著者
望月 雅美
出版者
埼玉大学日本語教育センター
雑誌
埼玉大学日本語教育センター紀要 (ISSN:21875871)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-38, 2018

本稿は、ニーズ別語彙シラバスを作成する過程に、情報の重要度という新たな視点を加えるものである。幼稚園の配布文書を調査対象とし、全て一括で集計した場合と「情報のトリアージ」という考えをもとに情報の重要度別に集計した場合の頻出語の違いを比較した。その結果、使われている名詞には情報の重要度ごとに異なる特徴が見られた。ニーズ別語彙シラバスの作成のためには、学習者が読み取らなければならない情報の緊急性、重要性を考え、文書を選別して調査を行う必要性が示唆される結果となった。この「情報のトリアージ」という視点を入れることは、すべての読み手にとって読みかたを選べる有益な手段だと考えられる。
著者
望月 輝 藤本 暢宏
出版者
近畿大学工学部
雑誌
近畿大学工学部研究報告 = Research reports of the Faculty of Engineering, Kinki University (ISSN:0386491X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.73-78, 2010-12-01

[Synopsis]A simple and high-speed modulation technique using a white LED for illumination light communication are proposed to enable Ubiquitous Network. The proposed modulation technique enable a 110Mb/s operation. Experimental results show that the proposed system can play a key role in high-speed illumination light communication.
著者
関島 恒夫 森口 紗千子 向井 喜果 佐藤 一海 鎌田 泰斗 佐藤 雄大 望月 翔太 尾崎 清明 仲村 昇
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1922, (Released:2021-08-31)
参考文献数
55

オオヒシクイが集団飛来地あるいは渡りのルートとして主に利用する北海道道北地方から本州にかけての日本海沿岸域は、良好な風況が見込まれることから、現在、多数の風力発電施設の建設が進められている。大型風車の設置は、鳥が風車に衝突するだけでなく、風車群を回避することによる迂回コストの増大などにより、中継地や越冬地利用の放棄など生息地の劣化あるいは消失に繋がる可能性があり、地域個体群に対する負の影響が懸念されている。オオヒシクイなど大型水禽類の生息地を保全しつつ、再生可能エネルギーの拡大を目指して風力事業を推進するには、鳥類への影響が大きい区域を提示したセンシティビティマップに基づき、風力発電事業の計画段階で事前に衝突リスクの高いエリアを回避する手続きが有効である。本稿では、はじめに大型水禽類を対象にしたセンシティビティマップの現状と課題を説明し、続いて、オオヒシクイを対象として、全国の主要な集団飛来地における風車回転域飛行確率を考慮したセンシティビティマップと、北海道道北地方から本州日本海沿岸域にかけての主要な渡りルートにおいて渡り中の飛行高度規定要因を考慮したセンシティビティマップの 2つのマップ作成手順を紹介する。最後に、これらセンシティビティマップを用いた風力発電施設の立地に係る検討手続きを提案する。
著者
中澤 仁 望月祐洋 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.2573-2584, 1999-06-15
参考文献数
19
被引用文献数
2

既存アプリケーションのホスト透過的な移送を実現する ホスト透過型オブジェクト移送モデルを提案する. 本モデルは プロセス移送や分散ウィンドウシステムにはないプラットホーム独立性を提供し さらにオブジェクトを単位として移送の粒度を柔軟に制御できるのが特徴である. 本研究で Java 言語によって実現したホスト透過型オブジェクト移送システム Mogul は 既存アプリケーションコードに対する変更をともなわずに ホスト透過的なアプリケーション移送を実現する. Mogul では アプリケーションを移送可能オブジェクトとホスト依存オブジェクトとに動的に分離し それらの間のメソッド呼び出しをリダイレクトする 動的メソッドリダイレクションによって透過性を確保している. 本論文では アプリケーション移送の実現手法を比較検討したうえで Mogul の機能および特徴を示し 実装と評価について報告する.This paper proposes a transparent object migration model which enables existing applications to migrate between hosts without depending on platforms. The key issues are transparency and reusability of existing applications to exploit application mobility for mobile computing. In this research, we have developed an object migration system named Mogul with Java. Using Mogul, existing applications can migrate transparently Without changing their code. The novelty of Mogul is Dynamic Method Redirection which provides applications transparency. In this paper, at first, some conventional approaches for migration are presented with discussion of their features. Then we describe design and implementation of Mogul, and finally, usability of Mogul is discussed based on the result of evaluations.
著者
西澤 千惠子 立松 洋子 望月 美左子 宇都宮 由佳 篠原 壽子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】伝統的な地域の料理が伝承されにくくなっている現在,大分県の次世代に伝え継ぐ家庭料理を暮しの背景と共に記録し,家庭料理研究の基礎研究,家庭や教育現場でも利用可能な資料とする。</p><p>【方法】本研究は,平成24〜26年度に大分県内8地域における昭和35〜45年頃までに定着していた家庭料理について,60歳代以上を対象とし聞き書き調査を行なった結果から,大分県で食されていた副菜とその特徴について検討した。</p><p>【結果および考察】大分県は九州の北東部に位置し,東側は遠浅の瀬戸内海とリアス式海岸の豊後水道に面し,西側が九州山地で,その間に平野や盆地が点在するという自然豊かな地域のため,新鮮で豊富な食材に恵まれている。当時は流通網が発達しておらず,県内全域に食材が行き渡ることは難しく,その土地で季節ごとに入手・収穫した食材を大切に保存して利用していた。これらを先人の知恵に基づいてバラエティーに富んだ料理にしてきた。生産量日本一の干し椎茸を使い「含め煮」や「辛子漬け」に,瀬戸内海で採れる海藻イギス草を固めて「いぎす」にした。内陸地域では,身近にあるドングリを粉状にしてアクを除いて保存しておく。ここに水を加えて加熱しながら練ると,海藻から作った「いぎす」に似た「かたぎの実のいぎす」になる。また,早春に採れる海藻クロメを様々な工夫を凝らして食感と味を保ちながら,目先を変えた料理として食べていた。「きらすまめし」は大豆を余す所なくおいしく食べようとした倹約料理であり,「オランダ」は大分の方言「おらぶ(大きな声を出す)」から名付けられた野菜料理である。現在,家庭で日常的に作られている料理がある一方,ほとんど作られなくなっている副菜も多い。</p>
著者
曽根 一純 望月 龍也 野口 裕司
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.1, pp.241-254, 2002-03
被引用文献数
2

イチゴの日本品種84点と外国品種81点を用い,1995,1996年の2年間にわたり促成作型と露地作型で糖・有機酸の含量とそれらの組成を調査し,品種間並びに育成地および育成年代による差異について検討した。さらに,糖および有機酸の組成別含量間の相関関係およびそれらの遺伝力を明らかにした。1)供試した165品種の全糖含量(スクロース+フルクトース+グルコース)は21.5~96.6mg/gFWの範囲に分布し,平均含量は48.8mg/gFWであった。日本品種は外国品種に比べ有意に高かった。グルコース含量(Glu含量)の全糖含量に占める割合は17.7~41.5%の範囲に,フルクトース含量(Fru含量)の全糖含量に占める割合は23.1~57.4%の範囲に分布した。ともに,日本品種は外国品種に比べて有意に低く,また日本品種のうち1981年以降に育成された品種は,それ以前の品種よりも有意に低かった。一方,スクロース含量(Suc含量)の全糖含量に占める割合は7.7~58.8%の範囲に分布し,品種間差異が大きかった。日本品種のうち1981年以降に育成された品種は,それ以前に育成された品種と比較して有意に高かった。2)供試した165品種の全酸含量(クエン酸+リンゴ酸)は5.3~18.7mg/gFWの範囲に分布し,平均含量は10.7mg/gFWであった。リンゴ酸含量が全酸含量に占める割合(Mal比率)は4.8~45.8%と品種間差異が大きく,平均値は20.0%であった。 全酸含量の平均値は日本品種が外国品種と比べ有意に低く,Mal比率には日本品種および外国品種の間に大きな差異はなかった。 3)糖・有機酸の含量・組成について主成分分析を行った結果,第1主成分はSuc含量,第2主成分ではGlu+Fru含量,第3主成分はMal比率を表すと考えられ,第3主成分までの累積寄与率は97.7%であった。また,第1・第2主成分のスコア散布図では,日本品種と外国品種との間で分布域に明確な違いがみられ,日本品種は第1主成分について外国品種より正の側に多くが分布した。さらに日本品種では,1981年以降に育成された品種はそれ以前に育成された品種と比較して,より第2主成分の正側に分布した。このことは,日本品種は外国品種に比べて,全糖含量およびSuc含量の高い品種が多く,また近年ではSuc比率を高める方向に育種が進んできたことを示すものと考えられる。4)糖および有機酸の組成比率は,いずれも高い広義の遺伝力を示したことから,比較的改良しやすい形質であると考えられた。これらの形質の改良に当たっては,育種初期段階で選抜圧を加えることにより,効率的な選抜が可能であると考えられた。

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著者
望月 眞弓
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.236_1, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
1

新薬は治験において有効性や安全性が確認されているが,その治験には限界があることについて,以下の5つのTOOで表現されている.市販後にこうした限界を克服する調査や試験を行うなどして情報を補完することが重要である.too few:症例数が少ないtoo narrow:腎機能・肝機能障害,妊婦などの特殊な患者は除外されているtoo median-aged:高齢者や小児は除外されているtoo simple:投与方法が単純で,併用薬などが使われていない too brief:投与期間が短く,長期投与の結果が不明である
著者
望月 敬之
出版者
城西大学経済学会
雑誌
城西経済学会誌 (ISSN:02872072)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.A-F, 1971-07
著者
近藤 孝 望月 計 磯 和彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1335-1342, 2021

ダウンサイジングターボエンジン搭載車で「軽快感」という感性目標を満足する取り組みと、それに伴う直列4気筒エンジンにおける「軽快感」についての研究について記した。サウンドの「軽快感」向上のため感性工学を用い、エンジン開発を行った。また先行研究における音質評価指標の「軽快感」との差異を考察した。
著者
望月 隆
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.14, 2005

<I>Trichophyton</I> (<I>T.</I>) <I>tonsurans</I> 感染症は 1990 年初頭から北アメリカ各地、スエーデン、韓国、ドイツなどの格闘技愛好者の間に流行している。本邦においては 2001 年から培養で本菌によることが確認された集団発生例が報告されたが、おそらく 1995 年頃以前から当初レスリング部員、その後柔道部員の間で集団発生が始まっていたと考えられる。昨年の本学会においては、本症の発生状況を明らかにするためにシンポジウムが行われ、本症が高等学校、大学などの柔道、レスリング競技者を中心にすでに全国的に蔓延していること、当初強豪校を中心としていた感染の範囲が拡大していること、家族への二次感染例があること、一般への拡散はいまだ確認されていないことなどが明らかになった。したがって、今後は効果的な治療、予防策の提案が急務と考えられる。現在のところ本症の診断、治療のガイドラインとしては「柔道選手の皮膚真菌症 ブラシ検査・治療・予防のガイドライン」(比留間政太郎他 編集室なるにあ 2003 年 9 月)、ならびに「<I>Trichophyton tonsurans</I> 感染症の診断・治療・予防のガイドライン2004」(<I>T. tonsurans</I> 感染症対策委員会編 順天堂大学医学部皮膚科学教室 2004 年 6 月)が提示されている。今回は一高等学校柔道部を対象としたヘアブラシによるサンプリングを通じて、ヘアブラシ法を行うタイミング、特に乱取りを含む稽古の前後でのヘアブラシ法の所見の変化、そして稽古直前の抗真菌剤外用のヘアブラシ法への影響についてのデータを添えつつ、ガイドラインの紹介を行う。(共同研究者:田邉 洋、河崎昌子、安澤数史、若狭麻子、石崎康子)
著者
村越 友紀 望月 善子 渡辺 博 稲葉 憲之 Yuki Murakami Yoshiko Mochizuki Hiroshi Watanabe Noriyuki Inaba
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.87-94, 2011-03-25

10 代妊娠を「防ぐべきである」という視点ではなく,出産を目指す10 代妊婦に共感し,母性意識の発達を促し,セルフケアできるよう援助していくための方法を探索することを目的として,1998 年から10 年間に当センターで出産した10 代妊婦138 名を対象に承諾を得た85 名に対し,アンケート調査を実施した (回収率45.9%).妊娠時の心境としては妊娠を肯定的に受け止めていた者が76.9%であったが,出産時には92.3%と増加していた.現在の相談相手は母親,夫,友人であり,育児,金銭面の相談が主であったが,相談相手すらいない状況下,一人で育児を行っている者もいた.10 代での妊娠出産をよかったと71.8%が判断していたが,10 代出産のデメリットは経済的不安,知識の少なさが挙げられた.思春期には性行動,妊娠,出産そして育児など長いスタンスの知識提供と現況を把握理解した上での支援体制が必要と考える.
著者
望月 浩志 大谷 優 大森 沙江子 吉田 美沙紀 渡辺 楓香 藤山 由紀子 新井田 孝裕
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.73-79, 2018 (Released:2019-03-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】斜視や弱視で通院中の患児における三歳児健康診査(以下、三歳児健診)の判定状況を調査した。【対象および方法】斜視や弱視によりA病院に通院中の患児30名(男16名・女14名、年齢9.1±3.2歳)の保護者に、三歳児健診で眼科医療機関への受診(3次健診)を勧められたか、勧められなかった場合の眼科受診のきっかけについて聞き取り調査を行った。調査結果と患児の視機能の関係を検討した。【結果】30名中24名(80.0%)は三歳児健診で3次健診を勧められていなかった。勧められなかった24名のうち斜視は15名で、内訳は内斜視5名、外斜視2名、間欠性外斜視7名、上斜視1名であった。24名のうち弱視は13名(斜視と重複含む)で、内訳は屈折異常弱視4名、不同視弱視5名、斜視弱視4名であった。斜視15名の眼科受診のきっかけは、保護者の気づきや保育園や幼稚園教員の指摘11名、保育園や幼稚園、小学校での健診を含む3歳以降の健診4名であった。斜視弱視を除く弱視9名の受診のきっかけは、保育園や幼稚園教員の指摘2名、3歳以降の健診7名であった。【考按】所管する市町村によって携わる医療職や健診内容に差があるが、本調査では斜視や弱視を有する患児の80.0%は三歳児健診で3次健診を勧められていなかった。1次および2次健診の精度向上をめざし、屈折検査の導入などの視機能異常の検出方法の改善や視能訓練士などの眼科専門職の参加が必要であると考える。
著者
望月 拓実
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.75-96, 2021-01-31

This study has two purposes in order to clarify the future needs of eSports research in Japan.1.Review domestic and international eSports research and to organize and understand the research themes. 2.Discuss what kind of research is needed in Japan in the future.First, domestic research and social trends in eSports were collated with overseas research. As a result, three research themes were identified: "Is eSports a sport?" "Will eSports grow as a business and industry?" and "Is eSports useful for education? The three research themes were identified using a systematic review. As a result, a total of 23 references were reviewed. Finally, the literature on each theme was reviewed. It became clear that "Research on the definition of e-sports" "Research on the handling of e-sports as a new sport" was necessary. In addition, more research is needed on "The motivation to watch and participate in popular e-sports events in Japan". It is also necessary to research "The educational effects of e-sports events that are popular in Japan, mainly individual competitions".
著者
望月 郁子
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松学舎大学人文論叢 (ISSN:02875705)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.21-39, 1999-10-10
著者
植田 健治 望月 眞 篠原 靖 杉本 勝俊 阿部 公紀 田畑 美帆 片上 利生 宮岡 正明 寿美 哲生 葦沢 龍人
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.1526-1532, 2005

症例は54歳,女性.右下腹部痛と血便を主訴に当科を受診した.大腸内視鏡検査で回腸終末部に10mm大の粘膜下腫瘍様隆起が認められ,生検でカルチノイド腫瘍と診断された.腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行したところ,深達度はsmで筋層浸潤はなく,腫瘍径は小さかったが,回結腸動脈根部のリンパ節に転移が認められた.本症例は大腸内視鏡検査時に回腸終末部への挿入を実施したために発見された病変であり,可能な限り回腸終末部への観察が重要と考えられる.