著者
木村 宏
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.163-174, 2011-12-25 (Released:2013-04-30)
参考文献数
100
被引用文献数
1 2

普遍的なウイルスであるEpstein-Barr virus (EBV)は初感染後,終生潜伏感染するが,細胞性免疫が損なわれない限り症状が現れることはない.一見免疫が正常と思われる個体にEBVの慢性感染が起こることがあり慢性活動性EBV感染症(CAEBV)と称されてきた.CAEBVは発熱,リンパ節腫脹,肝脾腫などの伝染性単核症様症状が持続あるいは反復する疾患である.本症は稀ではあるが,重篤かつ予後の悪い疾患である.近年では,本症は単なる感染症ではなく,EBVに感染したTもしくはNK細胞の単クローン増殖が本態であることが明らかとなっている.本稿では未だ全貌が解明されていないCAEBVの発症病理について,筆者らの知見を交え考察するともに,本症の臨床像・治療・予後についても概説する.
著者
谷口 祥一 木村 麻衣子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.59-76, 2018 (Released:2018-07-04)
参考文献数
17

国立国会図書館件名標目表において,細目を伴った件名標目には代表分類記号が原則付与されていない。国立国会図書館作成の書誌レコードに付与された細目付き件名と日本十進分類法 9版の分類記号の組み合わせの中から,当該件名の代表分類記号となりうるものを機械学習によって同定することを試みた。 まず,出現した件名・分類記号ペアに対して人手によって適切性を判定し,機械学習用の学習・評価用データを整備した。その結果,件名を構成する主標目の代表分類記号と完全一致または前方一致となる分類記号の約 8割が,細目付き件名の代表分類記号として適切と判定された。 機械学習の適用実験では,学習用データの設定において 2つの方式,件名・分類記号ペアの属性群設定において 5つの属性集合,それに 7つの機械学習法という条件を組み合わせた実験とした。実験の結果,機械学習は一定程度の有効性は見せたが,大きく有効との結果を示すまでに至っていない。
著者
木村 昭悟 Zoubin Ghahramani 竹内 孝 岩田 具治 上田 修功
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本論文では,少量の訓練データのみからニューラルネットワークを学習する新しい手法を提案する.提案手法では,一般的な少数ショット学習の問題設定とは異なり,所与の少数訓練データ以外のデータ資源は仮定しない.提案手法では,少数の訓練データで学習した非NNモデルを参照モデルとして用いる知識蒸留を行うと共に,少数の訓練データから生成した大量の疑似訓練データを導入し,この疑似訓練データをモデル学習の過程で更新する.
著者
渡部 佳美 奥田 弘枝 岡本 洋子 上村 芳枝 木村 留美 杉山 寿美 原田 良子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】各地には地域の気候、風土、産業、文化、歴史等に培われ、伝承された行事食が残されている。しかし食生活の変化に伴い、食文化が変容している現状がある。そこで、行事食の認知状況や摂食状況等を明らかにするため、日本調理科学会特別研究として平成21~23年度に実施した「調理文化の地域性と調理科学-行事食・儀礼食-」の調査から得られた行事食「土用の丑」「重陽」「月見」の結果を報告する。【方法】当学会特別研究の全国統一様式の調査用紙を用いて調査を行った。広島県に在住する大学・短期大学の学生およびその家族等を対象とし広島県の地域間および世代間の比較を行うため、地域を安芸地域(西部)と備後地域(東部)とした。年代を10~20代の学生と30代以上の一般に大別し、西部の学生143名、一般166名、東部の学生87名、一般129名、計525名とした。解析にはエクセル統計2003を用いた。【結果】調査対象者のうち「月見」「土用」は90%以上の者が行事を認知していたが、「重陽」は西部で約20%、東部では約10%と低かった。また、行事および喫食の経験についても「重陽」は他の行事に比べ低く、「月見」は「月見だんご」の喫食経験が高く、東部に比べ西部の方がより高い割合であった。また、「月見だんご」は「買う」と答えた割合が高く、「小芋」は「家庭で作る」割合が高かった。「土用」は、「鰻のかば焼き」を「毎年食べる」と答えた割合が学生約50%、一般約60%と高い割合であった。喫食経験はすべての行事で一般の方が学生に比べ高い割合であったが、いずれの行事食も「家庭で作る」が、現在の方が以前に比べ減少していた。

3 0 0 0 OA J-GLOBAL knowledge

著者
木村 考宏 川村 隆浩 渡邊 勝太郎 松本 尚也 佐藤 智宣 櫛田 達矢 松邑 勝治
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.N-F73_1-12, 2016-03-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

In order to develop innovative solutions in science and technology, Japan Science and Technology Agency (JST) has built J-GLOBAL knowledge (JGk), which provides papers, patents, researchers' information, technological thesaurus, and scientific data as Linked Data, which have been accumulated by JST since 1957. The total size of all datasets is about 15.7 billion triples, and the JGk website provides a SPARQL endpoint to access part of the datasets. This paper describes several issues on schema design to construct a large-scale Linked Data, and construction methods, especially for linking to external datasets, such as DBpedia Japanese. Finally, we describe performance problems and the future works.
著者
花澤 智美 木村 幸紀 蜂須 玲子 関 健次 佐野 司 岡野 友宏 南雲 正男
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.93-97, 1996-06-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
15

A case of radiation-induced cancer is presented. A 59-year-old woman underwent interstitial radiotherapy with radon seeds for the hemangioma of the hard palate 32 years ago. Although a complete response was achieved, the perforation of the hard palate occured 6 years ago because of the induced osteoradionecrosis. An ulcer and swelling in the hard palate was observed around the perforation. CT examination revealed extensive bony destruction of the maxillary sinus walls. Biopsy revealed mucoepidermoid carcinoma. More than 80% of radiation-induced cancer in the head and neck region are squamous cell carcinoma irrespective of the histology of the original lesions. This may be the first case reported of radiation-induced mucoepidermoid carcinoma in the head and neck region.
著者
堀 進悟 副島 京子 篠澤 洋太郎 藤島 清太郎 武田 英孝 木村 裕之 小林 正人 鈴木 昌 村井 達哉 柳田 純一 相川 直樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.11-14, 1997

近隣救急隊の1994年12月から1996年4月まで16ヵ月間の出場記録を調査し,浴室内で発生した急病の調査を行った.浴室の急病は43例で当該期間の全救急件数の0.19%を占めていた.年齢は77±10歳と高齢者に多く,男女比は24例対19例と男性に多かった.診断は心肺停止26例(60%),失神(前駆症)14例,脳血管障害3例であった.各群とも高齢者が多く,明らかな年齢差を認めなかった.浴室急病の発生時期は,心肺停止のみならず,いずれの群も12-3月の厳寒期に集中していた。心肺停止は自宅浴室の発生が26例(100%)で,公衆浴場における発生は認めなかった. 一方, 非心肺停止例では自宅浴室が12例,公衆浴場が5例であった(p<0.01).さらに浴室内の発生場所を検討すると,心肺停止は浴槽内が22例(85%),洗い場が4例,非心肺停止では浴槽内が7例,洗い場が7例,不明が3例であった(p<0.01).溺水の有無を検討すると,心肺停止では21例に,非心肺停止では2例に溺水を認めた(p<0.01).すなわち,心肺停止は非心肺停止例と比較して自宅浴室の浴槽内で発生しやすく,溺水をともない易いことが示された.<BR>本研究により,公衆浴場よりも自宅浴室が心肺停止の危険をもたらしうることが示された.すなわち,身近に救助者がいれば入浴急死は防止できる可能性が示唆された.
著者
木村 健 井戸 健一 堀口 正彦 野上 和加博 古杉 譲 田中 昌宏 吉田 行雄 関 秀一 山中 桓夫 酒井 秀朗
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.206-213, 1980-02-05 (Released:2007-12-26)
参考文献数
25

経皮経肝的門脈カテーテル法は門脈造影を始め,門脈圧測定さらには門脈圧亢進症に於ける胃冠状静脈塞栓術等の臨床診断並びに治療への応用が広く,且つ門脈血の経時的分析も可能であり,肝•膵疾患の病態の解析にも有力な手法となつており,現在我々の教室ではこれら疾患に於けるルーチンの検査として施行されている.本法を肝疾患56例,胆石症22例の計78例に施行し,75例(96.2%)に成功し,その成功率は極めて高い.合併症としては,内科的に改善をみた腹腔内出血の1例,他にいづれも一過性の発熱と肝機能の悪化の各々2例に留まつており,本法の安全性も極めて高い.本法の手技,各肝疾患に於ける門脈圧及び門脈血•末梢血のIRI•CPR測定値を報告し,経皮経肝的門脈カテーテル法の臨床的意義と展望について述べた.
著者
松本 卓二 木村 友香子
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.1211-1214, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
14

【目的】本研究では、大腿骨近位部骨折患者において、リハビリテーション後に投与する栄養補助食品の効果の比較検討を行った。【対象と方法】大腿骨近位部骨折患者67例を対象とした (栄養補助食品群26例、オレンジジュース群41例) 。栄養補助食品群にビタミンD12.5μ g、BCAA2500mgを含んだ栄養補助食品をリハビリテーション後に投与した。アルブミン、末梢血リンパ球数、総コレステロール値から求めたタンパク代謝、免疫能、脂質代謝の指標であるCONUT値を栄養評価指標とし、入院時、手術1週後、4週後に比較検討を行った。【結果】CONUT値はオレンジジュース群では有意差を認めなかったが (入院時3.3、1週間5.4、4週間4.5) 、栄養補助食品群では入院後1週で悪化した値が、4週目では有意差をもって改善していることが確認された (入院時3.8、1週間5.7、4週間3.7、p<0.05) . 【結論】以上の結果から、ビタミンD、BCAAの強化に加え、カルシウム、脂質、炭水化物、微量元素等を含んだ栄養補助食品の投与は、手術的侵襲にて栄養状態が悪化する大腿骨近位部骨折患者に対して、栄養状態を改善することが確認された。
著者
木村 友希 兵庫 秀幸 石飛 朋和 鍋島 由宝 有広 光司 茶山 一彰
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.586-588, 2010 (Released:2010-11-05)
参考文献数
5

The glucose tolerance was evaluated in 136 nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) patients without overt diabetes mellitus. All patients underwent liver biopsies and 75-g oral glucose tolerance tests. Plasma glucose and insulin levels were analyzed periodically for 3 h after oral glucose loading. Irrespective of the hemoglobin A1c levels, impaired glucose tolerance, including diabetes mellitus, was detected in 61% of the NAFLD patients. While the secretion pattern of glucose after glucose loading was similar among the NAFLD patients, postprandial insulin levels increased in parallel with the aggravation of histological findings (fibrosis stages and NAFLD activity scores). In conclusion, the present data shows the importance of performing the glucose tolerance test in NAFLD patients without overt diabetes mellitus.
著者
笹月 健彦 上川路 信博 MCMICHAEL An JONES Sarah 木村 彰方 白澤 専二 MCMICHEAL An
出版者
九州大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

HLA多重遺伝子族による「免疫制御」の分子機構の解明を目的に、ヒトにおける免疫応答のモデルとして、B型肝炎ワクチン接種者における免疫応答性の個体差、アレルギー性疾患のモデルとしてスギ花粉症、さらに分子レベルでの制御機構の解明のためにHLA結合ペプチドの解析を行い以下の知見を得た。B型肝炎表面抗原(HBsAg)上の2個のT細胞エピトープ、HBs16-31とHBs81-99を、合成ペプチドおよびHBsAg特異的T細胞株を用いて同定した。HBs16-31は高いまたは低い抗体価を示したワクチン接種者から得られた5個のHBsAg特異的T細胞株全てに認識された。一方、HBs81-99は高い抗体価を示したワクチン接種者に由来する2個のT細胞株によってのみ認識された。HBsAgに対する抗体価は、ワクチン接種者のHBs81-99に対するPBLsの増殖反応に強く相関したが(r=0.47)、HBs16-31対するPBLsの増殖反応との間には有意の相関が認められなかった。従って、HBs81-99は、HBsAgに免疫されたヒトにおいて、抗HBs抗体産生に重要な役割を担っていると考えられた。スギ花粉症は、スギ(Cryptomcria japonica)花粉によって引き起こされるI型アレルギー疾患である。これまでに、PCR-SSOP法によるHLA-DNAタイピングを行い、本疾患とHLAクラスII対立遺伝子との相関を解析した結果、HLA-DPA1^*02022、及びDPB1^*0501対立遺伝子によってコードされるHLA-DP5抗原の頻度が、スギ花粉症患者集団において有意に増加していることを明らかにした。さらに、HLA-DP5抗原が、本疾患の病因に直接寄与しているか否かを検討するために、HLA-DP5(DPA1^*02022/DPB1^:0501)陽性の3名の患者より、スギ花粉抗原(CPAg)特異的T細胞株を樹立した。このスギ花粉抗原特異的T細胞株が、HLA-DP5により抗原提示を受けているかを、HLA-DP5抗原を発現したL細胞トランスフェクタントを用いて解析し、患者末梢血中に疾患と相関のあるHLA-DP5拘束性のCPAg特異的T細胞が存在することが明らかとした。さらに、主要スギ花粉アレルゲンであるCrj1の全長をカバーする32種のオーバーラッピングペプチドを合成し、その中にHLA-DP5拘束性のTh2を誘導するペプチドを1種同定した。これらの結果より、HLA-DP5は、CPAgに対するIgE抗体産生をヘルプすることにより、本疾患の病因に直接寄与していることが示唆された。主要組織適合性複合体(MHC)クラスI結合ペプチドが、MHCクラス1分子における-アミノ酸残基の違いにより如何に影響されるかを調べるために、3つのHLA-A2サブタイプ(HLA-A^*0204,A^*0206,A^*0207)分子に結合したペプチドを抽出し、そのアミノ酸配列をアミノ酸配列分析機により解析し、昨年度までに、各アリル特異的結合ペプチドモチーフは第2および第9残基目の主要なアンカー部位において大きく異ることを明らかにした。さらに、上川路がD.Hunt教授を訪問し、個々のHLA結合ペプチドの解析に必須の質量分析を用いた微量ペプチドの分析法に関する最新の情報を得て、質量分析機により各アリルにおける18の自己ペプチドのアミノ酸配列を同定し、それぞれの相対的なシグナル強度は、正確にこれらペプチドモチーフを反映していることが確認された。ペプチドモチーフの違いとHLAクラスI分子一次構造の違いとの関連を理解する為に、既に報告されているHLA分子の結晶構造をもとにcncrgy minimizationによるペプチド-HLA複合体のコンピューターモデリングを行った。これにより各アリル間のペプチドモチーフの違いはHLA分子の高次構造の違いにより説明できた。また、McMchacl教授らとの共同研究として、HLA-B27サブタイプの結合ペプチドの構造を解析を行った。強直性脊椎炎との強い相関の認められるHLA-B^*2704と相関の認められないHLA-B^*2706に関して、結合ペプチドの解析を行い、HLA-B^*2704結合ペプチドが、やはり強直性脊椎炎との強い相関の認められるHLA-B^*2705と同じく、2残基めがアルギニンである事が明らかになった。これらの結果は、HLA結合ペプチドレパートリーのサブタイプ間における精妙な違いを示すと共に、サブタイプ間での疾患感受性の差異の分子レベルでの理解を可能とし、今後、これらのHLAと相関のある疾患の抗原ペプチドの予測に大きく寄与すると考えられる。
著者
荒川 隆史 木村 勝彦 山田 昌久 赤羽 正春 吉川 昌伸 吉川 純子 高田 秀樹 大野 淳也 布尾 和史 向井 裕知 門口 実代 益子 貴義 千代 剛史 市村 真実 猪狩 俊哉 沼田 早織 根本 麻衣
出版者
(財)新潟県文化振興財団(歴史博物館)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

縄文時代においてクリは重要な食べ物のひとつであり、建物の柱にも多数利用されていた。しかし、クリの木を切ると実は採れなくなってしまう。縄文人はこのバランスをとるためクリとどのようにつき合っていたのか? この謎を解き明かすため、縄文時代のクリ材の加工技術や年輪の特徴を調べるとともに、現代におけるクリ林の利用方法や年輪・花粉などの基礎的データを収集した。これらをもとに縄文時代のクリ利用システムを研究するものである。
著者
木村 和子 奥村 順子 本間 隆之 大澤 隆志 荒木 理沙 谷本 剛
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.459-472, 2008 (Released:2010-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2 5

目的:インターネット上の輸入代行業者を介して個人輸入した医薬品の保健衛生上の問題を明らかにする。方法:輸入代行業者のウェブサイトで頻出する未承認医薬品を個人輸入し,製品外観,真正性,合法性,有効成分含量,サイト,取引実態を調査・分析した。結果:PROZAC®とその後発品,POSTINOR®並びにNootropil®/Nootropyl®とその後発品計166サンプルを入手した。同じ商品名でも製造販売国,包装単位,製剤,流通経路は多様であった。「PROZAC」4サンプルが無許可製造品,Piracetam1サンプルが製造販売国で不許可品だった。含有量は表示量の85-118%。製造販売国で処方せん医薬品であっても,処方せん要求はなかった。添付文書は主に先発品119サンプル(72%)に同封され,英語,フランス語,スペイン語,中国語,タイ語だった。先発品の33%に記載者不明の日本語説明書があった。サイトには未承認薬の商品名や効能効果が記載され,国内発送もあり触法性が疑われた。代行業者によって価格に10倍開きがあり,配送に10日以上かかるものや不着もあった。考察:未承認薬は日本人の使用について未評価の上,処方せん薬を素人判断で使用するのは危険を伴う。流通は不透明で無許可製造品,不許可品も混在した。医薬品の発送者の国際的監視が必要である。消費者は安全性の観点から個人輸入を差控えるべきである。
著者
伊藤 友二 澤田 孝幸 今井 和明 木村 尚仁 酒井 士郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.235, pp.23-30, 2000-07-20

金属/n, p-GaN界面の電気的特性をI-V, C-V測定およびI-V-Tシミュレーションにより評価した。金属/n-GaN界面において報告されているショットキー障壁高さやリチャードソン定数のばらつき、障壁高さに対するI-V, C-V測定結果の差異、I-Vショルダーの出現は、障壁高さの不均一性の存在、すなわち、"パッチモデル"によって説明されることを示した。また、金属/GaN界面のフェルミ準位位置について、金属/n, p-GaNショットキー試料のI-V-T特性の測定から、n形およびp形ショットキー障壁高さの和、φ_<bn>+φ_<bp>、がGaNのバンドギャップに近い値となることを明らかにした。