著者
岡 亨
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1337-1341, 2020-12-15 (Released:2021-12-31)
参考文献数
12
著者
秋山 豊和 寺西 裕一 岡村 真吾 坂根 栄作 長谷川 剛 馬場 健一 中野 博隆 下條 真司 長岡 亨 アキヤマ トヨカズ テラニシ ユウイチ オカムラ シンゴ サカネ エイサク ハセガワ ゴウ ババ ケンイチ ナカノ ヒロタカ シモジョウ シンジ ナガオカ トオル Akiyama Toyokazu Teranishi Yuuichi Okamura Shingo Sakane Eisaku Hasegawa Go Baba Ken-ichi Nakano Hirotaka Shimojo Shinji Nagaoka Toru
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1249-1264, 2008-03-15

大阪大学では,高いセキュリティレベルと標準的なインタフェースを兼ね備えた認証技術として注目されている公開鍵基盤(PKI: Public Key Infrastructure)に基づく全学IT 認証基盤を導入した.本学で導入した全学IT 認証基盤システムでは,署名・暗号化,学内認証,グリッドシステム認証,という異なるポリシに対応する複数のCA を導入・共存させている.これら複数のCA 向けの証明書発行を自動化することにより,安全性と利便性を両立した証明書発行サービスを実現している.また,PKI に対応したシングルサインオン(SSO)機能を導入し,学内ユーザが各システム間で統一的なインタフェースにより認証を行えるようにした.アプリケーションWeb サーバに認証機能を組み込むエージェント型のSSO 機能の導入により,1 度アプリケーションをSSO 対応させてしまえば,アプリケーションを変更することなくシームレスにパスワード認証からPKI 認証へ移行・共存することが可能となった.さらに,ユーザID 体系として,公開用に変更を許容するユーザID と,システム間連携用に1 人に1 つ決まる不変のユーザID とを設け,それらの対応付けを内部的に行うことにより,安全性・柔軟性ある運用を可能とした.本稿では,本認証基盤の設計と実装について述べるとともに,システムの導入により得られた技術的ノウハウや今後の展開についても述べる. # In Osaka University, a campus-wide IT authentication infrastructure based on Public Key Infrastructure (PKI), which is regarded as a technology providing high security and standard interface to many applications, has been adopted. In this authentication infrastructure, multiple CAs for the different purposes such as signing and encryption, intra-campus authentication and grid system authentication coexist. To realize security and convenience, we developed an online certificate issuance service for those multiple CAs. We also introduced PKI enabled Single Sign-On (SSO) system to provide unified authentication interface. Since the SSO system supports ‘SSO agent’, which provides SSO functionality for web applications by installing a web server module, it is possible to migrate from password authentication to PKI authentication without modifying applications. Furthermore, we established secure and flexible identity management by separating changeable, public user ID and static, internal system ID. Internal system ID is used for managing and federating user profiles among the systems. The mapping between those two IDs is done by the SSO system. In this paper, we describe design and implementation of our authentication infrastructure, know-how of system establishment and future works.
著者
新田 祐子 鈴木 竜太 野宮 博子 井上 麻美 萩原 良治 岡 亨治 武田 利兵衛 中村 博彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.E0723, 2008

【はじめに】脳卒中片麻痺患者において、より高位の移動手段を獲得することは、QOL拡大に必要不可欠である。しかし、立位や歩行時に足趾の筋緊張が亢進し屈曲変形をおこす患者も少なくない。これにより、足尖部への荷重が生じ疼痛が誘発され、歩行時の疼痛や歩行能力を低下させる要因になっていると考えられる。この屈曲変形の抑制により、裸足歩行で趾腹接地となり疼痛抑制し、足趾の正常なアライメントに整えることで安定性が増し、歩行能力拡大へつながるのではないかと考えた。claw toe を呈している脳卒中患者に、前足部のみの足趾伸展・外転装具(以下、簡易装具)を作製・使用することで、良好な結果を得られた。今回抄録では一症例を示す。<BR>【症例A】左被殻出血の30代女性、趣味は温泉や旅行。Br.stageは上肢・手指2、下肢3、表在・深部覚共に重度鈍麻。裸足歩行時、遊脚期にてclaw toe(MAS:3)、内反尖足出現し、足尖外側接地となる。自重ではclaw toe抑制困難であり、足尖部に疼痛出現。移動はプラスチック製AFOを使用し、屋内T-cane歩行自立、屋外は車椅子併用。ADLは入浴・階段以外自立レベル。<BR>【装具検討】裸足での長距離・長時間歩行は、claw toeにより生じる足尖部痛のため困難であった。歩行速度向上には背屈を可能にし、歩幅増大を図ることが必要であった。また、本人の希望もあり、より軽量かつ簡易的で温泉で使用可能な装具を検討した。これらを考慮し、市販の足趾パッドを使用し片手で着脱可能な簡易装具を作成した。<BR>【結果】簡易装具装着により立脚期のclaw toeが抑制され、前足部での接地へと変化し疼痛が軽減した。また、前足部接地になったことで自重により内反も抑制されやすくなった。10m歩行では、簡易装具は裸足よりも歩行速度と重複歩距離で増加が見られた。退院後、簡易装具使用によりclaw toeが減弱し疼痛は消失。歩行のしやすさなどの主観的変化も大きく改善し、趣味であった温泉にも足を運ぶことができたようで、QOL向上につながった。現在では装具使用せず歩行している。<BR>【考察・まとめ】足趾の運動時筋緊張が高く足趾変形が出現する脳卒中片麻痺患者に、簡易装具を使用したことで、足趾の伸展・外転筋を持続的に伸張することとなり、痙性抑制効果が得られ、claw toeも抑制されたと考えられる。また、足趾を伸展位に固定したことで、疼痛が軽減され、足趾の接地・荷重が簡易装具を介して可能となった。これにより、足底の支持面積が増加し足趾のアライメントが矯正されたと考えられる。その結果、歩行速度の向上がみられ、主観的変化も大きく改善し、退院後自宅内で日常的に使用し、裸足に近い状況での歩行が獲得されたと考えられる。このような症例では、歩行能力・QOL向上に有用と考えられる。今後、症例数を重ね有用性・妥当性の検討を行いたい。<BR>
著者
谷口 匡史 建内 宏重 竹岡 亨 小栢 進也 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A3O2007, 2010

【目的】<BR> Masai Barefoot Technology (以下MBT)靴は、ティルティングエッジと呼ばれる丸みを帯びたアーチ状の靴底になっている不安定靴である。MBT靴は、一般に店頭で販売されており、ヨーロッパでは医療器具としての認可を受けてリハビリテーションにも応用されている。MBT靴はティルティングエッジが第五中足骨茎状突起を支点として前方への回転運動を起こしやすくする構造になっており、前足部への重心移動を行いやすくなるため効率良く歩行できるとされている。MBTに関する先行研究では、関節角度や筋活動に関する報告はいくつか見受けられるが、運動力学的指標である床反力からMBT靴の歩行分析を行ったものは見当たらない。そこで、本研究の目的は、MBT靴および通常靴の歩行解析を行い、MBT靴を使用することによる歩行動態を明らかにすることである。<BR><BR>【方法】<BR> 対象は、下肢に疾患を有さない健常成人男性14名(平均年齢25.6±5.1歳、身長171.6±6.0cm、体重62.4±6.6kg)とした。歩行は、MBT靴での自然歩行および通常靴での自然歩行・遅い歩行とし、それぞれ5試行測定した。MBT靴を着用して適切に歩行を行うために、本研究ではビデオによる説明と熟練者による指導を測定前に30分間実施した。ビデオおよび熟練者による指導の内容は、ティルティングエッジへ荷重した立位保持、前後左右への体重移動、歩行練習とした。歩行解析には、三次元動作解析装置VICON NEXUS(VICON社製;サンプリング周波数200Hz)と床反力計(Kisler社製;サンプリング周波数1000Hz)を使用し、マーカーはPlug in gait full bodyモデルに準じて貼付した。床反力は歩行速度の影響を受けるため、各対象者のMBT靴での歩行速度に応じて通常靴の自然歩行か遅い歩行かのどちらかを選択して解析に用いた。解析では、床反力を立脚期前半・後半の2相に分け、矢状面における前後・垂直成分の最大値を求めた。歩行速度、ケーデンス、ストライド長、立脚時間の他に、矢状面における下肢関節角度の最大値および上下方向への身体重心(COM)移動量を算出した。また、MBT靴と通常靴の各変数の違いを対応のあるt検定を用いて分析した。なお、有意水準は5%とした。<BR><BR>【説明と同意】<BR> 本研究は、倫理委員会の承認を得て実施した。対象者には本研究の目的を十分に説明したうえ、書面にて同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR> 歩行速度はMBT靴:1.07m/秒、通常靴1.15m/秒、ケーデンスはMBT靴:104.9歩/分、通常靴:105.8歩/分、ストライド長はMBT靴:1.23m、通常靴:1.29m、立脚時間はMBT靴:61.3%、通常靴:62.2%であり、変数は両条件に有意な差はなかった。MBT靴は通常靴に比べて、荷重応答期(LR)では有意に膝関節屈曲角度が増加(MBT靴:5.3°,通常:1.0°)、床反力は前後成分が減少した。立脚終期(TSt)では、有意に股関節伸展角度が減少(MBT:12.0°,通常:14.6°)し、足関節では背屈角度が増加(MBT:21.5°,通常:11.9°)した。遊脚前期(PSw)では、有意に足関節底屈角度(MBT:8.2°,通常:17.6°)および床反力垂直成分は減少した。また、歩行周期中の上下方向へのCOM移動量は、両条件間に差はみられなかった。<BR><BR>【考察】<BR> MBT靴を使用することで、LRでは通常靴よりも膝関節屈曲角度が増加、床反力前後成分が減少し、TStからPSwにかけて蹴り出し時の股関節伸展角度が減少、床反力垂直成分が減少した。MBT靴での歩行では通常靴での歩行に比べて、LRやPSwでの床反力が減少しているにもかかわらず歩行速度は明らかな低下を認めなかったことから、MBT靴は減速や加速を抑制しながら歩行中の重心の前方移動を達成することができていると考えられる。MBT靴ではティルティングエッジの頂点にある最も柔軟性に富んだ部分で接地することにより接地時の緩衝作用を高め、ティルティングエッジ特有の丸みがフォアフットロッカー機能を補助することで強く蹴り出さなくても推進力を得ることができたと推測される。MBT靴を正確に使用することで、接地時のブレーキ作用および離地時の蹴り出し作用を抑制できたことから、立脚期と遊脚期との運動方向の切り替え時に生じるエネルギー変換を効率良く行いながら歩行していることが示唆された。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> MBT靴の歩行特性として、接地時の緩衝作用が高く、離地時には推進力を得やすいことが明らかとなり、歩行効率の悪い患者に対して適応できる可能性が示されたことは、MBT靴のリハビリテーションへの応用を促進する一助となる。
著者
森貞 好昭 藤井 英俊 長岡 亨 福角 真男
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.76, 2007

摩擦攪拌プロセスを用いて、A5083中へフラーレンを均一分散させることに成功した。フラーレンの分散状況から母材の塑性流動現象を検討し、ショルダの回転によって生じる流れが部分複合化に重要であることが明らかとなった。摩擦攪拌接合の攪拌部で観察される"オニオンリング"も同様の塑性流動で形成されるものと考えられる。
著者
佐々 友章 西岡 亨 舞原 文女 本多 泰揮 山根 雅之 森田 修 西山 直宏
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第42回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-208, 2015 (Released:2015-08-03)

国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)に沿って化学物質を適正に管理するためには、化学物質の有害性と暴露を定量的に評価し、ヒト健康と環境影響に関するリスクを科学的に解析することが重要である。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)は、衣料用洗剤に配合される陰イオン性界面活性剤である。LASは近年、化審法優先評価化学物質に指定されたほか、環境省の水生生物保全環境基準に追加されたことにより、その河川水中濃度や環境影響への関心が高くなっている。一般に、河川などに存在する化学物質の実態把握はモニタリング調査により行われるが、環境濃度推定モデルを用いることでより広範囲かつ短時間に環境濃度を把握することが出来る。今回演者らは、(独)産業技術総合研究所が開発した水系暴露解析モデル AIST-SHANEL (以下、SHANEL) を用いてLASの河川水中濃度を日本国内全ての一級河川109水系を対象に推定した。SHANEL によって得られた推定値とモニタリング値はFactor 10(10分の1から10倍の範囲)で良好に一致することを確認した。一致性の低かったごく一部の地点については、同一地点における継続的な環境濃度の推移や汚水処理施設の普及状況などから要因を調査した。その結果、得られたLASの推定値は、水生生物に対する予測無影響濃度や環境省が定めた水生生物保全環境基準値を下回ることが明らかとなった。暴露実態の解析手法および解析結果に基づくヒト健康および環境リスクアセスメントについて議論する。
著者
鍋谷 圭宏 永田 松夫 齋藤 洋茂 滝口 伸浩 池田 篤 貝沼 修 早田 浩明 趙 明浩 外岡 亨 有光 秀仁 栁橋 浩男 河津 絢子 實方 由美 掛巣 孝則 羽田 真理子 福原 麻后 近藤 忠 佐々木 良枝 前田 恵理 吉澤 直樹 内山 友貴 上野 浩明 高橋 直樹 山本 宏
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1299-1305, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2

食道がん外科治療は「高リスク患者に対する高度侵襲手術」であり、特に高齢者では、日本外科代謝栄養学会ESSENSEプロジェクトの基本理念である「侵襲反応の軽減」、「身体活動の早期自立」、「栄養摂取の早期自立」、「周術期不安軽減と回復意欲の励起」を心掛けた手技と管理が必要である。近年、高齢食道がん患者に対する根治切除術も低侵襲化され、「身体に優しい」治療になりつつある。しかし、70歳以上の高齢者では、術後合併症が多い傾向で、食事開始後退院まで時間を要し、経腸栄養継続の意義が高いことが示唆された。高齢者では、oncological(がん治療としての有効性を踏まえた手術選択)、physical(肉体的)、mental(精神的)、social(社会的)な援助が適切に行われ、全人的支援があってこそ、「心にも優しい」術後早期回復が可能になると思われる。そのためには、NST・精神科医や医療ソーシャルワーカーなどを含めた多職種連携が必須である。
著者
岩崎 雄一 本田 大士 西岡 亨 石川 百合子 山根 雅之
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.201-206, 2019 (Released:2019-09-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

水生生物保全を目的とした水質環境基準が設定された直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 (LAS) の濃度が高い河川地点の特徴を評価するために, 2015年度の水質測定結果を用いて, LAS濃度が0.02 mg L-1 (淡水域の水質環境基準の最小値) を超過する河川地点 (LAS高濃度地点群) とLAS濃度が0.02 mg L-1以下の地点において, ①水面幅 (河川規模の指標) , ②周辺の土地利用, ③有機汚濁 (生物化学的酸素要求量:BOD) の程度を比較した。その結果, LAS高濃度地点群は, ①水面幅の変化が少なく小規模の河川, ②周辺に森林や農地が少なく, 住宅地や市街地が密集している都市域, ③BODが高く有機汚濁が進行した河川, に割合として多くみられることが示唆された。着目する化学物質について高濃度地点の特徴を把握することは, 水生生物の保全効果という観点から管理方策を検討する上で有用な判断材料となるだろう。
著者
永井 宏達 市橋 則明 山田 実 竹岡 亨 井上 拓也 太田 恵 小栢 進也 佐久間 香 塚越 累 福元 喜啓 立松 典篤 今野 亜希子 池添 冬芽 坪山 直生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E2S2007, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】加齢に伴い、筋力、バランス機能、柔軟性、敏捷性といった運動機能の低下がみられ、特に、バランス機能は加齢による低下が顕著であるとされている.近年、高齢者に対するバランストレーニング効果に関する報告が散見されるが、ゆっくりとした動きでのバランストレーニングと素早い動きでのバランストレーニングのどちらの動作速度でのバランストレーニングが効果的であるかは明らかではない.そこで本研究は、施設入所高齢者に対して素早い動きのバランストレーニング(RBT)と、ゆっくりとした動きのバランストレーニング(SBT)の二種類を実施し、その効果の違いを明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象はケアハウスに入所している高齢者41名(男性5名、女性36名、平均年齢:81.9±6.8歳)とし、RBT群(17名:80.8±7.0歳)とSBT群(24名:82.5±6.7歳)に対象者を分類した.なお、対象者には研究についての説明を行い、同意を得た.バランストレーニングとして、片脚立位、前方・左右へのステップ動作、椅子からの立ち上がりなどからなる20分程度の運動プログラムを週2回、8週間実施した.これらのトレーニングを、RBT群には、バランスを保ちながらできるだけ素早く特定の姿勢をとらせ、その後姿勢を保持するようにし、SBT群にはゆっくりとした動きで特定の姿勢まで移行させるように指導した.なお、2群のそれぞれの運動回数および運動時間は統一した.バランス能力の評価として、開眼・閉眼片脚立位保持時間、立位ステッピングテスト(5秒間での最大ステップ回数)、静止立位時の重心動揺面積(RMS)、前後・左右方向の最大随意重心移動距離をトレーニング前後に測定した.2群間のトレーニング効果を比較するために、反復測定二元配置分散分析を行った.【結果と考察】2群間のベースラインのバランス機能に有意差はみられなかった.二元配置分散分析の結果より、トレーニング前後で主効果がみられたバランス項目は、立位ステッピングテストであった(p<.05).このことから、立位でのステップ動作は、バランストレーニングを行う動作速度にかかわらず改善することが明らかになった.また、前後方向の最大随意重心移動距離に交互作用がみられたため (p<.05)、RBT群、SBT群それそれで対応のあるt検定を行った結果、RBT群においてはトレーニング後に前後方向の最大随意重心移動距離の有意な改善がみられたが(p<.05)、SBT群では変化がみられなかった.本研究の結果より、施設入所高齢者においては、素早い動きを伴うようなバランストレーニングを行う方がより多くのバランス機能を改善させる可能性が示唆された.【結語】施設入所高齢者におけるバランス機能向上には、素早い動きのトレーニングが有用である可能性が示唆された.
著者
森岡 亨
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.95-97, 2005

肥満患者の神経ブロックにはしばしば難渋する. 38歳男性 (168cm, 124kg), および幼児期のポリオ後遺症で腰下肢の運動障害, 萎縮, 躯幹の肥満の51歳男性 (身長測定不能, 体重75kg) に, 脊髄麻酔下の痔疾手術が企図された. 前者では高度の肥満のために腰椎棘状突起や腸骨稜を触れず, 後者では胸郭変形, 脊柱の側膏と長軸方向捻転, 骨盤の非対称性のため, くも膜下穿刺ができなかった. 両者とも腎部の肥満のために仙尾骨も触れなかったが, 肛門内指診では, 仙尾骨前面には余分の脂肪組織がなく, 直腸内から仙尾骨の輪郭を容易に確認できた. 肛門内外からの双手診により得た立体感覚を基礎に, 体表からの仙骨硬膜外麻酔による適確な神経ブロック効果が得られ, 手術が可能になった. 仙骨硬膜外麻酔の安全性の向上や適応拡大のために, 肛門内指診の機会をみつけ, 仙尾部の解剖学的関係を直腸側からも体感しておくことを, ペインクリニシャンや麻酔科医に勧めたい.
著者
長岡 亨 木元 慶久 武内 孝 森貞 好昭 藤井 英俊
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.154-155, 2016

WC-12%Co超硬合金板材にS45C板材を重ね合わせ、S45C側からツールを圧入して摩擦攪拌接合を行った。断面観察の結果、接合界面において超硬合金の塑性変形は認められなかった。せん断試験の結果、WC-Co超硬合金と炭素鋼のろう付継手と同等以上の接合強度が得られることが分かった。
著者
秋山 豊和 寺西 裕一 岡村 真吾 坂根 栄作 長谷川 剛 馬場 健一 中野 博隆 下條 真司 長岡 亨
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1249-1264, 2008-03-15

大阪大学では,高いセキュリティレベルと標準的なインタフェースを兼ね備えた認証技術として注目されている公開鍵基盤(PKI: Public Key Infrastructure)に基づく全学IT 認証基盤を導入した.本学で導入した全学IT 認証基盤システムでは,署名・暗号化,学内認証,グリッドシステム認証,という異なるポリシに対応する複数のCA を導入・共存させている.これら複数のCA 向けの証明書発行を自動化することにより,安全性と利便性を両立した証明書発行サービスを実現している.また,PKI に対応したシングルサインオン(SSO)機能を導入し,学内ユーザが各システム間で統一的なインタフェースにより認証を行えるようにした.アプリケーションWeb サーバに認証機能を組み込むエージェント型のSSO 機能の導入により,1 度アプリケーションをSSO 対応させてしまえば,アプリケーションを変更することなくシームレスにパスワード認証からPKI 認証へ移行・共存することが可能となった.さらに,ユーザID 体系として,公開用に変更を許容するユーザID と,システム間連携用に1 人に1 つ決まる不変のユーザID とを設け,それらの対応付けを内部的に行うことにより,安全性・柔軟性ある運用を可能とした.本稿では,本認証基盤の設計と実装について述べるとともに,システムの導入により得られた技術的ノウハウや今後の展開についても述べる.

1 0 0 0 自動券売機

著者
岡 亨
出版者
The Japan Society for Precision Engineering
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.115-117, 1984

自動券売機は硬貨と紙幣を受け入れ,切符と釣り銭を放出する自動機である.最近の自動券売機は,座席指定券や特急券から近距離券まで広範囲の切符を扱い,また構成機器,制御方式は機械技術エレクトロニクス技術の主要な進展を反映し,ソフトマシン化された複合化技術の産物になっていると言える.<BR>本稿では自動券売機を構成する技術の中から印刷発券機構の推移を述べる.
著者
飯倉 道雄 吉岡 亨 樺澤 康夫
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

昨今、携帯電話などのモバイル機器が広く普及している。携帯電話にはメールの機能があり、携帯電話型の文字入力装置で文章を書くのが巧みな携帯電話ユーザも多い。そこで、コンピュータへの文字入力装置として、携帯電話型文字入力装置の利用の可能性について調査し、携帯電話型文字入力装置の文字入力練習システムを開発した。コンピュータへの携帯電話型文字入力装置の適用性について検討したので報告する。
著者
小林 健一 飯倉 道雄 吉岡 亨 伊原 柾治郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.500-501, 1997-09-24

コンピュータが一般家庭に普及するにしたがって、デジダル・データを利用した教材も広く利用されるようになってきた。しかし、現在普及しているマルチメディア教材は、そのほとんどが、CD-ROM等のスタンドアローンでの使用を前提とした媒体に記録されている。そこで現在、コンピュータ・ネットワークを利用して教材を管理、提供する方法についての研究がさかんに行われている。本研究では、コンピュータ・ネットワーク上でマルチメディア教材を管理し、利用するための方法について検討する。