著者
長島 伸夫 早川 正夫 長井 寿 升田 博之 中西 栄三郎 中西 宣文 岩崎 勝
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.815-820, 2022 (Released:2022-07-25)
参考文献数
13

老廃スクラップから創製した1180MPa級リサイクル鋼板について引張試験ならびに穴広げ試験を実施し,さらに部品要求性能として重要な疲労強度特性を把握するため荷重方式の異なる疲労試験を実施した.これらの結果から,スクラップから創製したリサイクル鋼板の自動車用鋼板としての適応性について検討する.
著者
堤 淑貴 陣在 ゆかり 岩崎 泰永 元木 悟
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.136-145, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
32

ナスの新たな仕立て法に関する基礎的な知見を得るため,ナスの2本仕立て栽培における育苗期の摘心処理が苗および定植後の生育に及ぼす影響を検討した.その結果,育苗期の摘心処理により育苗日数は慣行区に比べて長かった.本葉節摘心区が子葉節摘心区に比べて9~10日短かった.成苗率は本葉節摘心区が慣行区と同じ100 %,子葉節摘心区が慣行区および本葉節摘心区の70~80 %であった.本葉節摘心区では,主枝開花段数および一次側枝数は慣行区と同等であったものの,側枝乾物重,側枝着果数,可販果数,可販果収量ともに,慣行区と同等か有意に多かった.また,本葉節摘心区では,第1花までの葉数は慣行区に比べて有意に少なく,主茎長および草丈は栽培期間を通して慣行区に比べて有意に短かった.以上から,育苗期の摘心処理は,主茎長および草丈を抑制できる仕立て法の1つになると考えられ,摘心は主枝となる側枝の生育が揃い,子葉節に比べ育苗期間の短縮が見込まれる本葉節で行うことが望ましいと考える.また,摘心を行うことで着果開始節位が低下し,初期収量が慣行と同等か有意に多くなることが明らかとなった.

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著者
岩崎清七著
出版者
アトリエ社
巻号頁・発行日
1933
著者
高橋 優宏 岩崎 聡 吉村 豪兼 古舘 佐起子 岡 晋一郎 西尾 信哉 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.129-135, 2022 (Released:2022-08-25)
参考文献数
13

一側伝音・混合性難聴症例に対し臨床研究「一側性伝音・混合性難聴に対する埋め込み型人工中耳の有効性に関する探索的臨床試験」において人工中耳(Vibrant Soundbridge®: VSB)埋込み術を4例施行した.本邦における人工中耳臨床試験(両側難聴)と同様に裸耳骨導閾値はいずれの周波数においても維持され変化がみられず,装用後6ヶ月での安全性が確認できた.さらに4例とも人工中耳臨床試験(両側難聴)と同様に良好な自由音場装用閾値を示し有効性が確認された.また,本研究における騒音下での語音弁別,方向定位検査も良好な結果であり,一側性伝音・混合性難聴症例において人工中耳VSBの有効性が示唆された.今後,本邦での適応拡大が期待される.
著者
牧野 晃宗 岩崎 正徳 国正 陽子 久野 峻幸 佐野 加奈絵 村元 辰寛 村上 雷多 神﨑 浩 小田 俊明 石川 昌紀
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.639-649, 2016 (Released:2016-12-14)
参考文献数
18

One of the most frequent injuries in Kendo athletes is Achilles tendinopathy in the left leg, for example Achilles tendon rupture. However, preventive approaches for Achilles tendinopathy in Kendo athletes have not been well considered. Therefore, the purpose of the present study was to examine differences in the architectures of the gastrocnemius muscle and Achilles tendon in relation to kendo training experience, and to examine the mechanical properties of the Achilles tendinous tissues (AT) in Kendo athletes in order to clarify why Achilles tendinopathy occurs in the left leg. Sixty-five Kendo male athletes with different periods of kendo training experience and 20 healthy male control subjects participated in this study. The architectural properties of the medial gastrocnemius muscle (MG) and Achilles tendon in both legs were measured using ultrasonography. In addition, 20 expert Kendo male athletes and healthy male controls pair-matched with the kendo athletes for body height and body mass were examined for their AT mechanical properties during passive dorsiflexion of both legs. The differences in the cross–sectional areas of the Achilles tendon and MG muscle between the left and right legs were greater in Kendo athletes with longer experience. Especially, the expert kendo athletes had lower AT stiffness and Young's modulus in the left leg than did the control subjects. These results suggest that kendo leads to specific Achilles tendon and muscle adaptation. These specific adaptations of the MG fascicles and AT may be one of the risk factors for Achilles tendon rupture in Kendo athletes.
著者
平野 徹 岩崎 勝郎 鈴木 良平 浅田 和英 門前 芳夫
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.884-887, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
8

The results of marginal excision and irradiation (3, 000-5, 000cGy) in 9 patients with liposarcoma of soft tissue were analyzed to determine the effectiveness of radiation therapy. Only one out of 9 patients, who received 3000cGy, developed a local recurrence at 3 years and 3 months after surgery. The 5-year actuarial local control rate was 84.7%, which was similar to that by radical and/or curative wide resection in soft tissue sarcomas. In addition, histological examination disclosed that a liposarcoma with preoperative radiation fell into almost necrosis.It suggests that the combination of conservative surgery and radiation therapy in the treatment of liposarcomas is of use to maintain a functional limb.
著者
河村 英司 岩崎 浩
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.208-214, 2012-05-20 (Released:2012-08-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

紙幣をはじめとした有価証券類は,多かれ少なかれ偽造の脅威にさらされている。偽造手法は,時代とともに技術環境が変化していく中で,偽造防止策も常に変化していく必要がある。とくに,近年のデジタル印刷技術の進化は,偽造・模造に特別なスキルが必要なくなり,偽造のハードルが低くなったとも言える。ある程度の品質の偽造・模造は,身近なデジタル機器を使用して,なし得る新たな時代の到来である。ここでは,銀行券を中心にパスポートなどに採用されている最新偽造防止技術の概要について解説する。
著者
岩崎 正洋
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.2_91-2_109, 2014 (Released:2018-02-01)
参考文献数
37

In this article, we focus on a relationship between presidentialization and party politics. Especially, we pay attention to the governance of party politics. According to Thomas Poguntke and Paul Webb, phenomenon of presidentialization “denominates a process by which regimes are becoming more presidential in their actual practice without, in most cases, changing their formal structure, that is, their regime type.” They refer to as three faces of presidentialization, that is, (1) the executive face, (2) the party face, and (3) the electoral face. These faces are complementary in the democratic governance. In this paper, the phenomenon of presidentialization means the governance of party politics. There are two types of governance by political parties. One is “governance in the party” and another one is “governance among the parties.” It is useful for us to understand the changes of party politics by using the concepts of “governance in the party” and “governance among the parties.”
著者
金沢 勉 岩崎 友也 高橋 麻由 柿沼 健一 江塚 勇 山田 治行
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.958-964, 2003-08-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

Although abducens nerve palsy is a relatively common disease, the abducens nerve has been almost impossible to identify, because it is one of the finest cranial nerves and runs three-dimensionally in the prepontine cistern. Three-dimensional constructive interference in steady state (3D-CISS) is helpful in visualizing fine structural elements in the central nervous system because of its higher spatial resolution and fewer artifacts from cerebrospinal fluid. In this study, we successfully visualized the abducens nerve using 3D-CISS. The procedures were as follows : first, Dorello's canal and the ponto-medullary sulcus were identified as visible, landmarks, and then the abducens nerve was followed to the root exit zone ; second, the gray scale of the original image was inverted to clearly visualize the cisternal course of the nerve and the neighboring small vessels ; and, finally, the entire cisternal course of the nerve was visualized in the same images in both oblique axial and oblique sagittal planes by a multi-planar reconstruction method. This reliable technique can be performed for the diagnosis of abducens nerve palsy.
著者
森 裕介 鈴木 元彦 長谷川 千尋 中西 弘紀 中井 一之 江崎 伸一 竹本 直樹 村上 信五 岩崎 真一
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.292-298, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
22

背景:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今や全世界に拡大しパンデミック化している。また欧米において嗅覚・味覚障害が重要な症状として報告されているが,本邦における報告はほとんど認められない。以上を踏まえ,本研究ではCOVID-19による嗅覚・味覚障害について検討を加えた。方法:カルテからCOVID-19患者の年齢,性別,臨床症状と血中CRP結果を抽出し,解析した。結果:100例のCOVID-19患者において,嗅覚障害を訴えたのは45例(45%)で,味覚障害は44例(44%)であった。このうち嗅覚・味覚障害の両方を訴えた患者は41例で,嗅覚障害のみは4例,味覚障害のみは3例であった。また嗅覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は,訴えなかった症例よりも有意に低値であった。同様に,味覚障害を訴えた症例の年齢と血中CRP値は訴えなかった症例よりも有意に低値であった。さらに,嗅覚・味覚障害の経過についても検討を加えたが,ともに発症後1週間以内に症状が消失する症例も見られた。結語:COVID-19は日本人においても高率に嗅覚・味覚障害を引き起こすことが示された。また,嗅覚障害や味覚障害は若年者でより高率に発現し,血中CRPは低値を示す症例が多かった。少数ではあるが味覚障害のみで嗅覚障害を訴えなかった症例が存在したことから,風味障害以外のメカニズムによる味覚障害の可能性も示された。
著者
岩崎 祐貴 谷口 和輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1H4OS12b04, 2020 (Released:2020-06-19)

Webサイトやアプリの訪問者に対して各個人の嗜好に合わせた商品訴求が可能なオンライン広告の隆盛に伴い,大量のユーザに多様な配信が可能な広告配信プラットフォームの重要性が増している.各プラットフォームでは独自のアルゴリズムが構築されており,運用担当者は広告クリエイティブの運用による広告効果の改善に力を注いている.このような背景の中で,ユーザの反応が得られるようなより多くの広告クリエイティブを制作し入稿する作業が重要になる.しかし,各プラットフォームでは広告配信に利用できる広告数に上限があるため,広告クリエイティブを入稿する優先順序を決める必要がある.本研究では,オンライン広告の管理構造に着目し,広告間の相対的な順位を学習することで,どの広告から配信すべきかの推定を行う手法を提案する.まず,広告クリエイティブの画像や配信設定といったマルチモーダルなデータから広告間の相対的な順位を予測するモデルを構築する.そして広告の配信データを用いたオフラインでの予測検証を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
大澤 進 杉本 晋哉 米久保 功 加治木 美幸 寺島 薫 岩崎 昭夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.37-50, 2018-01-05 (Released:2018-02-06)
参考文献数
31
被引用文献数
1

先進国で高齢化社会を最初に向かえる日本の医療費は約42兆円であり,国家予算の約38% に達する.我が国の医療での分析化学の技術は,患者の診断,治療効果の判定,予後の推定,そして健康管理に利用され,世界一の長寿国に貢献している.企業に勤務する社員の多くは健康診断を受ける機会があるが,自営業や家庭の主婦は健診会場にほとんど行くことがない.分析化学の技術を駆使して家庭内で臨床検査が可能な研究開発はされているが,その検査項目はぶどう糖など限定的であり十分に普及しているとは言いがたい.厚生労働省は40歳以上の国民を対象に特定健診(メタボ健診)を実施しているが受診率は47.6% であり,目標の70% には到達していない.著者らは手指からの微量の血液(65 μL)を緩衝液で希釈し,即時に血球と希釈血漿しょうを分離する技術を開発した.希釈された血漿は一週間安定であることから,試料を郵送して病院検査室で用いる生化学自動分析装置で測定することが可能である.希釈された血漿中の成分は採取した検査者の採取量や血球量により変動する.全血の希釈緩衝液に内部標準を添加することで,その希釈率から生体成分の希釈倍率を求め,血漿中の生体成分濃度を求めることができる.また,手指からの末梢血を緩衝液で希釈することにより,フィルターで容易に血漿を血球から分離することが可能となった.さらに希釈された血漿成分は生体内酵素も希釈されることから代謝産物の安定化にも寄与している.これらの血液希釈血漿分離技術を駆使し,希釈血漿150 μLでメタボ健診の14項目の検査を可能とした検査技術とその活用による効果を述べる.