著者
樋田 小百合 小木曽 加奈子 渡邊 美幸
出版者
日本教育医学会
雑誌
教育医学 (ISSN:02850990)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.202-210, 2020 (Released:2020-03-01)
参考文献数
19

The aim of this study was to elucidate the thoughts of nurses working at hospitals about the therapies for elderly patients who were admitted because were likely to die due to senility. To this end, a questionnaire survey was administered to 97nurses working at three hospitals, who had participated in a workshop, and 49 valid responses were obtained. As a result, the following four categories were extracted: “supporting death with dignity,” “decision support in a non-uniform end-of-life care,” “practice of care according to the intentions of a patient and his/her family,” and “conflict over the selection of a remedy, without performing any therapy.” Nurses wanted to support a death with dignity and a natural death due to senility. However, there were problems that nurses could not control, such as the level of therapy, and the directions for end-of-life care under the conditions of senility were uncertain. Therefore, it was considered necessary to examine end-of-life care strategies for elderly patients.

1 0 0 0 當世人物評

著者
曽根松太郎著
出版者
金港堂書籍
巻号頁・発行日
1902
著者
曽根 淳
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.653-662, 2020 (Released:2020-10-24)
参考文献数
47
被引用文献数
7 7

神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease; NIID)は,進行性の神経変性疾患であり,近年まで剖検により診断されていたが,2011年に皮膚生検が診断に有効と報告された後,症例数が増加している.2019年にはNOTCH2NLC遺伝子上のGGCリピート配列の延長が原因であると同定され,遺伝子診断も可能となった.NIIDでは,認知機能障害で発症し,頭部MRIでの白質脳症およびDWIでの皮髄境界の高信号が認められる群と,四肢筋力低下から発症する群の2群が認められる.今後,白質脳症およびニューロパチーの鑑別診断にNIIDを含める必要があり,皮膚生検と遺伝子検査を組み合わせ,NIIDを的確に診断し,病態解明を推進する必要がある.
著者
劉 筱丹 阿曽 洋子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.2_75-2_84, 2011-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
24

本研究は,看護の専門職的自律性測定尺度の中国語版を作成し,中国H省H市医科大学付属病院の臨床看護師450名を調査対象者として,信頼性と妥当性の検証を行なった。また,中国における職位および経験年数と自律性の関係を明らかにした。尺度の中国語版と日本語版では因子構造に違いがみられた。専門職的自律性の平均得点は,職位の高いものは専門職的自律性も高い傾向がみられた。また,経験年数が増えるにつれて,専門職的自律性の平均得点が上昇する傾向もみられた。 中国においては,看護師の免許は2年毎の更新制であることに加え,高い業務上職位を得るためには,継続教育を受ける必要がある。このようなシステムが自律性の形成に寄与している可能性がある。経験年数増加に伴う自律性平均得点の上昇傾向は,仕事を続けやすい社会的背景が一因と考えられた。
著者
西沢 喬 田高 智美 種田 智成 田中 優介 今井田 憲 川井 純子 植木 努 曽田 直樹
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101734, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】一般的に腰部脊柱の安定性の改善が腰痛疾患の治療成績を向上させるするとされており、腰部の疾患にとって腰部脊柱の安定性の確保は重要である。腰部脊柱の安定性に関与する筋には、腹横筋や内腹斜筋、多裂筋などがあり、それらが同時収縮することで、胸腰筋膜の緊張増加と腹腔内圧の増加をもたらし腰部の安定性向上につながるとされている。また同時収縮が関節のスティフネスを増加させて、マルアライメントの改善に影響するとの報告もあり、体幹筋の同時収縮が腰部安定性に重要である。そのため体幹筋の同時収縮により腰部安定性向上を目的とした運動が一般的に行われている。しかし実際に行われている運動が同時収縮しているかどうかの検証やどの運動が効果的なのかなどの報告は少ない。そこで今回我々は、腰部安定性向上を目的とした運動における多裂筋と内腹斜筋の筋活動を計測し、同時収縮の指標であるco-contraction index(以下CI)を用い、その運動の特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は腰部に疾患のない健常成人男性15 名(平均年齢29.4 ± 5.0 歳、平均身長173.8 ± 4.3cm、平均体重64.3 ± 8.3kg)とした。筋活動の測定には表面筋電図(Myosystem G2)を用い、測定筋は左側の多裂筋(正木らに従い第5腰椎レベルで第1・2 腰椎間と上後腸骨棘を結んだ線上)、内腹斜筋(赤羽らに従い腹直筋、鼠径靭帯、臍から上前腸骨棘を結ぶ線に囲まれた領域で鼠径靭帯に平行)の2 筋とした。測定課題は1)四つ這い位から右上肢と左下肢を水平まで挙上した肢位(以下四つ這い)、2)背臥位で後頭部に手を組ませ膝関節約90°屈曲位となるよう膝を立てた姿勢から体幹と下肢が一直線になるように殿部を拳上した肢位(以下お尻上げ)、3)長坐位で体幹約45°後方に傾斜させ上肢を床面に対して垂直に接地した姿勢から、体幹と下肢が一直線になるように殿部を拳上させた肢位(以下逆ブリッジ)、4)左側を下にしたサイドブリッジ(以下サイドブリッジ)、5)端坐位での腹式呼吸最大呼気位(以下腹式呼吸)の5 つの肢位とした。各条件において波形が安定した、3 秒間の筋活動をサンプリング周波数1000Hzにて記録した。得られたデータは最大等尺性収縮時の筋活動を100%として正規化し、各条件での筋活動を%MVCとして算出した。同時収縮の評価はFalconerらの方法を用いて多裂筋と内腹斜筋のCIを算出した。統計学的分析にはSPSS12.0Jを用い、各肢位間における筋活動及びCI値の比較に関して、一元配置分散分析後、多重比較検定を行った。有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には,本研究の主旨および方法,研究参加の有無によって不利益にならないことを十分に説明し,書面にて承諾を得た。また本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った。(承認番号120705-1)【結果】多裂筋活動は四つ這い27.3 ± 12.6%、お尻上げ30.3 ± 11.7%、逆ブリッジ33.3 ± 12.0%、サイドブリッジ24.3 ± 7.3%、腹式呼吸6.4 ± 8.0%であった。内腹斜筋活動は四つ這い14.1 ± 10.0%、お尻上げ3.8 ± 3.2%、逆ブリッジ10.0 ± 7.3%、サイドブリッジ32.0 ± 20.2%、腹式呼吸42.1 ± 38.4%であった。多裂筋活動では腹式呼吸が他の動作に比べ有意に低かった(P<0.05)。内腹斜筋活動では、 お尻上げが逆ブリッジ以外の動作に比べ有意に低かった(P<0.05)。また腹式呼吸がサイドブリッジ以外の動作に比べ有意に高かった(P<0.05)。CIでは、四つ這い57.8 ± 30.0%、お尻上げ24.6 ± 21.1%、逆ブリッジ44.8 ± 25.0%、サイドブリッジ76.6 ± 11.8%、腹式呼吸33.6 ± 24.7%であった。サイドブリッジが四つ這い以外の動作に比べて有意に高かった(P<0.05)。【考察】今回の結果においてCIはサイドブリッジが四つ這い以外の動作に比べ有意に高かった。サイドブリッジは、前腕と足部外側で支持するため、他の課題に比べ支持面が小さくまた関節自由度が少ない、加えて支持面からの重心位置が遠くにあることから課題の中で最も腰部の不安定な肢位であることが考えられる。先行研究より腰部の不安定性が筋活動を増加させることが報告されており、このためサイドブリッジで多裂筋と内腹斜筋の同時収縮が高まったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】サイドブリッジは、体幹筋の同時収縮に優れており、腰部安定性に対する有効な運動となりえる事が示唆された。また、体幹筋の同時収縮を知ることで、腰部安定性の評価や運動効果の指標に貢献できると考える。
著者
三宅 紀子 酒井 清子 曽根 保子 伊坂 亜友美 鈴木 恵美子 倉田 忠男
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.75, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】アスコルビン酸(ASA)は調理過程において容易に酸化、加水分解されてジケトグロン酸(DKG)になる。ASA酸化生成物は反応性が高いジカルボニル構造を有することから、タンパク質とのメイラード反応が懸念される。近年このメイラード反応が生体内においても進行し、様々な疾病に関わることが報告され、飲食物由来のメイラード反応生成物の健康への影響についても関心が向けられるようになった。本研究ではASA酸化生成物と食品タンパク質との反応生成物の生体への影響について検討を行った。【方法】食品の加熱調理のモデル系として、ASA、DKG(50mM)とカゼイン(10mg/ml)との反応をリン酸緩衝液(0.1M、pH6)中、70℃で一定時間行い、ジカルボニル化合物の生成をHPLC法により定量した。また、反応生成物の高分子画分を用いて、ヒト腸管上皮モデル細胞Caco-2について増殖への影響をMTT法により、AGEレセプター(RAGE)のmRNA発現をリアルタイムRT-PCR法により調べた。【結果】DKGとカゼインとの加熱反応の過程において、数種のジカルボニル化合物の生成が確認され、その中でグリオキサール(GO)量は反応初期において高く、反応時間15分以降GO量が著しく減少した。DKGとカゼインとのメイラード反応生成物(DKG-Casein)の培養細胞への影響を調べたところ、GOおよびMGの場合よりも低濃度での細胞増殖抑制が示された。さらにCaco-2のRAGEのmRNA発現は、DKG-Casein処理により、カゼイン処理の約1.4倍に有意に上昇した。よって、食品中のASA由来メイラード反応生成物が生体に影響を与える可能性が示唆された。
著者
木曽 明子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1987

博士論文
著者
提嶋 浩文 曽田 武史 松本 浩実 射塲 靖弘 尾崎 まり 萩野 浩
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0265, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】高齢者は転倒すると骨折に至る危険性が高いことが知られている。要介護の約10%は骨折,転倒に起因するものであり,転倒危険因子を調査することは,転倒予防の観点からも重要である。転倒要因は,内的要因,外的要因に区別される。内的要因には筋力やバランスなど身体機能に関するもの,転倒歴などが含まれ,これらに関する先行研究は散見される。一方,外的要因には履物や環境整備等が挙げられる。履物に関する研究において,一般的にスリッパは靴と比較して転倒率が高いとされているが,動作時のスリッパと靴の違いを比較,検討した報告は多くはない。今回の目的は靴とスリッパの違いが歩行に与える影響を3軸加速度計と表面筋電図を使用して分析し,転倒との関係性を検討することである。【方法】対象は整形疾患,中枢疾患の既往のない健常人15名(男8名,女7名,年齢23.8±1.7歳,身長166.2±8.1cm,体重56.5±7.4kg)とした。市販の靴とスリッパを使用し,裸足で着用した。歩行加速度の分析には3軸加速度計MVP-RF8-BC(MicroStone社),歩行時の筋活動の分析には表面筋電図Bagnoli-8 EMG System(Delsys社)を使用した。全被験者に対して14mの自由歩行を練習1回,測定を2回実施し,いずれも2回目のデータを採用した。また前後2mを除く,中間10mの歩行時間も計測した。3軸加速度計はベルトにて第3腰椎棘突起部に設置し,前後,左右,上下3軸の体幹加速度を測定した。得られた加速度信号の波形を無作為に1000個のデータを選択し,Root Mean Square(RMS)にて解析を行い,歩行速度に依存するため,速度の二乗で除した。また,無作為に10歩行周期のデータを選択し,Auto Correlation(AC),Coeffecient of Variance(CV)にて解析を行った。表面筋電図は右側の前脛骨筋,内側腓腹筋を測定筋とし,フットセンサーを踵部に設置し,筋電図と同期させた。得られた筋電図波形から,歩行時の立脚期,遊脚期の筋電位平均を求め,最大随意収縮時の筋電位で(MVC)で除して,最大筋力に対する活動の割合(%MVC)を算出した。統計分析は対応のあるt検定を用い,有意水準を5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】ヘルシンキ宣言に沿って,被験者には研究の目的および方法を説明し,理解と同意を得た。【結果】歩行速度の平均は靴1.31±0.1m/sec,スリッパ1.25±0.1m/secと有意差が認められた。歩行時の動揺性の指標となるRMSは左右成分で靴0.68±0.13に対してスリッパ0.79±0.17,上下成分で靴1.27±0.26に対してスリッパ1.37±0.27とスリッパが有意に高値となった。歩行の規則性の指標となるACは1歩行周期間の分析では前後成分で靴0.65±0.08に対してスリッパ0.59±0.12とスリッパが有意に低値となった。1歩行周期時間の変動率を示すCVは靴2.52±0.62,スリッパ3.03±0.87とスリッパが有意に高値を呈した。歩行時の立脚相,遊脚相における内側腓腹筋,前脛骨筋の%MVCは両群間に有意差を認めなかった。【考察】スリッパは靴と比較して左右,上下方向のRMSが高値となった。RMSが大きくなると動揺性が大きくなり,不安定な歩容になると報告されている。靴と比較してスリッパは側方の支持性が乏しく,片脚支持期の安定性の低下につながり,体幹加速度の動揺性が増大したことが考えられる。また,スリッパでは前後方向へのACは低値を示し,また1歩行周期時間の変動率を示すCVに関してもスリッパが高値を呈した。スリッパは規則性の低下を示す結果になったと考えられる。高齢者に関してCVは転倒群で有意に高値を呈し,転倒のリスクを推測する評価方法として有効であると報告されている。以上のことから履物の違いは歩行速度や歩行時の安定性,リズムに影響を及ぼすことが示唆された。高齢者の転倒は歩行中に生じやすく,歩行の規則性,安定性の低下は転倒につながることが多く,さらに加齢に伴う身体機能の低下,合併症の存在,バランスを崩した際の代償機構の破綻があるとよりスリッパ着用時の転倒リスクが高くなることが考えられる。しかしながら,本研究は若年成人を対象としており,加齢や運動機能の程度によって履物の違いがどれほど影響するのか,さらに検討する必要があると考えられる。【理学療法学研究としての意義】履物の違いが歩行に与える影響を転倒との関連性について検討した。転倒の原因である外的要因に関する転倒リスクを明確にし,転倒予防の啓発につながることが考えられる。
著者
中曽根 美咲 田中 貴大 赤木 淳二
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】“防風通聖散(以下、BTS)”は、18種類の生薬から構成されている漢方薬であり、肥満症やメタボリックシンドロームの改善を目的に広く用いられている。これまでに臨床試験や動物試験においてBTSによる内臓脂肪の減少効果が明らかにされており、その作用メカニズムとして褐色脂肪組織の活性化を介した脂肪燃焼促進作用や、リパーゼ阻害による脂質排泄促進作用などが報告されている。我々はこれまでに、構成生薬のひとつである生姜 (Zingiber officinale) の分量が高いBTS (BTS-Z)で、辛味成分である6-gingerolが増加し、内臓脂肪低減効果や糖代謝改善作用が増強されることを明らかにしている。本研究では、BTS-Zの作用メカニズムの解明研究の一環として、肥満モデル動物にBTS-Zを投与した時の肝臓における脂質代謝への影響について検討することとした。【方法】C57BL/6雄性マウスに高脂肪食飼料を4週間与えることで作成した肥満モデルマウスに、BTS-Zを2%配合した高脂肪食飼料を与え、体重推移を測定した。飼育7日目に採血し、中性脂肪や肝数値について測定した。また、肝臓を摘出し、脂肪酸代謝に関わるPPARαのmRNA発現量にて評価した。【結果・考察】肥満マウスにBTS-Zを投与した結果、体重や血中中性脂肪の増加抑制効果が確認された。肝数値についてはいずれの群も正常域であり、 BTS-Zの投与による影響は認められなかった。肝臓のPPARαの発現量は BTS-Zの投与により有意に増加し、その増加量は同様に試験を行ったフィブラート系製剤と同程度であった。以上の結果から、BTS-Zの肥満症改善に関与する作用メカニズムとして、新たに肝臓での脂肪酸代謝の促進が関与し、肝臓の脂肪代謝を促進する有用な薬剤であることを見出した。
著者
瀧澤 淳 尾山 徳秀 曽根 博仁
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

MALTリンパ腫の発症にIgG4関連疾患(IgG4-RD)が関与している可能性を考え、当科で診断したMALTリンパ腫69例を対象に、IgG4-RD合併の有無について検討した。69例中11例(16%)にIgG4-RDの診断基準を満たす病変が確認された。MALTリンパ腫の部位別では眼窩が41例中10例(24%)にIgG4-RD合併が確認され、他は肺MALTリンパ腫7例中の1例(14%)であった。IgG4-RD合併MALTリンパ腫11例中3例に、経過中部位の異なるMALTリンパ腫や形質細胞腫が続発したことから、IgG4-RDはMALTリンパ腫などB細胞性腫瘍の発症原因となる可能性が考えられた。
著者
佐野 弘純 福島 啓太郎 矢野 道広 嘉数 真理子 篠田 邦大 加藤 陽子 新小田 雄一 森 尚子 石田 裕二 斎藤 雄弥 豊田 秀実 足立 壯一 大曽根 眞也
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.275-280, 2022 (Released:2022-10-25)
参考文献数
4

【背景】小児血液・腫瘍性疾患の長期にわたる治療に際し用いられる中心静脈カテーテル(Central Venous Catheter; CVC)について,全国的にどういった種類のCVCが使用され,どのように管理されているかについての情報は乏しい.そこで日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)参加施設でのCVCの使用・管理状況について調査した.【方法】JPLSG参加155施設に2016年2月から同年7月まで,CVCの使用・管理状況について,SurveyMonkey®を用いたWebアンケート調査を行った.【結果】98施設(63%)から回答を得た.以下,「%」は回答した施設数を母数とした回答比率を指すものとする.白血病・リンパ腫の患児に対しては97%の施設が基本的に全例にCVCを使用していると答えた.CVCのタイプ別にみると,長期留置型は86%の,短期留置型は16%の,ポートは7%の,末梢挿入型は44%の施設で使用されていた.皮膚刺入部の管理法,アクセスポートを含めた輸液ラインの管理法,カテーテル関連血流感染症が疑われた際の対応については施設ごとで差を認めた.【考察】施設の規模や診療体制の違いからCVCの使用や管理の状況は施設ごとに大きく異なっていた.今後はCVCを安全に使用し,感染を予防するための管理指針が必要と考えられた.
著者
小木曽 太郎
出版者
公益社団法人 日本薬剤学会
雑誌
薬剤学 (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.34-45, 2003 (Released:2019-05-12)
参考文献数
31

Recent studies have focused on the hair follicle as a potential pathway for both localized and systemic drug delivery. When drug penetration through human scalp skin was investigated using liquid formulations containing lipophilic and hydrophilic drugs in vitro, lipophilic melatonin (MT) and ketoprofen (KP) showed high permeabilities through scalp skin. Absorption enhancers, N-methyl-2-pyrrolidone and isopropylmyristate, only slightly increased the fluxes. Hydrophilic fluorouracil (5FU) and acyclovir (ACV) also penetrated across the skin with relatively large fluxes. However, there was large variability in the fluxes of drugs across scalp skins. There was a correlation between the flux and hair follicle density (r=0.651 for MT and r=0.666 for ACV). Fluorescent probes, nile red and sodium fluorescein, permeated into the junction of the internal and external root sheath of follicles and diffused into the dermis via the outer root sheath at the initial times. The penetration of MT and 5FU through scalp skin was much higher (37 and 48 times, respectively) than that via human abdominal skin. It has been demonstrated that topically-applied liposomes and microspheres are efficient in specifically targeting the delivery of a wide variety of compounds into the hair follicles. Additionally, hair follicles were a significant pathway for electroosmotic solution flow during iontophoresis. This review indicates a basis that drug delivery through human scalp skin will offer an available delivery means for many lipophilic and hydrophilic drugs.
著者
曽我 直弘 田代 仁
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.70, no.797, pp.143-147, 1962-05-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
7 7

Glasses containing various amount of trivalent cerium ion (20K2O, 10BaO, 70SiO2, 0.1CeO2, and 0-0.2 Si (mole %)) were first exposed to γ-radiation until they were colored to the same degree, and then, the fading of their color occured with the lapse of time was measured. The content of Ce3+ ion in these glasses was also measured by the spectrophotometric method in order to obtain a relation between its content in the glasses and the fading velocity of their γ-ray induced color. The result showed that the higher the content of Ce3+ ion in the glass is, the higher the fading velocity of its color is.On the basis of this result and the results of the spectrophotometric studies on the cerium-containing glasses so far made by the authors (J. Ceram. Assoc. Japan, 68, 132; 169 (1960)), the authors gave their view on the role of Ce3+ ion in preventing the γ-ray induced coloration of glass: Being excited by γ-ray irradiation, oxygen ions in glass loose some of their electrons. The Ce3+ ions give their weak-bonded 4 f-electrons to the oxygen ions, thus preventing the formation of V-center like defects in glass. At the same time, the Ce3+ ions, now holding positive holes as the result of their lending their 4 f-electrons to the oxygens, catch the ionized electrons that would be trapped or were already trapped by oxygen ion vacancies, thus preventing the formation of F-center like defects in glass. The total function of the Ce3+ ion in glass under γ-ray irradiation is, therefore, the recombination of the positive holes and the ionized electrons, thus preventing the formation of color centers.
著者
遠藤(飛川) みのり 曽根 一純
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.131-139, 2020 (Released:2020-06-30)
参考文献数
25

関東,四国および九州沖縄地域の観光農園を対象に質問紙を配布し,面積などの農園の特性を踏まえたイチゴ品種の利用実態を調査した.その結果,関東地域に比べ都市的地域が少ない四国,九州沖縄地域の農園では,果実を摘み取りや直売以外にも多用途に利用している傾向があったものの,いずれの地域においても農園当たり約4品種の併用が認められた.また,品種別では, ‘紅ほっぺ’ や ‘かおり野’に代表される,草勢が強く高設栽培適性が高い,早生,多収品種の利用率が高かったほか,晩生や少収傾向の品種の利用も多く認められた.品種選定において重視する事項の調査結果から,農園が異なる早晩生の品種を複数利用する動機は,収穫時期の拡大よりも,収穫時期や果実品質の平準化にあると推察された.なお,いずれの地域においても,観光農園が利用品種を選定するうえでは,連続開花,収穫性の他に,果実品質や病害抵抗性を重視する傾向が認められた.今後は,多品種の併用に関する技術開発とともに,上述の特性を併せ持つ観光農園向け品種の開発が期待される.
著者
曽我 信孝
出版者
Japan Society for Distributive Sciences
雑誌
流通 (ISSN:09149937)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.3, pp.100-106, 1990 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7