著者
鎌田 美希子 中尾 総一 阿部 建太 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.63-68, 2021-08-31 (Released:2021-12-29)
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年,オフィス勤務者のコミュニケーション円滑化やストレス対策として,休憩室を設置する会社が見られる。一方,オフィス緑化が勤務者のストレスを緩和するという報告があり,休憩室の緑化はストレス対策として有効であると考えられる。しかし休憩室の緑化については継続的な利用での効果検証が求められるが,そうした研究はほとんど見られない。そこで本研究では緑化休憩室内で休憩した際の効果の把握を目的とし,長期間にわたり生理・心理的指標の測定を試みた。その結果,緑化休憩室での休憩が負の感情状態を改善し,仕事・職場に対する評価を改善することなどが明らかとなり,緑化休憩室での休憩が勤務者の心理に有用であることが示された。
著者
岩崎 泰頴 Yasuhide Iwasaki
出版者
熊本大学
雑誌
熊本地学会誌 (ISSN:03891631)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.2-9, 1976-07-15
著者
山田 聡志 岩崎 友洋 佐藤 明人 坪井 康紀 柳 雅彦 高橋 達 薄田 浩幸 江村 厳
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.12, pp.1947-1955, 2010 (Released:2010-12-06)
参考文献数
24

症例は54歳男性.多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植約2カ月後に激烈な上腹部痛にて発症(発症時免疫抑制剤は使用していない),鎮痛に麻薬を必要とした.発症7日後に全身に皮疹が出現し内臓播種性の水痘感染症と診断,抗ウイルス剤投与にて改善した.経過中の腹部CTで腹腔,上腸間膜動脈根部付近の脂肪濃度上昇を認め,この所見が腹部症状へ関与している可能性と本疾患の早期診断の一助となり得ることを示した.
著者
西平 崇人 鈴木 圭輔 竹川 英宏 中村 利生 岩崎 晶夫 平田 幸一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.819-823, 2014-10-01 (Released:2014-10-24)
参考文献数
17

症例は45歳男性である.後頭部痛と吐き気の後,左方向への傾きが出現した.神経学的には左へのtruncal lateropulsion以外に異常はなかった.頭部MRIでは左延髄下部外側に急性期梗塞をみとめ,臨床・画像所見から左椎骨動脈解離による機序が考えられた.第6病日に右第10胸髄以下の温痛覚障害,左顔面発汗低下,左縮瞳が出現し,頭部MRIでは梗塞巣が拡大していた.脊髄小脳路の障害によりtruncal lateropulsionが,外側脊髄視床路の最外側部の障害により胸髄以下の温痛覚障害が出現したと推察された.本症例は延髄外側の臨床症状と障害部位との関連を理解する上において貴重な症例と考えられた.
著者
山本 匡 岩崎 清隆 新井 淳 北原 茂実 梅津 光生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.350-356, 2013-12-10 (Released:2014-03-28)
参考文献数
11

Percutaneous coronary intervention (PCI) for ischemic heart disease became a common therapy. The improvement of treatment results was caused by invention of drug-eluting stent (DES) but its implantation procedure for pressure and inflation time has not been discussed. 3-time-balloon-inflation method is proved to be an effective method for inflation in in vitro experiments and it was practiced in the clinical field. The purpose of this study is to determine the effectiveness of the 3-time-balloon-inflation method and investigate the factors that cause suppression of stent expansion. From January 2011 to March 2012, PCI with drug-eluting stent (XIENCE V) were performed to 169 patients by a single-operator with 3-time-ballon-inflation method. Minimal lumen area (MLA), vessel cross-sectional area, and plaque cross-section in the MLA were measured by intravascular ultrasound (IVUS) before stent implantation. Minimum stent area (MSA) was measured after stent implantation. Stent expansion ratio (SER) was calculated from assumed area and MSA. Area acquisition ratio (AAR) was calculated from MSA and MLA. Subsequently, the ratio of calcification in the lesion was measured using the color mapping function mounted on the IVUS. The stent diameter used in this study was 2.89±0.35[mm] (mean±SD), stent length was 20.5±6.2[mm] (mean±SD), and the stent expansion pressure was 10.3±2.4[atm] (mean±SD). There was no difference in SER by stent size, target vessels, and MLA. Significant difference was seen in the calcification ratio between the group without pre-dilatation (n=27) and the group with pre-dilatation (n=142), but no difference in SER between the two groups. It was suggested that calcification ratio is one of the factors that causes the suppression of stent expansion because significance of calcification ratio came out in AAR.
著者
鈴木 圭 岩崎 仁史 渡辺 文亮 大森 教成 石倉 健 畑田 剛 鈴木 秀謙
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.11, pp.756-762, 2007-11-15 (Released:2009-02-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1

症例は79歳の男性。受診数時間前からの増悪する嘔気, 腹痛, 左背部痛, 意識障害のために当院搬送となった。来院時ショックの状態で, 血液検査では急性腎不全, 肝機能障害, 血清アミラーゼ値の上昇がみられ, 出血傾向を伴う著しい代謝性アシドーシスが認められた。画像検査では軽度の肺炎像が認められたが, 下大静脈の虚脱がみられた他にはショックの原因となる疾患を指摘できなかった。ショックに対する初期治療の後, 集中治療室へ入室となった。腹痛の病歴と採血検査所見より, 急性膵炎に準じ治療を行った。補液及び人工呼吸管理により利尿がつき始め, 肺炎球菌尿中抗原検査 (NOW Streptococcus pneumoniae, Binax Inc., USA以下尿中抗原検査と略す) を施行したところ陽性を呈した。膵炎に準じ既に抗菌薬投与を行っていたことから同様の治療を継続したが, 多臓器不全が進行, 播種性血管内凝固症候群を併発し, 入院後8時間あまりの激烈な経過で死亡した。血液及び喀痰培養検査では有意細菌を検出できなかったが, 尿中抗原検査は偽陽性がきわめて少なく, 自験例の病態の根本は劇症型肺炎球菌感染症による敗血症性ショックとすることが妥当であると考えられる。劇症型肺炎球菌感染症は, 発症時に必ずしも肺炎像を呈するとは限らず, 原因不明の劇症型感染症の鑑別診断として重要である。このような症例の診断は血液培養の結果に依存せざるを得ないが, 迅速性に欠け, 感度も高いとはいえない。原因不明のショックの症例においては, 肺炎像が明らかでなくとも, 積極的に尿中抗原検査を用いた診断を行うことは, 自験例の如く血液培養が陽性とならない敗血症例ではとくに大きな意義があると考えられ, 今後の症例の蓄積が必要である。また, 尿中抗原検査で陽性を呈するショック症例は, 劇症型の経過をたどることが危惧され, いかに有効な治療手段を講じるかが今後の検討課題となると考えられる。
著者
小熊 尚太 大松 繁 大野 修一 岩崎 和宏
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.84-92, 2022-04-15 (Released:2022-07-15)
参考文献数
12

Since unexpected machine failures are huge losses for users, maintenance activities are essential. If the failures can be predicted in advance using a supervised learning, the machines can be maintained before they break down and some failures can be prevented. However, although a large number of failure data are required to predict failures using a supervised learning, failures rarely occur in the actual field. In this study, we propose to detect the failure of a hydraulic excavator using an autoencoder, which is an unsupervised learning. By using the autoencoder to model normal state data, the failure can be predicted in advance. This paper shows the results of evaluating failure predictions using the LSTM (Long Short-Term Memory) autoencoder model for actual failure of hydraulic excavators.
著者
岩崎 達也 大方 優子 津村 将章
出版者
コンテンツツーリズム学会
雑誌
コンテンツツーリズム学会論文集 (ISSN:24352241)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.12-24, 2018 (Released:2021-09-01)

本研究は、アニメ聖地巡礼に見られる持続性に焦点をあて、巡礼者のその地へのリピート訪問行動という視点から消費者行動概念のフレームを用い分析を行った。熊本県人吉市におけるアニメ『夏目友人帳』の聖地巡礼者を対象とした調査から、聖地巡礼旅行者の行動メカニズムとして、彼らの行動はアニメ作品への興味、愛着により生起し、その行動の過程で関心の対象がアニメ作品から聖地が存在する地域そのものへと波及していき、その結果として再訪行動が引き起こされることが示された。このような旅行者一人一人のリピート訪問行動が、アニメ聖地巡礼による地域誘客の持続性につながっていると結論付けることができた。
著者
大河内 博 岩崎 貴也 佐瀬 裕之 村田 浩太郎 高橋 善幸 井川 学 戸田 敬 藍川 昌秀
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

記録的短時間大雨による甚大な山地災害が多発している.地球温暖化に伴う海洋水蒸気量の増大が指摘されているが,山間部豪雨の生成機構は不明である.山間部特有な現象として霧の頻繁な発生がある.また,植物起源一次粒子,生物揮発性有機化合物からの二次粒子があり,重要な雲凝結核・氷晶核になる.酸性霧や大気汚染物質が森林生態系を脆弱化させ,被害を拡大させている可能性もある.本研究では,山間部豪雨の実態解明,森林大気特有の雲凝結核の同定を行い,霧発生や山間部豪雨に及ぼす影響を解明する.また,全国山間部の霧沈着マップを作成し,国内汚染および越境大気汚染の評価とともに,森林生態系の健全性との関係を明らかにする.
著者
平塚 昌文 岩崎 昭憲
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.1624-1630, 2012 (Released:2013-06-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

内科的治療が限界に達した肺気腫に対する外科治療として,Lung Volume Reduction Surgery(LVRS)と肺移植が挙げられる.LVRSは米国での多施設共同試験NETT studyを中心とした報告から,ある程度呼吸機能が温存された上葉優位型の肺気腫がよい適応と考えられている.しかしLVRS後の機能改善は一時的であり,最重症例では術後死亡率も高くなり慎重な適応決定が必要となる.一方,COPDに対する肺移植は1980年代,Cooperらによって導入された.呼吸機能的にはLVRS対象のCOPDより重症例が適応となる.生存延長に関する寄与は少ないもののQOL向上には大きな効力を発揮し,欧米では多くのCOPD症例の肺移植が実施されている.我国では実施は10例程度に止まっているが,臓器移植法改正に伴う脳死ドナー増加で今後は症例数が増加する事が予測される.
著者
増田 悠希 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.249-252, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
2
被引用文献数
6 4

緑地でのウォーキングが人の心理に与える効果を明らかにすることを目的とし,アンケート調査及び緑地におけるウォーキング時の心理的効果測定を試みた。心理的効果の評価項目として,POMS(感情プロフィールテスト)と,SD 法による印象評価を実施した。その結果,大学生の多くがウォーキングを植物の接し方としても運動の種類としても実践していることがわかった。しかし,時間の欠如を理由に運動をしていない人も多く,緑地でのウォーキングに対し心理的効果を期待しているが,実際には緑地を運動する場としては利用できていないことがわかった。また,緑地でのウォーキングは緑地以外でのウォーキングに比べ,疲労感が少ないなどの心理的効果があることがわかった。
著者
三輪 正人 中島 規幸 廣瀬 壮 岩崎 洋子 村上 敦史 松永 真由美 渡辺 建介
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1337-1339, 2006-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

【背景】老人にみられる鼻の乾燥感あるいは乾燥性鼻炎の存在は知られているが,その詳細な基礎的メカニズムは不明である.その理由の一つとして,客観的な診断法が確立されていないことがあげられる.本研究では,鼻粘膜水分蒸散量の年齢変化について焦点を当て検討した.【方法】対象は,10〜75歳の88名のボランティアで,Tewameter TM300(Courage+Khazaka electric, Germany,日本総代理店:インテグラル)により,水分蒸散量の測定をおこなった.【結果】鼻粘膜水分蒸散量は,年齢により増加する傾向が認められた.【結語】老人にみられる鼻の乾燥感あるいは乾燥性鼻炎の発症機序に,鼻粘膜上皮水分蒸散量の増加が関与する可能性が示唆された.