著者
木村 大助 鈴木 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.251, pp.57-64, 2001-08-03
被引用文献数
5

人間が自然な状態で音を聴取する際には, 無意識のうちに頭部を動かしている場合が多い.この点に着目し, 頭部運動と音像定位の関係についての研究が進められているが, 聴覚ディスプレイシステムに代表されるような仮想音源による音像定位システムにおける頭部運動の影響について詳細に検討した研究はほとんどみられない.そこで我々は, 実音源と仮想音源を用いた音像定位実験により, 頭部運動の有無が前後誤判断及び定位精度に与える影響を分析するとともに, 音像提示時における頭部運動のパターンについて考察した.その結果, 実音源, 仮想音源に関わらず, 頭部運動により前後誤判断, 定位誤差が減少した.これらの結果は, 仮想音源を用いた音像定位システムにおいて, 頭部の動きに追従して音像を移動させることが重要であることを示している.

2 0 0 0 OA 教育辞典

著者
木村一歩 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1893
著者
玉田 芳史 相沢 伸広 上田 知亮 河原 祐馬 木村 幹 鈴木 絢女 ホサム ダルウィッシュ 中西 嘉宏 日下 渉 岡本 正明
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、東南アジア諸国における政治の民主化と司法化の関係を考察することであった。司法化は民主化に付随して始まり、民主主義を守る役割を果たすと理解されることが多い。しかし、司法化は、多数派の暴政を言い立てて多数決主義を否定する特権的少数者を保護することがある。民主化途上国では民主主義がまだ脆弱であるため、司法化は民主化を容易に阻害し危機に陥れる。タイはその典型である。司法化の現状は多様である.司法化に大きな影響を与えるのは、2つの要因であることが明らかになった。判事の人事と司法府を取り巻く政治状況である。
著者
木村 和義 有吉 美智代
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.371-378, 1983-03-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
13

植物体が雨を受けた場合, その生理状態がどのように変化し, どのような影響を受けるかを知るため, インゲンマメの葉, 茎, 根について, その伸長, 生体重, 乾物重, 水分含量, クロロフィル含量に対する6日間の降雨処理の影響を実験的に検討した。1) 葉の伸長, 生体重は, 降雨処理によって, 1日目は増大するが, 2日以上の降雨処理では減少した。葉の厚さは無処理区では増大したが, 降雨処理区ではほとんど増大しなかった。乾物重, クロロフィル含量は, 降雨処理区においてもいくらか増大したが, 無処理区よりも低い値であった。2) 茎の伸長に対する降雨処理の影響は少なく, 無処理区とほとんど変らなかった。しかし降雨処理により茎の生体重, 水分含量は著しく増大し, 逆に乾物重は著しく減少した。3) 根の伸長, 生体重, 含水量は降雨処理区と無処理区とではほとんど変らなかった。乾物重は降雨処理1~2日目では無処理区と同じ程度増大したが, 4~6日目には無処理区よりも低い値であった。4) 生体重に関するT-R率は, 降雨処理区が無処理区よりも大きい値を示した。乾物重のT-R率は逆に降雨処理区よりも小さい値を示した。このことは地上部は地下部に比べて, 降雨処理によって乾物重の低下が著しく, 生体重の増大が大きいことを示していた。5) 上述のような植物体の降雨に対する反応は, 地下部への雨水の浸入を遮断した場合, またはイオン交換水で降雨処理した場合でも, 同様の傾向であった。このことから, 地上部(葉)が雨水でぬれることが, 植物体の状態の変化に影響を与えていると考えられた。
著者
木村 賢史 西村 修 太田 祐司 三嶋 義人 柴田 規夫 稲森 悠平 須藤 隆一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.720, pp.15-25, 2002-11-22
被引用文献数
2 2

葛西人工海浜における造成後の魚類, 鳥類及び, 水辺植生の遷移の過程を検討した. 東なぎさの魚類種数は造成終了前後の時点に回復しているが, 個体数は変動が大きく河川水による塩分濃度の低下が制限要因と推測された. 葛西人工海浜 (東なぎさ) の鳥類は立ち入り禁止という高い安全性と干潟の面的広がり等により造成前の種数に戻っており, 個体数は, 主な餌である底生動物の個体数と関連することが推測された. また, 東なぎさの水辺植生は, 造成後15年を経て遷移初期のヨシ湿原の段階にあり, 植生も多様化の傾向に向かっていると推測された.
著者
片野 理恵 楠田 哲士 楠比 呂志 村田 浩一 木村 順平
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.67-71, 2006-09

国内の飼育下アミメキリン(Giraffa camelopardalis reticulata)およびマサイキリン(G.c. tippelskirchi)の死亡個体から得られた精巣および精巣上体を用いて生理学的な性成熟年齢を推定した。本邦の動物園で飼育されていた雄10個体を対象とし,精巣組織切片のHE染色およびPAS-Hematoxylin染色標本を作製して組織学的観察を行った。その結果,5.9歳以上のすべての個体において精巣および精巣上体内に精子が確認された。また,テストステロン産生の動態を知るためにコレステロール側鎖切断酵素(P450scc)の局在を免疫組織化学的に検索した。その結果,2.5歳と5.9歳以上の個体で局在が認められた。国内血統登録記録を用いて1907〜2000年の出産年月日をもとに,雄の初回交尾時年齢を推定した結果,3〜5歳が最も多く,組織学的解析結果と類似していた。国内の各動物園における1施設当たりの雄個体数は少なく,上位個体に交尾阻害される野生環境と比較し若雄でも繁殖可能であることから,飼育下では繁殖開始年齢が低下すると推察された。
著者
前田 真治 山北 秀香 佐々木 麗 田中 裕美子 後出 秀聡 木村 広 井上 市郎
出版者
The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.187-194, 1998-08-01
参考文献数
13
被引用文献数
1

慢性関節リウマチ (RA) 患者を対象に組織循環改善作用と新陳代謝亢進による疼痛の軽減を目的に90%以上になる高濃度炭酸ガス浴装置を用い効果を調べた。<br>気体としての炭酸ガス浴は更衣動作の障害されているRA患者にとって, 衣服のまま入浴できる画期的な入浴法である。血圧・脈拍の大きな変化なく, 循環機能の影響の少ない入浴法と考えられた。表面皮膚温も前値に比べ入浴後期に1℃以上の上昇がみられ, 局所の血液循環の改善が示唆され, 老廃物・疼痛物質などの除去・新陳代謝改善の効果が期待できると考えられた。ADL得点 (平均67→75/96), Visual Analogue Pain Scale (5.3→2.7/10), Face Scale (9.4→5.4/20), AIMS変法 (身体的要素28.5→30.1, 社会的25.2→27.3, 精神的26.2→29.9/36) と入浴前に比べ有意に改善しており, 高濃度炭酸ガス浴がRA患者のADL・QOLの改善に効果があると思われた。
著者
原口 強 木村 克己 宮地 良典 高倉 伸一 国松 直 稲崎 富士 青野 道夫 野口 剛宏 中田 賢
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2075-2076, 2004

2003年宮城県の2回の地震では鳴瀬町の水田で規模の大きな液状化が発生した。地上型レーザースキャナーによる地表面高精度計測、電気探査、ボーリング、ジオスライサー等を実施した結果、液状化は砂採取跡の池を山砂で埋立てした地盤に限定して発生していた。新潟地震以降、国内の液状化発生代表事例を再検討した結果、人工地盤か、自然地盤かに関わらず、液状化は短期間の水中堆積で埋め立てられた新しい地盤で発生し易いという共通点が認められた。こうした場所は土地の履歴調査で特定できる。現在の液状化判定法に加えて、詳細な土地の履歴調査を行い埋立履歴と範囲・方法等が特定できれば、液状化の範囲をより精度よく予測可能となる。
著者
木村 真二 藤田 健太 石隈 慎一郎 白岩 真弥 豊田 英里 浦川 聖太郎 佐藤 文衛 伊藤 洋一 時政 典孝 向井 正
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.88-88, 2005

1995年に初めて我々の太陽以外の恒星の周りを回る惑星、太陽系外惑星が発見されて以来、その数は現在までに160個に達している。太陽系外惑星の検出方法はいくつかあるが代表的なものとしては、ドップラーシフト法とトランジット法がある。我々はすばる望遠鏡でのドップラーシフト法による観測から視線速度に変化の見られる天体を、西はりま60cm望遠鏡を用いて観測し、トランジットの検出を試みている。今回は、西はりまでの観測においてトランジット検出に十分な測光精度を得られたことを報告し、さらにいくつかの天体の観測・解析結果を示す。
著者
木村 誓 柏谷 景昌 浅原 照三
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1543-1545, 1957-12-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
14

高級パラフィン炭化水素のニトロ化は一般に困難であるが, 今回n - ドデカンを試料として, 最近発展してきた気- 液相ニトロ化を試み,硝酸蒸気で150~190℃の反応温度において容易にニトロ化されることを認めた。本反応によるとモノニトロ化合物とともにポリニトロ化合物, また副反応の酸化生成物が生ずるが, 反応温度, 硝酸の使用量およびその濃度を変化した各条件下に実験を行い, 反応物中の未反応炭化水素, ニトロ化合物, および脂肪酸の生成状況を検討した。かくして濃硝酸( 比重1.38) を炭化水素に対して等モル比で使用し, 180℃で反応させて, モノニトロドデカンを最も収量よくうることが出来た。赤外線吸収スペクトルおよび化学的試験により,生成モノニトロ化合物は少量の第1級ニトロパラフィンを含んだ第2 級ニトロパラフィンの混合物なることを認めた。
著者
木村 直弘
出版者
勉誠出版
雑誌
アジア遊学
巻号頁・発行日
no.102, pp.142-151, 2007-08