著者
市川 伸一 南風原 朝和 杉澤 武俊 瀬尾 美紀子 清河 幸子 犬塚 美輪 村山 航 植阪 友理 小林 寛子 篠ヶ谷 圭太
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.333-347, 2009 (Released:2010-09-10)
参考文献数
15
被引用文献数
8

COMPASS is an assessment test based on the cognitive model of mathematical problem solving. This test diagnoses components of mathematical ability which are required in the process of understanding and solving mathematical problems. The tasks were selected through the case studies of cognitive counseling, in which researchers individually interview and teach learners who feel difficulty in particular learning behavior. The purpose of COMPASS is to provide diagnostic information for improving learning process and methods of class lessons. Features of COMPASS include: The time limitations are set for each task to measure the target component accurately; questionnaires are incorporated to diagnose orientation toward learning behavior. The present paper aims to introduce the concept and the tasks of COMPASS to show how cognitive science contributes to school education through the development of assessment tests.
著者
市川 伸一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.84-89, 1988-03-30
被引用文献数
2

rights: 日本教育心理学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation: IsVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001892637/The present paper is a report of practical research in general psychology in a college. Psychological experiments using 42 personal computers (Hitachi B16/EX) were introduced for the following purposes : (1) to understand research methods of psychology through the experience of participating in experiments : (2) to know the characteristics of a computer and its applicability to various kinds of problem solving. The students specializing in economics, were given BASIC programs and were to carry out experiments concerning memory and perception. This method was supported by most students, in that they were interested in using a computer and conducting experiments for themselves. However, some students complained of being unable to well understand the meaning of each experiment and the significance of computer-experimentation. Finally, the position of such usage in computer education and its influence on the progress of psychology were discussed.

1 0 0 0 OA メタ認知

著者
市川 伸一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.523-524, 1993-07-01 (Released:2020-09-29)
著者
植阪 友理 鈴木 雅之 清河 幸子 瀬尾 美紀子 市川 伸一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.397-417, 2014-02-20 (Released:2016-08-10)
被引用文献数
4

全国学力調査の結果などを受け,教育現場では日本の子どもの学力について,「基礎基本はおおむね良好,活用に課題」と論じられることが多い.しかし,認知心理学を生かした教育実践では,基礎基本が必ずしも十分ではない可能性が指摘されている.そこで本研究では,これらの実践的な知見や認知心理学を参考に開発された,構成要素型テストCOMPASS(市川ら2009)を中学2年生682名に実施し,もし一般的な社会の認識とは異なり,基礎基本が十分なのではないとするならば,特にどのような学力要素が不十分であるのかという実態について検討した.また,調査対象となった生徒の数学担当教師15名に,中学2年生にとって「十分満足」「やや不十分」「極めて不十分」と考えられる基準を評定するよう求めた.教師が評定した基準と,COMPASSの実施結果を比較した結果,数学的概念の不十分さ,基本的な文章題において演算を迅速に決定する力の弱さ,問題解決方略を自発的に利用する力の不十分さなどに課題があることが明らかとなった.これらの結果は,日本の子どもの学力に対する従来の捉え方に再考を促すものである.
著者
深谷 達史 植阪 友理 太田 裕子 小泉 一弘 市川 伸一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.512-525, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
40
被引用文献数
1 5

近年の教育界では,基礎的な知識・技能の習得と活用に加え,自立的に学習を進める力として学習方略の習得が求められている。「教えて考えさせる授業」は,この両者の育成を目指したもので,(a)教師が意味理解を重視して基本事項を説明する,(b)ペア説明などで学んだことを生徒が確認する,(c)発展的事項を協同で解決する,(d)授業で学んだことをふり返るという4段階からなる。本研究では,研究授業や講演を含む,教えて考えさせる授業を中心とした算数の授業改善に取り組んだ公立小学校において,導入間もない1年目と導入から時間が経った2年目の比較を通じて,児童の学力と教師の指導がどう変わったかを検証した。全国学力・学習状況調査の結果,2年目の方が,算数A問題とB問題の成績が高く,算数Aの標準偏差が低かった。また,問題解決時の図表活用方略の使用を調べたところ,2年目の方が,図を使わずに不正解のケースが少ない一方,図を使って正解に至るケースが多かった。さらに,教師が指導案を作成する課題において,的確な働きかけを表す指導案得点が2年目の方が高い傾向が見られた。考察では,これらの成果を生んだ理由などを考察した。
著者
掘野 緑 市川 伸一 奈須 正裕
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.3-7, 1990
被引用文献数
3

自己学習力が強調される今日の教育において, 学習者自身のもつ「学習観」は極めて重要である. 現在の学校教育で形成されがちな学習観として, 失敗は悪いことであり, 正答さえ良ければ良いといった「結果主義」があげられよう. 本研究では, 「失敗に対する柔軟的態度」, 「思考過程の重視」という2つの側面に着目し, 基本的な学習観の尺度を作成した. さらに, 学業成績との関連について検討した結果を報告する.
著者
植木 理恵 清河 幸子 岩男 卓実 市川 伸一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.92-102, 2002-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

「テーマ学習」とは, 児童・生徒が自らテーマを選択し, 情報収集を行い, その結果をまとめて発表する一連の学習活動である。現在は「総合的な学習」の導入への移行期にあたり, このような自己制御的な学習に関する先進的な取り組みがすでに多く報告されている。しかしこれまでの実践事例は, どのようなテーマについて, どのような学習活動を行ったかという記述に留まっているものが多い。教育心理学的な視点からは, 学習者がどのような内的な知識・技能をもち, それをどう高めていくかが問われるであろう。そこで本研究は, 筆者らが大学において地域の児童・生徒を招いて開催してきた実践活動の中で, スタッフがいかにテーマ学習を支援しようと試み, それが子どもたちにどのような効果をもたらしたかについて検討を行った。その結果, 1年間の準備期問とテーマ学習の体験を通して, 子どもたちは「情報どうしを比較すること」「情報を統合すること」といったスキルを自発的に身につけていることが明らかになった。そのような結果をもたらしたスタッフの有効な働きかけとしては「一般的な自己制御学習のスキルを直接教授すること」と「子どものモニタリング機能を担うこと」などがあげられ, 今後のテーマ学習の際にはこのような支援をより意図的に行うことの必要性が示唆された。
著者
鈴木 雅之 市川 伸一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.191-197, 2016
被引用文献数
2

Calculation problems such as "12×7÷3" can be solved rapidly and easily by using certain techniques; we call these problems "efficient calculation problems." However, it has been pointed out that many students do not always solve them efficiently. In the present study, we examined the effects of an intervention on 35 seventh grade students (23 males, 12 females). The students were instructed to use an overview strategy that stated, "Think carefully about the whole expression", and were then taught three sub-strategies. The results showed that students solved similar problems efficiently after the intervention and the effects were preserved for five months.
著者
市川 伸一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.p253-257, 1985-05
被引用文献数
2
著者
市川伸一著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2011