著者
平野 充 村井 源 猪原 健弘
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.101-106, 2014-12-06

モーツァルトの器楽作品における主要なジャンルとして,弦楽器各声部を1 人で演奏する室内楽曲と弦楽器各声部を複数人で演奏するオーケストラ曲の2 つがある.本稿では,従来の人文学的研究において未定義であった“室内楽らしさ”と“オーケストラらしさ”を示す量的指標を提案し,多変量解析等の統計学的分析を用いて指標の妥当性を探る.指標として,自声部が他のすべての他声部と異なる状態にある頻度を示す“独立性”を考案し,これを音楽の3 要素と言われるリズム・メロディー・ハーモニーの3 項目について測定する.測定には筆者が開発したコンピュータープログラムを用いる.得られたデータに基づいて因子分析を行なった.
著者
平野 裕二
出版者
日本教育政策学会
雑誌
日本教育政策学会年報 (ISSN:24241474)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.80-88, 2009-07-07 (Released:2017-11-25)

The third periodic report of Japan, which was due in May 2006, was finally submitted to the UN in April 2008. Not only was it presented behind schedule, the content and quality of the report is no better, or rather worse, than that of the previous two reports. The problems of the third periodic report include the following: (i) it does not provide sincere responses to the recommendations of the UN Committee on the Rights of the Child; (ii) a "rights-based approach" is completely ignored; (iii) it lacks important sets of data, making it impossible to understand children's realities and the effects of the relevant measures; (iv) it reflects inadequate understanding of the basic principles and provisions of the Convention; (v) it does not attempt to learn from municipal experiences; and (vi) it reflects reluctance on the part of the government to have sincere dialogue and cooperation with civil society. It is necessary to adopt a "rights-based approach" in the implementation and monitoring of the Convention. A "rights-based approach" should also be promoted specifically in the perspectives and methods of evaluation of child policies in Japan.
著者
内野 泰伸 亀谷 恭子 六人部 隆夫 近藤 雄基 吉田 一朗 相原 建人 平野 元久
出版者
法政大学理工学部・生命科学部
雑誌
法政大学理系学部研究集報 = Bulletin of the Science Faculties, Hosei University (ISSN:21888507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79-85, 2019-04

本報告では機械工学科PBL授業を紹介するとともに,工学分野の他大学におけるPBL関連の授業との調査し比較検討を行った結果を報告する.また,授業改善への取り組みとして自由記述式感想文の計量テキスト分析を行い,分析結果から教育効果の定量的な測定やPBL授業改善に必要な項目の抽出を試みた結果を報告する.
著者
川口 秀夫 寺村 浩 中村 聡子 荻野 千秋 原 清敬 蓮沼 誠久 老沼 研一 高谷 直樹 平野 恒 佐塚 隆志 北野 英己 近藤 昭彦
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
バイオマス科学会議発表論文集 第11回バイオマス科学会議 (ISSN:24238333)
巻号頁・発行日
pp.35-36, 2016-01-14 (Released:2017-03-22)

Sorghum bagasse pretreated with diluted acid, which was predominantly composed of glucan (59%) and xylan (7.2%), was used as a lignocellulosic feedstock to produce D-phenyllactic acid (PhLA) by a recombinant Escherichia coli strain expressing phenylpyruvate reductase from Wickerhamia fluorescens. Compared to filter paper hydrolysate, the PhLA yield was reduced by 35% during fermentation with enzymatic hydrolysate of sorghum bagasse as a carbon source, and metabolomics analysis revealed that intracellular levels of erythrose-4-phosphate and phosphoenolpyruvate and NAD(P)H regeneration for PhLA production from glucose markedly reduced. Compared to the separate hydrolysis and fermentation (SHF) with sorghum bagasse hydrolysate, simultaneous saccharification and fermentation (SSF) of sorghum bagasse under glucose limitation conditions yielded 4.8-fold more PhLA with less accumulation of eluted components of p-coumaric acid and aldehydes, which inhibited PhLA fermentation. These results suggest that gradual hydrolysis of sorghum bagasse during SSF reduces the accumulation of both glucose and fermentation inhibitors, collectively leading to increased PhLA yield.
著者
平野 多恵
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.21-34, 2014-07-10 (Released:2019-07-20)

釈教歌が盛行しはじめる平安時代中期から、釈教歌には二つの文体があった。一つは、漢訳仏典を和語に翻訳して詠むことで、もう一つは漢語による仏教語をそのまま詠み込むことである。前者は経典の内容を詠む法文歌に見られる。当初は経典内容の叙述に詠み手の解釈や心情を加えた二元的構造の歌が多かったが、後に四季の叙景歌や恋歌そのものへと変化した。後者は僧侶の法縁歌・述懐歌に特徴的で、伝教大師や弘法大師などの高僧の伝承歌を始発とする。和語の使用を原則とする和歌が仏教語を許容したのは、当時の和歌が翻訳不可能な仏教語の力を必要としたからだろう。
著者
西岡 智哉 酒井 基介 平野 匠 住友 寿明
出版者
徳島県立農林水産総合技術支援センター水産研究課
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-6, 2015 (Released:2019-01-22)

2009年7月から2011年6月にかけて,吉野川汽水域において,ヤマトシジミの幼貝および成貝の分布,成長および減少要因について調べた。その結果,吉野川においては,幼貝,成貝とも第十北から応神にかけて分布することがわかった。また,ヤマトシジミが殻長15mmに達し,成熟するまでに3年を要すること,幼貝の密度は高いが成貝が著しく少ないことが明らかにされた。その理由として,成貝に達するまでにほとんどの個体が大雨による増水後に流出していることが示唆され,その影響は上流部ほど強かった。下流域では幼貝および成貝ともに個体数が少なく,高塩分にさらされることで着底稚貝が死亡している可能性がある。
著者
小林 のぞみ 平野 徹 東中 竜一郎 牧野 俊朗 松尾 義博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2L34, 2015 (Released:2018-07-30)

我々は,パーソナライズ可能な音声対話エージェントの実現に向け,ユーザが自身について述べた情報(ユーザ情報)を扱いやすい形で抽出することを進めている.本発表では,ユーザ情報抽出の一部として述語項構造抽出を対象に,特にシステムの質問とユーザの回答(質問回答ペア)に着目し,従来の述語項構造解析では抽出できない問題について述べ,その解決方法を提案する.
著者
平野 敏行 章 超樺 森下 昭寿 鈴木 健 白井 隆明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.547-557, 1992 (Released:2008-02-29)
参考文献数
27
被引用文献数
22 35

The volatile compounds collected on a porous polymer Tenax TA from wild and cultured ayu fish were evaluated by GC-sniffing and identified by GC-MS. GC-pattern and odor quality of wild ayu were similar to that of cultured ayu. The main compounds responsible for a cucumber-like and/or watermelon-like aroma were identified as (E, Z)-2, 6-nonadienal, (E)-2-nonenal, and 3, 6-nonadien-1-ol; (E, Z)-2, 6-nonadienal play a significant role in the characteristic aroma of ayu. However, by the same analytical experiment, it was shown that carbon-9 carbonyls and alcohol were not detectable in river algae eaten by wild ayu and in artificial diets for ayu culture.
著者
平野 淳一
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.32-39, 2008 (Released:2016-10-03)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本稿では,平成の大合併前後に行われた市長選挙の構図を描くことを試みる。従来までの合併を巡る研究は,合併の要因やメカニズムが主として扱われており,政治的効果という観点から分析したものは少ない。本稿では,市町村合併を行った市にみられる選挙の枠組み,当選者の属性,投票率等に注目し,その他合併を行わなかった市との比較でどのような違いが見られるのかを考察する。
著者
上井 雅史 伊藤 昭 田中 隆晴 平野 弘之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D3P2516, 2009 (Released:2009-04-25)

【はじめに】ベゲタミンの大量服用で横紋筋融解症を呈した統合失調症症例の大腿四頭筋麻痺の1例を経験した.リハビリテーション(以下リハ)の経過につき報告する.今回の報告はヘルシンキ宣言に従い症例に説明をして了承を得た.【症例】31歳、女性.既往歴:統合失調症、糖尿病.【現病歴】2007年6月中旬にベゲタミンを大量服用し意識障害が出現.某大学病院救命センターに搬送され血液浄化療法を受ける.発症10日目からリハが開始され、7月12日に退院となった.7月13日に当院を受診しリハ開始となった.【初期評価】徒手筋力テスト(MMT)の結果:両股関節屈曲4および外転が4であった.両膝関節伸展が0、屈曲が4であった.両足関節伸展が4、屈曲が4であった. ADL能力:Barthel index 55点、起居動作は手すりつき椅子自立、歩行能力はロフストランド杖使用で屋内監視、屋外歩行は軽介助であった.【経過】2007年7月17日から筋力およびADL訓練を開始した.8月11日に歩行が自立、階段昇降も監視で可能となった.9月1日には大腿四頭筋に筋収縮が感じられMMTが1となった.9月14日に階段の上りが自立した.9月21日には階段の下りが自立した.11月6日に膝関節伸展が2となった.1月28日には膝関節伸展が3となった.4月22日には膝伸展筋力が4であった.春先になると思考がまとまらないなど統合失調症の症状が増悪、および筋力訓練が辛いとなどの理由で通院頻度が減少した.そのため運動プログラムを一時中止、ストレッチや温熱療法などに変更することで、通院中止による社会参加の機会が減少するのを防止した.その後、活動面は徐々に増加し10月中旬より授産施設に復帰が可能となった.【考察】統合失調症を合併する横紋筋融解症の経過報告は我々のみた限りで少ない.類似した事例として阪神大震災時のクラッシュ症候群の報告がある.それによると16週以降でも歩行に至らなかった症例が10例中3例と筋力回復には長期要すると予想された.統合失調症へのリハが社会適応を目的としている事も考慮し、筋力回復主体ではなくclose packed position(CPP)で骨靭帯性の支持力を利用した歩行をさせることで、早期に歩行を自立させ早期社会復帰に向けモチベーションを維持させた.筋力が十分でない場合Closed kinetic chainでは靭帯、軟部組織に対し負担を増加させる.そのためOpen kinetic chainから開始するのが良いといわれている.本症例でもADL自立度が改善する一方で、膝関節に力学的負担が増加し膝関節痛が出現し筋力改善がプログラムを中断してしまった.統合失調症は自己管理能力が必要以上に乏しく肥満、関節負担の軽減が困難である.歩行動作を優先しプログラムが中断した点は反省すべき点であった.筋力訓練の停滞はあったが、一旦獲得した機能が著しく低下することがなかった.通院による身体活動および社会への参加の増加が身体機能維持につながったためと考えられた.
著者
南川 幸 塩谷 つね子 平野 年秋 ミナミカワ エンヤ ヒラノ M. MINAMIKAWA T. ENYA T. HIRANO
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.19, pp.21-34, 1973-03-15

"日本産ヒダナジタケ目Aphyllophorales中の肉質キノコ類に関し,その菌類分類学的位置および種の特徴をまとめ,肉質キノコ類を含む科の菌類分類学的特徴について言及し,ヒダナシタケ目中最も美味で広く世界的に利用されているアンズタケ科Cantharellusの成分,特にPro-Bitamine D_2 エルゴステリンに関して定量測定を進め次の結果を得た.1.アンズタケ科のエルゴステリンの含有量はほぼ0.08%から0.2%ぐらいまである.2.アンズタケ科のうちオオムラサキアンズタケが0.19%,ヒナアンズタケの0.17%,アンズタケの0.16%が比較的多く,つづいてベニウスタケ,ミキイロウスタケ,クロラッパタケ,シロアンズタケモドキの0,10%で,アクイロウスタケ,アカラッパタケは比較的少ない.3.エルゴステリンは成熟が進むにつれて増加する傾向が明らかになった.4.エルゴステリンは子実体の各部位により含有量に大きな差がある.すなわち菌傘部に多く菌柄部が少ない."
著者
松山 惇 平田 秀樹 山岸 努 林 恵一 平野 優子 桑田 紀代美 清澤 功 長澤 太郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.887-893, 1992-10-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
7 17

ビフィズス菌の単独培養,または乳酸菌との混合培養による発育性ならびに大豆オリゴ糖の資化性について観察した.(1) 豆乳中におけるビフィズス菌の発育性について,24時間培養後のpHは,いずれの菌も4.53~4.76まで低下し,酸度は, 0.67~0.90%まで上昇した.また,培養20時間後の菌数は,いずれの菌種も10 3個のオーダーで増加し,豆乳中におけるビフィズス菌の増殖性はきわめて良好であった.(2) B. breveおよびB. longum とL. acidophilusとの混合培養では,ビフィズス菌数,生酸性は単独培養時のそれらを上回ったが,L. acidophilusの菌数は単独培養時のそれよりも低い傾向を示した.(3) ビフィズス菌による豆乳中のガラクトオリゴ糖の資化性は,特にスタキオースに対して優れていた.また,生成したグルコースは発酵に利用されたが,フルクトースおよびガラクトースは蓄積される傾向がみられた.(4) スクロース,ラフィノースまたはスタキオースを添加したMGLP培地において, B. breveの発育性は,スタキオース添加培地で優れていた.さらに,これらの糖を2種類または3種類含有する培地では,後者の方が良好な発育性を示した.
著者
高田 嘉尚 高橋 浩二 中山 裕司 宇山 理紗 平野 薫 深澤 美樹 南雲 正男
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.68-74, 2006-03-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
11

本研究は嚥下音と呼気音の音響特性を利用して嚥下障害を客観的に鑑別することを目的として企画されたものである.対象は嚥下障害を有する頭頚部腫瘍患者26名である.VF検査中嚥下音ならびに嚥下直後に意識的に産生した呼気音をわれわれの方法によって採取し, 嚥下と呼気産生時の動態のVF画像とともにデジタルビデオレコーダーに記録した.嚥下音と呼気音の音響信号はわれわれの音響解析コンピュータシステムによって分析を行い, 嚥下音については持続時間を計測し, 呼気音については1/3オクターブバンド分析により, 中心周波数63Hzから200Hzまでの6帯域の平均補正音圧レベルを求めた.嚥下音と嚥下後に意識的に産生した呼気音92サンプルずつについて, これらの分析が行われ, VF所見との比較が行われた.その結果, 嚥下音の持続時間では, Abnorma1群 (誤嚥あるいは喉頭侵入のVF所見を示した群) はSafety群 (前記のVF所見のない群) に比べ, 持続時間が延長する傾向がみられ, 呼気音の補正音圧レベルでは, Abnorma1群はSafety群に比べ, 音圧レベルが大きい傾向を示した.次に嚥下障害を鑑別するために嚥下音の音響信号の持続時間の臨界値として0.88秒を設定し, 同様に呼気音の音響信号の補正音圧レベルの臨界値として17.2dBを設定した.嚥下音と呼気音の分析値の両者がともにこれらの臨界値を超えた場合, そのときの嚥下は障害があると評価した.これらの評価とVF所見との判定一致率は感度82.6% (38/46), 特異度100% (46/46), 陽性反応的中度100% (38/38), 陰性反応的中度85.2% (46/54), 判定-致率91.3% (84/92) となった.以上の結果より嚥下音の持続時間と呼気音の補正音圧レベルは嚥下障害を検出するために利用できることが示唆された.
著者
榎屋 剛 平野 智也 野澤 巧 尹 鉉喆 藤戸 靖則 柏木 悠 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.185_2, 2019 (Released:2019-12-20)

【目的】異なる投球速度に対するタイミング調節の鍵となる野球打撃動作の局面を検討すること。【方法】屋外の野球場において、5名の大学生選手が1名の投手から投球されたボールを打撃した。この際の球種はストレート(球速:約110~135km/h)であり、投手はランダムに緩急をつけた投球を行った。投手と打者の動作は、同期した2台の高速度カメラ(300fps)を用いて撮影し、投手のリリースの時刻に対する打者の各動作(前足のつま先離地、つま先接地、踵着地、インパクト)の時刻を算出した。【結果および考察】投球速度と打者の前足つま先離地およびつま先接地時刻には有意な相関関係が示されなかった。一方、投球速度の増加に伴い、打者の前足踵着地時刻が短くなった。また、投球速度と打者の前足つま先接地から踵着地の局面間の時間に有意な負の相関関係が示された。従って、打者の前足つま先接地から踵接地の局面間の時間は、異なる投球速度に対する打者のタイミング調節にとって重要であることが示唆された。