著者
山辺 賢一郎 汪 群慧 成田 純也 吉田 晋也 森下 正人 白井 義人 尾川 博昭
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.81-88, 2000-11-13 (Released:2011-06-27)
参考文献数
14

To develop a garbage recycling system including garbage disposal, lactic acid and biodegradable plastics production, the preservation and deodorization of garbage during storage and the explication of their mechanisms are very important. The changes of counts of viable cell in garbage collected from university's dining hall during the storage were observed. In spite of seasons, lactic acid bacteria became preferential bacteria after the garbage was stored for 24 hours. On the contrary, coliforms and clostridia that are indexes of putrefaction and pollution remarkably decreased. The coliforms were not detected after the 72- or 96- hour storage. No food poisoning bacteria, such as staphylococcus aureus and bacillus cereus, were detected after the 24 hours storage. From the results of experiment adding the staphylococcus aureus to the garbage, it was proved that the lactic acid bacteria also easily became preferential bacteria even if food poisoning bacteria gained predominance at the beginning of the storage. It is clear from this study that lactic acid fermentation during the storage process inhibits the growth of putrefactive bacteria and food poisoning bacteria, which, as a result, makes it possible to realize the preservation and deodorization of garbage.
著者
成田 泰子
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.57-68, 2004-03-09

1870年代以降、イギリス古典派経済学は衰退の様相を呈していた。その様な中でイギリス国内において、従来の古典派経済学の方法を激しく批判し、歴史的方法を採用すべきことを訴えたイギリス歴史学派が台頭してきた。彼らは、古典派に代わって主流派を形成するかのような勢いを示した。こうした状況の中で、ジョン・ネヴィル・ケインズ(John Neville Keynes)は、1891年、『経済学の領域と方法』を著し、理論派と歴史派との対立を理論派の立場から調停しようと試みた。本稿においては、『領域と方法』を、イギリス歴史学派による古典派批判に対するケインズからの回答の書として位置づける。なぜなら、ケインズが、イギリス歴史学派の活発な動きを非常に意識していたであろうことが容易に推察されるからである。こうして、従来ほとんど言及されることがなかったケインズとイギリス歴史学派との関係に着目し、イギリス歴史学派からの批判に対して、ケインズがどのような回答を与えたのかという点を、特に経済学の領域問題に焦点をあてて考察する。そして、ケインズがなした回答が経済学史上、いかなる意義持ったのかということを明確にする。
著者
中尾 彰太 成田 麻衣子 比良 英司 勝原 和博 松岡 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.521-527, 2015-06-30 (Released:2015-06-30)
参考文献数
7

大阪府泉州二次医療圏においては,改正消防法の施行に先立ち,平成21年4月より実施基準に準じた救急医療体制を構築し運用を開始したが,その後も搬送先選定困難例は増加した。この対応策として,地域メディカルコントロール協議会の検証会議において,搬送先選定困難例を個別検証し,問題点を分析した。その結果,救急医療体制自体の問題点に加え,消防の病院前活動や医療機関の受入れ対応に関する問題点が指摘され,その多くが実施基準の抵触に集約されることが明らかになった。問題点の内容は,救急医療体制の改善に資する情報として利用することを目的に,文書で関係機関に周知した。このような情報共有体制の整備により,当医療圏における搬送先選定困難例は,平成22年度の195例から,平成25年度には38例まで減少した。搬送先選定困難例の個別検証と情報共有は,問題点を明確にし,受入れ状況の改善を目指すうえで有用である。
著者
成田 耕造
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.726-730,754, 1964-08-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
20
著者
斎藤 千草 大坪 茂 治田 宗徳 池田 智慧美 川原 克恵 後藤 康司 成田 晃子 三和 奈穂子 久保田 孝雄
出版者
東都大学
雑誌
東都大学紀要 = Tohto University bulletin (ISSN:24358878)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.41-50, 2022-05

当院の透析患者COVID-19感染対策について報告する。従来の感染対策に加え、全職員、患者への疾患の啓発、マスク着用、来院時並びに透析室入室時に手指消毒、毎日検温、透析室入室時にも検温、昼食提供の見直し、感染が疑われる際の電話受けのチェックリスト作成、疑いエリアのリネン等の物品の扱い方の工夫、環境整備、休みやすい勤務体系作り、鼻咽頭ぬぐい検査場所の見直し等を行った。感染疑いの強い患者は導線を分け、裏口より入室し、普段使用していない時間帯のフロアーで隔離透析を行った。その結果、今まで患者150名、スタッフ35名中、血液透析患者1例の感染発生のみで経過している。また、他院より透析室内濃厚接触(疑い含む)13例、家庭内濃厚接触者1例、治療退院直後で維持透析先受け入れ困難3例の合計17例の患者を受け入れた。東京都の血液透析患者のCOVID-19罹患率2.1%に対し、当院の罹患率は0.7%と低値であり、当院の感染対策は効果があったと思われる。(著者抄録)
著者
成田 結香
出版者
法政大学大学院理工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. 理工学・工学研究科編 (ISSN:21879923)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.1-7, 2019-03-31

Laparoscopic surgery is a difficult surgical procedure as compared with open operation. Therefore, training is necessary for surgeons before conducting laparoscopic surgery clinically. In this paper, improvement and extension of the training system which has been developed by our group was carried out. First, effectiveness of the evaluation method for trainee's hands movement was verified through the past measurement data obtained for operation of ligation. Second, in order to make it easy to perform ligation under Para-axial position, camera position of the training box was improved. Third, former sensor module which was attached to the forceps was downsized so as not to collide to other objects. Finally, the proposed evaluation system for hands movement and the evaluation system for angle of the wrists which was developed in our previous study were merged. Then, the evaluation results of trainee's angle of the left and the right wrists, hands movement and operation time in comparison with those of the excellent skilled surgeon are displayed on the monitor screen.
著者
森川 信之 神野 達夫 成田 章 藤原 広行 福島 美光
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-41, 2006 (Released:2010-08-12)
参考文献数
36
被引用文献数
10 7

異常震域を表現するための距離減衰式に対する補正係数の改良を行った。基準の式をKanno et al.(2005) によるものに変更し、応答スペクトルにも対応するようにしている。海溝軸に替えて、火山フロントまでの距離を導入することにより、一部地域に対して過大評価となっていた問題点を解決するとともに、対象地域を関東・甲信越地方まで拡大した。さらに、基準式では考慮されていない震源特性に関する検討を行った。地震動強さに関して震源の深さ依存性は見られなかったが、プレート間地震とスラブ内地震では明瞭な違いがあることが確認された。そのため、両タイプの地震に対する補正係数も新たに求めた。
著者
北山 理恵子 林 敏雄 南新 三郎 渡辺 泰雄 成田 弘和
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.643-648, 1995-05-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
16

T-3761の血清蛋白結合に関する検討を行い, 以下の結果を得た。1. 各種動物およびヒト血清に対する結合率は16.9~27.7%であり, CiprofloxacinやOfloxacin よりもわずかに高値を示した。2. 薬剤濃度0.25~20μg/mlにおける, ヒト血清蛋白結合率は19.1~23.8%であった。3. ヒト血清蛋白結合率は, 血清蛋白濃度の減少に伴って低下した。4. T-3761 (2μg/ml) のヒト血清との結合率はpHの影響を受け, pH7.0, 7.4および8.0において, 各々12.4, 21.3および32.1%であった。5. ヒト血清蛋白との結合は可逆的であった。6. ウサギにT-3761 20mg/kgを経口投与した時のin vivo結合率は26.1~33.2%であり, in vitro結合率と類似していた。T-3761は富山化学工業 (株) 綜合研究所において開発されたニューキノロン系合成抗菌薬である。本剤はグラム陽性菌ならびにグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌スペクトルを有し1), 経口吸収性が優れ, 血中濃度のピーク値が高く, 尿中に速やかに排泄されることを特徴としている2)。今回, T-3761の各種動物およびヒト血清に対する結合率, 血清蛋白結合に及ぼす薬剤濃度, 蛋白濃度ならびにpHの影響, 血清蛋白結合の可逆性を検討した。またウサギにおけるin vivo結合率についても検討したので, その成績を報告する。
著者
伊吹 省 本田 正樹 磯野 香織 林田 信太郎 嶋田 圭太 成田 泰子 入江 友章 三本松 譲 原 理大 山本 栄和 山本 裕俊 菅原 寧彦 日比 泰造
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.90-93, 2019 (Released:2019-11-22)
参考文献数
8

肝胆膵外科領域,特に肝切除においては脈管のバリエーションが豊富で術前の解剖把握が必須である.当科では以前より富士フイルムSYNAPCE VINCENT®を用いてドナー肝切除におけるグラフト容積および残肝容積の測定を行ってきた.近年は静脈の灌流域の計算ならびに胆管情報も統合した画像を用いて術前3Dシミュレーションを行っている.肝腫瘍においても肝臓解析の技術を応用し腫瘍と脈管の位置関係を把握している.ドナー肝切除および肝腫瘍切除における当科の工夫を実際のシミュレーション画像を用いて紹介する.
著者
成田 凌 羽渕 一代
出版者
弘前大学人文社会科学部地域未来創生センター
雑誌
地域未来創生センタージャーナル (ISSN:24341517)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.49-60, 2021-02

本稿の目的は、「地方」に暮らす若者たちの定住意向とその要因について検討することである。地域社会の「3層構造モデル」を参考に、とりわけ居住歴と現住地での定住希望との関連、および「地方」でもより条件不利な地域と都市的な地域における差異に着目した。 分析の結果は次のとおりである。居住歴については、条件不利地域圏と地方中枢都市圏ともに、他出経験なしの「土着(定住)層」が約25%であった。U ターンの「還流層」は条件不利地域圏が、Iターンの「転入層」は地方都市中枢拠点都市圏の方が多かった。また、これら居住歴と基本属性との関連を確認すると、条件不利地域圏では①高学歴で高収入の転入層と②低学歴で不安定な就業状態の土着(定住)層に分かれていること、地方中枢拠点都市圏では既婚、低学歴、正規と家事・無業で転入層が多いことがわかった。 現住地域での定住を希望する割合については、条件不利地域圏(51.6%)よりも地方中枢拠点都市圏(70.5%)の方が高かった。両地域とも共通して男性であること、地域満足度が高いこと、現住地域で友人が多いこと、居住地域の志向と現住地域の都市規模が合致することが、現住地域における定住意向と関連することが明らかになった。
著者
五十嵐 勝秀 大塚(出田) まき 成田 年
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.3, pp.265-271, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)
参考文献数
25
被引用文献数
4 3

Epigenetics has drawn much attention as a mechanism of transcriptional regulation involving modifications to genomic DNA and histone, without changes to nucleotide sequences. Epigenetics is related to various biological phenomena. We defined one of these phenomena as “epigenetic toxicity”, in which chemicals affect epigenetic regulation and result in undesirable effects on living organisms. We then detailed the importance of epigenetics and the need for intensive research. Epigenetics is a mechanism that might explain the long-lasting effects of chemicals in an organism, and the formation of a predisposition to various diseases. Recent significant technological advancement in the study of epigenetics could break through the barrier of the mysterious black box of epigenetic toxicity. However, at present it is difficult to say whether the epigenetic point of view is being fully utilized in the evaluation of chemical safety. In this review, we will first summarize the epigenetic toxicity research field, with examples of epigenetic toxicities and technologies for epigenetic analysis. Following that, we will point out some challenges in which an epigenetic viewpoint may be essential for the evaluation of chemical safety, and we will show some current approaches. We hope this review will trigger a discussion about epigenetic toxicity that will lead to encouraging research advancements.