著者
後藤 範子
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.27-35, 2005-03

ネイチャーゲームの1つサウンドマップを保育者養成校の1年生が実施した報告書から自然環境での発見の度合いとその表現方法,幼児を対象にサウンドマップを行う場合への応用との関連について考察することを目的とする。結果から4点が考察された。(1)「どのような音」よりも「何が」聞こえるのかに興味が向いた学生ほど多様な音を発見することが難しい傾向がある。(2)多様な音を発見できた学生は幼児にも音に集中する行動を促そうとする傾向がある。(3)多くの音を発見することができなかった学生は環境設定の必要性を理解し,考える傾向がある。(4)多様な自然の音を発見できた学生は聞こえた音の表現方法の多様さや自然との一体化を楽しめるような配慮を考える傾向が見られ,多くの音を発見することができなかった学生は,どこから何の音がするのかを考えることを楽しめるように配慮する傾向と子どもに対する言葉がけをより具体的に考案する傾向がある。
著者
後藤 恵之輔 立入 郁 小島 和紀
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.18-20, 2002-11-01
被引用文献数
2

Roof planting on the artificial foundation is noticed as an effective method for heat reduction, including upward radiation decrease and sun light insulation, in the city center. In this study, basic experiments by use of Normalized Differential Vegetation Index and radiation temperature, derived from ground-based remote sensing, depicted that the positive relation between the heat reduction and health condition for the same vegetation species, Zoysia tenuifolia. This relation, however, was not observed among the different vegetation species. Remote sensing provides operative data for choosing plant spices and maintaining suitable vegetation conditions, which are vital for efficient roof planting.
著者
後藤 陽一 細貝 英実 原 文雄 阿部 靖則 田中 祥夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.64, no.625, pp.3342-3347, 1998-09-25
被引用文献数
7

In-pipe flaw causes a failure in air conditioning pipe system, and to prevent the failure, in-pipe flaw must be diagnosed regularly. For the diagnosis of it, the type and size of the flaw are important information, and a pulsereflection method is usually used, because of its simplicity, where the type and size of in-pipe flaw have an effect on an amplitude of its echo. In this paper, to judge the type and size of in-pipe flaws, we used the two kinds of the amplitude information about the echoes. One is the amplitude of the echo that is reflected from the inner surface of the pipe with the flaws. The other is the amplitude of the echo reflected from the normal surface of the pipe. We used wavelet analysis to obtain the amplitude information about the echoes in the ultrasonic pulse reflected. We showed the results of the in pipe flaw diagnosis by using a test pipe with the artificial flaws on its inner surface and classified the results of flaw diagnosis in three types. Finally, we proposed an estimation method of the size of the in pipe corrosion with some experimental results.
著者
小林 一也 吉海 智晃 後藤 健文 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.416-423, 2013 (Released:2013-06-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

It is preferable that robots have soft outer cover and give themselves fewer impact in contact with humans or surroundings. Although self-protection is one of the most important functions and inevitably required for robust robot architecture, Simple introducing thick “flesh” to a robot tends to impede the movability and generality. In this paper, we have realized soft and thick outer cover by multilayered and distributed softness, and have introduced joint protection by dislocation and auto recover function. Finally, we realized various contact behaviors by the robot with distributed soft cover and joint dislocation ability.
著者
齋藤 毅 後藤 真孝 鵜木 祐史 赤木 正人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.25-32, 2008-02-08
被引用文献数
7

本稿では,歌詞の朗読音声(話声)を歌声に変換する歌声合成システムSingBySpeakingについて述べる.このシステムは,音声分析合成系STRAIGHTによる分析/合成処理過程において,基本周波数(F0),スペクトル,音韻長を制御するモデルによって歌声特有の音響特徴を操作することで話声を歌声に変換する.F0 制御モデルは,楽譜情報から得られるメロディの遷移の概形に対して,4種類の動的変動成分(オーバーシュート,ヴィブラート,プレパレーション,微細変動)を付与することで歌声のF0変化パターンを生成する.スペクトル制御モデルは,話声のスペクトルに対して,歌唱ホルマントとヴィブラートに同期したホルマントの振幅変調を付与することで歌声のスペクトル形状を生成する.音韻長制御モデルは,楽曲のテンポに基づいて,話声中の各音韻長を歌声の音韻長に伸長する.システムで合成された音声を聴取実験によって評価した結果,各種音響特徴を制御することで話声から歌声に変換され,すべての特徴を制御した合成音の音質は原音声と同程度であることを示した.This paper describes a novel singing voice synthesis system SingBySpeaking that can synthesize a singing voice, given a speaking voice reading the lyrics of a song and its musical score. The system is based on the speech manipulation system STRAIGHT and comprises three models controlling three acoustic features unique to singing voices: the fundamental frequency (F0), phoneme duration, and spectrum. Given the musical score and its tempo, the F0 control model generates the F0 contour of the singing voice by controlling four types of F0 fluctuations: overshoot, vibrato, preparation, and fine fluctuation. The duration control model lengthens the duration of each phoneme in the speaking voice by considering the duration of its musical note. The spectral control model converts the spectral envelope of the speaking voice into that of the singing voice by controlling both the singing formant and the amplitude modulation of formants in synchronization with vibrato. Experimental results show that the proposed system can convert speaking voices into singing voices whose naturalness is almost the same as actual singing voices.
著者
後藤 美映
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、ダンテの『神曲』を受容するという形でロマン派第二世代の詩人たちによって表明された政治的美学的改革とコスモポリタニズムの精神性とを明らかにした。具体的には、『神曲』は、ロマン派詩人の叙事詩創作に大きな影響をもたらし、当時の叙事詩に要請された伝統的な様式を超える、革新的、近代的なスタイルの範となったことを呈示した。また、ダンテ受容と軌を一にして、ロマン派の詩人たちが唱えた新しい「ヨーロッパ」文学とは、『神曲』に内在する普遍性と個との有機的調和によって生み出される、コスモポリタン的知の循環と革新性であったことを明らかにした。
著者
後藤田 直人 板野 聡 堀木 貞幸 寺田 紀彦 児玉 雅治
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.2596-2600, 1999-11-01
参考文献数
14
被引用文献数
12 9

患者は72歳の女性.55歳の時に交通事故で骨盤を骨折.3年前よりときどき右下腹部痛,下痢がみられ,当院を受診.触診では右下腹部から側腹部にかけて圧痛を認めたが,腹膜刺激症状はなく,腫瘤も触知しなかった.その後も症状が続くため平成10年に注腸造影X線検査(以下,注腸Xp), Computed tomography(以下,CT)を施行し,上行結腸の腹腔内からの脱出を認めた.腰ヘルニアを疑い,手術を行うも胸腰筋膜のレベルで,外腹斜筋の中に腸骨稜を下端とした直径4cmの欠損部があり,上腰三角,下腰三角は脆弱でないため,腰ヘルニアではなく,17年前の外傷による腹壁ヘルニアと診断,周辺組織を縫合することで欠損部を閉鎖した.術後は良好に経過中である.外傷性腹壁ヘルニアは鈍的,鋭的損傷,または介達外力による損傷の結果生じるヘルニアである.受傷後まもなく発生する場合と遅発性に発生する場合があるが,後者はその中でもまれといわれている.自験例では注腸Xp, CTがヘルニアの存在診断に有用であると考えられた.
著者
黒岩 崇 後藤 貴裕 河野 真也 横山 節雄 宮寺 庸造 中村 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.464, pp.157-164, 1997-12-20
参考文献数
4
被引用文献数
8

本学は, 付属学校のほとんどが遠隔にあるため, 大学と付属学校との連携した学生指導を行うことは難しい. そこで, ネットワークを利用し, 大学の教官が遠隔から研究授業を参観し, その後研究会に参加する形態を実施した. 本稿では, アンケートとインタビューから, 遠隔授業参観を行った際の有効性や課題について考察し, 遠隔参加型研究会のよりよい方向性を与える.
著者
後藤 香織 野村 孝路 小川 正行
出版者
日本水泳・水中運動学会
雑誌
水泳水中運動科学 (ISSN:18806937)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.23-30, 2007 (Released:2008-05-24)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

Physical strength and performance test (PSPT) results for elite junior divers selected annually in the diving competition finals of the National Junior High School Selection Swim Meets (1998∼2005) were studied. It was found that the relationship between the PSPT results and the competition scores compared from the viewpoint of the annual results were as follows: the PSPT results for both genders indicated gradual improvements among male and female springboard divers, and male and female platform divers (ANOVA: p<0.05). The competition scores for springboard diving also indicated gradual improvements as mentioned above. Various athletic abilities, such as the flexibility of the shoulder joints, body tucks, etc., and especially muscular strength were improved during the PSPT. It was recognized that this unique improvement in the PSPT and competition scores have been achieved by using newly developed training systems.
著者
後藤 哲雄 高山 健志
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.45-60, 1992-05-25
被引用文献数
10

オウトウハダニTetranychus viennensis Zacherには, 周気管の形状と雄成虫の体色, 産卵習性を異にする系統が存在する。これらは種内変異と考えられているが, 詳細には検討されていない。本研究では, 複雑な周気管を持ちバラ科樹木に寄生するリンゴとサクラ系統, および単純な周気管を持ちブナ科樹木に寄生するミズナラ系統が同一種であるかまたは別種であるかを明らかにする目的で, 寄主範囲, 増殖率, 生殖和合性およびエステラーゼザイモグラムを調査した。リンゴとサクラ系統の寄主範囲は非常によく類似していたが, ミズナラ系統とは明らかに異なっていた。ミズナラ系統の内的自然増加率はリンゴ系統と類似した値を示したが, サクラ系統の値よりは低く, ブナ科とバラ科寄生系統間の差は不鮮明であった。系統内交配およびリンゴとサクラ系統間の交配では雌雄の子孫が出現し, 和合性を示したが, バラ科に寄生する2系統とミズナラ系統の交配では雄の子孫のみが出現し, 生殖的な隔離が見られた。エステラーゼアイソザイムのバンドは, 3系統に共通する1本(E7)を含む8本が検出された。リンゴとサクラ系統では, サクラ系統に特異的な1本(E1)を除き, 共通する3本のバンドを示したが, ミズナラ系統はこれらと異なる3本のバンドを出現した。以上の結果から, バラ科に寄生するリンゴとサクラ系統は同一種であるが, ブナ科に寄生するミズナラ系統は明らかに別種であると結論された。
著者
荒川 貴紀 三川 健太 後藤 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.8, pp.1956-1959, 2013-08-01

本研究では,学習データ中に全く現れなかった未知のカテゴリー(未観測カテゴリー)の文書が出現するような状況での文書分類問題を対象とし,確率モデルに基づいた新しい分類手法を提案する.
著者
福田 育弘 神尾 達之 桑野 隆 後藤 雄介 高橋 順一 原 克
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

各人がそれぞれのフィールドにおいて近代の飲食行為を文化現象として考察した。福田は、おもにフランスと日本において、共に食べることに価値を見出す<共食の思想>の在り方を、歴史的な社会的背景をふくめ学際的に考察した。とくに、日仏の文学作品における共食の表象を研究し、それぞれの社会で、個人にとっての飲食の意味を重要視する<個食の快楽>が、<共食の思想>にあらがいながら形成されてきたことを明らかにした。ロアルド・ダール『チャーリーとチョコレート工場』(1964)は、2005年にティム・バートン監督によって映画化された。神尾は、子供向けのファンタジーとして読まれているダールの原作から表向きはいわば排除されていたチョコレートのセクシュアルな意味合いは、バートンの映画で回帰する。本研究では、この回帰のプロセスをチョコレートの表象の変化として考察した。桑野は、ロシア・アヴァンギャルドと社会主義リアリズムにおける飲食の表象を比較した結果、後者は豊かな飲食のイメージを捏造しているのに対し、前者では独特の日常生活観や革命観も関連して飲食の表象が乏しいことが改めて確認した。後藤は、ラテンアメリカの「喰人」表象が西欧とラテンアメリカの関係性において、今日のポストコロニアル的なものへと変化していったことを明らかにした。高橋は、わたしたちの社会の変容にとって重要なキー概念としての歓待の概念を研究した。歓待の概念は人類と生活世界(Lebenswelt)についての新たな視点の基礎となるものである。現在、高橋は歓待の哲学的な基礎について考察を行っている。原は、「お袋の味」言説を起点に、大量生産消費文化と家族制度イデオロギーという視点から20世紀米国の食をめぐる表象構造を批判的に分析した。以上の研究から、近代における飲食の問題性が学際的に浮き彫りになった。