著者
藤岡 豊太 阿曽 弘具
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-1, 情報・システム 1-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.880-888, 1997-11
被引用文献数
2

コンピュータ技術の発達に伴い, 情報をいかに効率的に伝送, 蓄積するかが重要な課題となっている. そのためデータ圧縮技術が発達し, さまざまな分野で利用されている. しかし, 大量の情報を扱う場合の各種システムの速度的要求のもとでは, CPU内での圧縮処理では速度的要求を満足することが困難になってきている. そのため, VLSI/ULSI技術を用いた専用ハードウェアによる高速なデータ圧縮法が必要となっている. 本論文では, さまざまな情報に対して有効な符号化法の一つであるLZ77符号化法を高速に実行する並列処理アーキテクチャ-PAHL-Cを提案している. PAHL-Cでは, 符号化で最も計算量を要する最長一致記号系列探索での冗長な計算を削減し, スルーレートを大幅に向上するものである. また, 高位論理合成システムPARTHENONを用いてPAHL-Cの論理設計等を行い, 性能評価している. その結果約20〜25[MByte/s]というスルーレートが得られることがわかった. 更にLZ77復号化並列処理アーキテクチャ-PAHL-Dを提案し, 性能評価している. また, PAHL-C/PAHL-Dが効率的を統合できることを示す.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣 杉之下 文康 山中 徳唯 小木曽 圭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.482, pp.61-66, 2009-03-06
参考文献数
10

筆者らは、ミリ波帯を用いたスタジオ用のハイビジョンワイヤレスカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている。このカメラには、高い回線信頼性を有した、高画質・低遅延でのハイビジョン映像の無線伝送が要求されている。今回、1フレーム以下の低遅延でハイビジョン映像を伝送することが可能な42GHz帯を用いたミリ波モバイルカメラを試作した。そして、2008年12月31日にNHKホールで開催された「第59回NHK紅白歌合戦」の番組撮影において、初めて使用したので報告する。
著者
作道 信介 北村 光二 太田 至 曽我 亨 羽渕 一代 辻本 昌弘
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

カクマ難民キャンプ設置の住民側の影響は以下のとおり。1)カクマ周辺住民の治療環境の多元化:キャンプの病院・診療所への依存が高まり医学用語の定着がみられる。同時に流入する人びとを患者とする外来の治療者-マッサージ師、薬売り、音楽治療者、移動治療者-が流入してきた。近年、医療と民間治療の棲み分けが明確化してきている。2)「糞肛門」の出現:干ばつ以来の食生活の変化はトゥルカナの主食をミルクからトウモロコシへ変わった。それにあわせて、身体の不調を干ばつによる食生活の変化に帰する新しい病気、「糞肛門」があらわれた。この病気を治療するマッサージ師の多くが干ばつなどによって追われてきた人びとであることがみいだされた。3)トゥルカナと難民との交流:(1)贈り物の交換による友情、(2)婚姻関係があった。トゥルカナは対人関係において、他者をそこにいて代替不能な"あなた"の位置に置こうとする。それが難民との関係形成に重要な働きをしていた。4)携帯電話の普及:それによると、携帯は牧畜民の既存の人間関係を固定化、強化する反面、対面場面での関係形成の柔軟性を損なう可能性があることが示唆された。牧畜民への携帯普及はまだまだであるが、近代化における牧畜民的自己の変容というテーマが浮上した。
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.75, pp.31-34, 2008-05-23
参考文献数
7
被引用文献数
3

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,しばしば匿名性を悪用し,陰湿ないじめにつながることが多々あり社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.したがって,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことができれば,問題発言の減少につながると考えられる.そこで,本稿では,電子掲示板の発言の特徴である文字と記号のみで構成されていることと,発言の長さがことなっていることに着目する.発言が短いときは,発言中の単語がその発言を象徴し,発言が長いときは,発言中の単語の組み合わせが重要であると考え,既出発言を学習させ,新たな発言が出現したとき,他者にどう影響を与えるかをベイズ理論を応用して影響度を算出する手法を提案する.単語と単語のペアの学習データをそれぞれ準備し,この手法の有効性を示す.
著者
堀 智彰 益子 博貴 村尾 真由子 大曽根 美奈 渡辺 雅子 辻 慶太 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
第 21回情報知識学会年次大会予稿
巻号頁・発行日
2013-05

情報知識学会 第 21 回(2013年度)年次大会 2013年5月25-26日 お茶の水女子大学
著者
仁科 辰夫 村松 淳司 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.607, pp.1-6, 1997-03-21

東北大学では,1988年にTAINS88が,1995年に超高速キャンバスネッドワークSuper TAlNSが完成した。この先端的な情報環境が活用され成功しているのは,運用管理を担当する専門部局からの指導ではなく,一般ユーザサイドから興味を持った方々が広く参集し,活動している TAINS利用研究会による利用技術の研究開発と教育啓蒙に依るところが大きい。本稿では,TAINS利用研究会の組織とその活動の概容について述べる。
著者
市村 太郎 河瀬 彰宏 小木曽 智信
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.1-8, 2012-10-05

本稿では,国立国語研究所 「通時コーパス」 プロジェクトの一環として検討されている, 『洒落本大成』 『虎明本狂言』 の電子化について,構造化仕様・文書型定義を示し,割書や発話表示等,資料特有の形式の扱いや,それに伴う課題等について論ずる.This paper describes the specification and Document Type definition(DTD) for digitized documents of "Sharebon" and "Toraakira's Kyogen", as part of NINJAL Diachronic Corpus Project, and discusses its characteristic properties, styles and issues.
著者
Vithanage Ananda 猪俣 敦夫 岡本 栄司 岡本 健 金岡 晃 上遠野 昌良 志賀 隆明 白勢 政明 曽我 竜司 高木 剛 土井 洋 藤田 香 Jean-LucBeuchat 満保 雅浩 山本 博康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.45, pp.31-35, 2008-05-15

双線形写像を利用するペアリング暗号は、ユビキタスネットワークに適した新しい暗号プロトコルを実現できるため、近年注目されている。しかしながら RSA 暗号のような普及している公開鍵暗号より、演算時間が数倍必要であることが欠点であった。我々はペアリング暗号を高速に計算するため、ペアリングアルゴリズムの軽量化、FPGA 実装を経て、世界初となるペアリング演算 ASIC、"Pairing Lite" を開発し動作確認を行った。Pairing Lite のゲート数は約 200 000、動作周波数は 200MHz で、1 回のペアリング演算を 46.7μ 秒で行うことを確認した。Pairing cryptosystems that utilize a bilinear map have attracted much attention because they can create new cryptographic protocols suitable for ubiquitous networks. However, their calculation time is several times longer than that for RSAs. We have developed an ASIC for calculating a pairing, "Pairing Lite," that is the world's first ASIC implementation of the pairing through improving algorithms for calculating the pairing and implementing FPGA. The scale of the circuit for Pairing Lite is about 200,000 gates, its operating frequency is 200 MHz, and it takes only 46.7μseconds to calculate one pairing.
著者
木曽 陽子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.200-211, 2011-12-25

本研究の目的は,「気になる子ども」の保護者との関係の中で現れる保育士の困り感に着目し,その変容プロセスを明らかにすることであった。そこで,公立保育所の保育士5名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析を行った。分析の結果,以下の3点がこのプロセスの特徴として明らかになった。第1に,「気になる子ども」の保護者に関わる際に,保育士は<"子どものため"の思いの基盤>を常に持ち合わせていた。第2に,<保護者との思いの対立>という経験を経て,保育士の働きかけが<"子どものため"に理解を求める>から<保護者に合わせる>へ変わっていた。第3に,<保護者に合わせる>関わりに変わっても,保育士は<"子どものため"の思いの基盤>とく保護者に合わせる>の間に葛藤を抱いていた。
著者
小林 哲郎 一藤 裕 曽根原 登
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.4, pp.834-845, 2012-04-01

提供されたライフログの管理や匿名化に関する情報セキュリティ的研究が進む一方,ライフログ提供者の心理的抵抗や提供を促進するインセンティブや制度に関する研究は不足している.そこで本研究は,ライフログ提供を促進する有効な制度設計のための基礎的な知見を提供することを目的に,ライフログ調査研究への参加依頼を実験刺激として,収集するライフログの種類,金銭的謝礼の金額,対価として提供されるライフログ活用サービスを要因操作した無作為配置被験者実験を行った.その結果,コミュニケーション履歴を提供することへの心理的抵抗が最も強く,GPS位置情報を提供することへの心理的抵抗は比較的弱いことが明らかになった.また,金銭的謝礼はライフログ提供を促進するがその効果は非線形であることが示唆された.一方で,レコメンデーションサービスやライフログ可視化サービスはライフログの提供を促進するインセンティブとしての効果が見られなかった.これらの知見を総合することで,できるだけ潜在的提供者の心理的抵抗を緩和しながらライフログの提供を促進する方法について考察を行った.
著者
曽彌 達藏
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.37, no.446, pp.379-382, 1923-08-25