著者
田口 亮 岩橋 直人 船越 孝太郎 中野 幹生 能勢 隆 新田 恒雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.549-559, 2010 (Released:2010-06-30)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

This paper proposes a method for the unsupervised learning of lexicons from pairs of a spoken utterance and an object as its meaning under the condition that any priori linguistic knowledge other than acoustic models of Japanese phonemes is not used. The main problems are the word segmentation of spoken utterances and the learning of the phoneme sequences of the words. To obtain a lexicon, a statistical model, which represents the joint probability of an utterance and an object, is learned based on the minimum description length (MDL) principle. The model consists of three parts: a word list in which each word is represented by a phoneme sequence, a word-bigram model, and a word-meaning model. Through alternate learning processes of these parts, acoustically, grammatically, and semantically appropriate units of phoneme sequences that cover all utterances are acquired as words. Experimental results show that our model can acquire phoneme sequences of object words with about 83.6% accuracy.
著者
原 義幸 新田 恒雄 小林 賢一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.329-330, 1992-09-28

近年、電子メールの読み上げのように、漢字かな混じり文を音声に変換する「文音声合成(Text-to-Speech:以下TTSと略す)」技術利用の要求が高まってきている。このような背景のもと筆者らは、先にプラストラム方式を用いた文音声合成ボードの試作について報告した。一方、現今のワークステーション(WS)は、処理能力が向上し(数十~数百MIPS)、同時に、オーディオデバイス(CODEC,スピーカ)を標準で塔載する機種が増えつつある。このようなWSを用いると、専用ハードウェアなしにソフトウェアのみでTTSを実行できる。しかし、サーバ/クライアント、あるいはマルチタスク処理環境のもとでは、TTSの実時間処理が困難となる場合を生ずる。こうした問題に対処するため、処理時間の設定が可能なTTSソフトをWS(AS4075)上の構築したので、概要を述べる。
著者
桃崎浩平 原 義幸 正井 康之 松浦 博 新田 恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.16, pp.21-26, 1997-02-07

パーソナルコンピュータの高速化とオーディオチップの標準搭載により,音声合成・認識機能がソフトウェアだけで実現できるようになった.これにともなって,音声を利用したアプリケーションソフトウェアが容易に開発できるような環境が整いつつある.本文では,標準APIの一つである米マイクロソフト社のSAPIを中心に紹介するとともに,OCXを用いる応用ソフトウェア開発について解説する.Contemporary PCs provide sufficient computer power to accommodate Text-to-Speech(TTS) and Speech Recognition(SR) with no additional hardware. On the other hand, the environment for developing speech application software still remains in a big issue. In this paper, we first explain the Microsoft Speech API, as one of the standard APIs for speech technologies, and then present some examples of applocation software using SAPI and speech OCX.
著者
板井 章浩 新田 順子
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.44, 2009-10-06

There is a large cultivar difference in ethylene synthesis during fruit ripening in Japanese pear. Fruit storage potential is closely related to maximum level of ethylene production in Japanese pear. PPACS2 was specifically expressed in cultivars showing moderate ethylene production. We have found that PpACS2 expression can be controlled by regions comprising purine-rich (GAGA repeats) sites that are located near TATA box. PpACS2 promoter of moderate ethylene producers has either (GA)_<14> or (GA)_<10>. On the other hand, that of low ethylene producers has only (GA)_5. Recently, genes have been identified that encode a class of proteins (GABP) that binds GA-rich elements in three plant species. To identify factors that interact with the promoter regions of PpACS2, southwestern screening and 5' and 3' RACE methods following RT-PCR with degenerate primers were performed. We cloned two possible GABPs (PpRTF1 and PpGABP2) and studied their expression during fruit development and ripening. To test whether both genes are able to bind to GA repeats, eletcromobility shift assays (EMSAs) were performed. PpRTF1 protein has shown to bind (GA)_<14>, but PpGABP2 has not. Furthermore, PpRTF1 protein has the ability to bind nucleotides consisting of (GA)_<10>, but no binding activity of nucleotides consisting of (GA)_5. These results suggest that PpRTF1 protein can be involved in the regulation of PpACS2 expression.
著者
山本 浩司 新田 克己
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.442-451, 2010 (Released:2010-04-02)
参考文献数
11

In this paper, we propose a communication framework which combined two types of communication among wheelchairs and mobile devices. Due to restriction of range of activity, there is a problem that wheelchair users tend to shut themselves up in their houses. We developed a navigational wheelchair which loads a system that displays information on a map through WWW. However, this wheelchair is expensive because it needs a solid PC, a precise GPS, a battery, and so on. We introduce mobile devices and use this framework to provide information to wheelchair users and to facilitate them to go out. When a user encounters other users, they exchange messages which they have by short-distance wireless communication. Once a message is delivered to a navigational wheelchair, the wheelchair uploads the message to the system. We use two types of pheromone information which represent trends of user's movement and existences of a crowd of users. First, when users gather, ``crowd of people pheromone'' is emitted virtually. Users do not send these pheromones to the environment but carry them. If the density exceeds the threshold, messages that express ``people gethered'' are generated automatically. The other pheromone is ``movement trend pheromone'', which is used to improve probability of successful transmissions. From results of experiments, we concluded that our method can deliver information that wheelchair users gathered to other wheelchairs.
著者
住 明正 新田 勍 岸保 勘三郎
出版者
東京大学
雑誌
環境科学特別研究
巻号頁・発行日
1986

大気中の二酸化炭素の増加は、温室効果により、大気中の気温を上昇させ、大規模な気候変化を引き起こすとされている。しかしながら、従来のモデルの計算では、海面水温を気候値に固定して行なって来た。しかしながら、最近の大気ー海洋結合モデルの結果によれば、同時に、海面水温も増加するという結果が得られている。しかし、海面水温が上昇すると、当然、積雲活動が変化する。それ故に、【CO_2】の気候変化に対する影響を見積るためには、この積雲活動のふるまいを正しく理解する必要がある。このためには、積雲活動の振舞を充分に表現出来るような大気ー海洋結合モデルを用いれば良いのであるが、現在の計算機の能力では時期尚早である。そこで、本研究では、高分解能の東大大気大循環モデル(T4-2全球スペクトルモデル)を用い、海面水温上昇を既知として、その後の、積雲活動の分布の変化を計算し、【CO_2】の増加に伴う、気候の変化の予測を行うことを目標とした。その結果、熱帯域では、海面水温が東西に一様であっても、積雲群は特長的な分布をすることが分かった。つまり、海洋の西半分に、二本のITCZ(熱帯収束帯)が、そして、赤道上では、海洋中央から東に積雲群が分布する。この傾向は、初期値、海面水温の絶対値には、依らなかった。【CO_2】による海面水温の上昇は、東西に一様になるという結果が得られているので、そのような温度アノマリーを与えると、当然の様に、海洋西半分のITCZの積雲活動が強化される。その結果は、亜熱帯ジェットの強化、そして、低気圧活動の強化と一連の現象をへて、中緯度に伝わっていく。しかしながら、それは、東西一様ではなく、大陸の西半分で顕著であった。日本のように、大陸の東端には、それ程顕著な影響は見られなかった。この結果を確証するには、更なる実験が要る。
著者
大嶽 能久 新田 克己 前田 茂 小野 昌之 大崎 宏 坂根 清和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.986-996, 1994-06-15
被引用文献数
3 2

法的推論システムHELIC?IIについて述ぺる。法的推論を計算機上で実現するためには、個々の事件の事実関係に解釈を与え、それに法的な概念を対応させる過程をいかに実現するかが大きな問題の一つとなる。HELIC?IIは条文と判例を知識源とするhybridシステムである。条文に基づく推論はルールベース推論によって、判例に基づく推論は事例べ一ス推論によってそれぞれ実現されている。判例に墓づく推論は過去の類似の判例を参照して法的な概念を生成する。条文に基づく推論はこれらの法的な概念を使って罪責を演繹的に求める。両者は相補的に機能し、あらゆる一可能な法的判断を生成する。ルールベース推論エンジンは、並列定理証明器 MGTP(Model Generation Theorem Prover)をべ一スにして、それに幾つかの拡張を施した。事例べ一ス推論エンジンは、推論を類似事例の検索と適用の2段階に分けることにより、事例の記述を容易にすると同時に並列推論の効果を高めた。出カとしては、これらが導かれた過程を表す推論木がユーザに提示される。さらに推論木の理解を容場にするために、自然言語風の詳細説明も提示することができる。HELIC?IIは並列推論マシン上にインプリメントされ、並列推論によって高速に結論を導き出す。例題として刑法を対象とする実験システムを構築し、並列推論の効果を実証した。
著者
秋月 達人 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.100, pp.31-36, 2006-06-09

近年,インターネット,テレビといった通信媒体の性能向上に伴い,大量の映像コンテンツの入手が可能となった.また,計算機上での映像編集ツールも多々開発されており,素材映像の編集による映像制作は身近なものとなりつつある.しかし実際に魅力的な編集映像を制作するには,いまだ高度な編集技術や知識,時間,費用を要する.そこで我々は,専門家により編集された事例映像から編集技術を学習することにより,一般ユーザの映像編集を支援するシステムを提案している.ここで編集技術の一つとして,映像全体に調和感を持たせるために,映像を構成する動画と音を同期させることが知られている,そこで本稿では,映像をショットの並びとみなした際の,ショットの切り替え時における音の低レベル特徴に基づいた変化を,動画と音の時系列変化の同期パターンとして学習する.
著者
秋月 達人 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.98, pp.31-36, 2006-06-09
被引用文献数
1

近年,インターネット,テレビといった通信媒体の性能向上に伴い,大量の映像コンテンツの入手が可能となった.また,計算機上での映像編集ツールも多々開発されており,素材映像の編集による映像制作は身近なものとなりつつある.しかし実際に魅力的な編集映像を制作するには,いまだ高度な編集技術や知識,時間,費用を要する.そこで我々は,専門家により編集された事例映像から編集技術を学習することにより,一般ユーザの映像編集を支援するシステムを提案している.ここで編集技術の一つとして,映像全体に調和感を持たせるために,映像を構成する動画と音を同期させることが知られている.そこで本稿では,映像をショットの並びとみなした際の,ショットの切り替え時における音の低レベル特徴に基づいた変化を,動画と音の時系列変化の同期パターンとして学習する.
著者
新田 勍 関根 創太
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.627-641, 1994-10-25
被引用文献数
18

静止気象衛星「ひまわり」による3時間間隔、9年間のT_<BB>データを用いて、熱帯西部太平洋域の対流活動の日変化の解析を行った。対流活動の大きな日変化がインドシナ半島、チベット高原、北オーストラリア、海洋大陸域等の大陸や大きな島及びその周辺海域に存在する。また、ベンガル湾と南シナ海にも大きな日変化が存在する。一方、海洋大陸域ほど大きくはないが、熱帯収束帯(ITCZ)と南太平洋収束帯(SPCZ)にも日変化が見られる。日変化の特徴は季節によって変化し、対流活動が活発な季節に日変化の振幅も増大する。大陸上及び大きな島の上では、対流活動は午後遅くから夜にかけてピークに達するが、これは日中の地表からの加熱によるものと思われる。一方、大きな島の周辺海域では、対流活動のピークは一般に午前中に現れる。このような周辺海域の対流活動の日変化は、海陸風循環と大規模な一般風との相互作用によって作られているものと思われる。ベンガル湾の北端海域の対流活動は夏のインドモンスーン期に大きな日変化を示し、午後に対流活動のピークが現れる。南シナ海の対流活動の日変化は夏から秋にかけて顕著になり、正午頃ピークになる。ITCZとSPCZの対流活動は一般に午前に最盛期に達するが、午後にもう一度活発になる。フーリエ解析の結果、ITCZやSPCZ上には半日周期の変動が存在し、3-4地方時と15-16地方時に対流活動が最大となることがわかった。
著者
新田 洋司 伊能 康彦 松田 智明 飯田 幸彦 塚本 心一郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.315-320, 2008-07-05
被引用文献数
2 3

茨城県産米は従来より,整粒歩合,千粒重,粒厚,1等米比率が低いことが指摘され,改善が要望されていた.そして,茨城県等では2004年から「買ってもらえる米づくり」運動(以下「運動」)を展開している.本研究では,茨城県の作付面積が新潟県についで全国第2位(2004年)である品種コシヒカリについて,千粒重・粒厚と食味関連形質を調査して「運動」目標値等と比較した.そして,それらの形質の相互関係について検討した.調査は,茨城県内各地で品種コシヒカリを化学肥料によって一般的に栽培している20水田を対象とした.育苗,移植,管理,収穫作業等は当該水田管理者の慣行法によった.収穫後,収量および収量構成要素,精玄米の大きさ,食味関連形質等を調査した.収量は330〜617kg/10aの範囲にあった.玄米の粒厚は1.93〜2.02mm の範囲にあり,平均は1.99mmであった.玄米千粒重(20.3〜22.7g)の平均は運動目標値と同じ21.5gであった.玄米の粒厚と千粒重との間には有意な相関関係は認められなかった.一方,精米のタンパク質含有率(乾物重換算で5.3〜7.4%)の平均は6.4%であり,運動目標値よりも低かった.精米のアミロース含有率(18.3〜19.8%)の平均は18.9%であった.精米のタンパク質含有率,アミロース含有率,食味値と玄米千粒重または粒厚との間には,有意な相関関係は認められなかった.以上の結果,比較的千粒重か大きく粒厚が厚い玄米では,精米のタンパク質含有率やアミロース含有率が玄米の大きさに規定されない場合のあることが明らかとなった.また,本研究で用いた2005年茨城県産コシヒカリの食味および食味関連形質は,おおむね良好であったと考えられた.
著者
新田 恒雄 神尾 広幸 雨宮 美香 松浦 博 内山 ありさ 田村 正文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.73, pp.29-34, 1995-07-20
被引用文献数
8

マルチモーダルUI (U)の設計?評価を短期間に行うラピッドプロトタイピング開発環境について述べる。開発環境は、MUI設計支援エディタMuse、UIScript変換、およびマルチモーダル対話プラットホームMultiksDialのツール群からなり、Museで作成したMUIを中間言語(IScrip)を介してcode?dataに変換した後、マルチモーダル対話プラットホームMultiksDialの上で実際に操作・評価することができる。Museでは各UI?Object(ボタン/音声認識/センサなどの入力オブジェクト,イメージ部品/テキスト部品/録音合成/規則合成などの出力オブジェクト)のプロパティ設定をdialogue boxを利用して簡単に行えるようになっている。ラピッドプロトタイピング開発環境の整備により、様々なタスクを対象に短期間にMUIを試作・評価することが可能である。In recent years, we have developed various types of multimodal dialogue systems, including a ticket vendor, an ATM, and an information kiosk. Because the designing of multimodal user-interface (MUI) is more complicated than that of existing UI based on graphical UI (GUI) and has not obtained its regular method yet, the development of a multimodal dialogue system requires a long span of time. Through the experience on iterative design of the above mentioned applications, we came to think of the importance of the rapid-prototyping of multimodal dialogue systems for collecting data systematically over various types of application areas. In this paper, we describe a platform of multimodal dialogue systems and rapid-prototyping by using a multimodal UI design support tool with which system developers can design panels, set properties of input/output channels, describe plan-goal scenarios, and evaluate multi modal UI easily.
著者
高橋 裕信 新田 義貴 遠藤 隆 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.97, no.330, pp.41-47, 1997-10-17

本報告ではテキストを時系列データと考える大規模なテキストデータベースを対象として, 単語を空間に配置し, 空間の距離を利用した文章の検索方式を提案する. まず, 形態素解析によって分節した単語をノードとして, 単語bigramの作るネットワークを構築する. 次にこのネットワークのノードを有限次元の空間中に, ノード群のクラスタリングを伴なう配置問題を考える. この配置問題は, 時系列方向での近傍共起性から, ノード間の距離を定義し, 有限の小さい次元の空間で効率よく分類 (クラスタリング) するために, 最適化関数を導入した非線形化した手法で解かれている. 本手法を新聞データベースのリアルタイム検索に適用した実験結果について述べる.