著者
松井 潤 髙野 知行 龍神 布紀子 安齋 祐子 吉岡 誠一郎 竹内 義博 後藤 雄一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.363-366, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
13

Leigh症候群を発症後に, mitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis and stroke-like episodes (MELAS) を合併し, ミトコンドリア遺伝子の10191 T>C変異が同定された1例を経験した. 症例は26歳女性. 11歳時に外斜視で発症し, juvenile Leigh症候群と診断された. 26歳時に頭部MRIで血管領域に合致しない梗塞像が多発し, MELASを合併したと診断された. 文献考察からMELAS/Leigh overlap症候群の臨床像は発症年齢, 症状, 予後の点でLeigh症候群とは明確に異なる点が推測された. Overlap症候群の表現型の多様性はヘテロプラスミーを含めた多面的な遺伝要因の関与が推定された.
著者
金光 高雄 八尾 建史 宮岡 正喜 小島 俊樹 中馬 健太 長谷川 梨乃 池園 剛 大津 健聖 小野 陽一郎 植木 敏晴 太田 敦子 田邉 寛 原岡 誠司 岩下 明德
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.215-220, 2019-02-25

要旨●乳頭腺癌は管状腺癌と比べ,病理学的に生物学的悪性度が高いと報告されている.しかし,従来の通常内視鏡観察では乳頭腺癌を診断することは不可能であった.筆者らは,拡大内視鏡観察において円形の腺窩辺縁上皮で囲まれた円形の窩間部上皮下の間質に血管が存在する特徴的な所見を“vessels within epithelial circle(VEC)pattern”と呼称し,乳頭状の分化腺癌に特徴的な所見であると報告した.以前筆者らの報告した症例対照研究より,術前に分化型癌と診断された早期癌において,NBI併用拡大内視鏡により視覚化されるVEC patternが組織学的乳頭状構造を診断するうえで有用であったと報告した.さらに,VEC pattern陽性の早期胃癌の約1/4の病変に未分化型癌の混在や粘膜下層浸潤を認め,VEC patternが術前に癌の高い悪性度を予測するうえで有用なマーカーとなる可能性が考えられた.
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016 (Released:2016-12-15)

さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9g/100gだった。摂取開始前1週間を対照期とし,その後1週間単位で紅天使を1日300g,0g,100gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片(37cm3)と糞便を見比べ便量を目測した。その結果,対照期には1.8±0.2(個分/1日平均)だった排便量が,300gの紅天使摂取により約1.6倍に,100g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが,膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し,腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果,紅天使摂取により酪酸産生菌として知られるFaecalibacterium属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。
著者
吉村 寿人 山岡 誠一 平松 戊辰 森島 正彦 蜂須賀 弘久 吉岡 利治 池田 嘉代 立石 睦子 田中 典子 斎藤 晋哉 服部 加代子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.230-236, 1961-09-30 (Released:2010-11-29)
参考文献数
14

In order to study the preventive and therapeutic effect of the amino acids administration for the sports-anemia caused by excessive sports trainings, the exercising albino-rats and sports-players in training were administered with amino-acids, and its effect on their blood composition was examined.The results obtained were as follows:When the albino-rats were forced to keep running for 14 days the“sports-anemia” appeared; progress of this anemia could be inhibited by the administration of threonine or its ferrous salt.Sports-players taking hard training can be prevented or recovered from the anemia by the long-period administration of composite amino-acids or threonine ferrous salt.
著者
山本 淳二 花岡 誠之 矢野 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.146, pp.19-24, 2007-07-12
被引用文献数
1

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では,基礎実験システムにIP-TV電話を接続し,コグニティブ無線システムの基礎通信システムの通信特性の測定結果を示す.測定の結果,無線LANは通信悪化時に各種測定値の変動が大きいが,通信状態の復帰時に測定値の復帰が早く,WiMAXは802.16-2004と802.16eのどちらも通信悪化時の変動が小さい代わりに測定値の復帰に時間が掛かることが判った.
著者
砂岡 誠一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.946, pp.159-162, 1998-06-22

5月16日、私は自身で興したコイル製造用自動巻き線機メーカー、日特エンジニアリングの社長を解任されました。その日、緊急役員会が招集され、埼玉県浦和市にある本社の会議室に私を含めた役員7人が集まりました。議長である私に向かって、1人の取締役が「社長の解任動議」と声を上げた。同時に、私をのぞく6人の役員が「賛成」と声を揃えたのです。
著者
朝岡 誠 林 正治 藤原 一毅 岩井 紀子 船守 美穂 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.168-175, 2020-05-23 (Released:2020-06-26)
参考文献数
18

研究データの再利用を促進するためには,単純な公開だけではなく,条件付き公開(制限公開)に対するニーズを満たしたシステム基盤の整備が不可欠である.本研究では,制限公開データを提供している機関のワークフローを調査し,研究データを提供するフローの類型化を行った.さらに,汎用的なリポジトリシステムWEKO にその機能を実装し,JGSS 研究センターの制限公開ワークフローをシミュレートすることでその運用を検討した.
著者
角田 博明 仙北谷 由美 松岡 誠一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-17, 2002 (Released:2002-10-23)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

宇宙利用の活発化に伴い,宇宙で大きな構造物を構築する必要性が高くなってきている.宇宙インフレータブル構造は,複雑な展開機構やアクチュエータを使わず,大形な宇宙構造が構築できるため,近年注目を集めている.宇宙で展開したインフレータブル構造は,展開後に硬化させることにより,スペースデブリやメテオロイドによる損傷を防ぐことができる.インフレータブル構造の硬化層には,硬化前の状態で膜面の柔軟性を有し,常温で長期間の保管に耐えることが要求される.本論文では,繊維状に加工した熱可塑樹脂と強化繊維を使って織った織物を硬化層に使用した冷却硬化型インフレータブル構造を提案する.試験片を用いた実験から,樹脂の含浸に必要な温度と圧力を明らかにする.また,円筒状のインフレータブル構造を製作し,硬化実験を行った結果から硬化後に所定の構造物が得られることを示す.また,その供試体から切り出した試験片を分析し,樹脂の含浸状況やガラス繊維含有率を明らかにする.これらの検討の結果から,宇宙インフレータブル構造に対して熱可塑Co-Wovenを硬化層に用いることの技術的な実現性を示す.
著者
金澤 悠介 朝岡 誠 堀内 史朗 関口 卓也 中井 豊
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.141-159, 2011 (Released:2012-01-31)
参考文献数
41

本稿の目的は,エージェント・ベースト・モデルの方法の特徴を明らかにするとともに,この方法を用いた研究が社会学の中でどのように展開されてきたのか/されうるのかを議論することである.最初に,エージェント・ベースト・モデルの方法的な特色を,数理モデル分析や計量分析という既存の社会学の方法と比較を通じて,明らかにする.次に,社会学において,エージェント・ベースト・モデルを用いた研究がどのように展開されてきたのかを,社会秩序の生成と社会構造の生成というトピックを題材に確認する.最後に,社会学の重要なテーマでありながら,エージェント・ベースト・モデルを用いた既存の研究ではいまだ未探索となっている領域について議論する.
著者
吉岡 誠一郎 須貝 研司 富士川 善直 小牧 宏文 中川 栄二 佐々木 征行
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.432-435, 2007-11-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
9

乳児期に部分皮質形成異常と診断されていたが, 経過中に片側巨脳症に進展した難治性てんかん男児例を報告した.患児は4カ月時に難治性てんかんを発症し, 発達は退行した.4カ月時の頭部MRI検査では, 右前頭葉弁蓋部周囲の部分皮質形成異常と診断された.この皮質形成異常部位は徐々に肥厚, 拡大し, 5年後には右大脳皮質のほとんどを占め, 右半球全体も大きくなり, 片側巨脳症と診断した.最重度精神運動発達遅滞を呈し, てんかん発作のコントロールは困難であった.FDG-PET, 脳血流SPECTでは片側巨脳症側の糖代謝低下と発作時脳血流量増加を認めた.進行性腫大を呈した片側巨脳症の報告は今までになく, 片側巨脳症の病態生理を考察する上で重要な症例である.
著者
伴野 太平 小森 ゆみ子 鈴木 聡美 田辺 可奈 笠岡 誠一 辨野 義己
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.229-235, 2016
被引用文献数
1

<p>さつまいもの一種である紅天使を健康な女子大学生22人に摂取させた。加熱後皮をむいた紅天使の食物繊維は2.9 g/100 gだった。摂取開始前1週間を対照期とし, その後1週間単位で紅天使を1日300 g, 0 g, 100 gとそれぞれ摂取させた。排便のたびに手元にある直方体の木片 (37 cm<sup>3</sup>) と糞便を見比べ便量を目測した。その結果, 対照期には1.8±0.2 (個分/1日平均) だった排便量が, 300 gの紅天使摂取により約1.6倍に, 100 g摂取により約1.5倍に増加した。排便回数も紅天使摂取量の増加に伴い増加した。300 g摂取でお腹の調子は良くなり便が柔らかくなったと評価されたが, 膨満感に有意な変化はなかった。各期の最終日には便の一部を採取し, 腸内常在菌構成を16S rRNA遺伝子を用いたT-RFLP法により解析した結果, 紅天使摂取により酪酸産生菌として知られる<i>Faecalibacterium</i>属を含む分類単位の占有率が有意に増加した。</p>
著者
満岡 誠治 竹下 輝和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.68, no.567, pp.7-14, 2003
参考文献数
33
被引用文献数
3 1

The Essex Design Guide is one of the best design guides in the UK. In 1973, the first edition of the guide was published. In 1997, the new edition was published. There are differences between the old guide and the new guide. The aim of this study is to clarify the reason why the differences occurred with analyzing the respective backgrounds. The old guide originated from a scheme for conservation areas defined by the Civic Amenities Act of 1967, and was influenced by the townscape theory. On the contrary, the new guide uses some new concepts of mixed uses, sustainability, permeability, legibility and so on, which were incubated under the aesthetic battle of architecture from the late of 1980's.
著者
長浜 孝 小島 俊樹 中馬 健太 八尾 建史 田邉 寛 原岡 誠司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1252-1259, 2018-08-25

要旨●通常内視鏡像で早期胃癌に認められる伸展不良所見の成り立ちについて概説した.T1a〜T1b1は胃壁強伸展下では非腫瘍粘膜と同様に伸展性が保たれた(伸展良好)癌である.早期胃癌で伸展不良所見を認める代表的な病態は,粘膜下層(SM)深部に大量に浸潤した癌(T1b2)と潰瘍(瘢痕)を合併した癌〔T1a,UL1,T1b,UL1〕,の2つである.T1b2は,癌細胞塊,炎症細胞浸潤,癌性線維症が原因となり,領域性のある塊状の肥厚と硬化を来す.内視鏡で送気し胃壁を強く伸展させると,SM浸潤部の伸展不良が原因となり,非浸潤部との伸展性の差により台状挙上所見が出現する.一方,T1a〜T1b1においても潰瘍(瘢痕)を合併すると,粘膜下層の線維化が主な原因となり肥厚と硬化を来し,ひだ集中像を代表する伸展不良所見が出現する.しかし,線維化の形状は明瞭な領域性に乏しいため,胃壁強伸展下では集中ひだは瘢痕中心部一点に集中し,走行は直線的で挙上を伴わない,すなわち台状挙上所見は陰性である.
著者
海老原 聡 井岡 誠司 伊藤 義道 入部 正継 何 一偉 田中 孝徳 土居 元紀 中田 亮生
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.4_94-4_100, 2021 (Released:2021-08-01)
参考文献数
12

In this paper, we report a case study of project-based learning (PBL). PBL aims to allow students to experience collaboration across disciplines. The class comprised several teams, each of which consisted of students belonging to different departments. First, the students learned biomimetics prior to PBL and attempted to develop new commercial goods with the knowledge gained. The teams could make full use of the university’s facilities, such as 3D printers, to produce objects precisely. The students’ final results included the development of a propeller for hydropower or a drone. The students evaluated themselves using a rubric that we specifically developed for the class. The evaluation confirmed that the students became aware of the need and importance of teamwork.
著者
宮澤 隆仁 宮岡 誠 佐藤 潔
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.124-128, 1995

右中頭蓋窩底部より発生, 右側頭葉に埋没するように発育し, CT上神経膠腫との鑑別が困難であった46歳男性の脳内神経鞘腫の一症例を報告する. 術中所見より本腫瘍は中頭蓋窩底部硬膜内三叉神経硬膜枝より発生したと考えられた. 脳神経との関係をもたない脳内神経鞘腫15例について文献的考察を加える.
著者
朝岡 誠 林 正治 藤原 一毅 岩井 紀子 船守 美穂 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.168-175, 2020

<p> 研究データの再利用を促進するためには,単純な公開だけではなく,条件付き公開(制限公開)に対するニーズを満たしたシステム基盤の整備が不可欠である.本研究では,制限公開データを提供している機関のワークフローを調査し,研究データを提供するフローの類型化を行った.さらに,汎用的なリポジトリシステムWEKO にその機能を実装し,JGSS 研究センターの制限公開ワークフローをシミュレートすることでその運用を検討した.</p>