著者
望月 昭
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.4-11, 1995-06-15 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
1

当論文は、今回の特集号を編集するにあたって、行動分析と行動分析者が、ノーマライゼーションの原理や運動に対して、どのように貢献できるかについて確認したものである。これまで行動分析は、一般的には、障害分野において個人の行動を現実環境へ適応させたり、地域化というノーマライゼーションの大きな方針のもとで問題行動を減じる為などに用いられるテクニックとして捉えられてきた。しかし、三項随伴性に代表される行動に対する関係的な枠組みや、行動とそれに対する徹底的な正の強化の配置を尊重するスキナーの「倫理観」は、それ自体が単なるテクニックを越えた、哲学から方法論までを備えた、既成のノーマライゼーション原理に匹敵する体系として考える事ができる。この行動分析的ノーマライゼーションにおいては、"正の強化を受ける行動の選択肢の拡大"と運動の目標を表現することができる。そして、この目標達成に向けて、障害を持った個人に対して、従来の「教育・療育」のみでなく、適正な「援助・援護」行動や、環境設定の実験的分析としてのシミュレーションの方法が検討される必要がある。
著者
望月 康弘 大久保 秀夫 秦 大資 吉田 晃 細木 義郎 神田 成夫 仁科 徳啓 秋山 真人 塩澤 寛治 林 道明 杉枝 正明 村上 正博
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.52-60, 1989-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
1

昭和61年9月~62年7月の間に静岡県立総合病院小児科を受診した腹痛, 下痢患者499例について糞便中の病原細菌の検索を行い, 47例よりCampylobacter jejuniを分離した.下痢発症前の食事内容, 調理器具の取り扱いなどを調査し, 患児と同年齢で家族内に最近2週間以内に下痢症のない対照群と比較した結果, 患者群では生肉を取り扱う際のまな板, 包丁を必ず洗剤や石鹸で洗う割合が対照群よりも少なく, 有意差が認められた.同居者, ペット動物の保菌状態を調査し, 下痢患者の祖母1例, 父2例, 母5例, 同胞6例より本菌を分離したが, 家庭で飼育しているペット動物からは分離されなかった.鶏肉を調理したあと, 家族内で集団発生した例が3家族あり, うち2家族において, 患者が摂食した鶏肉が冷凍保存されており, C.jejuniが検出された.患者から分離された本菌の血清型は, Pennerの方法で2型が多く, 市販の鶏肉分離株との間に共通性がみられた.静岡市内の小学校で飼育されている動物について広範に調査し, 387のうち10検体 (2.6%) より本菌を分離した.追跡調査により通常は比較的速やかに菌の消失をみた.飼育環境の悪い例では, 150日以上排菌が続いていたが, 飼育担当者のなかに下痢を発症した者はなかった.これらのデータより, 静岡市のような我国の平均的都市部では, 本症の発症原因として, 家族内での人から人への感染やペット動物からの感染は比較的少なく家庭内で生の鶏肉を取り扱う際の, 調理器具や, 手指を介する他の食品の汚染が最も重要な危険因子であり, 調理者に対する衛生教育と鶏肉の細菌汚染防止対策についての研究を進める事が, 最も重要と思われた.
著者
清水 晶平 望月 翔太 山本 麻希
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.173-182, 2013-12-25 (Released:2014-12-25)
参考文献数
37
被引用文献数
4 3

イノシシ(Sus scrofa)による農業被害が近年深刻な社会問題となっている.被害の地理的発生要因を解き明かすことは,被害対策を効率的に実施するうえで重要である.本研究の調査地である新潟県上越市柿崎地区では,被害地域が大きく拡大した後,電気柵を設置したことにより,被害地域の縮小に成功している.そこで本研究では,新潟県上越市柿崎地区におけるイノシシ由来の農業被害に対し,被害の拡大前期(2004年~2007年),拡大期(2008年),そして,減少期(2009年~2010年)の3期に分け,3つの期間における被害地点とその周辺の地理的要因との関係を明らかにすることを目的とした.本研究では,「水稲共済損害評価に係る獣害(イノシシ)申告データ」と,現地踏査により作成した土地利用図を使用して分析した.被害地点と被害のない地点について,林縁や河川からの距離など,被害地点の景観構造を示す変数を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った.また,電気柵を張る前と後の被害地点についても,同様にロジスティック回帰分析を行った.この結果,林縁,沢,耕作放棄地に近いほど被害が増加する傾向が認められた.河川,道路,都市部に関しては距離が遠いほど被害が増加する傾向が認められた.また,電気柵を設置したことにより,被害の分布が都市部に近づいていることが判明した.イノシシによる被害は見通しの悪い林縁や耕作放棄地の周辺で発生していることが明らかになり,イノシシによる被害対策には,林縁の刈払いや耕作放棄地の管理と個体数調整を同時に考慮した対策を見出す必要性があることを示した.電気柵を設置する場合は,十分な捕獲計画と併用するか,被害がまだ起きていないエリアも全体的に電気柵で一気に囲ってしまうなどの配慮が必要であろう.
著者
望月 昭
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.8-17, 2001 (Released:2014-07-03)
参考文献数
30
被引用文献数
3 9

重度の知的障害を持つ個人にみられる多くの行動的症状、例えば強度行動障害、の原因をたどると、それはしばしば当該の個人の障害性 (impairment) によるものではなく、個人と環境との相互作用によるものである場合がある。そのようなケースでは、問題行動のみに注目して対症療法的なリアクティブなトリートメントを行うのではなく、正の強化で維持される個人の行動の選択肢を拡大するプロアクティブなトリートメント (Foxx, 1996) が採用される必要がある。当論文では、筆者は「行動的QOL」という概念を提出する。それは、個人の生活の質を正の強化で維持される行動の選択に関する方法と量で測定するものである。行動的QOLは、個人の生活の質に関する2つの側面を同時に持つ。すなわち、環境的側面と個人的満足の側面である。他のQOLの測定においては、前者は環境の設定や配置の改善によって測定され、後者は一般的に個人に対する質問によって測定されてきたが、それらはそれぞれ別個に行われてきた。行動的QOLは、個人の行動によって測定され、そこでは個人は環境を自ら選び取り、またその満足度の度合いをその選ばれた環境との相互作用 (=行動) として示すものである。行動的QOLは、3つのレベルに分類することができる : 第一のものは、ある状況で、選択はできないが正の強化で維持される行動が個人に準備されているもの、第二のものは、個人にいくつかの選択肢が準備され、それを選択することができるというもの、そして第三のものは、個人が既存の選択肢を拒否して新しい選択肢を要求できるものである。この論文の後半では、重度の知的障害を持つ個人における「選択決定」の簡単なレビューと、筆者らのグループによる2つのケーススタディを紹介する。それはいずれも、何らかの問題行動を持つ個人に対する、選択決定を含んだプロアクティブなトリートメントを、行動QOLの拡大のミッションのもとで展開したものである。最初のケーススタディは、重度の知的障害を持つ個人において上記した行動的QOLの第三のレベルの確立が可能かを検証したものである (Nozaki& Mochizuki, 1995)。実験では、どのように、既存の選択肢に対する「NO」を表明する選択肢を設定することができ、またそうしたトリートメントが、対象者の行動問題、すなわち聴覚障害の兆候や極端な活動性の低さ、に対して効果を持つかが検討された。第二のケーススタディでは、殆ど行動の選択肢が与えらていなかった施設環境において、強度の行動障害を示す成人に対して行われたものである (望月ら、1999)。この第二の研究は、筆者らと施設職員との「共同相談モデル」(Ervin, et al., 1998) であり、(a) 職員間での行動的QOLの概念の共有化、(b) 施設の日常場面における、正の強化の機会の設定や選択場面の設定、という作業からなっている。これらの研究の結果、重度の障害を持つ個人でも行動の選択肢を選ぶことができること、そしてそうしたトリートメントを通じて問題行動が減じることが示された。行動的QOLは、個人の選択決定 (=自己決定) を中心としたヒューマンサービスの新たな哲学と方法論を必要とする。この考え方は、他者の決定を過不足なく援助するための学際的方法を含むものである。この作業に適したひとつのパラダイムは行動分析であろう。
著者
望月 要 佐藤 方哉
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.42-54, 2003-04-20 (Released:2017-06-28)

本稿は行動分析学の立場から"パーソナリティ"の概念的分析と実証的研究の展望を試みたものである。従来、人間の個体差を示すパーソナリティ"という概念は、個体の内部にあって、その人間の行動を決定する仮説構成体と考えられてきた。この定義は現在でも広く用いられているが、言うまでもなく、行動の内的原因を排除する行動分析学からは容認できない。しかし、"パーソナリティ"について行動分析学の立場から新たな定義を与えることは不可能ではない。本橋ではパーソナリティ"に対して「特定個人の行動レパートリーの総体」という定義を、まだパーソナリティ特性"に対して「個人において安定している共通の制御変数によって制御されるレスポンデントおよびオペラントのクラス」という行動分析学的な定義を提案し、これに基づいてパーソナリティ特性"の概念的分析を行なうとともに、行動分析学的立場から行なわれた幾つかの実証的研究について展望を試みた。行動分析学は行動を制御する主要な制御変数の探求を完了しつつあり、今後は、制御変数間の相互作用の分析に力を注ぐべき段階にさしかかっている。制御変数の相互作用を解明するとき、同一環境下で発生する行動の個体差は研究の重要な糸口となり、その意味においても行動分析学における個体差研究の意義は大きい。
著者
望月 桂
雑誌
第21回日本救急看護学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-09-03

【はじめに】救急外来を受診する小児患者の最も多い症候は発熱であり、稀に致死的な疾患が隠れている。発熱に伴う潜在的リスクが後々小児患者を重篤化させることもある。トリアージ看護師がこれらを的確に評価し、早期の医療介入に繋げることにより小児患者の生命予後や機能予後の改善を図ることができると考える。【目的】発熱を呈し来院した乳児患者に対する院内トリアージについて検討する。【対象および方法】発熱を呈し来院した生後5ヶ月の男児(以下、児)に対する院内トリアージの結果から、意図的な問診やフィジカルアセスメントについて、文献的考察を加えて検討する。【倫理的配慮】個人情報の保護に充分配慮し、データ管理はロック付USBを使用した。【結果】児を観察した結果、発熱による不感蒸泄量の上昇に伴う脱水の潜在性を認めた。さらに乳幼児の発熱における一般的な疾患と致死的な疾患を考慮し、問診やフィジカルアセスメントを行い、致死的な疾患を積極的に疑うような所見は認めなかった。児は、何らかの一般的な感染性疾患、もしくは前日に受けていた予防接種後の副反応を呈している可能性が考えられた。以上のアセスメントから、児の緊急度をJTAS 3と判断した。【考察】McCarthyらが開発した急性疾患観察尺度(最良6点、最悪30点)は発熱児における重篤な疾患を特定する際に信頼性が高く、有効とされる。尺度のスコアが10点以上の発熱児に対して、菌血症を予測するための感度は87.9%、特異度は83.8%、陽性尤度比は5.4であったと報告される。児に当てはめるとスコアは最良の6点となり、第一印象から高い確率で菌血症を除外することができる。一見、明らかな重症感のない発熱児も、急性疾患観察尺度の中等度障害項目を2つ以上有することにより菌血症の可能性が高まり、緊急度を上げた早期の対応が必要である。 小児は相対的に不感蒸泄量が多く、体温が1℃上がるごとに10~15%増えるとされる。Steinerらは小児における5%超の脱水を予測する徴候として、「CRT遷延」は感度65%、特異度85%、陽性尤度比4.1、「ツルゴール低下」は58%、76%、2.5、「呼吸異常」は43%、79%、2.0であり、脱水を鑑別する所見として有用であったと報告している。児には、これらの徴候は認められず脱水の顕在化は否定的であった。脱水の3 徴候を統合した評価と共に、体液喪失についての病歴聴取が適切な緊急度判定に有用であると考える。同じ症候であっても予測される疾患や病態に応じて緊急度は変化するため、トリアージ看護師は、患者の健康問題について大まかな仮説を立てる。しかし小児が示す症候は特定の疾患との結びつきが弱く、乳児においては疾患に特徴的な症候が見られないこともある。Vanらは、臨床的には軽症に見える小児患者に対して、医師が深刻な疾患を診断するにあたり、「何かよくない」という第六感が感度61.9%、特異度97.2%の確率で有用であり、両親の「いつもと何かが違う」という発言がその第六感に寄与していたと報告している。保護者が感じる小児患者の違和感は、緊急性の高い疾患の想起に繋がる重要な情報であると考える。 Crocettiらの報告によると、保護者の56%は発熱が子どもに与える潜在的リスクについて心配し、94%は発熱が何らかの有害な影響を引き起こす可能性があると考えていた。トリアージ看護師は、保護者との関係構築に努め、待機時や帰宅後の注意点や対応を指導することにより、長期的視点に立った健全育成への支援に繋げることができるのではないか考える。
著者
山下 剛 望月 新一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究分担者の望月氏により、宇宙際Teichmuller理論を虚数乗法を持つ楕円曲線にも拡張できることが分かった。これにより、宇宙際Teichmuller理論とDirichlet L関数の零点の間に初めて数学的な関係が生まれた。これは今後、宇宙際幾何学のさらなる発展としてのゼータ関数の零点への研究の大きな最初の一歩とみなせる。
著者
二瓶 直子 桐木 雅史 高圓 博文 露口 利夫 斉藤 康秀 平 健介 米島 万有子 望月 貫一郎 千種 雄一
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.19-29, 2018-03-25 (Released:2018-04-30)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Oncomelania hupensis nosophora (Ohn) is the intermediate snail host of Schistosoma japonicum (Trematoda; Schistosomatidae) (Sj) in Japan. The last domestic schistosomiasis infection in Japan has been thought to occur in Yamanashi Prefecture in 1977. In 1985, the intermediate host snail was isolated from paddy fields along the Obitsu River basin in Chiba Prefecture, Japan. At that time, schistosomiasis was assumed to become a past disease in this area. Thus, activities to exterminate Ohn or annual screening programs of residents in this area had not been conducted. Indeed, this disease represents a neglected endemic disease in Japan. This report describes the epidemiological history of the disease from various approaches including clinical information, philological study, interview surveys, snail collection surveys, and changes in land use and environments using geographic information systems. The assumption of disease elimination was based on the lack of reports of new infection for more than 30 years, environmental modifications, and almost no snail infestation from 2012 onward in known habitats. We concluded that continuous monitoring of the snails is not necessary in the studied area, while a certain level of attention to redistribution of the snail from hidden habitats may be required.
著者
望月 務
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.11-17, 1980-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
17

食品の衛生・安全の問題は年々きびしくなってきた。みそ業界においては異物対策が今年の一つの大きな問題となった。これと同時にみそ中に含まれる細菌についても注意がむけられ, 特に加工上からは, その菌数についても検査が行われるようになった。みそも更に色々と加工上に使用されるとなると, その菌数についても注意が必要となる。これらの点を考えて主としてみそ中の細菌数について, 今迄の研究をまとめていただいた。
著者
伊藤 大幸 中島 俊思 望月 直人 高柳 伸哉 田中 善大 松本 かおり 大嶽 さと子 原田 新 野田 航 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.221-231, 2014 (Released:2016-09-20)
参考文献数
26
被引用文献数
3

本研究では,既存の尺度の因子構造やメタ分析の知見に基づき,養育行動を構成する7因子(関与,肯定的応答性,見守り,意思の尊重,過干渉,非一貫性,厳しい叱責・体罰)を同定し,これらを包括的に評価しうる尺度の開発を試みた。小学1年生から中学3年生までの7,208名の大規模データに基づく確認的因子分析の結果,7因子のうち「関与」と「見守り」の2因子を統合した6因子構造が支持され,当初想定された養育行動の下位概念をおおむね独立に評価しうることが示唆された。また,これらの6因子が,子ども中心の養育行動である「肯定的養育」と親中心の養育行動である「否定的養育」の2つの二次因子によって規定されるという二次因子モデルは,専門家の分類に基づくモデルや二次因子を想定しない一次因子モデルに比べ,適合度と倹約性の観点で優れていることが示された。子どもの向社会的行動や内在化・外在化問題との関連を検討した結果,「肯定的養育」やその下位尺度は向社会的行動や外在化問題と,「否定的養育」やその下位尺度は内在化問題や外在化問題と相対的に強い相関を示すという,先行研究の知見と一致する結果が得られ,各上位尺度・下位尺度の構成概念妥当性が確認された。
著者
黒田 友紀 杉山 二季 望月 一枝 玉城 久美子 船山 万里子 浅井 幸子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.317-325, 2010-03-10

The purpose of this paper is to examine how gender imbalance is constructed and what gender issues occur in teacher allocation at elementary schools. We conducted an interview survey to 10 male teachers in metropolitan areas to examine the actual conditions of male teacher allocation in elementary schools and analyze how gender imbalance occurs. Female teachers are prone to be allocated to lower grades and male teachers aren't much even if they want to. This imbalance results from gender biased consideration for female teachers, who carry out responsibility for care of their family and young children. Work of upper grades is so tough and hard that female teachers tend to avoid taking charge of upper grades. And then male teachers are often taken their workplaces in upper grades and they do busy and hard work. Male teachers are also expected masculine and controlling role to student behavior. Additionally work of upper grades is in a spotlight or central parts at schools, on the other hands, work of lower grades is regarded as shadow work. This gender imbalance works as sexual discrimination in elementary schools. Some experiences of male teachers suggest possibilities to change gender imbalance in teacher allocation. Changing balance of disproportionate work between lower grades and upper grades and sharing hard work will improve institution and structure in schools.

16 0 0 0 OA VI.薬剤性脳症

著者
望月 仁志 宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.8, pp.1579-1583, 2017-08-10 (Released:2018-08-10)
参考文献数
10

薬剤性脳症とは,薬剤の投与による脳の代謝異常によって生じる脳症で,稀な病態ではない.その症状は障害される部位により異なるため,意識障害から小脳失調まで多彩である.発症の機序は,薬剤の神経細胞・軸索への直接障害,髄鞘障害,脳受容体への作用,電解質異常,肝酵素相互作用,血管原性浮腫ならびに自己免疫性等が想定されている.原疾患とは異なる症状が出現した際には,薬剤性脳症の可能性に気付くことが重要である.
著者
土居 浩 中村 精紀 望月 由武人 徳永 仁 吉田 陽一 大橋 元一郎 井田 正博
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.211-217, 2009 (Released:2017-05-11)
参考文献数
14

Spontaneous spinal cerebrospinal fluid (CSF) leaks are an increasingly recognized cause of intracranial hypotension. Comprehensive diagnostic criteria encompassing the varied clinical and radiographic manifestations of spontaneous intracranial hypotension are not available. In this report the authors review the diagnosis of the point of cerebrospinal fluid leak. The major presenting symptoms include postural headaches, nausea, vomiting, and diplopia. Often, there is no history of traumatic injury. The most common cranial magnetic resonance (MR) imaging features include pachymeningeal gadolinium enhancement. MR myelography is a non invasive method to detect CSF leakage, however, extradural hyperintensity on MR myelography is non-specific for CSF. Fat-saturated T2-weighted imaging and post contrast T1-weighted imaging should be added to confirm CSF leakage. On spinal MR images, meningeal cysts and extradural venous plexus are frequently misdiagnosed as CSF leakage. In cases in which symptoms are severe and refractory to less invasive measures, surgical intervention is indicated. Recently, some authors reported the identification of upper cervical epidural fluid collections as a false localizing sign in patients with spontaneous intracranial hypotension (SIH) and this has provided significant insight into the selection of management options. However, herein we report on true C1-2 CSF leakage. We examined a group of consecutive patients with 25 SIH and 13 posttraumatic CSF hypovolemia and investigated clinical, MRI, CT myelography, and radioisotope findings and therapeutic outcomes of this syndrome.
著者
望月 直人 串崎 真志
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PB-001, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

高敏感者(highly sensitive person: HSP)と自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)はいずれも感覚の敏感さをもつため,両者の併存や判別が議論になる。教養科目・教職科目の心理学を受講する大学生141名(男性53名,女性87名,その他1名,M=21.6歳,SD=3.15)に,①Highly sensitive person尺度短縮版(Aron, et al., 2010)11項目7件法,②エンパス尺度(Nine-item EmpathScale: 串崎,2019)9項目7件法,③自閉性指数(Autism-Spectrum Quotient: AQ-J-10, Kurita, Koyama & Osada, 2005)10項目4件法,④認知的フュージョン質問紙(CognitiveFusion Questionnaire (CFQ): 嶋他,2016)7項目7件法,⑤心理的非柔軟性(Acceptance andAction Questionnaire-II: 嶋他,2013)7項目7件法,⑥対人反応性指標(Interpersonal Reactivity Index,日道他,2017)を実施した。重回帰分析の結果,AQに対しては,男女共に共感(情動直感・想像性)の係数が負であり,CFQは関連していなかった。HSPに対しては,予想に反して,男性においてCFQの係数が正で,共感(共感的関心)の係数が負であった。なおHSP尺度とASDは正の相関があり(r=.25),両者の併存を視野に入れた研究が必要である。
著者
鹿村 恵明 田中 愛佳 根岸 健一 下平 秀夫 若林 進 塚原 俊夫 野村 香織 出石 啓治 宮崎 長一郎 望月 眞弓 上村 直樹
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.242-250, 2016-02-28 (Released:2017-03-17)
参考文献数
18

Objective: For effective use of over-the-counter (OTC) drugs that are provided as relief supplies during a disaster, we aimed to develop a list of OTC drugs that can be used during a disaster.Methods: We obtained information about OTC drugs useful during a disaster by examining results of previous studies and lists of drugs used during a disaster.  We analyzed this information with the expert pharmacist of disaster support and established a rationale for our list and developed “the List of Useful OTC Drugs During a Disaster” and “the Information Card on Useful OTC Drugs During a Disaster.”Results: We developed our list of OTC drugs based on the following parameters: (1) while people with severe disorders (e.g. renal failure) are treated by medical teams, those with minor physical conditions are treated using OTC drugs and (2) those OTC drugs that can be used as substitutes for prescription drugs were preferably selected.  The List of Useful OTC Drugs ()—During a Disaster (containing 56 items) was developed for use mainly by medical professionals.  Further, pharmacists from disaster-relief medical teams may not always be available in disaster-stricken areas; therefore, the Information Card on Useful OTC Drugs During a Disaster was developed to enable disaster victims to independently make a certain level of decision.  The information card contained pictograms to call the attention of the disaster victims.Conclusion: Our results can provide a common tool for drug suppliers, medical professionals engaging in relief works in disaster-stricken areas, and disaster victims.