著者
青木 健一 木村 亮介 川崎 廣吉 若野 友一郎 小林 豊
出版者
明治大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

新学術領域研究「交替劇」は、ネアンデルタールの絶滅およびヒトによる置換(交替劇)を両者の文化水準の違いによって説明する(学習仮説)ことを目的とした。社会が到達する文化水準は、文化進化のあり方に依存する。このため、領域傘下の我が計画研究班では、文化進化の決定要因およびこれを支える学習戦略の進化に関する理論研究を行った。得られた多くの成果は、査読付の国際学術雑誌や著書に発表済みであり、国際的にも文化進化および学習戦略進化の研究に大きく貢献している。また、ネアンデルタールとヒトの学習戦略に違いがあるならば、両者の認知に関わる遺伝子にも違いが認められるはずとの立場から、分子人類学的な研究も少し行った。
著者
木村 友子 福谷 洋子 菅原 龍幸 佐々木 弘子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.24-31, 1995-02-20
被引用文献数
1 1

干し大根(割り干し)の迅速な水戻し法を見出す目的で, 超音波照射を取り入れた水戻しを行い, 水温5, 25及び40℃設定での好適条件を探索し, 更に煮物にした製品の理化学的性状と食味変化に及ぼす超音波照射の影響について検討し, 次の結果を得た。1) 干し大根は水戻し時間経過と共に吸水量が増加するが, 照射した方が短時間で膨潤し組織は速く軟化した。2) 水戻し時間が長くなると, 一般成分の全糖・遊離糖, 粗蛋白質, 遊離アミノ酸, 灰分, 無機質の含量は著しく減少する傾向を示したが, 超音波照射有無の差はわずかであった。3) 干し大根の水戻しの好適条件は水温25℃設定の15分照射と対照の照射なしの30分浸漬で, 両試料の一般成分値はほぼ同等値を示し, 無機成分の残存率もCa81%, Fe70%, Mg69%以上で良好であった。4) 煮物調理では照射した製品は照射なしの製品に比しテクスチャー特性の破断歪率が有意に大きく, 歯応えがあり, 調味液の浸透割合がやや高く, 干し大根の特有の臭気も多少緩和され, 食味評価も優れていた。以上の結果から, 干し大根の水戻し法に超音波照射を行うことは水戻し時間が短縮でき, 嗜好にも関与し効果的であると考えられた。
著者
大屋 紀和 村田 健史 木村 映善
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.508, pp.13-18, 2006-01-06

本研究では, 肢体不自由者や視覚障害者, 聴覚障害者のための福祉地理情報データベースとデータベースを活用したWebマップシステム設計開発を行う.本研究ではまず, 障害者が外出時に必要とする項目の聞き取り調査を行った.本システムでは, これらの項目を5つのXMLにより表し, XMLデータベース管理システムにより管理する.XMLデータベースとして管理することにより, 福祉情報の取り扱いや情報更新への対応が容易になる.さらに, データベース化した福祉情報をWebマップを通じて公開する.Webマップは, 広領域はGoogle Mapsを用い, 狭領域はSVGを用いた.本システムにより, 障害者や生活弱者が必要とする情報を手軽に入手することができる.
著者
植月 惠一郎 松田 美作子 山本 真司 伊藤 博明 木村 三郎 出羽 尚
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代初期英国文学とエンブレムの関係を明らかにした。シェイクスピア劇や十七世紀英詩を対象に、キリスト教的起源の聖なる図像、モットー、警句と多神教の異教や土着の習俗起源の世俗的な図像、モットー、警句の絶妙な絡み合いから文学の豊饒な表現が生まれた過程を研究した。一方で地理的にも視野を拡大し、ドイツ、フランス、オランダなどを中心とする当時の文化的先進国のエンブレムが、英国のエンブレムに与えた影響も研究し、時間的な視野も拡げ、図像と警句の関係は、十八~十九世紀の挿絵と物語の関係にも転じ、エンブレムの時間的変移も研究した。
著者
新原将義 太田礼穂 広瀬拓海 香川秀太 佐々木英子 木村大望# 高木光太郎 岡部大介#
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第57回総会
巻号頁・発行日
2015-08-07

企画趣旨 近年,ヴィゴツキーの「発達の最近接領域(ZPD)」概念はホルツマンによって「パフォーマンス」の時空間として再解釈され,注目を集めている(e.g., Holzman, 2009)。パフォーマンスの時空間という考え方によってZPDは,支援者によって「測定」されたり「支援」されたりするものから,実践者らによって「創造」されるものへと転換したといえるだろう。 こうした潮流において現在,パフォーマンスの時空間を創造するための手法として,インプロ及びそれを題材としたワークショップ形式の実践が注目されている(Lobman& Lundquist, 2007)。こうした試みの多くは,単発的な企画として実施される(e.g., 上田・中原,2013;有元・岡部,2013)。 こうしたインプロ的な手法は,確かに対象についての固定化された見方から脱し,新たな関係性を模索するための手法として有用なものであり,また直接的には協働しないがその後も互いに影響し合う「触発型のネットワーク」を形成する場としての機能も指摘されつつある(青山ら,2012)。しかしインプロやワークショップを,単発の企画としてではなく実践現場への長期的な介入の手法として捉えた場合,ただインプロ活動やワークショップを実施するのみではなく,「それによって実践現場に何が起こったのか」や,「インプロやワークショップは実践現場にとって“何”であったのか」,そもそも「なぜ研究者の介入が必要だったのか」といったことも併せて考えていく必要がある。インプロという手法がパフォーマンスや「学びほぐし」のための方法論として広まりつつある今,問われるべきは「いかにインプロやワークショップ的な手法を現場に持ち込むのか」だけではなく,「パフォーマンスという観点からは,介入研究はいかにあり得るのか」や「インプロやワークショップの限界とは何か」といった問いについても議論するべきであろう。 社会・文化的アプローチではこれまでも,コールの第五次元(Cole, 1996),エンゲストロームの発達的ワークリサーチ (Engeström, 2001) など,発達的な時空間をデザインすることを試みた先駆的な実践が複数行われてきた。本企画ではこうした知見からの新たな取り組みとして,パフォーマンスの時空間の創造としての介入研究の可能性について考える。長期的な介入の観点としてのパフォーマンス概念の可能性のみではなく,そこでの困難や,今後の実践の可能性について,フロアとの議論を通して検討したい。公園で放課後を過ごす中学生への“学習”支援:英語ダンス教室における実践の記録広瀬拓海・香川秀太 Holzman(2009)の若者を対象とした発達的活動には,All Stars projectにおける「YO!」や,「ASTSN」といった取り組みがある。これらの背景には,学習・発達を,社会的・制度的に過剰決定されたアイデンティティや情動をパフォーマンスによって再創造することとしてとらえる哲学および,このような意味での学習・発達の機会を,学校外の場において社会的に奪われた人種的マイノリティの若者の存在がある。近年,日本においても経済的な格差が社会問題化しはじめている。これらの格差は,日本においても子ども達の学校外の体験格差としてあらわれ,特に情動性・社会性といった面での発達格差をもたらすと考えられる。 話題提供者はこのような関心のもと,2014年3月から,放課後の時間に公園で屯する若者を主な対象とした計6回の活動を実施してきた。これは,調査対象者の「英語学習」に対する感情の再創造を目的として,彼らが「興味あること」として語った「ダンス」を活動の基礎に,外国人ダンサーがダンスを英語で教える学習活動を組織したものである。外国人ダンサーとのやりとりの中で,子ども達がデタラメや片言で英語を「話している」状態を作り出すことによって,学校での経験を通して形作られた彼らにとっての英語学習の意味が解放され,新たに創造されることが期待された。 本シンポジウムでは特に,これらの活動に子ども達を参加させることや,ダンスというアクティビティに子ども達を巻き込むうえでの困難に注目してこの活動の経過を報告する。そしてそれらを通して,日本においてこのようなタイプの学習の場を学校外に組織していく上で考慮すべき点について議論したい。パフォーマンスとしてのインプロを長期的に創造し続ける: 方法論から遊びの道具へ木村大望 話題提供者は,2010年10月にインプロチームSAL-MANEを組織した。発足当初のチームは,子どもから大人までを対象とした対外的なワークショップ活動を積極的に行っていた。インプロは「学びほぐし」の方法であり,それを通じた自他の学びや変容が関心の中心であった。しかし,2012年に話題提供者が海外のインプロショーを鑑賞したことをきっかけに,チームは定期公演を主軸としたパフォーマンスとしてのインプロの追究へ活動の方向性をシフトさせた。ここでインプロはチームにとって「遊び」の道具となり,それ以前の方法論的理解は後景に退くこととなった。それに伴い,チームの活動は対外的なワークショップ活動から対内的な稽古的活動に転換していく このようにSAL-MANEの活動はインプロを方法論的に用いて第三者の学習を支援するための場づくりから,チームに携わるメンバー自らがパフォーマンスを「創造」する場づくりへ変遷している。この背景には,インプロに対するメンバーの理解や認識の変化が密接に関連している。インプロを手法として用いながら,自らがインプロによって変容した事例と言えるだろう。 本シンポジウムでは,この経過の中で生じた可能性と課題・困難について報告する。パラダイムシフトする「場」:21世紀のドラマへ佐々木英子 2000年前後から,同時多発的に世界各地で急速に発達してきた応用演劇という分野がある。この多元的な分野は,演劇を応用した,特定のコミュニティや個人のための参加者主体の参加型演劇であり,産業演劇とは一線を画している。この現象は,急速なグローバルチェンジの波を生き延びるための,多様性の中で相互作用によりオーガニックに変容し,持続可能な未来を「再創造」しようとする人類の知恵かもしれない。 話題提供者は,英国にて,応用演劇とドラマ教育を学ぶと共に,それに先駆け,2000~2003年,この21世紀型ドラマの「場」を,社会への「刺激」として,勉強会を行い身の丈で提案活動をした経験がある。社会から突然変異と見られたその活動は,子ども時代,正に「ZPD」において手を差し伸べられず,発達しようとする内的衝動が抑圧され腐らされるような苦痛の中,どうすれば生き延びるかを,体験と観察,思考を積み重ねた末に行った自分なりの代替案でもあった。 本シンポジウムでは,提案活動のきっかけとなった自身の子ども時代のドラマ体験,2001年の発達障害の子ども達が参加した演劇,また,最近では2014年に中学校で行った異文化コミュニケーション授業を通して経験・観察された可能性や困難などについて報告する。
著者
木村 泰知 ジェプカ ラファウ 高丸 圭一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

我々は「ラジオ番組のパーソナリティとリスナーのリアルタイムな反応」の関係性が「対話システムとユーザ」の最適な関係であると考え,対話システムの最終ゴールを示すとともに,従来の対話システムの問題を述べ,対話システムのプラットフォーム(Radiobots FM)構築に向けたプロトタイプを紹介する.
著者
木村匡 編
出版者
安江正直[ほか]
巻号頁・発行日
1895
著者
松木 俊二 名取 和一 小川 幸司 松井 隆 松隈 京子 坂本 慶 木村 美由紀 神田 英里 米納 誠 伊藤 一弥 鄭 恩希 白源 正成 入江 伸
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.151-159, 2014-07-31 (Released:2014-08-13)
参考文献数
24

The aims of the present study were (1) to determine the maximum tolerated doses of quetiapine and pramipexole when given to healthy Japanese male subjects using gradually increasing single doses; (2) to evaluate the feasibility of this exploratory method for further bioequivalence trials; and (3) to conduct bioequivalence trials using doses determined based on prior tolerability trials. For quetiapine, 18 participants received 25 mg in the first stage. In the second stage, participants were divided into three groups of six subjects each and allocated to receive 50 mg, 75 mg or 100 mg depending on the severity of adverse events in the first stage. For pramipexole, 18 participants received 0.125 mg in the first stage, and then received 0.25 mg, 0.375 mg, or 0.5 mg in the second stage in the same manner as quetiapine. In the group receiving 75 mg of quetiapine, three mild adverse events and seven moderate adverse events (including nightmare and syncope) were reported from all six subjects. In the group receiving 0.5 mg of pramipexole, three mild and five moderate adverse events were reported from five subjects. Therefore, we judged that doses equal to or greater than 75 mg of quetiapine and 0.5 mg of pramipexole are not well tolerated by healthy subjects. Based on these results, we conducted two-way crossover bioequivalence clinical trials with brand-name and generic formulations of 25 mg of quetiapine (25 mg tablets or 50% fine granules) and 0.125 mg of pramipexole, in subjects who did not participate in the tolerability studies. By calculating 90% confidence intervals of logarithmic transformed values of Cmax and AUCt, we found that the brand-name and generic formulations were bioequivalent.
著者
木村 哲夫
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2013-01

制度:新 ; 報告番号:甲3848号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2013/3/15 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6214
著者
沼尾 雅之 清水 周一 木村 雅彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.195-196, 1995-09-20
被引用文献数
1

大福帳システム、データベースからの仮説検証など、データベースを積極的にマーケティング戦略に利用していこうとする動きが、流通業を中心として盛んになっている。その中でも、データマイニングは、データベース中から未知の規則を発見できる、仮説生成型アプリケーションとして注目されている。現在、データマイニングの手法として知られているものを大別すると、以下のようになる。(1)クラス分類型:パターン認識や学習といわれているもので、クラスのわかっているサンプルデータを訓練例として、クラスを分類するための式、ルール、決定木等を生成するものである。ニューラルネットもここに入れられる。応用としては、顧客の信用調査、不正検出、ポートフォリオマネージメント等があげられる。(2)クラスタ分割型:属性間の距離などを規準にして、似かよっている属性を持つデータをグループ化するものであり、統計的クラスタリングや整数プログラミングの手法などが知られている。応用としては、顧客のプロトタイピング、バスケットアナリシス等があげあれる。(3)演繹データベース検索型:データベースから新しいパターンを導出し、これを数えあげることによって、そのパターンの有効性を検証する。応用としては、関連購買分析があげられる。(4)視覚化型:データをわかり易く表示し、対話的にデータの絞り込みなどの操作することによって、データ中の変数間の関係を明確化するものであり、基本的にルールの発見は人に任されている。これらの手法の中でも、演繹データベース検索型は、扱えるデータのサイズ、柔軟なパターン、および、解の完全性などの点で優れており、大規模データベースに対してもスケーラブルなアルゴリズムが開発されている。この手法は、直接的には流通業において、どの商品とどの商品が一緒に買われたかという関連購買分析に有効であることが知られているが、本稿では、これを一般の要因分析に応用することを示す。POSデータ等の大量の購買履歴と、その時間、場所的な背景データを同時に処理することによって、購買の要因のみならず、要因間の因果関係なども抽出することができるようになる。
著者
木村 昌弘 斉藤 和己 大原 剛三 元田 浩
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

ソーシャルネットワーク内での意見形成に関して、その代表的な数理モデルである投票者モデルに時間減衰ダイナミクスを組み込ん だ確率モデルを提案する。ソーシャルメディアの実データを用いた実験により、その有効性を示す。