著者
望月 聡司 中川 隆
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.390-392, 2019-09-13

1990年代に流行した渋谷系音楽は音楽シーンだけでなく多方面に多大な影響を及ぼした。一方、アーカイヴ手法の一種にヴァーチャルミュージアムがあるが、昨今のVR技術の進展は、アーカイヴ空間への没入体験の可能性を拡げている。本制作は、渋谷系の特徴として指摘されている「“過去の文化情報”を編集的に組み合わせた産物」という点に着目し、この特徴をVRによるヴァーチャルミュージアム体験として再編集し再現する試みである。
著者
望月 優子 伊豆山 健夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.316-325, 2001-05-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17

中性子星にグリッチと呼ばれる現象がある.正確に一定の割合で自転の速度が遅くなっていた中性子星が,あるとき,突然スピンアップする現象である.グリッチが初めて観測されてから30年あまり経つが,その起源はあまりよくわかっていない.私たちは,「渦糸のなだれ的ピンはずれ」がその原因であると考える.渦糸の芯のところに『核の棒』ができ,そこに渦糸が捉えられる,ということを示し,しだいに押し寄せてくる渦糸によって,捉えられていた渦糸が雪崩のようにはずれるのがグリッチである,という理論を提唱する.
著者
清水 暢子 松永 昌宏 長谷川 昇 梅村 朋弘 山田 恭子 望月 美也子 加藤 真弓
出版者
石川県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

医学的管理が充実している日本の高齢者であっても、認知症予備群から認知症へ移行する数は増加の一途である。一方、チェンマイ県での認知症罹患率は、日本の6分の1程度に留まっている。そこで本研究の目的は、タイ北部農村部とタイの都市部の高齢者、日本の北陸地方の農村部と都市部の高齢者の、認知機能面、身体機能面、社会生活面、栄養摂取面、精神心理面、保健行動面を評価し、その影響要因について、また、継続して3年間の認知機能経年変化値や脳血流量変化量を従属変数に、生活習慣や環境、社会背景を説明変数として何が認知機能の経年変化に影響を与えているかを比較検討することであった。日本側の農村部および都市部在住の高齢者の調査から、ミニメンタルステートテスト(MMSE)の値と言語流暢性課題と運動課題を同時に行う二重課題実施中の前頭前野の脳血流との間に有意な関連がみられ、近赤外分光法(NIRS)を使用した前頭前野血流変化量は認知機能低下の予測因子として重要な指標となり得ることが示唆された。また高齢者の宗教観および社会的孤立が認知機能に及ぼす影響についての調査結果から日本の都市部と農村部ではMMSEとMOCAの認知機能検査結果に違いはなかったが、農村部では信仰有りが有意に高く、「信仰の有無」、「高齢者のうつ」、「社会的孤立状態」は認知機能の経年変化の予測因子になり得ることが示唆された。一方、タイ,チェンマイ市内都市部と農村部の3か所の高齢者サロンに通所する高齢者へ、半構成的インタビューを中心に行った結果からは、「老いることの意味」について全員が「老い」をポジティブに受け止めていた。タイ高齢者の宗教心が老いへ向かう態度や日々の生活への態度にポジティブに関連している可能性があった。宗教的背景が他者とかかわる機会を持たせ、「人の役に立つ」ことを満たすために、高齢であっても孤立しない環境である可能性があった。
著者
松本 美佐子 田中 笑子 篠原 亮次 渡辺 多恵子 冨崎 悦子 望月 由妃子 杉澤 悠圭 酒井 初恵 安梅 勅江
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.3-13, 2014

目的 本研究は保育園で気がつく3歳時の気になる行動の推移、および2年後の社会能力を予測する行動の抽出を目的とした。方法 対象は全国32か所の認可保育園に在籍する幼児である。すでに障害の診断がついている児を除外した2007年、2008年の3歳児(485人、509人)を2年間追跡し主要な項目に欠損のない276人、243人をパネル化した519人を分析対象とした。調査内容は「気になる行動チェックリスト」と「就学前児用社会的スキル尺度」の記入を担当保育士に依頼した。対象者の内訳は男児274名(52.8%)、女児245名(47.2%)、きょうだいは無200名(38.8%)、有315名(61.2%)不明4名であった。5歳時の社会性を目的変数、3歳時の気になる行動を説明変数、性別ときょうだいの有無を調整変数としてロジスティック回帰分析を実施した。結果 5歳の社会能力の低さは3歳時の気になる行動で「音に対する反応の異常」が見られる場合Odds比38.86(95%信頼区間4.21-358.85)(以下同様)、「光に対する反応の異常」が見られる場合14.21(2.69-75.10)、「不自然な関係性」がみられる場合14.10(3.99-49.78)、「無関心」がみられる場合4.06(1.64-10.03)、「こだわり」がみられる場合5.53(2.33-13.12)、「激しいかんしゃく」がみられる場合2.44(1.10-5.40)、「多動」がみられる場合3.46(1.75-6.86)、「けんかが多い」がみられる場合2.47(1.02-5.98)「反抗がひどい」がみられる場合6.00(2.13-16.95)、「言葉に関する問題」がみられる場合6.34(2.97-13.53)、「ルール逸脱行動」がみられる場合9.10(3.73-22.22)、「年齢相応の生活習慣の遅れ」がみられる場合4.93(2.11-11.51)と有意に高くなる傾向が示された。結論 3歳時に音や光に関する反応の異常、不自然な関係性、無関心、こだわり、激しいかんしゃく、多動、けんかが多い、反抗がひどい、言葉に関する問題、ルールの逸脱行動、年齢相応の生活習慣の遅れなどの行動がみられた際は、後の社会能力の獲得に困難を示す可能性があり、幼児期早期から社会能力を育むための支援が求められる。
著者
高橋 任美 杉田 直 山田 由季子 鴨居 功樹 高瀬 博 望月 學 丸山 和一 木下 茂
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1281-1283, 2009-08-15

要約 目的:ぶどう膜炎の発症と経過などに及ぼす月経の影響の報告。対象と方法:ぶどう膜炎で通院中の女性54名に,月経周期とぶどう膜炎の自覚症状について問診を行った。年齢は12~51歳(平均31歳)で,内訳はサルコイドーシス8名,原田病8名,Behçet病7名,特発性ぶどう膜炎26名,その他5名である。結果:9名(17%)が月経がぶどう膜炎の自覚症状に関係すると答えた。うち8名では月経直前から月経期間中に症状が悪化した。54名中8名にぶどう膜炎の発症後に妊娠した経験があり,うち出産した5名全例で出産後にぶどう膜炎が一時的に悪化した。結論:ぶどう膜炎がある女性では,月経周期により女性ホルモン動態が変化し,ぶどう膜炎の発症または経過に影響する可能性がある。
著者
鈴木 優喜子 原田 祐輔 下田 信明 望月 秀樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.251-255, 2020 (Released:2020-04-20)
参考文献数
23

〔目的〕視空間認知障害に対する介入研究の介入デザイン,対象疾患,介入方法と効果,評価指標について分析することを目的とした.〔方法〕国内文献データベースを用いて検索した.〔結果〕適格基準を満たした文献は14編であった.準ランダム化比較試験(RCT)が1編,非RCTが2編,前後比較研究が11編であった.対象疾患は脳卒中が14編であった.介入方法は9種類あり,それらのうち8種類の介入で視空間認知障害に有意な改善を示した.〔結語〕視空間認知障害に対するRCTによる研究や脳卒中の半側空間無視以外を対象とした視空間認知障害についての研究が不足していることが示された.
著者
望月 雅士
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.35, pp.27-63, 2018

はじめに一 徴兵猶予をめぐる論議二 学生兵と帰還学生三 学問と軍隊四 学生たちへのメッセージおわりに特集 : 学徒出陣七五年
著者
小糸 康志 井村 英昭 望月 正孝 齊藤 祐士 鳥居 修一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.714, pp.404-411, 2006-02-25 (Released:2011-03-03)
参考文献数
12
被引用文献数
1

A “Vapor Chamber” is used as a novel heat spreader to cool high-performance MPUs (micro-processor units). The vapor chamber is placed between small heat sources and a large heat sink. This paper describes the effect of heat source size on the heat transfer characteristics of the vapor chamber. First, by the experiments, the effect of heat source size on the temperature distribution of the vapor chamber is investigated, and the validity of the mathematical model of the vapor chamber is confirmed. Secondly, by the numerical analyses, the effect of heat source size on the thermal resistances inside the vapor chamber is discussed. It is found that the heat source size greatly affects the thermal resistance of the evaporator section inside the vapor chamber. Although the thermal resistance is hardly affected by the heat generation rate and the heat flux of the heat source, it increases as the heat source becomes smaller.
著者
望月 直人
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.356-391, 2018-03

一八八〇年代前半にベトナムをめぐって生じた「越南問題」は、清朝が自らの属国とみなす国をめぐって欧米諸国と戦火を交えた唯一の事例清仏戦争に至った。従来、「越南問題」は、清朝とフランス両当事国の問題として検討されてきたが、本稿は第三国として関与したアメリカの影響を検討する。第一章では、一八八三年七月初めに行われた清朝による対米仲裁依頼が、国際世論と国際仲裁を結びつけたアメリカ駐清公使ヤングの助言に基づくことを示す。第二章では、国際仲裁の実現を目指したアメリカ外交官の活動が、清仏の対立を深刻させたことを明らかにする。第三章では、一八八三年一一月に清朝の発した各国宛同文通牒が、アメリカ駐清公使館員の助言にも依拠していたこと、この同文通牒が国際世論を動かして和平の実現という目的とは逆に、清仏の軍事衝突を決定的としたことを示す。The Sino-French war that occurred in 1880s is the only case of the Qing dynasty going to war with a Western country over countries regarded as its vassals. Previous scholarship has focused on the negotiations between the Qing dynasty and France, and has argued that the differences between the traditional East Asian international order (the so-called Tributary System) and the Western and modern international order triggered the war. But during the Sino-French controversy the Qing dynasty repeatedly proposed the arbitration of a third party, but France refused. It is thus difficult to say that the Sino-French war was a clash of two different world orders. In 19th-century East Asia, countries gradually adopted international law, and they benefited greatly employing it. International law, however, was plagued by problems of weakness of jurisdiction and enforcement of the law, and efforts to reach a peaceful settlement of international disputes by using international law often led to difficulties in diplomatic negotiations. This article thus focuses on American good offices in 1883 and considers their influences and results. In the first section, I reconsider the process of the request by the Qing dynasty to the United States for arbitration in July 1883. John Russell Young, U.S. Minister in Peking, often had talks with Li Hongzhang李鴻章, Chinese Governor-General of the Zhili, in the first half of 1883. Young attached great weight to public opinion and arbitration, and he advised Li to use international public opinion and international arbitration as international political resources. At the beginning of July 1883, Li adopting Young's advice, requested arbitration by the United States. In the second section, I consider the efforts of the American embassy in Paris during July and August. On 23 July, Levis Parsons Morton, American Minister in Paris, met Paul-Armand Challemel-Lacour, the French Foreign Minister. Responding to the offer of international arbitration by United States, Challemel-Lacour said, "if the pretentions of the Chinese government were known, perhaps it would be possible for France to avail herself of the good offices so kindly tendered by the United States." Challemel-Lacour's intent was to turn down the American offer in a roundabout way, but Morton interpreted the statement to mean if the Qing government would offer peace terms, it was possible that the French government would accept the American offer. In order to initiate international arbitration, the American embassy in Paris attempted to clarify the differences between the Qing dynasty and France. They advised Zeng Jize曾紀沢, Chinese Minister in Paris, to send their terms of peace to the French government, but these terms incurred French displeasure and deepened the confrontation between the two countries. In the third section, I discuss the origin and the results of a circular note that was sent by the Zongli Yamen総理衙門, the Chinese Foreign Office, to all foreign embassies in Peking on 17 November 1883. By examining the letter of Li Hongzhang sent to the Zongli Yamen, I found that the Qing court, which made the decision to send this note, had adopted the advice of Chester Holcombe, the first secretary of the American Embassy in Peking. This circular note aimed to arouse international public opinion to stop the advance of the French army and it corresponded to Holcombe's idea of a peaceful settlement. Holcomb evaluated the role of international public opinion and international arbitration in international politics highly. But this faith sent an erroneous sign to Chinese officials, especially the Qing-yi 清議 faction, which harbored unrealistic expectations. But, in reality, this note could be interpreted as an ultimatum, and the French minister in Peking, who also had received the circular note, advised his government to use force. In December 1883 the French army attacked the Qing army in Vietnam, and it ultimately proved impossible to stop the use of force by simply arousing international public opinion.
著者
石橋 明 西山 芳夫 遠藤 幹男 河路 渡 加藤 正 布田 由之 望月 一男 太田 信夫
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.113-117, 1977 (Released:2017-02-13)

掌蹠膿疱症132例中14例に, 胸骨部の有痛性の整形外科的症状(胸骨体部柄部間関節症5例, 胸鎖関節炎4例, Tietze症候群4例)を見出した。整形外科的症状を伴う掌蹠膿疱症の症例は, 概して掌蹠以外の指趾, 手足背, 四肢, 体幹にも撒布診を認め, AndrewsのGeneralized pustular bacteridに一致する皮膚症状を示した。またしばしば慢性扁桃炎などの巣感染の急性増悪後に増悪し, 扁剔や抗生物質投与に反応した。従って皮膚症状のみならず, 整形外科的症状も巣感染(アレルギー)と関連性を有することが推察された。
著者
田中 法博 望月 宏祐 禹 在勇
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.311-321, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2

The present paper proposes a real-time rendering method based on object surface properties and multi-spectral reflection model. An RGB image is device-dependent and valid for only the fixed conditions of illumination and viewing. On the other hand, spectral reflectance information of an object surface is more useful than RGB information because we can create realistic images of the object under arbitrary illumination and viewing conditions. Firstly, we develop a 3D reflection model based on Nayer model, Torrance-Sparrow model, Fresnel model and multi-spectral information for precise description of object surface reflectance. Secondly, we develop a rendering algorithm of the object under ambient light source distribution. And also, we implement the reflection model to Graphics Processing Unit(GPU) for improving rendering performance. Finally, we render some objects by using multi-spectral reflection model. The overall feasibility of our method is confirmed based on computer graphics images created by using the estimated parameters.