著者
木村 壽男
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.52-61, 2012-09-20
参考文献数
8

真の技術経営を実践するためには効果的な技術戦略が不可欠となる。そしてその技術戦略の策定のためには,必要な技術を棚卸しして評価することがその第一歩となる。しかしながら,この技術の棚卸し・評価は「見える範囲,わかる範囲,できる範囲」という言葉に象徴されるように,意識は内部志向で行動は部分的アプローチにという不完全なものであった。そのため,本報では未来志向の技術戦略の策定に向けた,あるべき技術の棚卸し・評価の基本的な考え方と推進プロセスの概要について提言する。論者が考えるその要点は,1)未来に立った有望技術の棚卸し(抽出),2)特許分析を通じた定量的な技術評価の加味,3)未来コア技術等の戦略技術の仮説づくり,の3つである。
著者
木村 達 深水 大民 中村 猛彦 小野 友道 園田 頼和
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.52-54, 1993

酪農家の牛舎の屎尿処理槽と連結した簡易トイレで発生したメタンガス引火による熱傷の1例を報告した。後日同様条件下で, この処理槽より燃焼濃度に達するメタンガスを検出し得た。家畜の屎尿から発生するメタンガスに対し, 充分な安全対策はとられておらず, 適切な指導が必要と思われた。
著者
増田 英次 木村 康紀 山岡 裕明
出版者
銀行研修社
雑誌
銀行実務
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.76-81, 2013-02
著者
平島 健一 木村 清和 広瀬 幸雄
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.57, no.542, pp.2516-2522, 1991-10-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
7

By using the theoretical results for closed-form analytical solutions of in-plane problems inclusion under point forces, dislocations and so on, several numerical examples are shown by many graphical representations. The previous results published by several authors can be included as particular cases of our solutions.
著者
宮本 乙女 宗我部 義則 坂下 英喜 福田 正恒 佐々木 善子 木村 真冬 上沼 治美
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.30, pp.163-173, 2000

本稿は,2000年度の研究推進委員会の活動内容を振り返り,特に,記録として残しておくべき提案内容についてまとめたものである。活動の成果と課題について簡単に述べ,特に,2001年度の教育課程についての提案を中心とした。これまで開発研究で積み上げてきた研究内容を共有しようという目的に添って,実践研究に取り組んできたが,特に,公開研究協議会の柱として掲げた「履修方法…OWNプラン」と「ネットワーク環境活用」に関しては,多くの教員が関わり,研究が前進した。また,2002年度を見通して2001年度の新しいS45分コマを基本とした時程の提案ができた。総合学習について,本校独自のプランをつくり,カリキュラム全体の中で構造化することは,完成していない部分もあるが,2001年度に実践すべき具体的な総合のカリキュラムの大枠を提案することはできた。
著者
木村 昌紀 大坊 郁夫 余語 真夫
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.13-24, 2010
被引用文献数
4

We placed observers' interpersonal communication-cognition as a social skill and investigated the mechanism behind it. From the result of Study 1, although ability in face-to-face approaches influenced the accuracy of an observer's judgment of interpersonal communication in highly expressive conversations that were easy to judge, this did not occur in low-expressive conversations that were difficult to judge, suggesting a relationship between the two. In addition, to examine clues for improvement in accuracy, we conducted a lens model analysis in Study 1. Interactants' judgments about conversations were positively correlated to speeches and negatively correlated to adapters, while those of observers were positively correlated to speeches, gestures, and smiles, resulting in asymmetry of interpersonal communication-cognition between interactants and observers. In Study 2, a series of observational experiments showed the possibility of improvement in accuracy by skill training. These results suggested the validity of the placement of observers' interpersonal communication-cognition as a social skill and helped to explain some part of its mechanism.
著者
木村 直弘
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.10, pp.55-84, 2011

ロシアの文豪レフ・トルストイ(1828~1910年)はその芸術論『芸術とは何か? What is Art?(Chtotakoye iskusstvo?)』(1897/98年)の冒頭・第1章に,彼が或る「もっともありふれた」新作オペラの下稽古に立ち会った時の光景の描写を置いている。そのストーリーは,あるインドの王のもとに結婚相手が連れてこられると,王は歌手に変装しており,花嫁はその歌手に恋してしまうが,最終的にその歌手が王だとわかってハッピーエンドに終わるという「まず空想としか思えないような,およそばかげきったしろもの」である。インド人が花嫁を連れて来る行列の場面の下稽古中,行列が進み出すとホルンと朗唱が合わなくなる。とたんに「指揮者は,まるで災難でも降って湧いたように身震いとともに指揮棒で譜面台を叩く。なにもかもがやめになり,楽長はオーケストラのほうに向きなおると,フレンチ・ホルンに食ってかかり,なぜ調子をまちがえたのかと,まるで馬車屋の捨てぜりふそっくりの,じつに口ぎたない言葉で罵倒する。そしてまた,何もかもが最初からやりなおしである」。こうした楽長の強権的言動の描写はさらに続く。「こんどは何もかもうまく行っているように見えた。ところが,またして指揮棒が鳴り,楽長は,弱りきった,にくにくしげな声で,男女の合コ ーラス唱隊を叱りつけにかかる」。そしてまた「なんだい,いったい,死んでいるのか,君たちは? 牝牛め! 木偶の坊みたいにぼんやりつっ立ってるのは,息の根がとまっているのか?」,あるいは,お喋りしていたコーラスガールたちに向かって「おい,君たちはここへお喋りに来たのか? ぺちゃぺちゃやりたきゃ自宅でやれ。その赤ズボンはもっとこっちへ寄って俺を見るんだ。やりなおしっ」等々。ここで,トルストイが敢えてオペラという最もコストのかかる蕩尽的音楽ジャンルを選んだ理由は,それが歌手,オーケストラ,合唱といった音楽家だけでなく,衣裳,舞台美術,大道具・小道具等々を含めて多くの「労働者」から成り立っているからである。搾取する側の象徴である楽長は「自分の芸術という大きな事業に没頭してほかの芸人どもの感情なんかをかえりみてなどはいられない大芸術家の音楽上の伝統だということを知っているので,平気でそういう横暴をやってのける」のだが,実はこうした横暴な楽長も「労働者」同様疲弊している。当時必要額のわずか1%しか国民教育に支出されていなかったロシアで,大都市の「芸術」関連の学校,施設に巨額の補助金が出され,何十万という労働者が「芸術の要求を満たすために,過酷な労働のうちにその生涯を過ごしてしまう」状況,あるいは,たとえば学校や劇場で音楽家が「鍵盤や絃を,非常にはやく掻き鳴らすことを覚え」るよう学習させられることによって,鈍感で一面的な「ただ足や,舌や,指をねじりまわすことしかできない専門家」で満足するようになってしまう状況等,こうした芸術至上主義的趨勢にあってもはや不分明になってしまった問い,すなわち「芸術とはそのためにこれほどの犠牲をしてもいいほど重要なことなのか?」という問題視こそが,トルストイの芸術論の出発点にある。
著者
福嶌 五月 仲原 正明 荻野 信夫 城戸 哲夫 黒住 和史 久原 章雄 西 宏之 木村 一隆 中尾 量保 辻本 正彦
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1321-1325, 2001
被引用文献数
3

症例は15歳の女性. 主訴は下腹部痛. 13歳時, 腹痛にて施行したCT検査で脾腫 (容積1,150cm<SUP>3</SUP>) を指摘されるも位置異常を認めなかった. 今回, ジェットコースターに乗った後に下腹部痛を来し来院.CT検査にて脾臓を正位に認めず, 下腹部に腫瘤 (容積810cm<SUP>3</SUP>) を認めた. 超音波検査, 血管造影にて広範な脾梗塞を伴う遊走脾と診断し, 腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した. 術中所見では脾周囲靭帯は欠失し, 脾臓は腹腔内に遊離していた. 脾動静脈をEndo GIA40mm<SUP>R</SUP> にて切離後, 腹腔内で脾臓をTissue Morcellator<SUP>R</SUP> を用いて粉砕し摘出した. 手術時間は145分, 出血量は50mlであった. 病理所見は梗塞を伴った正常脾であった. 第6病日に退院し, 術後2年目の現在経過良好である. 遊走脾に対する腹腔鏡下手術の報告は自験例を含め5例で, メッシュによる脾固定3例, 脾摘2例であった. 自験例は広範な脾梗塞と脾腫をともなっていたため, 脾摘を行った.
著者
山内 理恵 有田 憲司 阿部 洋子 森川 富昭 木村 奈津子 山口 公子 津田 雅子 福留 麗実 西野 瑞穂
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.506-513, 2003-06-25
被引用文献数
6

母親の年齢と乳歯の齲蝕発生との関連を検討する目的で,徳島県名西郡石井町の地域歯科保健管理データベースを利用して,1991年~2001年の間に生まれた第一子の小児を母親の初産年齢をもとにG1群(初産年齢22歳以下),G2群(初産年齢23~28歳),G3群(初産年齢29~34歳)およびG4群(初産年齢35歳以上)に分類し,齲蝕罹患状況を分析し,以下の結果を得た.<BR>1. 1歳6か月ではG4群で齲蝕有病者率および一人平均齲歯数が最も高かった.<BR>2. 2歳6か月ではG1群で齲蝕有病者率および一人平均齲歯数が最も高かった.<BR>3. 3歳6か月ではG1群で齲蝕有病者率および一人平均齲歯数が最も高かった.<BR>4. 5歳ではG3群で齲蝕有病者率および一人平均齲歯数が他の群に比べて著しく低かった.<BR>5. 1歳6か月で離乳の完了していない小児の割合は,G1群およびG4群で高く,G3群で低かった.<BR>6. 1歳6か月で哺乳瓶をくわえて寝る癖のある小児の割合は,G2群およびG4群で高く,G3群で低かった.<BR>7. 親による仕上げ磨きは,GI群ではどの年齢においても毎日する割合が低かった.G4群は2歳6か月では毎日する割合が最も高かったが,5歳では最も低かった.<BR>以上より,G1群およびG4群は齲蝕ハイリスク群で,G3群は齲蝕ローリスク群であり,母親の年齢が乳幼児期の齲蝕発生要因となることが示唆された.
著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 大澤 隆治 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1472-1483, 1998-05-15
被引用文献数
17

本稿では,3次元返想空間を利用した在宅勤務環境を提供する仮想オフィスシステムValentineについて述べる.Valentineは,地理的に分散したユーザをネットワーク上に仮想的に構築したオフィスに出勤させ,そこで他のメンバの雰囲気・気配を伝達し,コミュニケーションを支援するシステムである.物理的なオフィスは存在せず,ユーザはすべて仮想オフィスに通うことを想定している.遠隔地にいる他の社員の気配を伝達するために,「周辺視ビュー」および「効果音」を実現し,アウェアネスの提供を行った.またアウェアネスの過度な提供が効率的な個人作業の妨げとなることから,ユーザの「集中度」を定義し,集中度に応じたアウェアネス提供環境を実現した.集中度は「キーボード,マウスの利用頻度」「椅子を動かす頻度」という2つの要素からシステムで自動検出され,作業環境に反映される.評価実験を行った結果,気配の伝達および集中度に応じた環境の提供について,良好な結果を得た.In this paper,we describe a virtual office system named Valentine that provides a "work-at-home" environment based on 3D virtual space.Users can go to the virtual office built on network virtually,feel the existence of each other,and communicate with each other by using Valentine.We assume that we have no physical office and all members go to the virtual office.In order to transmit the feeling of other members' presence at the virtual office,we have realized "Around View" and "Sound Effect" for supporting awareness in Valentine.On the other hand,for avoiding too much awareness information that bothers workers,we have defined "degree of concentration" and provided appropriate office environment to workers according to their state.The degree of concentration is automatically detected from two elements "the frequency of key stroke and mouse use" and "the frequency of rotating a chair".The system evaluation demonstrated that we have gained a better result on transmitting the presence and providing an environment according to the degree of concentration.
著者
木村 考宏 櫛田 達矢
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.204-212, 2015-06-01 (Released:2015-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 3

J-GLOBAL knowledgeは,文献,特許,研究者などさまざまな科学技術情報をセマンティックWebに適合した記述モデルであるRDF(Resource Description Framework)で記述し,RDFの問い合わせ言語であるSPARQLにより検索することを可能としたサービスである。今回その中の化学物質データ(日化辞RDFデータ)をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC BYのもと一般公開した。またNBDCと連携して,標準的なオントロジーを用いた日化辞RDFデータの変換,化学物質データベース間のマッピング情報を取り扱うUniChemへ日化辞データの提供を行い,日化辞を含む国内外の主要な化学物質データベースを対象としたSPARQL検索やデータのマッシュアップを可能とした。さらに日化辞をハブとしてライフサイエンス系データベースの化学物質情報を統合する基盤の整備を行った。
著者
鈴木 三男 木村 勝彦
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1)現在の二次林にどれだけのクリが存在するか:昨年までの結果に,宮城県鳴子町の東北大学農学研究科付属農場での調査結果を加え,胸高断面積合計は22.3〜58.6m^2/ha,平均38.7m^2/ha,直径10cm以上のクリが296〜533本/haという値が得られた.2)二次林をどのように管理,利用すればクリは再生するか:前年度設置した石斧およびチェーンソウによる皆伐区での1年後の萌芽情況を調査し,クリの萌芽再生はチェーンソウ区で56%,石斧区で54%とほとんど変わりがないこと,実生苗の発生はチェーンソウ区で1350本/ha,石斧区で450本/haで大きく異なった数字の上では大きく違うが,実験区が少ないため検証できないことから,新たな実験区をふやした.3)クリの実の生産量愛知県小原村でクリ21〜24本について実の生産量(落下量)を4年間にわたり測定した.その結果,1)それぞれの木の落果数は個体差が大きく、また同じ木でも年によって大きく変動すること,(2)実1個あたりの平均重量は個体により、また年により異なっていること,(3)調査木の実の生産量(重量)の年ごとの変動は全く同調していない,ことが分かった4)現生の自然林および遺跡出土のクリの遺伝的多様性の解析:クリの遺伝的多様性解析のため,多型性の高いSSR(Simple Sequence Repeat)マーカーの開発をおこなった.このマーカーを用いて,青森市内,津軽半島,下北半島,北海道小樽市,松前町,南茅部町の集団間の比較を行った結果,1)それぞれの集団では高い遺伝的多様性を保持していること,2)下北と津軽の集団間の遺伝的類似度が特に高いこと,3)津軽,下北,青森市,南茅部の集団では近い遺伝的関係にあること,が示唆された.
著者
内山 成人 木村 弘之 上野 友美 鈴木 淑水 只野 健太郎 石見 佳子
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.221-225, 2007-07-01
被引用文献数
3

我々がエクオール産生乳酸菌としてヒト腸内より単離したラクトコッカス20-92株は,<i>Lactococcus garvieae</i>(以下<i>Lc. garvieae</i>)と同定された.ラクトコッカス20-92株の安全性評価のために,<i>Lc. garvieae</i>の食歴およびヒト腸内常在性について検討した.イタリアの伝統的チーズおよび日本人の健常人女性より採取した糞便からの<i>Lc. garvieae</i>検出は,<i>Lc. garvieae</i>に特異的なPCRプライマーを用いたRT-PCR法あるいはリアルタイムPCR法により行った.イタリアおよび日本で入手したイタリア産の伝統的なチーズ7種類(トーマ・ピエモンテーゼ,ラスケーラ,ブラ・ドゥーロ,ブラ・テネーロ,ムラッツアーノ,カステルマーニョ,ロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノ),21検体に<i>Lc. garvieae</i>が検出された.また,ヒト糞便サンプル135検体中,49検体に<i>Lc. garvieae</i>が検出された(検出率36.3%).本研究結果より,<i>Lc. garvieae</i>が伝統的に食されてきたチーズ中に存在していることが確認できたことから,その食歴を明らかにすることができた.さらに,健常人の腸内に常在していることも明らかとなり,<i>Lc. garvieae</i>の安全性は高いものと考えられた.したがって,ヒト腸内由来のラクトコッカス20-92株も,同様に安全性の高い菌株であることが示唆され,今後,食品としての利用が可能と考えられた.<?FM: DEBUG [] ELEMEND 0><br><?FM: DEBUG [] ELEMEND 0>