著者
成田 弘子 奈良 正人 馬場 啓輔 大上 皓久 阿井 敬雄 野口 玉雄 橋本 周久
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.251-255_1, 1984
被引用文献数
10

巻貝ボウシュウボラ <i>Charonia sauliae</i> のテトロドトキシン (TTX) 毒化機構を解明する目的で同じくTTXをもつトゲモミジガイ <i>Astropecten polyacanthus</i> によるその飼育試験を行った. 1~4週間後には, 供試した全ボウシュウボラ個体の中腸腺に毒性が認められ, TTXの蓄積率は平均33%であった. ボウシュウボラ中腸腺の総毒量は, ある水準までは投与したトゲモミジガイの毒量に応じて増加した. また, いったん毒化したボウシュウボラは, さらに40日間無毒の餌で飼育しても特に毒力は低下しなかった.
著者
成田 心 岩橋 和彦 永堀 健太 沼尻 真貴 吉原 英児 大谷 伸代 石郷岡 純
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.229-235, 2014-03-15

抄録 抗うつ薬の一種であるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は,そのターゲット部位の1つであるノルアドレナリントランスポーター(NET)に作用し精神症状を安定させる効果がある。このことから,NETがパーソナリティに影響する可能性が考えられる。インフォームド・コンセントの得られた健常者201人のDNAを対象にNET遺伝子の2多型を判定し,対象者にNEO-FFIを実施して,NET遺伝子多型がパーソナリティに関与しているか検討した。-182T/C多型において,全体で開放性(O),男性で外向性(E)に有意差が認められた。さらに,1287G/A多型において,男性で神経症傾向(N)に有意差が認められた。よって,NET遺伝子多型がパーソナリティに関与している可能性が示唆された。
著者
森川 信之 神野 達夫 成田 章 藤原 広行 福島 美光
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-41, 2006
被引用文献数
7

異常震域を表現するための距離減衰式に対する補正係数の改良を行った。基準の式をKanno et al.(2005) によるものに変更し、応答スペクトルにも対応するようにしている。海溝軸に替えて、火山フロントまでの距離を導入することにより、一部地域に対して過大評価となっていた問題点を解決するとともに、対象地域を関東・甲信越地方まで拡大した。さらに、基準式では考慮されていない震源特性に関する検討を行った。地震動強さに関して震源の深さ依存性は見られなかったが、プレート間地震とスラブ内地震では明瞭な違いがあることが確認された。そのため、両タイプの地震に対する補正係数も新たに求めた。
著者
森川 信之 神野 達夫 成田 章 藤原 広行 福島 美光
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.14-26, 2003
被引用文献数
4

異常震域が現れる、やや深発地震を対象とした地震動の最大振幅の予測を経験的手法によって行う上で、距離減衰式に対して補正係数を導入することを提案する。ここでは、東北日本 (東北及び北海道地方) を対象として、司・翠川 (1999) による最大加速度、最大速度の距離減衰式を基準に、(1) 太平洋側と日本海側の地震動強さの違いに対応する係数、(2) 遠方の地域まで地震波があまり減衰せずに伝わることに対応する係数、の二種類の補正係数を求めた。これらは、いずれもプレート沈み込み帯における特異な減衰 (Q) 構造に起因する伝播経路特性の地域性を補正するものである。ここで求めた新たな補正係数を適用することにより、やや深発地震を対象とした経験的手法による地震動予測において、非常に広域にわたって最大加速度及び最大速度の予測値の精度が大幅に向上する。
著者
鵜海 敦士 嶺井 大輝 成田 正斗 渡辺 法和 酒川 雄右 竹内 景子 水田 賢司 石垣 崇 真能 敬弘 宇野 晶洋 柴田 幸助
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.14-19, 2020

<p>食後の神経症状を主訴とした,5カ月齢の雄の柴犬が血液検査にてPSSを疑われたため紹介来院した。CT検査を実施したところ,胸腔内の臓器は正常位だったが,腹腔内すべての臓器の左右逆位を認め,さらに,PSSと後大静脈欠損奇静脈連結および脾臓の形態異常も確認された。内臓錯位と後大静脈欠損奇静脈連結を伴うPSSと診断し,短絡血管の段階的な結紮術を実施した。術後,臨床症状や血液検査所見は改善し,術後19カ月経った現在も経過は良好である。犬において,内臓錯位と後大静脈欠損奇静脈連結を伴うPSSを外科的に治療した稀な報告である。</p>
著者
成田 善弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.788-789, 1992-09-15

・心気的な患者は心身の些細な不調に著しくとらわれ,これに必要以上にこだわり,重大な疾患の徴候ではないかと恐れ,しかもその心配を他者へ執拗に訴える. ・こういう特徴を示し他に基礎疾患がない場合に,神経症の一型として心気症と診断する. ・心気的訴えの背後には身体疾患が存在することもある.またうつ病,分裂病などの症状としてみられる場合もある. ・心気症患者に対しては,患者の訴えをすぐさま精神的問題に結びつけて「心因性」と決めつけたり,まして詐病扱いすることなく,患者と医師が共有しうる妥協的診断名(たとえば自律神経失調症,脳動脈硬化症など)を用いて医師・患者関係の維持に努め,患者の訴えを十分聞き,苦痛,不安,心細さを受けとめるよう努める.
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
有田 英之 市村 幸一 山崎 夏維 松下 裕子 成田 善孝
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

神経膠腫は成人悪性脳腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍である。同一の診断でも様々な経過を示すため、より詳細に臨床経過を反映した分類が可能なバイオマーカーの探索が望まれてきた。我々は、近年の神経膠腫の遺伝子解析で発見されたテロメア関連遺伝子、特にTERTに着目し、国内のコホートを用い、臨床経過との関連を詳細に検討した。TERTのプロモーター変異は、従来本腫瘍で予後因子として知られていたIDH1/2やMGMTと組み合わせることで、神経膠腫をより詳細に分類することができることを明らかとした。
著者
磯部 由香 阪 恵理子 松井 宏樹 成田 美代
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.633-637, 2011

The chemical composition and bacterial community structure of konoshiro-narezushi were analyzed, the latter by the 16S ribosomal RNA gene clone library method. The respective moisture and the lactic acid concentrations were 62.4% and 1.8%. One hundred randomly selected clones from the clone library were sequenced and analyzed. There were six operational taxonomic units, and the Shannon-Wiener index was1.037. The sequence similarity of all the clones obtained was equal to or higher than 99.6% of the sequence of cultivated bacteria in the public database. Lactobacillus sakei constituted 61% of the clones, suggesting that this bacterium plays an important role in the fermentation of konoshiro-narezushi.
著者
成田 正直 阪本 正博 秋野 雅樹 武田 忠明 今村 琢磨 飯田 訓之
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.277-283, 2011-07-15
参考文献数
11
被引用文献数
2

2009年度における北海道のホタテガイの生産量は44万9千トン、生産金額は476億円で、これは北海道の魚種別生産量の約3割、生産額の約2割を占める.ホタテガイは1970年代に天然採苗技術や中間育成技術が確立され、その後、オホーツク海での地まき放流の拡大などにより、生産を増大させてきた.しかし、生産量の増大とともに価格は低下し、1990年代前半から低迷している(図1). ホタテガイの主な加工品目は冷凍貝柱、生鮮貝柱、ボイル冷凍、乾貝柱で(図2)、生産量の割に加工品の種類が少ないことが、魚価低迷の一因とされる.特に冷凍貝柱と生鮮貝柱への仕向け割合が高く(66%)、これらのアメリカ向けを中心とした輸出がホタテガイ価格の底支えを行っている. 北海道立総合研究機構水産研究本部(旧北海道立水産試験場)では、ホタテガイの付加価値向上と需要拡大を図るため、これまで多くの技術開発を行ってきた.この中では、生鮮貝柱の高鮮度流通技術の開発や乾貝柱の品質向上技術など既存製品の高品質化、生産の効率化とともに、新たな製品の企画、開発を行ってきた.その中で、最近製品化されたものとして、ホタテガイ貝柱フレーク(以下、貝柱フレーク)とホタテガイ貝柱の飯寿し(以下、ホタテ飯寿し)がある.本稿では、これら新規製品の基本的製法の確立、技術的改良から、企業移転を図るまでの経過を紹介する.
著者
磯部 由香 水橋 津奈美 成田 美代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.61-64, 2002-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
4

(1) 魚肉中の細菌の生菌数は本漬け後, 1カ月で107オーダーまで大きく増加し, 乳酸菌および嫌気性細菌はその後108オーダーまで達し, 好気性細菌は104まで減少した.(2) 米飯中の乳酸菌および嫌気性細菌の生菌数は本漬け後, 108オーダーでありその後の増減の傾向は魚肉と類似していた.また, すべての期間において, 米飯中の生菌数は魚肉中の生菌数よりも1オーダー高かった.(3) 熟成期間中に観察された微生物を同定したところ, 乳酸菌はヘテロ発酵型のLactobacillus buchneriであった.
著者
成田 亜希
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【目的】</p><p></p><p>近年,理学療法士学生の学力や学習動機づけの低下が目立っている。このような学生の学力や学習動機づけを向上させ,国家試験合格へと導くことは教員の責務であると言える。そこで本研究では的確な学習支援を行うため,卒業生を対象に卒業時成績や卒業時の学習動機づけが入学前学力や在学時成績とどのような関係にあるのかを探索した。また成績不振者を出さないような学習指導をどのタイミングで行っていくのかを検討した。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>理学療法士養成校を卒業した88名を対象に調査を実施した。卒業時成績は模擬試験成績を用いた。入学前学力は高校偏差値,入試区分,入学前実力テスト(国語)の成績を用い,在学時成績は入学後初回小テスト,主要科目において毎時間行う復習テストの月集計,各学期末に行う模擬試験成績を用い,卒業時成績と比較した。自己決定理論に基づく学習動機づけに関する質問紙調査は3年次国家試験直前に実施した。その学習動機づけタイプと入学後に専門的学習を開始し初めて挑んだ小テスト成績とを比較した。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>卒業時成績と高校偏差値の間にやや相関がみられたが,卒業時成績と入試区分・入学前実力テストの間に相関はみられなかった。次に卒業時成績は1年次4月初回小テスト成績の間にやや相関がみられ,1年次前期各月末・1年次前期~3年次前期の各学期末成績の間にそれぞれかなりの相関がみられた。また卒業時成績と1年次基礎医学科目(解剖学・運動学・生理学)成績との間でもかなりの相関がみられた。そして卒業時に学習動機づけが外的調整の学生は1年次4月初回小テストで一番低い成績であった。また1年次4月末成績で留年・退学者のうち66.7%が平均点より標準偏差以上,下回っていた。留年・退学・国家試験不合格者のうち81.8%が基礎医学科目成績において平均点より標準偏差以上,下回っていた。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>入学前の学力は卒業時成績には影響しない。入学後の1年次前期成績,さらに1年次4月末成績ですでに卒業時成績とかなりの相関があり,1年次4月末には成績不振者を発見できることが示唆された。ゴールデンウィーク前には成績不振者を特定し,連休中に知識を整理し直すような課題の提示が必要である。また連休明けには補習を実施し,学習時間の確保,学習方法の指導を行うべきである。理学療法学のように基礎分野,専門基礎分野,専門分野という積み上げ型の学習では,入学直後から適切な学び方をすることが大切である。特に理学療法学の根幹である基礎医学科目ができていると卒業時にも良い成績であることが明らかとなった。また1年次4月初回小テストで成績が悪い学生は卒業時にも学習動機づけが低いことがわかった。入学当初から学習は単なる暗記ではなく理解し自分で説明できる「生きた知識」を備えることを指導し,小テストで良い成績が取れるよう導くべきである。それによって学生は有能感をもち,学習動機づけも高めていけると考える。</p>
著者
西村 亜希子 成田 美代 水谷 令子 Akiko NISHIMURA Miyo NARITA Reiko MIZUTANI
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
no.14, pp.29-36, 1994-02-01

ビタミンEは食品中に広く分布しているが,調理中に酸化をうけて含有量に変化が起こることが知られている。これらの変化に関する報告の大部分は食用油中のビタミンEについてであり,その他の食品中のビタミンEの変化についての報告は少ない。特に豆類は組織が堅いため加熱時間が長いので,ビタミンE量の変化は大きいと考えられる。大豆,黒大豆,小豆中のビタミンE含有量が加熱によってどのように変化するかを高速液体クロマトグラフィー法によって定量したところ,大豆では生の49%,黒大豆では15%,小豆は27%まで減少した。また大豆に食塩や重曹を添加して加熱した場合,あるいは黒大豆に鉄ミョウバンを添加した場合は,いずれも無添加にくらべて高い残存率を示し,これらの添加はビタミンB含有量の減少を抑制した。
著者
高橋 昭好 藤井 理行 成田 英器 田中 洋一 本山 秀明 新堀 邦夫 宮原 盛厚 東 信彦 中山 芳樹 渡辺 興亜 Akiyoshi Takahashi Yoshiyuki Fujii Hideki Narita Yoichi Tanaka Hideaki Motoyama Kunio Shinbori Morihiro Miyahara Nobuhiko Azuma Yoshiki Nakayama Okitsugu Watanabe
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.25-42, 1996-03

南極氷床の深層掘削を行うため, 国立極地研究所は掘削装置開発小委員会等を設け, 1988年以来開発研究を行ってきた。開発の経緯については, 中間報告, 深層掘削ドリルの最終仕様, その完成までの経過にわけて, それぞれ報告してある。本報告では開発した深層掘削システムとその周辺装置について, ドームふじ観測拠点の掘削場の配置, 掘削作業の流れを説明したのち, 各論において, ウインチ, ケーブル, マスト, 操作盤, チップ回収器等の開発の経緯を設計基準, 具体的設計, 製作の流れに準じて説明した。
著者
成田 秀美 鈴木 健一
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.773-780, 2016 (Released:2016-12-14)
参考文献数
17

Focusing on the effects of exercise (external focus) is considered more effective for improving motor performance than focusing on one's own physical movements (internal focus). Furthermore, it has been confirmed that imaging the movement being performed is effective for mental training. The purpose of this study was to investigate differences in performance ability among experienced athletes on the basis of their focus orientation and motor imagery of movements, with the aim of using the findings as basic data for sports coaching. The subjects comprised 16 males who had experience playing basketball. Each subject performed 30 free throws. In addition, a questionnaire survey was conducted regarding their focus orientation and motor imagery of movements (movement imagery questionnaire-revised Japanese version). The subjects were divided into a successful group, who achieved above the mean successful free-throw score, and an unsuccessful group, who achieved below the mean score. The results indicated that many subjects in the successful group used external focus, which demonstrated a correlation with the imaging ability of observed movements. These findings suggest that when coaching experienced athletes who are performing poorly, one may consider encouraging them to focus on the effects of each movement and motor imagery of observed movements to improve their performance.