著者
平井 啓 鈴木 要子 恒藤 暁 池永 昌之 茅根 義和 川辺 圭一 柏木 哲夫
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.19-27, 2001-01-01
被引用文献数
6

本研究の目的は, 末期癌患者の病気行動に対するセルフ・エフィカシーを測定する尺度の開発である.尺度項目を作成し, 心理的適応の尺度とともに, ホスピス外来通院中, ホスピス入院中の末期癌患者50名を対象に構造化面接を行つた.因子分析の結果, セルフ・エフィカシー尺度は, 3つの下位尺度により構成され, それぞれ最も適合する6項目を選択した.この下位尺度と抑うつ不安の関係についてパス解析で検討したところ, 下位尺度のうち, 「情動統制の効力感」が中心的な役割をもつことが明らかにされた.そして, 本研究の結果が, 末期癌患者のQOL向上のための介入方法の方向性について示唆する点について検討した.
著者
加藤 竜太 大関 隆夫 馬場 暁 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 シェパード ギャレス ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.236, pp.9-13, 2011-10-07

近年、表面プラズモン共鳴法(SPR)は高感度なセンシングが可能であることから、バイオセンサーへの応用が注目されている。表面プラズモン(SP)を共鳴励起させるために、プリズムを用いたプリズムカップリングSPR法やグレーティング基板を用いたグレーティングカップリングSPR(G-SPR)法がある。また近年、G-SPRを用いたSP異常透過光が観測されおり、そのセンサーへの応用の可能性が検討されている。本研究では、簡便性と実用性という点からこのT-SPRに注目し、T-SPRとマイクロ流体デバイスと組み合わせることで今までになかった簡便でコンパクトなバイオセンサーを作製した。そこで、IgGとanti-IgGの抗原抗体反応を行うことでこのデバイスのバイオセンサーへの有用性を示した。
著者
遠藤 数江 小川 純子 村上 寛子 小川 純子 オガワ ジュンコ Ogawa Junko 村上 寛子 ムラカミ ヒロコ Murakami Hiroko 荒木 暁子 アラキ アキコ Araki Akiko 中村 伸枝 ナカムラ ノブエ Nakamura Nobue
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.26, pp.93-97, 2004-03
被引用文献数
1

大学生における食習慣に影響を与える要因を検討する目的で,現在の食生活,食習慣の変化,食に関する体験について,フォーカスグループによる振り返り調査を行った.対象者は18歳から21歳の文化系または,運動系のサークルに所属している大学生9人(男2人,女7人)であった.大学生の食習慣に影響を与える要因として,経済状況,調理器具などの料理をする環境,料理に費やす時間や手間,生活スタイルの変化,嗜好の変化,運動部に入ったことによる影響が抽出された.さらに,幼少時からの家庭環境も大学生の食習慣に影響を与える要因の一つであった.また,家庭や学校の授業での料理経験は,大学生になっても食の体験として記憶に残っていた.大学生の食習慣の形成には,経済状況,生活スタイルの変化,所属サークルなどの現在の生活状況からの要因と,これまでの食に関する体験が影響していることが示唆された.
著者
神宮 愼司 永山 義行 中林 寛暁 小園 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.210, pp.109-114, 1999-07-22

低基地局アンテナ高であるPHS基地局からの受信レベルデータを用いて、伝搬損失距離特性を携帯電話等で用いられている基地局からの直距離と損失の関係で表わす方法(マクロセルモード)と基地局のある通りと交差道路に分けてその道のりの距離と損失の関係で表わす方法(ストリートマイクロセルモード)について、その表現法め精度を検討した。精度の評価尺度には実験式に対する実測データの標準偏差を、伝搬パラメータはビル街、住宅地、開放地の地物パラメータを用い検討した。ビル街及び住宅地の標準偏差は、マクロセルモードでは約12dBでストリートマイクロセルモードの2倍となりストリートマイクロセルモードによる表現が適するが、開放地においては両モードの差は小さくなった。
著者
小和田 暁子 浜田 有希江 青木 眞里子 郡山 洋一郎 坂野 晶司 寺西 新 黒岩 京子 森 亨
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.434-439, 2007 (Released:2014-07-03)
参考文献数
10

目的 QuantiFERON® TB 検査(以下,QFT 検査)は,ツベルクリン反応検査とは違って,過去の BCG 接種の影響を受けずに結核感染を診断できる新しい検査方法である。この QFT 検査を,2005年 6 月より足立保健所衛生試験所に直営導入し,保健所結核接触者健診における行政検査として実施している。本報告は,その後2006年 3 月までの実施状況を分析し,検討するものである。方法 QFT 検査対象者は,2005年 6 月から2006年 3 月にかけて,肺結核症患者と接触して接触者健診の対象者となった足立保健所管内に住む区民のうち,QFT 検査を受けることについて同意した者67人である。QFT 検査実施時期は,接触者が感染源である肺結核患者との最終接触後 2 か月以降である。すべての QFT 検査は足立保健所衛生試験所細菌検査部門で実施した。また,ツベルクリン反応検査もできる限り同時に実施した。結果 QFT 検査を実施できた接触者総数は67人であった。QFT 検査結果は,陽性が 9 人,判定保留が 5 人,陰性が53人であった。このうち,QFT 検査と同時にツベルクリン反応検査を実施できた接触者は48人,そのうち発赤長径が30 mm 以上の者は22人であった。ツベルクリン反応で発赤長径が30 mm 以上の者で QFT 検査が陽性となった者は 4 人,発赤長径が30 mm 未満であった26人の中で QFT 検査が陽性となった者は 5 人であった。QFT 検査が陽性となった 9 人については化学予防を指示した。このように QFT 検査の導入によって,従来のツベルクリン反応検査に比してより精度の高い潜在結核感染の診断が可能になった。結論 足立保健所では,既存の設備・検査技術を生かして衛生試験所細菌検査部門に QFT 検査を直営導入した。このことにより,QFT 検査の持つ「採血後12時間以内でできるだけすみやかに培養を開始する」という検査制限事項を容易に克服できた。さらに接触者健診の成果としてより精度の高い化学予防対象者の選別が可能になり,保健所の対人保健サービス部門と検査部門の密な連携による保健所機能強化につながった。

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著者
暁烏敏 著
出版者
護法館
巻号頁・発行日
1920
著者
伊藤 セツ 姉歯 暁
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.725-730, 1995-08
被引用文献数
1

1993年に,フィレンツェで開催された第49回国際統計学会において,ジェンダー統計に関するセッションが設けられた.そこでは,家計・消費統計の分野でのジェンダー統計あるいは,ジェンダー明示的統計の作成とその重要性と可能性が議論された.本論文は,まずはじめに,ジェンダー統計あるいはジェンダー明示的統計とは何かを,国際統計学会の文献をもとに考察した.次に,家計・消費面でのジェンダー明示的統計の日本における現状を日本の総務庁統計局の「1989年全国消費実態調査」を用いて検討した.その結果,収入に関しては,不十分ながらジェンダー統計は得られるが,消費に関しては単身男女の場合しか得られないことが明らかになった.最後に,ジェンダー明示的家計・消費統計作成のための,総務庁に提言すべき最も容易で明白な改善点を示した.
著者
難波 敦子 成 暁 宮川 金二郎
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.193-197, 1998-02-01
参考文献数
6

A search for the correlation between Japanese and Chinese food cultures identified the production of natto, a non-salted and fermented soybean product, in China. Natto is prepared by Jingpo-zu in Dehong Thai-zu Jingpo-zu Province of Yunnan in China. Boiled soybean covered with bamboo grass, straw or loquat leaves is left to ferment in a bamboo basket. After fermentation, it is eaten with pepper, or salt and pepper is added to produce a seasoning like Japanese miso. Salted natto is also dried for storage as drynatto, and some natto is used to prepare Shui-douchi a kind of supplementary food. Our search indicates that the nattoline from Nepal via Bhutan and Myanmar that has been presented by Sasaki can be extended to Yunnan in China.
著者
湯浅 龍彦 根本 英明 木村 暁夫 吉野 英 山田 滋雄 西宮 仁
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.601-605, 2001-12-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
16

慢性硬膜下血腫除去術の直後に発症したCreutzfeldt-Jakob病(CJD)を経験した. これはきわめて特殊な経過であり, 術前にはもちろん, 術後においてもCJDの診断を下すことは困難であった. そのなかで, 進行性に悪化する臨床症状に加えて拡張強調MRIがCJDの診断の糸口になった. つまり, 脳波に未だ周期性同期性放電(PSD)の出現していない発病初期の脳MRIにおいて, T1強調画像やT2強調画像にほとんど変化がみられないのに対し, 拡張強調MR画像に明瞭な病変がみられたことは特異なことであった.また, 本例においてはCJDの初期の臨床症状は明らかな左右差をもって発症しており, かつ, 同時期の脳MRIの病変分布にもまた著しい左右差が見られた. これは先行した慢性硬膜下血腫がCJDの脳病変の発現経過に影響を与えたものと推論され興味深いことであった.さらに本例は, CJD患者が外科手術を受ける事態が現実に起こりうることを示すものであり, CJDの診療に当る施設においては, 感染防御対策の面からだけでなく, 手術を受け入れるために必要な整備と具体的な手順書を早急に整えるべきであろう.
著者
佐藤 暁
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-17, 2014

In The Origins of Analytical Philosophy, Dummett criticized the philosophy of Husserl for being a Humpty-Dumpty theory. We reconstruct this criticism into a more general argument that shows that the idea of meaning as a type entails the Humpty-Dumpty theory. In interpreting Dummett's text, we show that the criticism of the Humpty-Dumpty theory is a criticism of "associating expressions with meanings" in an attempt to explain linguistic significance, and that types are not objects, but rather equivalence relations. In addition, we demonstrate that tokens are not concrete, but theoretical objects, and thus should be distinguished from bearers of tokens, which are bare physical objects.