著者
岡本 暁子
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第21回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2005 (Released:2005-06-07)

優位オスが劣位オスと妊娠可能性の高いメスの近接を発見すると、その優位オスはそのペアに対し攻撃を加えることが、さまざまな種で報告されている。このような攻撃は協力的な個体間関係に影響するパニッシュメントと考えることができる。では、優位オスは劣位オスとメスのどちらを攻撃すべきであろうか。交尾を妨害するためだけなら、オスを攻撃してもメスを攻撃してもよいように思われる。本研究では、この状況を優位オス、劣位オス、メスの3者のゲームとして解析した。それぞれのプレイヤーの立場でどのような戦略がどのような条件のときに進化的に安定な戦略(ESS)になりうるのかを解析的に検討した。そしてその条件のときにそれらの戦略が実際に進化しうるのかをコンピュータ・シミュレーションで検討した。その結果、優位オスが劣位オスとメスの交尾の妨害をする場合、オスを攻撃するコストがメスを攻撃するコストより高くても、オス攻撃が進化する可能性があることが明らかになった。またオス攻撃が進化する上での一つの大きな鍵が、メスの従順ではない戦略にあることが示唆された。

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著者
暁烏敏 著
出版者
香草舎
巻号頁・発行日
1921
著者
立林 めぐ美 川田 暁 松尾 仁子 中野 創
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.382-386, 2014 (Released:2015-02-13)
参考文献数
18

65歳,男性。20歳頃より多量の飲酒歴があった。初診の約6ヶ月前より露光部に水疱形成を繰り返すようになり,当科を紹介され受診した。初診時,顔面に色素沈着,両手背に水疱・びらん・痂皮がみられた。病理組織学的所見は表皮下水疱で,PAS 染色にて真皮上中層の血管壁に PAS 陽性物質の沈着を認めた。臨床検査では,軽度の肝機能障害と尿中ウロポルフィリンの著明な上昇を認めた。HCV 抗体,HBs 抗原,HBs 抗体は陰性であった。患者末梢血を用いて遺伝子検索を行ったが,uroporphyrinogen decarboxylase 遺伝子,hemochromatosis 遺伝子の変異は同定されなかった。後天性の晩発性皮膚ポルフィリン症と診断し,禁酒を指導した。さらにプロトポルフィリンIXの吸収波長の最大のピークが 405~410nm にあることから,405~450nm の波長域の光を吸収するように作製したファンデーション剤を使用させたところ,現在水疱の新生はみられていない。本症においては可視光を防御するファンデーション剤の使用が有用と考えられた。(皮膚の科学,13: 382-386, 2014)
著者
渡邉賢三 小林聖 吉田裕麻 細田暁
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

コンクリート構造物の表層部分を合理的に評価する手法として目視調査に基づいた評価手法に着目し,この手法を主軸に施工のPDCAサイクルを回して品質向上を図ることを提案している。本手法を約1.8kmのボックスカルバートの施工に導入し,構造物の壁,柱を対象にコンクリート表層品質の改善を継続的に試みた。その結果,目視評価の結果をふまえて具体的な改善を行うことが表層品質の確保,向上に繋がることを実際の施工で実証した。
著者
北村 健三 光石 暁彦 鈴木 孝司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00542-16-00542, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
16

The natural convective flow and heat transfer of air induced around an inclined row of heated horizontal cylinders have been investigated experimentally. The experiments were carried out with the ten-cylinders row placed in the plane of inclination angles θ=0°, 30°, 45°, 60°, 75° and 90° from horizontal. The cylinders in the row were heated with constant heat flux and their diameter d and gap G were varied as d=8.4, 14.4mm and G=3.6 to 20.6mm. The Nusselt numbers Nud from the cylinders in the row were measured. They showed maxima and minima for the horizontal and vertical rows, while intermediate Nusselt numbers were obtained for the inclined rows. Those Nusselt numbers were next converted to the gap-based Nusselt numbers NuG, and, then, rearranged with the non-dimensional parameter RaG*(G/d). The result showed that the Nusselt numbers NuG are predicted well with the parameter RaG*(G/d) for the whole rows of inclination angle from horizontal to vertical.
著者
奥村 暁 林 泰行 加藤 信子
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.424-429, 2009 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 5

Natural rubber is one of the most important polymers produced by plants because it is strategic raw material used in more than 40000 products including the tire. It is focused as carbon neutral industrial material because it is synthesized from atmospheric CO2. Among over 2500 rubber producing plant species, the Para rubber tree (Hevea brasiliensis Muell. Arg.) is presently the only commercial source of natural rubber. There are some unknown points about the detail of natural rubber biosynthesis. The objective of this review is to provide readers with information on the newest trends of the natural rubber and Para rubber tree research from standpoint of biochemistry and molecular biology.
著者
中島 孝明 藤原 暁宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.431, pp.1-6, 2001-11-09
参考文献数
9

本稿では, 並列化困難な問題として知られているP完全問題の一つである, スタックを用いた幅優先探索の並列性について検証する.まず, 入力グラフの最大次数が3であるようなスタックを用いた幅優先探索もP完全となることを示す.次に, スタックを用いた幅優先探索のP完全性を表す尺度として最長経路距離を導入し, この尺度を用いて, 効率の良い並列アルゴリズムの提案を行う.このアルゴリズムの計算量により, l=O(log^n)の場合, スタックを用いた幅優先探索がクラスNCに属することを示す.ここで, n, lはそれぞれ入力サイズおよび最長経路距離であり, kは正の整数とする.また, このアルゴリズムはl=O(n^ε), 0<ε<1の場合にコスト最適な並列アルゴリズムとなる.
著者
金谷 英枝 大賀 暁 對馬 隆介 長田 純一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.204, 2016 (Released:2016-06-30)

本稿は、ワークショプにおけるデザイナーの役割について述べる。ワークショップでは、そこに参加するデザイナーに対して、大きく二点のパフォーマンスが求められる。すなわち、客観的立ち位置でのファシリテーションと、当事者的立ち位置から斬新なアイデアを生み出すクリティビティである。この両者は相反する役割であるが、いくつかのワークショップでは、それが上手く両立することができている。しかしながら、その手法やノウハウはデザイナーのスキルや属人化しているために、活動をスケールアップすることが実現できない。そこで、筆者らは、これまで行ったワークショップの中で、上手く行った活動を振り返り考察することで、属人化しているノウハウとスキルを外在化することを試みた。その結果、この二つの役割をハイブリットで行う手法として「ドローイングによる参加者間での情報のシェア」および「ペアワークによるデザインファシリテーション」の二点があることを考察した。
著者
豊田 陽介 小原 朋広 米山 暁夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 2012 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
pp.9-1-1, 2012-12-18 (Released:2017-06-05)

We did the usability testing by elderly people to evaluated the usability of smartphones. Experimental results showed the important points to realize development of user-friendly smartphones for elderly people.
著者
中下 留美子 林 秀剛 岸元 良輔 鈴木 彌生子 瀧井 暁子 泉山 茂之
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告
巻号頁・発行日
vol.12, pp.85-90, 2014-03-26

2010年のツキノワグマ(Usrus thibetanus)大量出没時の現場検証で,複数のクマ出没が判明した長野県塩尻市の牛舎では,それ以降も出没が頻発していた。2013年6月,問題の牛舎は廃業したものの,牛舎周辺ではクマ出没が続いている。そこで,閉鎖後の牛舎敷地内で捕獲された2頭のツキノワグマについて,牛舎での餌付けの実態を調べるために,炭素・窒素安定同位体比解析による食性履歴の推定と胃内容物分析を行い,家畜飼料への依存度を推定した。その結果,2個体共に捕獲前年の夏以降,牛舎の家畜飼料に重度に依存しており,翌年の牛舎閉鎖後も執拗に家畜飼料に執着している実態が明らかとなった。
著者
近藤 浩子 牛久保 美津子 吉田 亨 豊村 暁 佐光 恵子 神田 清子 常盤 洋子 堀越 政孝 松崎 奈々子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.31-35, 2016-02-01 (Released:2016-04-05)
参考文献数
6
被引用文献数
3

群馬県内病院看護職の「在宅を見据えた看護活動」の実態把握を目的として質問紙調査を行った. 調査内容はA. 退院後の患者の生活をイメージした看護の提供, B. 地域の社会資源の活用, C. 患者・家族の負担軽減のためのケア方法の簡素化, D. 病状変化を予測した対応, E. 多職種との協働に関する25項目であった. 回答は, 県内11病院の看護職から2,136件が得られた. 調査結果によると, 入院前の生活状況の把握, 本人・家族の希望の把握, サマリーの記載に関しては比較的よく実施され, 実施率が5割を超えていた. しかしながら住居環境の把握や社会資源の把握, 障害認定や介護認定の評価・相談, ケア方法の簡素化, 今後を予測した対応, 多職種との連携はあまり実施されておらず, 実施率が4割以下であった. したがって, これらの視点について総合的に育成していく現任教育プログラムの開発が求められていることが示唆された.
著者
鄭 暁静 大竹 美登利
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

1.目的 今日、家族・家庭生活には様々な課題があり、日本と韓国はこれらの状況が類似している。家庭科教育はこうした家族・家庭生活に関する課題を主に扱っており、どのような内容を取り上げどのように学ばせるかは、教師の家族・家庭生活意識に影響されることも多い。また、その授業内容や方法によって生徒の学びは相違し、生徒の家族・家庭生活意識に与える影響は大きいと考えられる。そこで、本研究においては、日本と韓国の家庭科教師を対象に、教師の家族・家庭生活意識及び授業実態を調査し、日本と韓国の家族・家庭生活領域の教育の実態の違いを明らかにすることを目的とした。2.研究方法 (1)調査方法:日本の普通科高等学校(2000校)と韓国の一般系高等学校(1500校)の家庭科教師宛にアンケート用紙を郵送し、返送してもらった。 (2)調査期間:韓国は2013年3月上旬発送、日本は5月上旬発送し、それぞれ3週間後を締め切りとして返送してもらった。 (3)調査対象:有効回収数、韓国209名、日本570名であった。 (4)調査内容:学校の雰囲気、男女平等意識、結婚・家族生活意識及び授業の内容など。3.結果 (1)学校の雰囲気は家庭科教師自身の男女平等意識や家庭生活観に影響を与えるものと考えられる。そこで、学校の雰囲気について「周囲と違う意見を言いにくい雰囲気がある」など、9つの項目について尋ね、「全くそう思わない」(1点)、「そう思わない」(2点)、「そう思う」(3点)、「とてもそう思う」(4点)の4選択肢の中から1つを選ばせ、4段階評定尺度によって平均値を出し得点化した。その結果、「教員間の意思疎通がうまく取れている」、「教員会議などで活発な議論が交わされている」、「男性教員の方が女性教員より管理職から信頼されている」の項目においては韓国の方が得点が高く、日韓の間に1%水準で有意な差があった。一方、「新しいことをはじめにくい雰囲気がある」の項目は日本の方が得点が高く、日韓の間に1%水準で有意差があった。 (2)男女平等意識をはかるため、「能力や適性は男女で異なる」など、11の項目について、4段階評定尺度によって得点化した。その結果、「女性の校長、教頭を増やした方がよい」という項目において、日本の方が得点が高く、日韓の間に1%水準で有意差があった。 (3)結婚生活に求めるものの重要度について「精神的な親密さ」など、10の項目について尋ね、4段階評定尺度によって得点化した。その結果、「経済的な安定」以外の全ての項目において韓国の方が得点が高く、中でも「性的満足度」、「子どもを生み育てること」、「趣味が同じであること」、「社会的な地位を築くこと」、「同じ人生観、価値観を持っていること」、「親や周囲の期待に応えられること」の項目で1%水準で有意差があった。 (4)家庭科の授業内容の中で、現在、重点をおいて教えている内容について、複数回答で尋ねた。その結果、韓国は「配偶者の選択と結婚」が75.0%、「妊娠と出産」が63.0%、「家族の関係と家庭の機能」が54.2%など、結婚・家族に関しての内容が多く扱われていた。一方、日本は「食事と健康」が91.7%と突出して多かった。また、今後、重点をおいて教えたい内容について、複数回答で訪ねた結果、日本と韓国両国とも1位は現在と変わらないが、韓国は「高齢者・障害者の問題」、「共生社会と福祉・社会的支援」が、日本は「職業・キャリア教育」、「生活設計」が新たに注目されていた。
著者
越川 義功 高山 晴夫 竹内 康秀 真崎 達也 大城戸 博文 藤井 暁彦 林 健二 渡邉 洋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.II_73-II_81, 2015 (Released:2016-06-01)
参考文献数
30

ダム建設工事では,工事区域での樹木伐採や剥土に伴い,昆虫類の生息場が短期間で広範囲に減少する.施工者による自然環境保全の取り組みのひとつとして,伐採材を活用した木柵(エコスタック)設置により,昆虫類の代替生息場の確保を実施した.設置からわずか1カ月後の調査において,木材に依存するカミキリムシ類、オサムシ類等をはじめとした56種の昆虫類がエコスタックで確認された.その後も季節による変動はあるものの,多くの昆虫類がエコスタックを利用しており,伐採材を利用したエコスタック設置は昆虫類の代替生息場の提供として有効に機能することが確認できた.
著者
齋藤 秀亮 荻堂 盛誉 長谷 英昭 田中 克彦 北山 智暁 伊禮 一宏 嘉陽 牧乃 仲村 亮 園田 朗 華房 康憲 丸山 正
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.73-80, 2014 (Released:2014-11-18)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球情報研究センターでは,JAMSTECが保有する潜水調査船や無人探査機で取得された膨大な深海の映像や静止画像を管理し,インターネットに公開している.国際海洋環境情報センター(GODAC)にて2011年から稼働を開始しているデータベースシステム「深海映像・画像アーカイブス(J-EDI)」は,配信している深海映像や画像の撮影環境の多様さやその量において他に類を見ない.潜航調査で撮影されたオリジナルの映像や画像は公開用にフォーマット変換やサイズ変更され,公開用の映像や画像にはGODACスタッフによって被写体に応じたアノテーションが付与されている.J-EDIの稼働によりアノテーションが付与された公開映像の数は飛躍的に増加した.一方,映像利用のためには適切なフォーマットでの公開が必要であるが,オリジナル映像のフォーマットが多様化することで,公開用フォーマットへの変換処理が煩雑になる課題がある.さらに,アノテーションは,膨大な量の深海映像や画像から目的のものを探すために有効であるが,記録された物体の詳細な同定には専門的な知識が必須である.現在のJ-EDIにおけるアノテーションの多くは大まかな分類情報しか示していないため,専門家と協働したアノテーション付与体制を構築することが必要である.
著者
渡辺 智暁 野口 祐子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.151-155, 2010-04-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本稿では,オープンアクセスの法的な課題として,著作権の利用許諾(ライセンス)の果たす役割について述べる。学術文献を共有し,情報の活用を促進する上では,著作権は障害になりかねない。これを解消する一つの手段がライセンスである。多様なライセンスが互換性を考慮しないままに開発・利用されると,再利用や複数の著作物の組み合わせによる利用の妨げとなるケースがあるため,ライセンスの標準化や互換性の確保が重要である。興味深いことに,再利用や組み合わせ利用に配慮することが特に重要な科学データベースについては,そもそも著作権を放棄し,パブリック・ドメインに帰属させることが望ましいとする立場も存在している。