著者
谷口 夏子 福岡 篤彦 天野 逸人 岡村 英生 竹中 英昭 森井 武志 岡本 行功 吉川 雅則 古西 満 塚口 勝彦 濱田 薫 米田 尚弘 成田 亘啓
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR TB AND NTM
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.367-371, 2002-04-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
7

われわれは膿胸関連リンパ腫の症例を経験したので報告する。患者は67歳男性で左側胸部腫脹と疼痛で受診した。既往としては6歳時に肺結核, 24歳時に結核性胸膜炎に罹患していた。生検標本の組織学的検査の結果, 悪性リンパ腫びまん性大細胞B細胞型と診断した。THP-COP (THP, CY, VCR, PSL) による化学療法を施行し徐々に胸痛と腫脹は改善し, 現在維持療法継続中である。また, 分子生物学的見地から膿胸壁のEBウイルス感染を証明した。悪性リンパ腫を併発した結核性慢性膿胸症例の全例にEBウイルスの感染が証明されたとの報告があり, EBウイルス陽性の結核性膿胸の患者ではより注意深く検査を進める必要がある。
著者
横山 友里 吉﨑 貴大 小手森 綾香 野藤 悠 清野 諭 西 真理子 天野 秀紀 成田 美紀 阿部 巧 新開 省二 北村 明彦 藤原 佳典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.665-675, 2022-09-15 (Released:2022-09-10)
参考文献数
36

目的 食品摂取の多様性得点(DVS)は,日本人高齢者の食品摂取の多様性を評価する指標として,疫学研究や公衆衛生の現場において幅広く活用されている。一方,本指標は1990年代の開発以降,見直しが行われておらず,現在の日本人高齢者の食生活の実態を必ずしも十分に反映できていない可能性がある。本研究では,構成食品群の改訂による改訂版DVS(MDVS)の試作および妥当性の評価を行うことを目的とした。方法 鳩山コホート研究の2016年調査に参加した357人(年齢:76.2±4.6歳,男性:61.1%)を対象とした。DVSおよびMDVSは,各食品群の1週間の食品摂取頻度をもとに,ほぼ毎日食べる食品群の数を評価した。DVSの構成食品群は肉類,魚介類,卵類,牛乳,大豆製品,緑黄色野菜類,果物,海藻類,いも類,油脂類とし,MDVSの構成食品群は平成29年国民健康・栄養調査における65歳以上の食品群別摂取量のデータをもとに,主菜・副菜・汁物を構成する食品群の摂取重量および各栄養素の摂取量に対する各食品群の寄与率をもとに,その他の野菜,乳製品を追加することとした。栄養素等摂取量は,簡易型自記式食事歴法質問票を用いて調べた。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で推定平均必要量が定められている14の栄養素について,必要量を満たす確率およびそれらの平均を算出した。DVS,MDVSと各指標との相関分析および相関係数の差の検定を行った。結果 MDVSとたんぱく質エネルギー比率,脂質エネルギー比率,食物繊維,カリウム摂取量,改良版食事バランスガイド遵守得点との有意な正の関連がみられ(偏相関係数の範囲(r)=0.21-0.45),炭水化物エネルギー比率との有意な負の関連がみられた(r=−0.32)。また,MDVSと14の栄養素の必要量を満たす確率の平均との有意な正の関連がみられた(r=0.41)。これらの関連の程度はDVSとMDVSで同程度であり,相関係数の差は有意ではなかった。結論 栄養素摂取量や食事の質との関連からみた妥当性はDVSとMDVSで同程度であった。DVSの改訂にあたっては全国の大規模集団を対象に精度の高い食事調査を用いたさらなる研究が必要である。
著者
森 忠洋 三木 伸夫 成田 愛世
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.248-254, 1978-03-18 (Released:2010-03-18)
参考文献数
9
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001
被引用文献数
4

本研究は,『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え,その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は,「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度 (経験・抵抗感) に基づいて, 回答者を3群 (経験群・弱抵抗群・強抵抗群) に分類した。各群の特徴の比較し,『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1) 友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は,『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より,『援助交際』を経験する者や,『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が,『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
成田 研一
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.48-54, 2021 (Released:2021-08-07)

緒言:石見銀山領大森代官所へ 1778(安永 2)年に領民から出された一通の嘆願書,添えられた人参栽培法を記したショート・メモを調査の対象とした. 方法:その栽培法の内容が特異的だったので,先行する他の栽培法と比較検討した. 結果:このショート・メモは「朝鮮人参耕作記 田村藍水:1765」からの簡略な抜粋,図の模写であると考えられた.また,栽培技術に盆栽の手法が応用されていることから,佐渡での人参栽培法の開発が原始であると推測された. 考察:佐渡での人参栽培法の開発から日光へ栽培法が伝えられ,成書となり,三瓶山へも,また全国へも伝えられた可能性があると考えられた.
著者
成田 奈緒子 伊能 千紘 油科 郁佳
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of the Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.149-158, 2013-12-01

小学生を対象に学力と学習効率、そして体力という多角的な要因と睡眠動態との関連について実践研究を行った。某小学校全校児童を対象に、2011年5月と7月の2回、計算タスクを行った際の正答率、計算タスク前後でのストレスマーカーである唾液アミラーゼ活性値、さたに文部科学省の定める「新体力テスト」のうち反復横とび20mシャトルランの二種目の記録を測定し、同時に就寝時刻、起床時刻から睡眠時間を計算してその関連を検討した。その結果、睡眠時間が5月、7月とも9時間以上である群はそうでない群に比較して7月の計算タスクの正答率が高くなり、唾液アミラーゼ活性値が低下した。また、体力テストの2種目とも記録が7月に上がった児童は、そうでない児童に比べて、7月に就寝時刻が早まり、睡眠時間が長くなった。このことより、児童の睡眠動態を良好に保つことは、学力向上や学習に対するストレスを低下させ、学習効果を上げ、さらに継続的な体力向上にも効果的に働く可能性が示唆された。
著者
成田 龍一朗
出版者
東北教育哲学教育史学会
雑誌
教育思想 (ISSN:03860663)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.135-157, 2018-03-31
著者
成田 渉
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.171-180, 2020-06-30 (Released:2021-07-01)
参考文献数
28

認知症性疾患として最多を占めるアルツハイマー病には記憶障害を主症状としない一群が存在する。 このうち, logopenic progressive aphasia (LPA) は左半球の機能低下を反映し, 喚語困難に加え, 句や文の復唱障害として表現される言語性短期記憶の障害を特徴とする。Posterior cortical atrophy (PCA) は後頭葉から頭頂葉および後頭葉から側頭葉の機能低下によって視空間認知障害, 対象認知の障害などを生じる。  片側の障害が多い脳血管障害と比較して, 左右差があっても基本的に両側性障害である神経変性疾患では両側の大脳半球損傷でみられる症状を認めやすい。視空間認知機能の側性化は言語機能に比べて弱く, 同時失認のように両側性の障害で顕在化する症状は, 神経変性疾患では比較的生じやすくなる。脳血管障害では検討の場面が限られていた認知機能の側性化について, 神経変性疾患の症状は新たな検討の機会を与えるものになると考えられる。
著者
小野 孝浩 鈴木 通弘 成田 勇人 長 文昭
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.293-296, 1989-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

カニクイザル新生仔の健康管理上の一指標として体温 (直腸温) を取り上げ, 新生仔における体温の変動についていくつかの基礎的検討を試みた。生後0日齢の新生仔ザルの体温は, 母ザルにより上手に哺育されていたもの183頭では33.0~37.7℃, 哺育されていなかったもの21頭では24.1~34.8℃の範囲にあった。母ザルの哺育能が良好である場合の新生仔の娩出直後からの体温変化をみると, 娩出時は約36℃と母ザルの体温に近似していたが, その後急激に下降し40~50分後に32~33℃で最低となった。その後, 新生仔の体温は上昇に転じ, 生後180~240分で36~37℃となり安定した。一方, 帝王切開術にて娩出し保温せずに個別ケージに収容された新生仔の体温は, 娩出直後37~38℃であったものが, 120分後には29~32℃にまで低下した。

1 0 0 0 成田市史

著者
成田市史編さん委員会 編
出版者
成田市
巻号頁・発行日
vol.近現代編, 1986
著者
高野 慎太郎 津山 直樹 成田 喜一郎 上條 由貴
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究 (ISSN:21896933)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.82-101, 2022-05-07 (Released:2022-05-07)
参考文献数
21

本研究では、アクティブ・ラーニングの再検討に向けて、人間史学習を中核とした教科横断型実践のカリキュラムの創発過程について、学習指導案や授業資料などのドキュメントデータから明らかにした。これによって、授業方法論の開発者が現場の実践から影響を受け、方法論の問い直しや定義の更新を生じ、それが再び現場の実践にフィードバックされる過程を確認することができた。加えて、創発された教科横断型実践の実態についても、これまでになされてきた教科横断型実践との差異を明記しながら、可能な限りのドキュメントデータの提示とその詳述を行った。これによって、実践者同士が「観」を語り合い、ボトムアップで共通の学習テーマを設定し、「社会不安」という教科間の接点を見出しながらカリキュラム創発がなされている点が明らかとなった。こうした記述を通した全体からは、実践研究の水準においては、実践者と方法論の開発者における相互作用的なカリキュラム創発の過程が示され、また、授業実践の水準においては、アクティブ・ラーニングの諸課題を克服する実践の方向性が示されている。
著者
成田 裕一郎 千馬 誠悦
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.66-69, 2017 (Released:2019-06-05)
参考文献数
9

目的:小児上腕骨内側上顆骨折に対してcannulated cancellous screw(以下CCS)を用いて骨接合を行った10例10肘について検討した. 対象と方法:男8女2,右1左9,平均年齢13歳で,Watson-Jones分類でtype IIが4,type IVが6であった.手術は3.5ないし4.0mm径のCCSを用いて行い,術後は2週間のギプス固定の後,可動域訓練を行った. 結果:8例で初回手術後に骨癒合が得られたが,2例で再手術を要した.骨片が破損して再転位しtension band wiring法で再骨接合したのが1例,偽関節となり掻爬して海綿骨および骨釘移植を行ったのが1例でいずれも骨癒合が得られた.全例でスポーツに復帰し,JOA-JES scoreは平均98.8点であった. 考察:本法は,簡便で強固な固定性が期待される一方,スクリューによる骨片の破損,圧着不足による偽関節を生じる可能性があり,適応と手技に注意して行う必要がある.
著者
成田 亜希
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-37, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
5

〔目的〕成績不振者を出さないような的確な学習支援をどのタイミングで行うかを検討する.〔対象と方法〕理学療法士養成短期大学を卒業した88名を対象とした.卒業時の成績と入学前の学力や在学中の成績,学習動機づけとの比較を行った.〔結果〕入学前の学力は卒業時の成績には影響しないことが示唆された.入学後,1年次4月末には成績不振者を発見できることが確認できた.また基礎医学科目の成績が良いと卒業時の成績も良く,1年次4月初回の小テストで成績が悪い学生は卒業時でも学習動機づけが低いこともわかった.〔結語〕入学当初から学習は単なる暗記ではなく理解し説明できる「生きた知識」を備えることを指導し,普段の小テストから良い成績が取れるよう導くべきである.それによって学生は有能感をもち,学習動機づけも高めていける.
著者
成田 正夫
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2008

制度:新 ; 文部省報告番号:乙2149号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2008/2/25 ; 早大学位記番号:新4715
著者
成田 太一 小林 恵子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.205-213, 2020 (Released:2020-11-06)
参考文献数
24
被引用文献数
2

目的:長期入院を経験し精神科デイケアを利用する男性統合失調症者が,地域においてどのように生活を再構築しているのか,当事者の視点からその特徴を明らかにし支援への示唆を得る.方法:男性統合失調症者9人を対象とし,参加観察やインタビューから得られたデータから退院後の生活の再構築についての語りを抽出し,分析した.結果:対象者は,【長期入院によるつながりの喪失】を経験し,退院後は馴染みのない【新たなコミュニティのメンバーシップを得ることの難しさ】から寂しさを感じていた.そのようななか,専門職や親族などからの【サポートの活用による病状や生活の維持】を図りながら,【地域におけるデイケアメンバーとのつながりと役割の獲得】により,生活を再構築していた.結論:長期入院を経験した男性統合失調症者が地域の中で孤立せず社会参加できるよう,当事者コミュニティと地域コミュニティとの関係づくりを強化することや,入院早期からの就労支援と地域における活動の機会の必要性が示唆された.
著者
成田 忍 村田 貴彦 神武 直彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.295-304, 2021-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
17

本研究では,小学校高学年の探求学習における共同学習時の個人の発言量の偏りを減少させ,個人の発言量を増加させるグループ編成アルゴリズムを設計し評価した.アルゴリズムに児童の興味領域や能力,性格特性データを入力することで,1万通りのグループの組み合わせを作り,個人の予測発言量,グループ内の予測発言量平均値と発言の偏りを予測し,個人の発言量が増加する組み合わせを算出することが可能である.このアルゴリズムによる発言量の偏りの予測精度,発言量の偏り,個人の発言量変化の3つの観点から有効性を評価するため,埼玉県内の小学校で児童を対象に実際にこのアルゴリズムに基づいてグループ編成を行い,共同学習の発話の録音分析とその授業を担当した教員へのアンケートを実施した.その結果,発言量の予測値と実測値には相関が見られ一定の予測ができること,また,普段発言量が少ない児童に発言増加の効果があることを確認した.