著者
木村 秀次
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.145-155, 2001-02-28

中村正直訳『西国立志編』(明治四年・一八七一)には、「記号」という語が散見する。その「記号」のほとんどが、'motto' (モットー)の訳語として用いられており、現在の一般的な意味とは異なるものである。「目次」に記した手順のもとに調査したところ、この場合の「記号」は、やはり過去の諸分野の文献に見える「記号」とも意味にずれのある、特異なものであることが確認される。中村正直が何に基づいて、'motto'の訳語として「記号」という語を選んだのかについては、現在十分明らかにしえない。今後、更に調査を重ね、考察を進めるつもりであるが、本稿では、限られた文献を対象に調査した結果を中間的に報告する。なお、『西国立志編』には、同じく'motto'の訳語として、「標識」、「表識」などの訳語も用いられている。最後に、これらの語に関して若干触れる。
著者
山口 勇人 福岡 清二 中村 正則 荏原 徹 木村 聡
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.543-547, 2014 (Released:2015-03-06)
参考文献数
6

糖尿病患者は年々増加の一途をたどり,それに伴い合併症である壊疽も増加している.壊疽部からは耐性株も検出され,予後に影響を与える.このため当院にて糖尿病性壊疽で下肢切断に至った症例をもとに検出菌の種類と抗菌薬感受性を集計し,予後との関連を追跡した.24名の患者から57菌株が検出され,内訳はグラム陽性球菌62%(35株),グラム陰性桿菌33%(19株),グラム陽性桿菌5%(3株)で,複数菌検出症例は15名であった.MSSA(Methicillin-sensitive Staphylococcus aureus)をはじめとする皮膚常在のグラム陽性球菌が多く認められ,MRSA (Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)は1名のみであった.患者の術後経過をみると7割(17名)の症例が経過良好で退院,3割(7名)が再手術となり8%(2名)が手術以外の原因で死亡した.使用された抗菌薬はCEZ(Cefazolin)が8名と最も多く,次いでPIPC(Piperacillin)5名,IPM/CS(Imipenem/cilastatin)4名,VCM(Vancomycin)4名,MEPM(Meropenem)2名などが使われていた.術後経過不良例では当初CEZを使用した例が多く認められた.複数菌が検出された15名のうち再手術となった症例は5名であり,菌種が多いほど予後は不良であることが示唆された.CEZ耐性の菌株が検出された症例は全体の約6割に上り,とくに透析やASO(Arteriosclerosis obliterans)合併例に多く術後経過不良であったため,周術期の抗菌薬選択には注意が必要と思われた.

2 0 0 0 OA 語録訳義

著者
木村 晟 片山 晴賢 片山 晴賢
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要 (ISSN:04523636)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.130-234, 1988-03
著者
木村誠 [ほか] 編集
出版者
大和書房
巻号頁・発行日
1995
著者
木村 佳起
出版者
川崎医科大学
巻号頁・発行日
2015

日本消化器病学会雑誌, 111(11), 2121-2130, 2014掲載
著者
木村 悟朗 春成 常仁 谷川 力
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.73-76, 2010-12-30
参考文献数
14

実験昆虫飼育室内に発生したケナガコナダニTyrophagus putrescentiaeを防除するために高温による駆除を行った.ケナガコナダニは47.4±1.6℃で1時間または40.3±1.7℃で24時間の室温に暴露することにより,全ての個体が死亡した.これらの結果は,高温処理によって現場に発生するケナガコナダニを防除可能であることを示唆している.特に,恒温恒湿室は温度管理が容易であり,そこに発生する本種のもっとも簡便な防除方法であると考えられる.駆除作業前に室内で観察されたケナガコナダニの分布は,本種が誘虫灯に誘引される可能性も示している.
著者
木村 一朗
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.iii-viii, 1989-03
著者
小島 正美 川添 良幸 木村 正行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.263-264, 1996-09-04

インド仏教は、1200年近くに亘ってチベット文化の主流を形成し、チベット人固有の文化に大きな影響を及ぼしてきた.この間に蓄積されたチベット文献資料は、膨大な量の遣産として今日我々に残されている.これらの文献の一部は既に活字化されて再出版されており、その自動認識もインド原典、チベット訳文献、漢訳文献などの研究者の注目を集めている.活字版チベット文字認識において、誤認識の多くは類似文字間で起きている.この問題を解決するために、我々は文字認識の大分類にヒストグラムによる文字構造情報を適用し、次に本稿で提案する「差分重み付きユークリッド距離法」を用いて文字認識実験を行なった.本手法は、コンピュータにより類似文字を自動判別し、さらに類似文字同士がお互いに文字間の特徴を捉えて判別する.これらの認識システムを現在オブジェクト指向設計法でデザインしており、原理的にチベット類似文字以外の他の類似文字の認識にも適応可能である.本認識手法は、特に「含む含まれるパターン」による類似文字に対して有効であることを確認したので報告する.
著者
千島 拓朗 成田 晋吾 大滝 学 高田 淑子 鈴木 雄太 木村 雄太 太田 孝弘
出版者
宮城教育大学情報処理センター
雑誌
宮城教育大学情報処理センター年報 = Miyagi University of Education Information Processing Center (ISSN:13404113)
巻号頁・発行日
no.14, pp.30-36, 2007-03-31

天文分野の学習では、昼間に観察できる対象が少ないために、コンピューターや情報機器を活用して授業を行うことが多い。そこで、宮教大インターネット天文台を利用して、学校を対象に金星と月のインターネットライブ中継を行った。学習時期に合わせて、金星のライブ中継は2005年10月から12月、2006年11月から2007年1月まで、月のライブ中継は2006年10月から2007年1月までの平日の晴天日、10時から15時まで公開した。天体のライブ映像を公開することで、教室の中でリアルタイムの天体観察を行うことが可能となり、初等・中等教育で重要視される体験や対象を取り入れた授業を行うことができる。2005年には、中学校で宮教大インターネットライブ中継を用いて金星の観察を取り入れた授業を行った。授業中に金星の満ち欠けについて、リアルタイムで天体を観察することは、生徒の興味を惹きつける有効な教材であることがわかった。
著者
木村 徳国
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. 計画系
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1671-1672, 1976-08-25
著者
津留 壽昭 木村 哲二 乾 忠孝
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
金属表面技術 (ISSN:00260614)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.80-84, 1976

The stability of electrolyte containing cadmium-ethylenediamine (en) chelate in various pH ranges has been investigated to determine the optimum condition for electrodeposition of cadmium. Cathodic polarization measurement was made in the above bath, and the cadmium deposits obtained under various conditions were examined by X-ray diffraction. The results obtained were as follows: 1) Cadmium (II) ions seemed to react with en to form a stable complex, and bright and smooth cadmium deposits on copper plates were obtained over the range of pH 9-12. 2) Complex ions were greatly affected by anion. Cadmium was not deposited from acidic baths containing a small amount of chloride ions and various precipitates such as Cd(en)<sub>m</sub>Cl<sub>2</sub>(<i>m</i>=1-3), but was deposited from neutral and weak acidic baths. Cadmium-en complex was not formed, when pH-value was in acidic or strong alkaline ranges. In this case, en seemed to act merely as an addition agent upon electrolysis. 3) By the addition of gelatine in to the cadmium-en bath, adherent cadmium deposits having a fine grain (270-290Å) structure were obtained. It was shown by X-ray diffraction analysis that the orientation of the cadmium deposits was strong in (101), but weak in (102) and (103). 4) The optimum composition and operation condition of the bath were found to be Cd (CH<sub>3</sub>COO)<sub>2</sub>⋅2H<sub>2</sub>O: 0.3-0.5mol/<i>l</i>, en: 1.2-2.0mol/<i>l</i>, gelatine: 0.5-1.0g/<i>l</i>, pH: 9-11, temperature: 20-50°C, current density: 1.0-2.5A/dm<sup>2</sup>; current efficiency was above 90%.
著者
岩田 聖也 大山 航 若林 哲史 木村 文隆
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.136, no.12, pp.1668-1676, 2016-12-01 (Released:2016-12-01)
参考文献数
18

The authors have conducted studies on Arabic telop recognition to develop a system for video retrieval by keyword to index and edit Arabic broadcast programs received daily and stored in a big database. This paper describes a dedicated OCR for recognizing low resolution telop in video images. A telop recognition system consisting of text line extraction, word segmentation and segmentation-recognition of words is developed and the performance was experimentally evaluated using datasets of frame images extracted from AlJazeera broadcasting programs. Character recognition of moving telop is difficult due to combing noise caused by the interlacing of scan-lines. A technique to detect and eliminate the combing noise to correctly recognize the moving telop is proposed. This paper also proposes a technique based on insertion operation with minimum edit distance between successive two telops to connect them. The method to connect the moving telops is necessary for automatic language translation. The proposed method using edit distance for bi-gram sequence of telops (Method-B) is shown to be robust to recognition error of characters and successfully connect the telops.
著者
木村 東吉
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.51-60, 2007-06

筆者は,絵本を鑑賞する立場から,宮沢賢治童話絵本において,画家によってテキストが再生・変容されていく様を,解釈の拡がりとして捉えるとともに,歴史的にも跡づけてみたいと考えている。本稿はその手始めとして,「よだかの星」を事例とし,既存の絵本八編を取り上げ,その特徴を分析・確認しておくものである。論者の研究動機は小林敏也の『画本宮澤賢治よだかの星』(パロル社版)にふれたことにある。この絵本では,よだかの生き方を「賢治ワールド」のなかで捉え直しており,現在の主流の作品解釈が反映されている。これに対して,『よだかの星』をはじめて絵本化した工藤甲人の日本画風の手法による福武書店版では,画家の視点がよだかの被害者意識に寄り添っており,山火に地獄図の業火のイメージを与え,よだかの星に仏像の光背を与えていて,比較してみれば,絵本における作品解釈に歴史的変化の跡が確認される。福武書店版の2年後に成立した伊勢英子による講談社版は,油絵によるデザインによって,画家の個性を強く感じさせるのだが,現世に茨のしがらみを見ている点で,現世のとらえ方に工藤と共通するものが見られる。また,村上康成の抽象画による岩崎書店版では,絵が本文を説明するのではなく,絵が読者に積極的に謎をかけ,本文への興味を誘うとともに,本文による読者の解釈に想像の余地を残す点で,効果をあげている。