著者
岡本 拓夫 平野 憲雄 和田 博夫 西上 欽也 竹内 文朗 伊藤 潔
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報. B = Disaster Prevention Research Institute Annuals. B (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.B, pp.235-239, 2008-06-01

福井県は, 1948年に福井地震(M7.1)を被り, 近代における最初の都市直下型地震の震災を経験した県である。余震活動も顕著に認められていたが, 2003年末より直上で有感をもたらす地震の発生が, 余震域で認められなくなった。このことは, 福井地方気象台の報告書でもふれられている。同時に奥越を除く嶺北地域で, 地震の発生数の減少が指摘されている。2007年12月21日にM4.5が鯖江市東部付近に発生したが, 2004年10月5日のM4.8とは推定断層面が直交関係になっていることが確認できた。M3クラス以上は, 嶺北地域では奥越付近のみに限定され, 応力に揺らぎが発生している可能性を指摘できる。
著者
橋本 洋一郎 米村 公伸 寺崎 修司 稲富 雄一郎 米原 敏郎 Teruyuki HIRANO 平野 照之 内野 誠
出版者
一般社団法人日本脳神経超音波学会
雑誌
Neurosonology:神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.55-61, 2004 (Released:2007-09-26)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

Ocular ischemic syndrome can be of either the acute type (amaurosis fugax, retinal artery occlusion and ischemic optic neuropathy) or the chronic type (venous stasis retinopathy and ischemic oculopathy). We carried out etiological studies on 35patients (19men, 16women, aged 62±16years) with retinal artery occlusion and 21patients (13men, 8women, aged 47±19 years) with amaurosis fugax. In all patients, carotid ultrasonography was performed to clarify the extent of carotid artery disease ipsilateral to the retinal artery occlusion and amaurosis fugax. All the patients underwent electrocardiography and transesophageal echocardiography. Arterial stenosis exceeding 50% of the diameter of the internal carotid artery ipsilateral to the symptomatic eye was more frequent in patients with retinal artery occlusion than in those with amaurosis fugax. Patent foramen ovale more frequent in the latter than in the former. Patients with venous stasis retinopathy and ischemic oculopathy (neovascular glaucoma) had occlusion of the ipsilateral carotid artery with reversed ophthalmic artery or severe stenosis of the ipilateral carotid artery with stenosis of the ipsilateral ophthalmic artery. Neurosonologic studies can provide valuable clinical data on ocular ischemic syndrome.
著者
平野 達志
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

今年度は特別研究員採用期間の3年目に当たり、昨年度に続いて資料収を継続し、2009年9月から2010年2月までの期間に日独共同大学院プログラムを利用してドイツ、ハレ=ヴィッテンベルク・マルティン=ルター大学での在外研究を行った。まず資料収集作業としては、モスクワと北京に滞在してロシア国立図書館(2009年8月)、中国国家図書館(同9月)に関連文献を調査したことが挙げられる。さらにドイツ渡航後にはドイツ外務省政策文書館(同10~11月)、イギリス国立公文書館(同11~12月)、ミュンヘン歴史学研究所(2010年1月)、ベルリン=リヒターフェルデ連邦文書館(同)、国際連盟公文書館(同)で作業を実施した。すでにベルリンでは何度も渡航して資料を収集していたが、今回はとりわけ中央や在外公館の間の公信だけでなく、1930年代に駐華大使を務め、日中戦争初期に和平工作を行ったオスカル・トラウトマンの日記を撮影できたことが成果として特筆される。また、ロンドンでの作業は今回が初めてであり、華北分離工作から日中戦争、日米開戦に至る東アジア情勢や、世界政治における枢軸形成に関するイギリス側の基本資料を収集できた。また年明けにはジュネーヴ国際連盟文書館を訪れ、デジタルカメラで約3,000枚分の資料を集めることができた。ハレでの在外研究では、まずこの都市で9月末から10月初頭にかけて開催されたドイツ語圏日本研究学会に出席し、ドイツ、オーストリア、スイスなどから訪れた日本学研究者と知遇を得た。それに続いて10月初頭に1週間開催された東大・ハレ大秋季共同アカデミーでは、「市民社会とその対抗構想」というテーマでの討論に参加した。その後、面談を通じてパトリック・ワーグナー教授からの博士論文指導を受けた。
著者
平野 弘道 利光 誠一 松本 崇 高橋 一晴
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.47-49, 1999-09-10 (Released:2017-10-03)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
平野 豊
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.P131-P135, 1984-03-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
31
被引用文献数
8 10
著者
森 哲 三津山 恭弘 平野 實 山岸 哲
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.161-163, 2011-03-20 (Released:2013-03-20)
参考文献数
5

Predation by a wild Common Kingfisher Alcedo atthis on a colubrid snake, Amphiesma vibakari vibakari, was observed on 31 January 2010 in Tokyo. Total length of the snake was estimated as less than 20 cm. This is the first record of predation on a snake by the Common Kingfisher in Japan.
著者
平野 実 宮原 卓也 宮城 平 国武 博道 永嶋 俊郎 松下 英明 前山 忠嗣 讃井 憲威 川崎 洋 野副 功 広瀬 肇 桐谷 滋 藤村 靖
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.1189-1201, 1971-07-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

研究目的: 歌唱に際して声区, ピッチ, 声の強さなどがどの様にして調節されているかを, 一流の声楽家について明らかにし, 発声法の訓練, 指導に資するとともに, 音声調節のメカニズムの解明にも寄与することを目的とした.研究方法: 本邦第一級のテノールとして活躍中の一声楽家を対象として, 種々の発声中の喉頭筋々電図記録, 呼気流率測定, 声帯振動の高速度映画撮影を行っ.研究成績および結論: 1. 声区は声帯筋によつて第一義的に調節される. 声帯筋はheavy registerでは強く収縮するが, light registerではほとんど収縮しない. 従つて, heavy registerでは声帯が厚く, 粘膜波動は著明で, 開放時間率が小さく, 開閉速度率は大きい. 呼気流率は一般にlight registerで大きい.2. ピッチの調節機構は声区によつて異なり, 前筋, 側筋, 声帯筋の関与はheavy registerで顕著である. 呼気流率の関与は何れの声区においても認められなかった.3. heavy registerでは声帯筋と呼気流率が声の強さの調節に関与する. light registerでは声帯筋は関与せず, 呼気流率と声の強さの関係が極めて緊密である.4. 声の調節機構はstaticなものではなく, 前後の発声情況によつて変化するdynamicなものである.
著者
平野 孝行 吉田 直人 土橋 聖賢 藤井 二三夫 金澤 伸一
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.135-142, 2013 (Released:2014-11-06)
参考文献数
10
被引用文献数
3

建設発生土の高度な有効利用を図る目的で開発された短繊維混合補強土工法は,土または安定処理土にポリ エステル等の短繊維を混入することで降雨・流水に対する耐侵食性や強度・靭性(ねばり強さ)の向上に期待 するものである.これまでに堤防・法面のガリ侵食等による崩壊抑制のための試験施工としての実績がある. 本報告は,堤防・道路等法面の被覆材,多自然型法面の基盤構築,土構造物補強等へのさらなる有効利用の ために,より短繊維および固化材添加率の低い混合補強土の耐侵食性能や,強度・変形特性についてとりまと めたものである.長期現場試験施工に基づく耐侵食性能の検証と,静的圧縮試験・繰り返し三軸試験により強 度増加効果と靭性・拘束効果の付与を確認した.
著者
平野 聖
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.F02, 2010 (Released:2010-06-15)

本稿では昭和40年代以降すなわち昭和後期の我が国扇風機のデザインの変遷に関し、三菱電機のデザイン開発事例をもとに考察し、以下の事情について概観した。 昭和後期は、我が国扇風機の成熟期に相当し、普及率が頭打ちの状態となった時代である。各社の扇風機のデザインは、非常に似通ったものとなった。そんな中、同社において市場を喚起する約割を担ったのが、「扇風機のコンパクト化」に関する提案であった。扇風機を分解梱包し、使用しない時にはコンパクトに保管できるアイデアを「コンパック」とネーミングし消費者に大いにアピールした。扇風機本体の形状を変化させる工夫を施しさらにコンパクトにするアイデアは継続的に研究され、「オレオレ」として花開く。他社がスイッチ部の電子コントロール等の開発に血道を上げている間に、同社はダイナミックな外観の変化を優先することにより差異化を図った。
著者
平野 博之 佐野 芳雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.613-617, 1993-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
24

日本で好まれる米はジャポニカ米だが, 海外ではインディ力米が好まれる。前者は粘りがあるのに比して, 後者はパサパサである。この米の品質はアミロースの含量によっている。そのアミロースの合成はWaxy (wx) 座と呼ばれる遺伝子座の働きによって調節されている。イネwx座の遺伝子産物 (Wxタンパク質) はアミロースの合成を触媒するスターチシンターゼ (EC2.4, 1.21) である。米の品質を左右するwx座の性質と機能についての先端的な遺伝学的, 分子生物学的研究をわかり易く解説していただいた。