著者
鈴木 勉 尾崎 雅彦 鈴木 雅美 矢島 義識 成田 年
出版者
一般社団法人 日本炎症・再生医学会
雑誌
Inflammation and Regeneration (ISSN:18809693)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.96-100, 2006 (Released:2006-08-18)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

According to the World Health Organization(WHO) guidelines for patients with moderate or severe pain, morphine has been used as a “gold standard” treatment for cancer pain. However, the use of morphine for the treatment of pain was sometimes accompanied with side effects such as emesis, constipation and drowsiness.We showed that morphine at the dose of which had no antinociceptive effect produced emetic response and gastrointestinal transit inhibition. It should be mentioned that morphine with lower doses produces severe side effects without antinociception/analgesia.Recent clinical studies have demonstrated that when morphine is used to control pain, psychological dependence is not a major concern. We confirmed that animals with chronic pain failed to exhibit the morphine-induced rewarding effect. It should be pointed out that the endogenous κ-opioidergic system in the nucleus accumbens may be directly involved in the suppression of the morphine-induced rewarding effect under an inflammatory pain-like state. In contrast, the reduction of μ-opioid receptor function in the ventral tegmental area may contribute to the suppression of the rewarding effect induced by morphine under an neuropathic pain-like state. These findings strongly suggest that treatment of morphine with the adequate dose could be highly recommended for the relief of severe chronic pain.
著者
菊池 康紀 平尾 雅彦 成田 賢治 杉山 英路 Oliveira Sueli Chapman Sonia Marzullo Rita M. Arakaki Mariana M. Novaes Leonora M.
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.103, 2010 (Released:2011-02-14)

Biomass-derived chemical has been regarded as an alternative material toward sustainability due to the substitution of renewable raw material for fossil resources. An industrialized plant producing biomass-derived polyethylene (bio-PE) from sugarcane ethanol has been constructed in Brazil. In this study, we aim at revealing the environmental performance of the polyethylene production from bio-ethanol using life cycle assessment. In the boundary of bio-PE, it is produced in Brazil, shipped to Japan, and used by consumers as containers and packaging, and then applied Japanese existing recycling system. The results demonstrate that bio-PE has less greenhouse gas (GHG) emission in its life cycle than that in the life cycle of fossil-derived PE.
著者
成田 正直 眞岡 孝至 蛯谷 幸司 西野 輔翼
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.48-54, 2013 (Released:2013-08-06)

ホタテガイの赤燈色貝柱における成分分析および色素の同定を行い,その抗酸化作用を調べた。赤燈色貝柱の一般成分,遊離アミノ酸は通常貝柱と有意差がみられなかった。MSおよびNMRスペクトルの結果から,赤燈色貝柱の主な色素はペクテノロンと同定した。ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
谷村 秀 井上 俊博 高岡 尚加 成田 史佳 布下 翔碁 山田 賀代
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1_48-1_53, 2016

このプロジェクトは新たな洋食器デザインの在り方を提案するために、陶芸を専攻する大学院生と1年半の期間に渡り協議を重ね開発したものである。各々が思考する"生命感"を洋食器の形状に合わせてイメージ展開し、マスプロダクションに於ける商品として完成させた。さらに販売を想定して消費者の嗜好性分析も行う取り組みへと発展させた。アイテム構成はティーセットを主体とし、ボーンチャイナ(軟釉磁器)の持つ柔らかな色調と透光性のある生地に、転写紙絵付技術による焼成と金加飾による絵付技法を用いて、表現したものである。
著者
成田 一江
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.71-96, 2001-09-25 (Released:2009-11-06)

Gunze Silk Mfg. Co., Ltd. was established in Kyoto prefecture in 1896 and produced high-quality silk. The products were reeled in a factory by young female workers from rural areas who had appropriate skills and experience. After World War I, an expansion in the business caused a shortage of workers at the factory. In response, the management innovated a system for the employment of rural girls.This paper studies the formation of the recruitment system and analyzes how it was implemented by Gunze between 1925 and 1930. The management strategy was to select their employees carefully. First, they refused applications from girls under age in spite of the labor shortage. Only girls aged fifteen and over could get a job and enter the training program. Moreover, they included testing of the candidate's aptitude in the employment examination. Thanks to this, the training period was reduced from six to four months, and the number of trained workers increased.They also considered recruiting highly skilled workers from other factories and areas. This, however, would require reeducation of the workers, and they therefore did not develop this method of employment.In conclusion, the original recruitment system was a precondition for the systematization of the personnel training within industry, which made a contribution to the strict quality control.
著者
島田 玲子 加藤 和子 河村 美穂 名倉 秀子 木村 靖子 徳山 裕美 松田 康子 駒場 千佳子 土屋 京子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】日本調理科学会特別研究平成24~25年度『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』の調査を通して,昭和30~40年代に定着した埼玉県の家庭料理について検証し,主菜の特徴を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】埼玉県の東部低地:加須市,北足立台地:さいたま市,比企:東松山市,大里・児玉:熊谷市,入間台地:日高市,入間山間部:飯能市,秩父山地:秩父市,川越商家:川越市の8地域9か所における対象者は,家庭の食事作りに携わってきた19名で,居住年数は平均72.3年である。当時の地域環境と共に,食料の入手法,調理・加工・保存方法,日常食や行事食,食に関連する思い出や,次世代に伝え継ぎたいと考える料理について,聞き書き法で調査を行った。<br>【結果】埼玉県は内陸県(海なし県)である一方,荒川や利根川などの一級河川が流れ,川魚を入手するには恵まれた環境であった。そのため,動物性の食材にはコイやフナ,カジカ,ハヤなどの川魚のほか,ウナギ,タニシなど,川で獲れる魚介類を利用している地域が多かった。ウナギは現在でも名物であるが,昭和30~40年頃には,家庭で調理するよりも,中食・外食としての利用が多かった。その他の魚は,家庭で甘露煮や焼き魚,天ぷらなどにしていた。一方,海産魚は缶詰や干物,塩蔵品が利用され,昭和40年頃から家庭で作られるようになったカレーライスには,畜肉ではなく,サバの水煮缶やちくわが用いられていた。日常的な畜肉の利用は少なく,卵を得るために鶏やアヒルを飼育し,特別なときにつぶして食べることが行われていた。昭和40年代になると流通網の発達や冷蔵庫の普及などによりとんかつやハンバーグなどの洋食として畜肉も食べるようになった。
著者
下岡 良典 牧口 展子 成田 浩二 福澤 純 鶴巻 文生 菅原 寛之 長谷部 直幸
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.284-291, 2017-03-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
17

無症候の60歳代男性.健診で高血圧と心雑音を指摘され,2010年10月に当院を初診した.聴診で拡張期雑音を聴取し,経胸壁心エコー検査で中程度の大動脈弁逆流症と大動脈四尖弁を認め,精査目的で当科へ入院となった.入院時の左室駆出率は62%であった.経食道心エコー検査,心臓CT検査から2つのlarger cuspと2つのsmaller cuspから構成される大動脈四尖弁を認めた.自覚症状がなく,左室拡張末期径も60 mm以下であったことから経過観察の方針とし,高血圧に対する内服治療を開始し退院となった.初診から5年間の経過観察期間内で明らかな臨床症状は出現しなかった.降圧管理と利尿薬の内服により,経胸壁心エコー検査では大動脈弁逆流症の進行もみられず,左室拡張末期径,左室駆出率の増悪はみられなかった.また大動脈径や弁基部の拡大も認めなかった.大動脈四尖弁は稀な疾患であり,臨床経過についてはほとんど報告がない.これまでの報告から四尖弁に起因する大動脈弁逆流症は比較的早期に外科的修復を要することが多いとされる.われわれの経験した症例から無症候性の大動脈弁逆流症と診断された症例においては,早期に内科的管理を行うことで外科的修復を回避ないし延期することの可能性が示唆され,修復時期の延期は修復方法の選択肢を広げ得る可能性も期待できる.
著者
成田 正人
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.27-41, 2015-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
13

Hume establishes the first principle in his study of human nature: ʻall our simple ideas proceed ... from their correspondent impressionsʼ(T 1.1.1.11). It is so primary for his empiricism that based on it, he argues about space and time, a necessary connection between cause and effect, and even vice and virtue. But then why does he present the missing shade of blue as a contradictory example to it? In this paper, I will start by describing the resemblance thesis and the causal thesis involved in his first principle. I will then explain why the missing shade of blue is not a counterexample to the former thesis, but to the latter. Finally, I will argue why he does present the missing shade of blue though it does not affect his first principle.
著者
成田 淳司
出版者
日本経済学会
雑誌
The Economic Studies Quarterly (ISSN:0557109X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.275-283, 1993-09-20 (Released:2007-10-19)
参考文献数
26

It is widely held that the life cycle hypothesis of consumption is not accepted by Japanese data. In this paper, the life cycle hypothesis of consumption is tested by using Japanese cohort data instead of cross-section data. First, the earnings function of household head is estimated, and the future stream of the earnings is predicted by the function. Then, human capital is estimated. Finally, the life cycle hypothesis of consumption is proven to be accepted.
著者
成田 沙織 北嶋 清子 三熊 敬子 太田 幸一 赤塚 悦子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第54回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.175, 2005 (Released:2005-11-22)

【はじめに】当科では、発熱患者に対し解熱方法としてまず手技の比較的簡単な腋窩クーリングを実施する事が多いが、意識障害で体動が激しい患者には無効なことが多い。今回医療廃棄物をリサイクルし腋窩クーリング用具を考案し、結果を得られたので報告する。【研究目的】1.医療廃棄物をリサイクルし、腋窩クーリング用具(以下クーリン君)を作成する。2.作成したクーリン君で、有効な腋窩クーリング効果が得られる。【研究方法】1.研究期間平成17年1月10日から平成17年4月25日 2.研究方法使用済み経管栄養点滴セット(以下点滴セット)を洗浄乾燥後、EOGガス滅菌にて滅菌処理し、その中にCMC製剤(パルプ剤)を注入。シーラーで4cm間隔と2cm間隔に閉塞し切断し、市販されているクーリング製品との冷却効果を比較検討。4cmと2cmの各集団とで冷却時間が長いほうを箱にいれ冷凍し作成。洗濯ネットにいれ患者の腋窩へ使用。使用後は洗濯ネットより取り出し洗浄し再度冷凍。ネットは洗濯、乾燥の後、再度使用する。【結果】クーリン君内容物の長さと市販用品との比較では、市販のクーリング剤は急激な温度変化に対しクーリン君では緩徐な温度変化であった。更に2cmの方が4cmより緩徐であった。体温と冷却効果については、市販製品の場合開始時温度は低いが冷却時間の持続性は図れず、クーリン君では120分後の場合でも冷却効果が期待できる。【考察】今回考案したクーリン君は医療廃棄物を利用しているが経管栄養用で血液汚染が無くEOG滅菌処理を加え、パルプ材のCMC製剤を使用している為人体に安全である。CMC製剤は熱伝導に優れ、また点滴セットを細かくすることで密着性・変形性から冷却時間が長く多少の体動にもずれにくい利点がある。クーリン君は0℃以上を保つことからそのまま使用でき、市販のものと同等の作用時間があり、凍傷の徴候もみられなかったことに繋がったと考えられる。【結論】1.医療廃棄物をリサイクルし腋窩クーリングを考案した。2.点滴セットにCMC製剤を入れて2cmの方が冷却時間が長かった。3.内容物を2cmにすることで用意に形が変形し腋窩の深部に固定できた。4.クーリン君はそのまま使用でき市販のクーリング製品と同等の作用時間があった。5.クーリン君の程よい冷却効果は、リラクゼーション効果にもなる。
著者
加藤 和子 成田 亮子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.91, 2011

【目的】日本調理科学会平成22年度大会において、日本の各地や家庭において伝承されてきた行事食について、本学学生の家庭にみた現状について中間報告を行った。今年度は、本学学生の家庭における行事食の支度方法と、行事食の継続状況について検討を行った。【方法】本学家政学部栄養学科・短期大学部栄養科1~4年生の学生とその家庭に全国統一アンケート用紙を平成12年12月に配布し、冬期休業中の留め置き法により回収した。回答アンケートは総数697件、この内10代:175件、20代:247件を学生世代、主たる調理担当者として40代:109件、50代:127件を親世代として項目ごとに集計を行った。【結果】各年中行事における行事食喫食経験者の内、「毎年食べる」行事食は、学生世代では正月:雑煮、クリスマス:ケーキ、親世代は正月:雑煮、黒豆、かまぼこ、煮しめ、大晦日:年越しそば、クリスマス:ケーキが80%以上であった。さらに「家庭で作る」行事食として、学生、親世代共に正月:雑煮、人日:七草粥、その他に学生世代では正月:焼き餅、きな粉餅、親世代は正月:ぜんざい、汁粉、あんこ餅、上巳:蛤の潮汁、盂蘭盆:精進料理、煮しめ、冬至:南瓜の煮物が多かった。また喫食経験者は少ないが、「家庭で作る」割合が高い行事食もみられた。「買う」行事食の割合は、親世代では正月:かまぼこ、土用:鰻の蒲焼きが80%以上、学生世代は節分:炒り豆、上巳:餅・菓子、端午:柏餅、クリスマス:ケーキが70%以上であった。現在では「食べなくなった」行事食は、学生、親世代共に上巳:白酒、その他に親世代では正月:屠蘇、春分の日:精進料理、七夕:赤飯、月見:小芋、春祭り:だんご・餅、秋祭り:ご飯・すし、だんご・餅であった。
著者
成田 健一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成18年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.109-114, 2006 (Released:2006-09-23)

ヒートアイランド緩和施策として注目されている「風の道」について、これまでの研究成果をふまえながら基本的な考え方についてまとめた。ドイツでは、夜間の斜面冷気流を大気汚染対策として市街地に導入する施策として都市計画に活かされているが、わが国では暑熱緩和を目的に日中の海風利用が注目されており、導入の目的も利用しようとする自然現象のスケールにも違いがある。海風は斜面冷気流に比べはるかに厚さがあるため、連続的なオープンスペースの確保や流れを遮断しない向きに建物配置を誘導するというドイツ的な発想に固執せず、上空風の積極的な取り込みなど市街地の換気効率を面的に向上させるという観点からの利用が重要であることを指摘した。