著者
新田 牧子 湯木 正史
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.786-789, 2012-10-20

8歳齢の避妊雌のパピヨンが,元気消失,食欲不振,急性の下痢を主訴に来院した。症例は10カ月前に巨大食道症を発症し,各種検査から甲状腺機能低下症と診断され,レボチロキシンナトリウム療法により改善していた。来院時,血液生化学検査にて低蛋白,低血糖などの異常を認めた。ACTH刺激試験にて,コルチゾール値は低値を示し,内因性ACTH濃度は高値を示した。本症例では副腎皮質機能低下症に多くみられる電解質異常を伴わないことから,非定型副腎皮質機能低下症と診断した。プレドニゾロンの治療により良好な経過が得られている。本症例は,免疫介在性の破壊をおもな原因とする二つの内分泌疾患を有することから,多腺性自己免疫症候群が疑われた。

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著者
新田次郎 [著]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2011
著者
新田 浩通 栗久 宏昭 小笠原 静彦
出版者
広島県立農業技術センター
雑誌
広島県立農業技術センタ-研究報告 (ISSN:09184848)
巻号頁・発行日
no.80, pp.19-33, 2006-07

1995年-1996年に広島県内の再開発ブドウ園約15haで7月下旬頃から1年生枝の表皮が黒褐色を呈し、一部の枝ではその後症状発現部から上位葉が急激に萎凋し、褐変枯死する症状の多発生がみられた。そこで、本症状の発生実態調査を行うと同時に、防除法について検討し、以下の結果を得た。1.ブドウの枝枯症は、当該地区の主力品種である'マスカット・ベリーA'と'ピオーネ'の両品種に発生した。なお、1年間中間育苗後、1995年春に栽植された2工区と1996年春に栽植された3工区の全園では発生が認められたが、1994年春に購入苗を直接栽植された1工区では発生が認められなかった。2.当該地区における本症状の発生は、罹病苗木の混入と1年間の中間育苗によって助長されたものと考えられた。3.枝枯症の発生園では、栽植2年目に簡易被覆栽培を導入した結果、90%の園で発生が認められなくなった。4.八日谷ブドウ園で発生した枝枯症は、分離された菌がDohiorella属菌であり、病徴、菌の特徴および接種試験の結果から、ブドウ枝枯病であると診断された。5.ブドウ枝枯病が多発した園では、栽植2年目以降に果房の穂梗部に枝と同一症状が発生した。これらの病害は、接種試験により、枝と同一病菌によるブドウ房枯病と診断された。6.分離したブドウ枝枯病菌の生育温度は5-40℃で、生育適温は26-30℃付近であった。7.ブドウ枝枯病罹病枝からの分生子の飛散は4月頃から始まり、4月下旬-7月上旬にピークがみられ、7月下旬から極めて少なくなった。このことから、本病の要防除時期は、発芽期から梅雨明け頃までと考えられた。8.粗皮剥ぎと枝病斑の除去による耕種的防除対策は、多発園では必ずしも安定した防除効果を発揮しなかった。9.フルアジナム剤は、室内試験で菌糸伸長抑制効果および発芽抑制効果とも顕著な抑制効果を示した。
著者
吉野 一 加賀山 茂 河村 寛治 太田 勝造 新田 克己 櫻井 成一朗 松村 敏弘
出版者
明治学院大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2002

本研究は、創造的な法的思考力を養成するための教育方法を、次のように、四つの研究課題に分けて分担研究し、各研究成果を諸共通事例を素材に全体として融合して、開発した。1.法創造基礎の理論的解明具体的化と体系化の法命題の創設および仮説法命題の反証としての法創造推論の構造を、共通の具体的事例問題の解決過程において、詳細に解明した。妥当性評価の基準を国民の価値意識のアンケート調査と法と経済学の観点とから同定した。認知科学の観点から授業評価方法を考案した。2.実務と教育における法創造の実際の解明米国のロースクールと我が国を含めて大陸法系の法学教育の実践を分析し、その法創造的要素を解明した。そしてその成果を法創造教育方法の開発に立てた。また開発された法創造教育方法の教育実践の分析を行い、有効性を確認した。それを法科大学院の教育で本格的に実践するためのさらなる研究課題を明らかにした。3.法創造教育方法の開発開発された教育方法の中心的部分は、リアルな事例問題に基づく、法的知識と推論の構造に即した、論争を通じて行う、法創造的法的思考の育成方法である。これを効果的に実現するために、法律知識ベースシステム、論争支援システムおよびソクラティックメソッド支援システムを活用する方法を同時に開発した。4.法創造教育支援システムの開発メタ推論機能を持つ「法律知識ベースシステムLES-8」を開発した。ソクラティックメソッド支援システムの問答集の改訂を行った。仮説の生成検証のための推論機構を実装し、オンライン論争支援システムを完成した。開発した諸システムを教育実践に活用してその意義と今後の研究課題を同定した。以上により法科大学院においても実践的に有効な法創造教育方法が開発された。一年次から最終年次までの一貫したスパイラルな法創造教育を実現すること、そのための研究と実践が課題である。
著者
菊地 泰己 桂田 浩一 入部 百合絵 新田 恒雄
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-2, 2013-01-25

本論文では,一般的な Web ブラウザ上でマルチモーダル対話システムを可能にするための JavaScrip tライブラリ MMI.js を提案する. MMI.js は,逐次的,同時的,択一的なマルチモーダル入出力の制御,入出力のタイミング制御,エージェントによるプレゼンテーションの各機能をサポートしている. MMI.js の有用性を確認するために,本研究室で開発している英語の発音訓練ソフトにマルチモーダルインターフェースを組み込んだ.これにより複数の入出力手段を組み合わせた複雑な対話を容易に記述できることを確認した.This paper proposes a JavaScript library called "MMI.js" which enables us to use multiple modalities on web browsers. This library supports sequential multimodal inputs/outputs, simultaneous multimodal inputs/outputs, alternative multimodal inputs/outputs, synchronization of multimodal inputs/outputs and gestures given by the dialogue agents. To show usefulness of this library, we embedded multimodal interaction into a pronunciation training application for Japanese students. Through the development of this application, we confirmed the library makes it easy to describe combination of multiple inputs/outputs appearing in complicated interaction.
著者
菊地 泰己 桂田 浩一 入部 百合絵 新田 恒雄
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-2, 2013-01-25

本論文では,一般的な Web ブラウザ上でマルチモーダル対話システムを可能にするための JavaScrip tライブラリ MMI.js を提案する. MMI.js は,逐次的,同時的,択一的なマルチモーダル入出力の制御,入出力のタイミング制御,エージェントによるプレゼンテーションの各機能をサポートしている. MMI.js の有用性を確認するために,本研究室で開発している英語の発音訓練ソフトにマルチモーダルインターフェースを組み込んだ.これにより複数の入出力手段を組み合わせた複雑な対話を容易に記述できることを確認した.This paper proposes a JavaScript library called "MMI.js" which enables us to use multiple modalities on web browsers. This library supports sequential multimodal inputs/outputs, simultaneous multimodal inputs/outputs, alternative multimodal inputs/outputs, synchronization of multimodal inputs/outputs and gestures given by the dialogue agents. To show usefulness of this library, we embedded multimodal interaction into a pronunciation training application for Japanese students. Through the development of this application, we confirmed the library makes it easy to describe combination of multiple inputs/outputs appearing in complicated interaction.
著者
福地 絡逸 中嶋 凱夫 竹内 孝彦 土田 正義 小川 弘 新田 一夫 中沢 信彦
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1245-1253,1235, 1973

副腎スキャン剤<SUP>131</SUP>I-19一コレステロールの生体内代謝を検討した.有効半減期は1.77-3.74日, 被曝線量は0.60-2.13rad/mCiであつて, 頻回に検査を繰返さない限り安全に使用しうる薬剤と思われる.臓器別有効半減期は, 甲状腺と副腎で共に8.08日, その他の臓器では4.0日以内であつた.すなわち, 副腎の周辺組織では速かに代謝されるので, 投与8日目には副腎のみに放射能が残存して, 明瞭な映像を描出したものと考えられる.
著者
新田 英雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.274-275, 1995
参考文献数
2
著者
小六 幹夫 丹田 均 加藤 修爾 大西 茂樹 中嶋 久雄 南部 明民 新田 俊一 赤樫 圭吾 佐藤 嘉一 半澤 辰夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.333-336, 2002-06

男性性感染症(STD)患者248例のアンケート調査結果について検討した.感染源は約70%の症例が友人やPick up(いわゆるナンパ)など,金銭の授受を伴わない相手であった.症状出現までに性交渉をもった相手の数は2.8人で,症状出現前のピンポン感染により一般のの人々にSTDが拡大している可能性が考えられた.STDに罹患したことをパートナーに伝えると回答した比率は,59.4%で高い比率では無かった.過去1年間の性交相手は平均5.8人で,若年層ほど高い傾向にあった.コンドーム装着率は12.4%(92/234)ときわめて低かった.Oral sexの頻度は82.0%(192/234)と高率であった.以上から,若年層において,広いsexual networkを形成し,無防備な性交が行われていることが考えられたIn Japan, there has been a rapid increase in recent years in the incidence of sexually transmitted diseases (STD), particularly in teenagers and people in their twenties. To determine the factors causing this increase in STD, we carried out a questionnaire survey on the sexual behavior of Japanese males. The subjects were 248 male patients who were treated at our outpatient clinic. The results of the survey showed that 1) about 70% of the male patients were infected through sexual intercourse with partners who were not paid for such services; 2) the average number of partners in the past year was 5.8, and the average number of partners was highest for the teenage group and decreased with age; 3) only 29 (12.4%) of the 234 males used condoms; and 4) 192 (82.0%) of the 234 males received oral sex. The results of the survey suggest that a large "sexual network" has been formed among young Japanese people and that a large percentage of young Japanese people are engaged in unprotected sex.
著者
新田 和宏
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.26, pp.93-116, 2010-09

2009年8月30日の衆議院議員選挙の結果、政権交代が起こり、翌9月16日、民主党と社会民主党および国民新党の3党連立からなる鳩山由紀夫政権が成立した。その鳩山首相は「新しい政治」を提唱した。しかし、鳩山政権は、普天間基地移設問題で立ち往生し、わずか8ヶ月余りの短命に終わった。但し、鳩山が提唱した「新しい政治」は、その後継である菅直人政権に継承された。本稿では、政権交代により民主党政権から提起された「新しい政治」の政治的意義について、冷戦以降の20年間におけるく新しい政治〉およびその第2局面という文脈の中で捉え返しながら、政治学による学理的省察を行うものである。 (英文) As a result of Japanese Parliament of Representatives election of August 30, 2009, made the change of government. September 16, HATOYAMA Yukio government was formed a cabinet as the three-party coalition government consisting of the Democratic Party, the Social Democratic Party and the People's New Party. The Prime Minister HATOYAMA advocated "new politics". However, HATOYAMA government came to a deadlock by the issue of Futenma military base in Okinawa, and collapsed in only more than 8 months. But, KAN Naoto new government succeeded to "new politics" that advocated by HATOYAMA government. Then, the purpose of this study is to analyze the political signification of "new politics" advocated the Democratic Party government, HATOYAMA and KAN, in the context of the New Politics of twenty years after the cold war, and the second situation of New Politics.
著者
泉谷 達庸 片上 大輔 新田 克己
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-02-27

採点基準が定められた論述式小論文試験を対象とした,採点結果への説明機能持つ採点支援システムの開発が本研究の目的である.各採点項目を予測した結果をユーザに提示するだけでなく,評価に対する根拠も示すことで,より説得的な支援を可能とする.本研究では 「論点の言及」,「論理性」 の評価に的を絞り,決定木によって支援情報提示の観点から評価ルールを生成するシステムを構築する.決定木の学習には J48 を採用し,事前に収集した採点済み答案を基に評価ルールを学習する.評価実験の結果,「論点の言及」 については人間とほぼ同等に評価でき,その評価の根拠として 「論点の言及箇所」 を精度よく特定できることが分かった.In this paper, our goal is to develop a system which can support essay (statement-type) examination rating by the fixed rating criteria. Not only the predicted point of rating are provided to users, but the basis of explanation is also given, which makes the support more convincing. We focus on the evaluation of"mentioned issues"and"logicality", and develop a system which can generate assessment rules in perspective of supporting information presentation by decision tree. We adopt J48 as the decision tree learning, and also learn the assessment rules based on the marked paper we collected preliminarily. As a result of the evaluation experiment, the system has the same evaluation capability in rating "the mentioned issues" as human. To be more precisely, we found that "the mentioned issues"can be accurately identifiable.
著者
内田 誠也 津田 康民 木村 友昭 山岡 淳 新田 和男 菅野 久信
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1120-1132, 2011-12-01

目的:肩こりと2種類の圧入式の筋硬度計を用いた肩の筋硬度との関連を調べる.方法:短期的および長期的な筋硬度の変化に関する2種類の実験を行った.短期的な研究では,肩こりを緩和させるリラクセーション法を1時間実施したとき,肩こり(自覚的な痛み,硬さ)の変化と筋硬度の変化との関連を調べた(n=35).長期的な研究では,2005年と2007年の職域健康診断において,肩こり(自覚的な肩こり感,こりやすさ)と肩の筋硬度,自覚的ストレスの変化との関連を調べた(n=149).筋硬度計は,負荷圧が異なる2種類の機器(TDM-na1,PEK-1)を用いた.結果:短期的な研究では,肩の自覚的な痛みや硬さの変化はTDM-na1を用いた筋硬度の変化と有意な相関があることが明らかになった.長期的な研究では,女性の自覚的肩こり感が高く,筋硬度も硬いことがわかった.また,男性においては自覚的肩こり感と両方機器による筋硬度との間に有意な相関があった.女性においては自覚的肩こり感と筋硬度に有意な相関はみられなかったが,2005年から2007年にかけてのストレスの変化とTDM-na1を用いた左肩の筋硬度の変化との間に有意な相関がみられた.結論:肩こりを客観的に評価する方法として,筋硬度計は有効な計測方法である.
著者
礒部 憲二 服部 奨 早川 宏 森脇 宣允 新田 昭二 河内山 正 小田 裕胤
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.446-449, 1973 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

We experienced congenital anomalies of the cervical spine among 4961 patients in our clinic.These anomalies were analyzed 77 cases of congenital cervical vertebral fusion (C2-C3: 28, C5-C6: 13, C3-4: 12, Occ-C1: 9 and others), 14 cases of spina bifida occulta, 125 cases of posterior ponticle of atlas, and one case of os odontoideum.Among congenital cervical vertebral fusion 14 cases of myelopathy were observed, of which 4 cases were operated.Congenital fusion of lower cervical vertebrae affected commonly degeneration of adjacent vertebral disc.Congenital fusion of the occiput and the first vertebra is more frequently complicated with basilar impression and atlantoaxial subluxation.
著者
新田 昌英
出版者
日本フランス語フランス文学会
雑誌
フランス語フランス文学研究 (ISSN:04254929)
巻号頁・発行日
no.94, pp.107-118, 2009-03-18

Les milieux philosophiques francais pendant le dernier quart du XIX^e siecle ont ete marques par l'integration officielle de la psychologie experimentale dans le systeme de l'enseignement superieur. La psychologie experimentale, critique envers la confusion propre a la psychologie spiritualiste entre les faits psychologiques et la speculation ontologique, reclamait son independance a l'egard de la philosophie. Alain (Emile Chartier), qui a recu une formation de la philosophie a l'Ecole Normale Superieure a la fin du siecle, ne devait pas etre indifferent a ce debat. Ses premiers ecrits sur la theorie de la perception peuvent etre consideres comme une reponse a la question du droit de la metaphysique sur la psychologie experimentale. L'examen du rapport entre la pensee d'Alain et celle de Lachelier revele que l'influence philosophique de l'auteur de Psychologie et Metaphysique sur le jeune philosophe ne se confirme pas sous la forme d'un simple heritage kantien. La reinterpretation du spiritualisme par Lachelier, se referant a l'esthetique transcendantale, peut etre consideree dans la filiation de la critique spiritualiste de la psychologie empirique deja entamee par Jouffroy. Mais la remise en cause des limites de la psychologie n'est plus alors effectuee au nom de la psychologie. Pour Lachelier, c'est la metaphysique distincte de la psychologie qui est la veritable science de la pensee. Alain s'accorde avec Lachelier sur des points essentiels comme la distinction dualiste des sciences de l'homme et le primat de la metaphysique. Il montre pourtant le lien direct entre l'observation du soi et la speculation sur l'Univers.