著者
中村 高雄 片山 淳 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2145-2155, 2004-12-01
被引用文献数
18

電子透かし技術の応用として,印刷物などのアナログ画像中に埋め込まれている透かし情報を読み取り,アナログ情報からディジタル情報に導くシステムが提案されている.本論文では,近年普及してきたカメラ付携帯電話機を上記システムの端末として適用する際に必要となる,高速処理可能な電子透かし検出方式を提案する.提案方式は棒線を利用した幾何ひずみ補正方法と,微少な幾何ひずみと雑音に対するロバスト性をもつ高速な電子透かしアルゴリズムにより構成される.また,サービス運用上必要となる検出透かし隋報の信頼性についても定量評価方法を示す.実験の結果から,比較的計算処理能力の低い携帯電話機上で動作するJava Applicationとして提案方式を実装した場合でも,1秒程度の処理時間で処理を行うことが可能であることを示し,提案方式の有効性を確認できた.
著者
江口 研二 足立 秀治 池田 徳彦 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 楠 洋子 佐川 元保 鈴木 隆一郎 早田 宏 祖父江 友孝 曽根 脩輔 高橋 里美 塚田 裕子 中川 徹 中林 武仁 中山 富雄 西井 研治 西山 祥行 原田 真雄 丸山 雄一郎 三澤 順
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.985-992, 2003-12-30
被引用文献数
1 1

・低線量CT肺癌検診を実施することにより,非受診者群に比較して,受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.・低線量CT肺癌検診は,高危険群および非高危険群に対して,胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌(腺癌)をより多く発見し,発見肺癌の6〜8割は病期I期肺癌である.・低線量CT肺癌検診では,受診者の被曝リスクを低減させるために,撮影条件,画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.・低線量CT肺癌検診は,他のがん検診と同様に,検診の運営に際して,精度管理とその維持が必要である.・低線量CT肺癌検診の受診者には,検診一般の説明だけでなく,現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて,説明と同意(インフォームドコンセント)を行うべきである.・医療経済学的な面も併せて,低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには,解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診,職域検診のみならず,人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.
著者
浅野 太 鈴木 陽一 曽根 敏夫 林 哲也 佐竹 充章 大山 健二 小林 俊光 高坂 知節
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.373-379, 1991-06-01
被引用文献数
28

単一のディジタルフィルタを用いて、入力のスペクトルの変化に追従し、出力信号を装用者の聴野内に収めるよう増幅特性が変化する補聴方式を提案する。更に、ディジタルシグナルプロセッサを用いて本方式を実時間で実現するシステムの構築法を述べる。また、システムの評価を行うため、模擬難聴耳3例、感音系難聴耳2例に対し、単音節明瞭度試験を行った結果についても報告する。この評価実験から、特に、健聴耳に比べて聴野の狭い感音系の難聴者に対し、本システムによる聴野の拡大の効果が示された。
著者
曽良 一郎 池田 和隆 三品 裕司
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.47-54, 2002 (Released:2003-01-28)
参考文献数
17

オピオイド系の分子メカニズムの研究は,遺伝子ノックアウト動物モデルを利用することにより,作動薬,拮抗薬などを用いるだけでは為し得ない解析が可能となった.遺伝子ノックアウトマウス作製は,分子遺伝学,細胞培養,発生工学の実験手技の集大成であり,長期にわたる労働集約的な実験作業を要するプロジェクトである.ターゲティングベクター作製のためのゲノムDNAの入手から始まり,ES細胞への遺伝子導入,キメラマウス作製の後に,はじめてノックアウトマウスを得ることができる.また,表現型を行動学的,解剖学的,生化学的に解析する際に,ノックアウトマウスであるが故の留意点もある.本稿では,新規のみならず既知のノックアウトマウスの解析を予定されている研究者も対象に,概略的知識および成功を左右するいくつかのコツを,筆者らの経験をもとに紹介する.
著者
宮澤 雅史 曽培峰 磯 直行 平田 富夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.103, pp.43-49, 2002-11-08

ユークリッド距離変換はパターン認識やモルフォロジーフィルターなど画像処理の様々な分野で応用されている。本論文ではユークリッド距離変換のための、シストリックアレイを用いたハードウェアアルゴリズムを提案する。計算時間の効率化と乗算器などのハードウェア資源を削減するための工夫をし、サイズ$N ?times N$の2値画像に対しクロック数$3N-1$でユークリッド距離変換処理を実行する。そのために必要なハードウェア量は$O(N^2)$である。The Euclidean distance transform is applied in various fields of image processing, such as pattern recognition and morphological filter.In this paper, we propose a hardware algorithm using a systolic array that performs Euclidean distance transform. It is designed so that hardware resources, such as multipliers and comparators, are reduced and processing speed is efficient. It performs Euclidean distance transform for an input of $N \times N$ binary image in $3N-1$ clocks, and the size of the required hardware resources is $O(N^2)$.
著者
杉原 健司 志田 匡士 吉永 努 曽和 将容
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.27, pp.55-60, 2005-03-17

本稿では, キャンパスレベルを想定したP2Pネットワークにおいて, そのネットワークに参加する各ユーザが分散して提供するサービスや共有ドキュメントを有効活用するための新たな情報検索方式を提案する.具体的には, ピアの評価, 関連キーワードの学習, ドキュメントのスコア化とそれに伴うスコア制御機能を備えることで, 各ユーザの趣向にそった情報検索を可能にする.そして, 実装したシステムを利用使用した予備実験結果を示し, 提案システムの有効性について議論する.
著者
曽山 典子 神戸 和子 城和貴 加古 富志雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.67, pp.85-90, 1999-08-02

中間表現の研究は永い年月をかけて多くの研究者によって研究されてきた.中間表現の基本構成は共通の認識によって構築されているにもかかわらず,多くのコンパイラでは独自の中間表現を構築し,その実装に多くの時間を費やしている.近年,コンパイラ技術の融合を図るべく統一的中間表現が提案されているが,すでに開発されたコンパイラ技術との融合は困難である.本稿では,すでに実装された異なる中間表現を比較し,それらの相互変換の可能性を調べ,その結果,2つの異なる中間表現は実装上の細部では困難な部分もあるが,概ね可能であることがわかった.同時に各構造体の構成成分がおおよそ同じであることがわかった.Many researchers of parallelizing compilers have proposed various design and implementation schemes of intermediate representations (IRs) for the last several decades. The foundation of IRs seems to reach some common ideas, nevertheless they have actually spent much time to complete the foundation of IRs individually. Recently, the concept of universal IRs (UIRs) has been proposed for such general purpose schemes. According to the schemes, different IRs should be integrated even after their implementations, but it may be hard to obtain common UIRs practically. In this paper, we compare different IRs of two parallelizing compilers, then we show the possibility of the conversion of different IRs. As a result, we find that it is practically possible to convent different IRs except some implementation details of the IR data structures, and there are many similarities between different IRs.
著者
堀内 孝次 小木曽 健次
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.52-53, 1989-04-01

稲わらとともに腐熟促進剤や石灰窒素を土壌(砂壌土, 埴壌土)に混入した場合の稲わらの分解程度と土壌生産力について検討した.
著者
原 健太 塚原 荘一 狩野 均 曽田 敏弘 黒河 久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.22, pp.31-38, 2006-03-06
被引用文献数
3

本論文では カーナビゲーションシステム(カーナビ)の経路探索を多目的最適化問題としてとらえ 多目的遺伝的アルゴリズム(MOGA)で探索を行う手法を提案する. 本手法では経路長 推定旅行時間 運転の快適性をそれぞれ独立した目的関数とし MOGAを用いて性質の異なる経路を同時に探索して求める. また交通量を予測した場合にも対応した経路の評価方法を提案する. 実際のカーナビで用いられているナビ研S規格地図と過去の交通量データ(VICSデータ) ファジイc-means法による交通量補間を用いて 実世界に近い実験環境を再現した. 本手法と従来のGAによる経路探索手法ならびにDijkstra法との比較を行い その有効性を確認した.This paper describes a new route planning method for car navigation systems using a multi-objective genetic algorithm (MOGA). The proposed method has three independent objective functions (length of route, travel time, the amenity of driving) and can provide distinct pareto optimal routes using the MOGA. Also, the proposed method can use predicted traffic. Experiments using the S standard map of the Navigation Systems Researchers' Association, which is the map used in actual car navigation systems, historical traffic data (VICS data) and traffic data interpolated by fuzzy c-means shows that the proposed method is more effective than conventional methods.
著者
鎌原 淳三 曽田 篤 下條 真司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.100, pp.13-18, 2006-06-09

GPS内蔵携帯電話の普及により,撮影した画像の撮影位置情報を容易に取得し,画像内に埋め込むことが出来るようになっている.しかし,位置情報を基に画像を地図に貼る場合を考えると,必要な位置情報は撮影対象の位置情報である.そこで本稿では,すでに対象となる場所の位置情報付きの画像データベースがあることを前提として,撮影位置情報を埋め込まれた画像の撮影対象建物を特定する手法を提案する.これにより非常に少ない計算量で,撮影された画像の対象物を同定することが可能となった.
著者
河村 春雄 徳永 幸生 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.345-350, 2007-03-01

従来の静的なDNSの特徴である大規模,分散,階層的なデータベースに加え,ダイナミックDNSでは動的更新機能が追加された.Web, Blogなどを用いたコンテンツ発信の大衆化により,二次著作物のコンテンツがあらゆるところで大量に制作されている.コンテンツ管理にダイナミックDNSを用いることにより,二次著作物の管理が簡単で高速にできるシステムを提案する.実際にダイナミックDNSに実装し,検討・評価を行った結果,登録・検索処理速度で約50%の効率化を達成した.
著者
松田 憲幸 高木 佐恵子 曽我 真人 堀口 知也 平嶋 宗 瀧 寛和 吉本 富士市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.2, pp.324-332, 2008-02-01

初心者のための鉛筆デッサンの基礎は,対象を見えたまま正確に描きとる写実であり,獲得が難しい技能である.初心者は自己の写実の誤りに気づくことができない,あるいはデッサン画全体に漠然とした違和感を感じることができても,具体的に写実の何が誤りかを判断できず,同じ誤りを繰り返す.反復練習を指導する教師は,写実の誤りを理解させるため,描く対象と異なった立体物をイメージさせるたとえ(比喩)を用いる.学習者は比喩説明を聞く過程で徐々に,明らかに異なるイメージの写実と感じるようになり,ついに自己の写実の誤りに気づくと考えられる.本論文は学習者の鉛筆デッサン画像に含まれる写実の誤りを顕在化した三次元モデルを構築する手法を検討する.本手法は誤った写実による1枚の画像から,誤りを映し出し,かつ直感的に不自然さを感じさせる三次元モデルを構築する.写実の8種の誤りを対象に,デッサン画像の誤りを特徴づける15個の特徴量を用いて三次元モデルのスケーリング変換を定義した.三次元モデルを表示する顕在化ツールを実装した.学習者が本ツールを用いることで,鉛筆デッサンに含まれる写実の誤りに気づきやすくなると期待できる.
著者
片山 淳 中村 高雄 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.1035-1046, 2005-06-01
被引用文献数
15

我々はカメラ付き携帯電話により種々の媒体から電子透かしをリアルタイムに検出し, 検出した情報に関連するWebページ, 動画, 音楽をユーザに提示するシステムを構築した. 撮影画像はオリジナル画像に回転, スケーリング, あおり変換を統合した平面射影変換が加わっているため, 電子透かし検出の前処理として逆変換を行いオリジナル画像と同じ幾何形状に戻す必要がある. 逆変換パラメータを求めるための特徴点として画像外形コーナを検出する場合, ハフ変換による外形直線検出やコーナパターンマッチングなどの一般的な画像処理アルゴリズム利用では携帯電話端末内のiアプリ処理系で数十秒〜数十分を要し実用的ではない. 本論文では, ハフ変換やパターンマッチングに比べてiアプリ上の処理時間が1/100以下で画像外形コーナを探索可能なSide Trace Algorithm(STA)を提案し, 携帯電話端末実機を用いた評価実験によりその性能を実証した.
著者
筒口 拳 末永 康仁 渡部 保日児 曽根原 登
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.77, pp.55-60, 1996-08-22
被引用文献数
1

本稿は,3次元仮想空間内に設定された任意のパスに沿った人物像の歩行動作を自動的に生成する歩行動作生成手法に,新たに腕の運動の生成手法を適用したアニメーションシステムについて述べる.本手法では,運動学・動力学を含む複数の運動モードを重ね合わせることで腕の運動を生成し,また,動力学モードにおいては,腕部分を身体から分離した近似モデルに対して運動方程式を適用し計算を行う.本手法を用いることにより,地形変化に適用した身体の動作の影響を受けた運動や誇張された運動などの多様な表現による腕の運動を生成することができ,リアリティある歩行動作生成を高速に実現することが可能となる.We discuss a method of creating the arm motion of a walking human. Arm swing is generated by overlapping the plural motion modes, which include kinematic and dynamic mode. In the dynamic mode, efficient calculation is accomplished by using a model in which the arm is separated from the whole body. We applied this method to our Wave Walk system, which features the automatic generation of walking motion adaptable to 3D modeled scenes. With this system, natural looking walking motion can be generated easily in real-time and it will be easier to create various CAD scenes or attractive animation.
著者
曽根 威彦
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4-1, pp.157-187, 1999-05-20