著者
後藤 勝正
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

老化に伴う筋力と骨塩量の低下を防止するための安全かつ効率的なストレス負荷で筋力増大をもたらす新しいトレーニング方法の開発に関して、筋力トレーニングを骨格筋に対するストレスと捉え、骨格筋に対する新しいストレスとして温熱刺激に着目した。そこで本研究では、温熱刺激による(1)骨格筋細胞の増量と増殖とその作用機序、(2)温熱刺激による筋トレーニング効果の促進、ならびに(3)温熱刺激による筋萎縮からの回復促進、について、新しいストレス負荷による骨格筋の肥大の可能性を探ることを目的とした。実験モデルとして培養骨格筋細胞ならびにWistar系雄性ラット(生後12週齢)を用い、実験的萎縮筋モデル(後肢懸垂モデル、前十字靭帯損傷モデル)を採用した。培養骨格筋細胞の実験ではL6(ラット)およびC2C12(マウス)を用いた。培養骨格筋細胞に対して温熱刺激(41℃、60分)、機械的伸展刺激ならびに両者を組み合わせて加えることで、骨格筋細胞の増殖や肥大に対する温熱刺激の効果が両細胞で確認された。したがって、温熱刺激による骨格筋細胞の増量は種に依存する現象ではないと考えられた。ラットを用いた実験では、温熱刺激のみにより骨格筋肥大が促進するか検討し、41℃の温熱環境に60分間暴露することで筋肥大が引き起こされた。また、後肢懸垂モデルを用いひらめ筋を萎縮させた後、後肢懸垂を解除し通常飼育をする前に温熱刺激を加えることで、萎縮からの回復過程が促進した。さらに、前十字靭帯損傷モデルでは、萎縮した筋ではストレスタンパク質の発現増加が認められ、温熱刺激による筋萎縮抑制の可能性が示唆された。以上より、温熱刺激が筋タンパク増量効果をもたらすことが明らかになった。また、温熱刺激による骨格筋の肥大は。(1)ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)/Artシグナル伝達系を活性化させることでもたらされることが明らかになった。
著者
下村 良 三川 健太 後藤 正幸
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.51-60, 2014

近年の情報化により,企業は大量のテキストデータを蓄積可能となった.これらのデータからは様々な情報を抽出できる可能性があるため,データの効率的な分析手法が望まれている.これらのデータから情報を効率的に把握する方法としてその構造化が考えられ,既に様々な手法が提案されているが,全作業が人手によるため,その数が膨大な大規模テキストデータには適用できないという欠点がある.そこで本研究では,人手による分類手法に大規模テキストデータを扱う自動文書分類の技術を組み合わせ,大規模テキストデータの効率的な解析を支援する手法を提案する.また,ソフトウェア開発に関わる企業が保有する実データに適用し,その有効性を示す.
著者
下村 良 三川 健太 後藤 正幸
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.51-60, 2014

近年の情報化により,企業は大量のテキストデータを蓄積可能となった.これらのデータからは様々な情報を抽出できる可能性があるため,データの効率的な分析手法が望まれている.これらのデータから情報を効率的に把握する方法としてその構造化が考えられ,既に様々な手法が提案されているが,全作業が人手によるため,その数が膨大な大規模テキストデータには適用できないという欠点がある.そこで本研究では,人手による分類手法に大規模テキストデータを扱う自動文書分類の技術を組み合わせ,大規模テキストデータの効率的な解析を支援する手法を提案する.また,ソフトウェア開発に関わる企業が保有する実データに適用し,その有効性を示す.
著者
八百 隆文 後藤 武生 藤井 克司 李 賢宰 小池 佳代
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

高い発光強度が必要な照明等のLED構造は縦型LED構造が望ましいが、絶縁体であるサファイアを基板として用いるため縦型構造作製が難しい。この問題解決として、我々は金属バッファー層とケミカル・リフト・オフ(CLO)技術によりサファイア基板を剥離して縦型高輝度紫外LEDを開発した。即ち、サファイア基板上に金属バッファーを用いて高品質GaNのMOVPE成長が実現し、GaN上に近紫外(385nm帯)発光InGaN/GaN/AlGaNLED構造を試作した。発光層InyGa1-yN/GaN量子井戸(QW)層中のIn組成の精密制御ならびにLEDの構造の最適化によりLED特性の大幅な向上も実現した。要するに、CLO法による縦型高輝度深紫外発光LED開発のフィージビリティーを示した。
著者
チャン ティフン 松岡 直之 谷口 直樹 後藤 四郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,Barucci-Froeberg, 後藤-松岡-Phuongにより導入・展開された1次元almost Gorenstein環論を完成させ,高次元論に発展させることである。その中でも,Rees代数,行列式環,Arf環のalmost Gorenstein性解析を行い,それぞれ判定条件が得られた。並行して,非Cohen-Macaulay環論の充実のため,Rees代数のsequentially Cohen-Macaulay性解析を行った。
著者
後藤 百万 舟橋 康人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

膀胱虚血再灌流モデルラット、及び下部尿路閉塞モデルラットを用い、ペンシル型CCD生体顕微鏡により膀胱虚血再灌流における膀胱壁微小循環の変化を解析した。下部尿路閉塞における膀胱蓄尿障害は、膀胱過伸展による虚血再灌流障害による膀胱血流障害に起因することを示した。また、膀胱微小循環の障害が交感神経α1遮断薬の前投与によりα1A受容体を介して抑制されることを示した。これらの結果から、下部尿路閉塞に基づく蓄尿障害の新規治療として、膀胱微小循環、特に交感神経α1A受容体をターゲットとした薬剤開発が有用であることが示唆された。
著者
後藤 奈美
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.116-120, 2011-03 (Released:2012-12-06)
著者
宇佐美 誠 嶋津 格 長谷川 晃 後藤 玲子 常木 淳 山田 八千子 吉原 直毅 那須 耕介
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、法と経済学に関して、法哲学を基軸としつつ経済哲学的・実定法学的な視点も導入した学際的視座から、総合的かつ多角的な考察を実施した。(1)学問方法については、効率性・正義等の基本概念の分析、経済学的法観念と法学的法観念の比較検討、経済学的人間モデルの吟味、法解釈学の射程の論定、厚生経済学の批判的精査を、(2)学問対象については、経済学的研究が従来未開拓だった公的扶助、学校教育、民事訴訟での立証責任分配に関する分析を行った。
著者
齋藤 洋 山崎 史博 三川 健太 後藤 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.138, pp.7-12, 2014-07-17

本研究では,メトリックラーニングの代表的な手法であるMahalanobis Metric for Clustering (MMC)に着目する.MMCでは,学習データ数の増加や入力データの高次元化により計算量が著しく増加してしまうことが知られている.本研究ではこの問題の解決のため,学習データと特徴次元をランダムに削減し,その下で計量行列を学習する作業を繰り返して結合する手法を提案し,分類精度維持と計算量削減を図る.ベンチマークデータと人工データを用いた評価実験を行い,分類精度と計算量両面から提案手法の有効性を示す.
著者
後藤 浩子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、Chateau du Bignon(Loiret, France)に残るA・コンドルセ・オコナーの未公刊の手稿"Memoirs"のトランスクリプションとデータ入力という史料編集作業を行った。また、理論的作業の面では、18世紀末ブリテン思想史研究の分析概念を整理し、「ラディカリズム」を有用性と利益の語彙による法権利の語彙の置き換えとして定義しなおすことで、T-ペインやオコナーの思想の特徴を映し出すことができる新たな思想分類の-カテゴリーを提示した。
著者
谷井 章夫 後藤 真孝 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.82(2003-MUS-051), pp.19-24, 2003-08-04

ミキシングにおけるエフェクタや音量,音像定位の設定情報が異なれば,同じ音素材を用いても,楽曲の印象は大きく異なるため,的確なミキシングを行うには,高度な技能と経験を要する.そのため,アマチュアがミキシングに取り組んでも意図した結果を得ることは難しい.近年,商用音楽制作において,計算機上のソフトウェアを利用してミキシングが行われることが多くなったが,基本的に,ミキシングエンジニアが旧来のハードウェアミキサーやエフェクターを用いて実施していた作業を計算機上で可能にするものであり,技能と経験の乏しいアマチュアがミキシングを行う上での支援はなかった.本研究では,経験豊富なミキシングエンジニアの持つミキシングのノウハウをテンプレート化しておき,経験の乏しいアマチュアが自分の制作過程で再利用できるシステムを提案する.
著者
水間 公一 西尾 昭彦 臼井 朋明 相川 真 後藤 幸夫 中山 豊 渋谷 均 古家 隆司 福井 四郎 戸塚 守夫 早坂 滉
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.1037-1041, 1980-12-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
20

甲状腺癌は他臓器の癌に比べ発症年齢のピークは若年者側にある.しかし小児症例は多くはないが著者らは教室における経験例を中心に診断,治療の面について検討を加えた.術前から癌の確診をえた症例は少なく,早期診断と治療が要求される小児例においては甲状腺腫に対して生検を含む積極的手段を構じ癌の確診をうるよう努力すべきであろう.また術式は,高い根治性と最小の合併症が要求されるため慎重に各症例に最適な術式を撰択すべきである.予後は成人とほぼ同様に良好と考えてよいと思われるが,死亡原因の大半を占める肺転移に対する対策は今後さらに検討・改善を加えてゆくべきと思われる.