い,高齢者にも応用可能な粘膜ワクチンの開発を目指してきた. 本稿では,経鼻dDAシステムが抗老化作用を有すること,また感染症のみならずNCDs発症を防ぐ経鼻ワクチンへの応用の可能性について,われわれの最新の知見を紹介する.近い将来,本粘膜ワクチンが,感染症だけでなくNCDsをも制御することで,わが国の「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」という国家課題の克服と,世界的に進行する超高齢社会における高齢者のQOL向上に寄与できるツールとなり,口腔保健医療サービスの充実に貢献できればと考える.
著者
松浦 直毅 戸田 美佳子 安岡 宏和
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.100, pp.29-33, 2021-12-31 (Released:2022-12-31)
参考文献数
16

アフリカにおける生物多様性保全の歴史は19世紀後半にまでさかのぼり,時代ごとの社会背景や国際情勢を反映して理念や方法が変化してきた。近代以降のアフリカは保全という問題とつねに対峙してきたといえ,生物多様性保全というテーマは,現代のアフリカが直面している課題を分析し,将来を展望するうえで不可欠であるといえる。そこで本稿では,要塞型保全から住民参加型保全,そして新自由主義的保全という保全パラダイムの変遷についてまとめるとともに,保全政策の名のもとでおこなわれる土地収奪や地域住民への暴力行為などの保全をめぐる現代的問題について述べる。アフリカの保全政策がかかえる課題として,地域住民の生活や文化が軽視され,政府や国際機関が主導するトップダウン型の構造が維持されてきたことが挙げられる。この課題を解決し,効果的な保全活動を進めるためには,「順応的管理」の理念にもとづき,「参加型モニタリング」の手法による自然資源管理の体制を構築することが重要であり,現場に根ざした地域社会の深い理解とその実践への応用を特徴とする日本のアフリカ研究が果たす役割は大きいといえる。
著者
白川 洋一 前川 聡一 西山 隆 岡 宏保 馬越 健介 菊地 聡 大坪 里織
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.8, pp.288-296, 2004-08-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
2

病院常駐型ドクターヘリが全国7箇所に配備されたが,多くの地域は消防防災ヘリコプターを救急搬送に兼用している。しかし,防災ヘリを用いるピックアップ型ドクターヘリには運用上の問題点が多い。その解決策を模索するため,愛媛県の山間部を管轄する一消防本部(上浮穴消防本部)を対象に,ピックアップ型ドクターヘリの需要および運用条件を詳細に調査した。調査地域(人口15,849名)における2年間(2000~2001年)の搬送1,249件のうち,CPAを除く昼間帯の重症者229例(1年間1万人当り72.2例)を潜在的ヘリ適応とした。域内を44地区に分割し,各地区ごとに事案発生から松山市の高次病院までの陸上搬送時間(走行時間の合計)と,ピックアップ型ドクターヘリによる搬送の推定所要時間を比較した。そのさい,防災ヘリの遅い出足を考慮して,現地消防がヘリ出動を要請するタイミングを(1)覚知時点,(2)救急隊の現着時点,(3)地元医療機関への収容時点の三つと仮定し,それぞれにつき,各地区ごとに最適化された経路を設定した。ヘリ適応例のうち,陸上搬送とヘリ搬送の時間差が20分以上40分未満は,覚知時要請で17.0例(1年間1万人当り,以下同じ),現着時要請で6.3例あった。40分以上は,覚知時要請で9.5例,現着時要請で0.9例あった。地元医療機関収容後にヘリ出動を要請すると,陸上搬送より長くかかる場合が多かった。病院到着までの時間短縮だけが医師の搭乗した救急ヘリ搬送の利点ではないが,その効果を期待できなければ,防災ヘリをピックアップ型ドクターヘリとして利用する動機は弱まる。その解決策は早い要請(119番覚知時にヘリの準備を要請する第一報を送り,現場に到着した救急救命士が患者観察後に続報する)であり,メディカルコントロール体制を基盤にして,簡明なヘリ要請ガイドラインなどシステム整備が不可欠である。

1 0 0 0 OA 土を固める

著者
後藤 年芳 片岡 宏治
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.52-62, 1990-08-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

各種建設工事における軟弱地盤対策や環境浄化工事において, 軟弱土や泥土を固化する技術は, 重要な位置を占めるようになってきている。このため, セメント系固化材および石灰系固化材は, 従来からのセメントや石灰とともに各種の固化工事に広く用いられるようになってきている。本稿では, 現在市販されているセメント系固化材の種類とその特性ならびに固化処理土の性質について概説した。また, 地盤改良工法すなわち浅層混合処理工法, 深層混合処理工法, 泥土処理工法, 注入工法について解説的に示した。さらに, 地盤改良分野における材料や工法に関するニーズや最近の改良工法の開発動向についても述べた。