著者
柳坪 幸佳 鈴木 今日子 松浦 とも子 Sachika YANAGATSUBO Kyoko SUZUKI Tomoko MATSUURA
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.11, pp.21-35, 2015

中国の中等教育には、近年第二外国語として日本語を設置する学校が見られる。しかし、中国教育部による第二外国語のシラバスや教科書はまだなく、何をどう教えればいいか、試行錯誤をしている教師が多い。このような状況の中、国際交流基金北京日本文化センターは、教材『エリンが挑戦!にほんごできます。』(国際交流基金、2007)の内容を厳選、中国の現地事情を考慮した内容を追加し、『エリンが挑戦!にほんごできます。艾琳学日語』として出版した。教材の作成にあたっては、中国の教室で第二外国語の主教材として使えるようにすること、同時に、第一外国語の日本語授業でも視聴覚教材として使えるようにすることを目標とした。教材に対しては、教師・学習者ともに好意的な評価を示したが、異文化理解の育成に関しては教師への支援が必要なことがわかった。
著者
坂本 悠斗 松浦 秀哲 矢田 智規 根岸 巧 鈴木 良佳 松野 貴洋 杉浦 縁 三浦 康生
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.698-703, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
5

クリオプレシピテート(以下,クリオ)はフィブリノゲン(以下,Fib)等の凝固因子を高濃度に含むため,大量出血時に使用することで凝固能を早期に回復させ,出血量や輸血量の減少に繋がるとされている。当院でも心臓血管外科(以下,心外)からの要望でクリオの院内作製を開始したので導入経緯と使用実績及び課題について報告する。対象はクリオを使用した心外の手術51症例(以下,投与群)とクリオ未使用の心外の手術94症例として,術式を大血管手術とそれ以外(以下,非大血管手術)に分けて比較検討した。調査内容は出血量,赤血球液(RBC)・新鮮凍結血漿(FFP)の投与量,濃厚血小板(PC)投与量,RBCとFFPの投与比(R/F比),ICU在室日数とした。クリオ投与患者には投与前後のFib値を測定し,統計学的解析を行った。クリオ投与前後のFib値は有意な上昇を認めた。大血管・非大血管手術の両者ともに投与群の方が非投与群と比較して,出血量が多かった。RBCおよびFFPの投与量は大血管手術の投与群で低い傾向があるが,非大血管手術の投与群では有意に多かった。クリオ導入当初,クリオの投与により血液製剤の使用量が削減できると期待したが現状では明確な輸血量削減効果は得られていない。輸血量を削減するためには,クリオを使用できる環境を整えるだけではなく,クリオを効果的に投与するために使用者の意識を変える必要がある。
著者
富田 昌平 田中 伸明 松本 昭彦 杉澤 久美子 河内 純子 辻 彰士 湯田 綾乃 松尾 美保奈 松浦 忍 松岡 ちなみ Tomita Shohei Tanaka Nobuaki Matsumoto Akihiko Sugisawa Kumiko kawachi Junko Tsuji Akihito Yuta Ayano Matsuo Mihona Matsuura Shinobu Matsuoka Chinami
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = Bulletin of the Faculty of Education, Mie University. Natural Science, Humanities, Social Science, Education, Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.493-502, 2020-02-28

本研究では,幼稚園のカリキュラムの中にさりげなく埋め込まれている数学的活動に焦点を当て,幼児教育と数学教育という2つの異なる専門的視点から,幼児による経験や学び,実践の意味について分析し考察した。具体的には,幼稚園のクリスマス行事におけるサンタクロースからの贈り物に見られる幼児の分配行動を観察し,その記録を分析の対象とした。3歳児では1対1対応の分離量の分配,4歳児では集合した分離量の分配,5歳児では連続量の分配が課題として与えられた。新しい幼稚園教育要領(2017年3月改訂,2018年4月施行)のもと,「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の設定に見られるように,幼児教育と小学校教育との円滑な接続はより一層求められている。本稿で取り上げた数学的活動は,10の姿のうちの「数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚」に関わるものであり,そこで見られた幼児の姿は小学校以降の算数教育へとつながっていく姿である。本稿では,小学校教育とは異なる幼児教育の独自性について改めて確認するとともに,今後,こうした具体的な姿を小学校側にいかに伝え,つなげていくかがが議論された。
著者
渡辺 仁資 井上 理 金塚 文子 栗原 祐史 松浦 光洋 吉濱 泰斗 代田 達夫 羽鳥 仁志 新谷 悟
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.57-62, 2010-03-31 (Released:2013-03-26)
参考文献数
12

公 告掲載論文の取り下げについて 本誌,Vol.30 No.1 (2010年 3月号)に掲載された「当科における過去 3年間の口腔悪性腫瘍症例の臨床統計的検討」渡辺仁資,井上 理,金塚文子,栗原祐史,松浦光洋,吉濱泰斗,代田達夫,羽鳥仁志,新谷 悟 上記論文につきましては,データ解析のための統計学的方法とその解釈に不備があっため,著者本人の依頼により取り下げに致します.なお,論文審査過程において指摘できなかったことを真摯に受け止めて,今後の論文審査を実践いたします.2013年 10月 30日 Dental Medicine Research編集委員長 中村雅典
著者
川原貴裕 松浦 知史 洞井晋一 藤川 和利 砂原 秀樹
雑誌
情報処理学会研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.32(2008-EMB-008), pp.209-214, 2008-03-28

近年,大規模センサデータ共有基盤が構築され運用されている.このような情報基盤では,目的の異なる個人や団体が設置するセンサのデータを収集することで,高密度データの管理・運用が可能となる.このときユーザや開発者がデータ収集・利用を容易に行うためには,共有するデータの形式が統一されている必要がある.そのため,センサゲートウェイには各センサの通信手順やデータ形式といった仕様の差異を隠蔽するためミドルウェアが実装される.ここで現状の問題点として高いミドルウェア開発コストおよび更新コストがある.これらミドルウェアの問題はデータの共有を望む設置者や運用者にとって負担となり,共有するデータ量の増加を妨げる要因となっている.本研究ではXMLで記述したプラグインを読み込むことにより,多様なセンサに対応するミドルウェアを開発した.本ミドルウェアはセンサ毎に異なる仕様を抽象化し,任意の形式のデータを出力する.本ミドルウェアを小型CPUボードArmadillo-210に実装し,有効性を検証した.その結果作業工程から特に高コストなソースコードの記述を削減出来ることを確認した.これにより,大規模センサデータ共有基盤において,データの収集量の増加を妨げていた要因である高いミドルウェア開発コストおよび更新コストを大幅に軽減した.

1 0 0 0 OA 青島游記

著者
[松浦厚] [著]
出版者
葛西又次郎
巻号頁・発行日
1915
著者
中村 大輝 松浦 拓也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 44 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.539-542, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
7

本研究では,教育分野における授業実践の効果量分布がどのような分布に従うのかを検討した.過去のメタ分析における効果量を対象に,正規分布,指数正規分布,混合正規分布のフィッティングを試みた結果,正規分布の予測力が相対的に低いことが示された.また,指数正規分布によるモデリングを事例的に示した.本研究の結果は,効果量分布に正規分布以外の分布を仮定したモデリングを行うことで,将来の授業実践の効果量分布に関する予測力を高められる可能性を示唆している.
著者
小松 賢志 DOMINIQUE Sm CORRY Weemae 田内 広 松浦 伸也 WEEMAES Corry SMEETS Dominique SMEETS Domin WEEMAES Corr 遠藤 暁
出版者
広島大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

ナイミ-ヘン染色体不安定症候群(Nijmegen Breakage Syndrome:NBS)は、小頭症、鳥様顔貌、免疫不全および高発癌性を特徴とする染色体不安定症候群である。細胞学的には放射線高感受性と染色体不安定性など毛細血管拡張性運動失調症ATと類似した所見を示す。NBSの原因染色体を同定するため、我々は各種ヒト染色体ならびに放射線照射により断片化した染色体のNBS細胞への微小核移入を試みた。この結果、8q21-24の領域だけがNBS細胞の放射線感受性を回復させることからNBS遺伝子を同領域にマッピングした。続いて、近親婚のオランダ人家系を用いたホモ接合体マッピングでNBS遺伝子を8q21の7cMの領域にさらに限局した。同様に、NBSの3家系と5例の患者でハプロタイプ解析を行った結果、D8S271からD8S270までのlcM以内の領域に1例を除く8例すべての患者で遺伝子型が一致し、NBSの連鎖不平衡が示唆された。このことは、NBSには創始者効果が存在し、NBS原因遺伝子はD8S1811の近傍に位置すると考えられた。現在、この結果を機能的相補性により確認するために、候補領域からスクリーニングされたYACおよびBAC DNAの移入によるNBS細胞の放射線感受性回復試験を行っている。またNBS遺伝子のクローニングを目的として、D8Sl811マーカーを中心とした約500kbの領域の遺伝子地図の作製を進めており、いくつかの既知および未知のcDNAクローンを単離している。一方、ATMおよびNBS遺伝子機能の1つとしてDNA損傷によるp53を介した細胞内シグナル伝達経路が示唆されている。放射線照射後の細胞内p53およびp21をウェスタンブロットで測定した結果、NBSとAT細胞のp53ならびにp21発現が正常細胞に比較して低下していることが明らかとなった。しかし、NBS細胞ではAT細胞にみられるp53発現時期の遅れはなく、発現低下量もAT細胞と異なっていた。このことはNBS原因遺伝子とATMとの厳密な機能の違いを示唆された。
著者
松浦 章
出版者
關西大學文學會
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1-2, pp.1-30, 2021-09-18
著者
松浦 勝久
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.419-423, 2015 (Released:2015-10-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1
著者
松浦 弘明
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

再生医療等に欠かせない技術である細胞の凍結保存では, 致死的となる細胞内の氷晶生成を防ぐために凍結保護物質が用いられるが, その保護メカニズムについては未解明な点も多く, 凍結保存プロセスは最適化されていない. 本研究では, 細胞内凍結に関係していると考えられる細胞内の水分子ダイナミクスを誘電分光によって測定することで, 細胞凍結保護のメカニズム解明に役立つ知見を獲得し, 安全で環境親和性が高い保護物質を用いたグリーンな凍結保存技術のデザインに寄与することを目指す.
著者
松浦 茂樹
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.275-285, 1987-06-20 (Released:2010-06-15)
参考文献数
12

近年水辺の復活、ウォーターフロントの開発等水辺が社会から注目されているが、戦前の河川改修でも河川環境は重視されていた。この状況を1935 (昭和10) 年の大水害後、翌1936年樹立された京都の鴨川改修計画に基づいて論ずる。鴨川の社会的特徴は、御所をはじめ千年の歴史をもつ社寺・史跡・風物のある古都・京都市街地を流れていることである。鴨川は「東山ノ山紫二対シ河流ノ水明ヲ唄ハレタル古都千年ノ名川」と認識されていた。また「鴨川は京都市の鴨川に非ず」と、我が国にとって重要な河川と主張された。京都の風致の重要性としては、文化面における国民の訓練、産業の発展、国際観光の三つがあげられた。このため鴨川改修計画では、治水上支障のない限りにおいて鴨川の風致を配慮した計画が樹立された。具体的にはコンクリートの露出をできるだけ避け、石垣、玉石張を中心にして行われたこと、曲線を用いた床止め工の形状等によく現われている。また高水敷にはみそそぎ川が残され、夏には納涼床が張り出されて京都の風物詩となっている。昔から鴨川での夕涼みは京都市民に親しまれていたが、1986年夏気象観測を行い、その状況を求めた。1936年の環境整備計画は、河川技術者集団の総意の下に行われたと推察される。河川技術者がそのような能力を機械施工化以前には常識としてもっていたものと判断される。なお1936年の改修計画は、鴨川に限られることなく京都市の大改造計画であり、京阪線の地下化、都市計画道路の築造等が一体として図られていた。これらの事業は近年の1979年より再開され、現在工事中である。
著者
松浦 智和
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.6, pp.81-94, 2017-03-31

本研究では統合失調症患者が子育てや家庭教育を行う上で抱えている課題を明らかにす べく、当事者ならびに支援者(看護師、保健師、ソーシャルワーカー等)へのインタビュー調 査を実施した。子育ての課題について、「 病 気 と 子 育て」のカテゴリーでは、「 通 院 し なが らの子育てに苦労している」「 入 院 へ の 不 安 」「 他 の人がどのようにしているのか知りたい」 などの不安が語られる一方で、「 以 前より体調はよくなった」「 子 ど も が 成 長 したのを見て 自信がついた」などの本人のリカバリーにつながっていると思われる小カテゴリーも抽出 された。また、「 子 育てと他者との関係」では、子どもがいろいろ手伝ってくれる」「 看 護 師 や 保健師、精神保健福祉士が相談に乗ってくれている」などの小カテゴリーを抽出し、 子どもが「支援をする側」になっている現状や、専門職が重要な相談相手である一方で、 地域のなかでは支援者を得られずに子育てを行っていることも示唆された。
著者
松浦 智和
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.11, pp.11-16, 2021-03-31

【要約】 育児を行う統合失調症患者について、祖父母の育児への関わりの現状について探索的に 検討した。孫育てを担う祖父母の現況や先行研究を概観したとき、統合失調症患者の妊娠・ 出産の困難は明白で、どれだけ母親にリカバリーや自己実現という視点を加味しても、本 人の疾病管理、祖父母等の家族の負担など、現実に後押しするに足る理論的背景を見出すことは難しい感があった。とはいえ、本研究のインタビュー調査によって祖父母から聞か れた言葉は統合失調症患者ゆえのものもあるが、一般的に、孫育てをする祖父母が遭遇す る困難や喜びと符合する部分も大い減とフォーマル、インフォーマルサポート体制の構築 などを考えることは、統合失調症の有無に関わらず、少子化のわが国にあって、子育て・ 育児の社会化やシームレスな支援の構築という近年の課題を具現化する契機とすべきと思 われた。
著者
陳 奕均 城山 英明 杉山 昌広 青木 一益 木村 宰 森 晶寿 太田 響子 松浦 正浩 松尾 真紀子
出版者
環境経済・政策学会
雑誌
環境経済・政策研究 (ISSN:18823742)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.1-11, 2022-09-30 (Released:2022-11-04)
参考文献数
49

本稿では,近年,海外で急速に発展してきた持続可能性移行(サステナビリティ・トランジション)という研究分野に着眼し,当該分野における主な理論的枠組みである戦略的ニッチ・マネジメント論(SNM),重層的視座(MLP),トランジション・マネジメント論(TM)とその研究動向をまとめた.関連した概念を明確にしたうえ,日本の研究機関による事例研究への応用例を紹介し,日本の文脈を踏まえた今後の研究課題を提示する.
著者
松浦 智和
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.10, pp.11-27, 2020-03-31

【要約】世界的にメンタルヘルスの促進の重要性が議論される時勢であるが、本稿ではわが国のメンタルヘルスの主要課題の1つである自殺とその周辺課題について、先行研究や政府公刊の白書等、意識調査の結果を中心に考察を試みるとともに、自殺対策についての提言を述べた。わが国では1998年に自殺者が急増して以降自殺者が3万人を超える状態が続いた。2010年以降は9年連続の減少となっており、2018年は20,840人で前年に比べ481人(2.3%)減少したものの以前深刻な状況にある。特に、自殺総合対策大綱では、重点施策のひとつとして、「子ども・若者の自殺対策の更なる推進」が掲げられているが、先行研究を概観すれば、若年層は自殺念慮が最も高い世代であり、社会に絶望を感じながら、自己有用感が低いまま、これまでの人生で遭遇したいじめなどのつらい経験を抱えながら、レッテル貼りを警戒して専門職に相談することをあえてせず、家族や友人などの身近な“知った仲”によるサポートでギリギリ暮らしている実情が示唆された。
著者
松浦 忠孝 小林 保之 大中 昭 長瀧 重義
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.847-852, 2022-10-15 (Released:2022-10-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The obtained quality data of coal gasification slag fine aggregate (CGS) produced by the integrated coal gasification combined cycle (IGCC) and its characteristics are summarized. The effects of the quality characteristics of CGS on mechanical properties such as the compressive strength of concrete were investigated. From these results, it was considered that CGS is expected to have pozzolanic reactivity because it had almost amorphous and has a chemical composition close to that of coal fly ash. It was also suggested that the degree of strength development of concrete using CGS is affected by chemical components such as the ratio of the modified oxide amount to SiO2 of CGS and the degree of polymerization of amorphous phase (NBO/T). Furthermore, it was confirmed that the modulus of elasticity tends to increase gradually corresponding to the CGS mix ratio, and that the tensile strength can be shown by the correlation with the compressive strength regardless of the CGS mix ratio.
著者
赤塚 俊隆 松浦 善治 神吉 泰三郎
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

我々はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染性RNAを接種して単一のウイルスによる感染実験に成功したチンパンジー、1535と1536のPBLをEBウイルス(EBV)でトランスフォームすることにより、HCV特異的IgG抗体産生B細胞クローンが感染後どの時点で出現するかを検討した。同時に血清のIgG抗体価も測定し比較した。その結果2頭のチンプともに、ALTの上昇がみられた20週には血中にC抗原に対するIgG抗体が出現したが、E1、E2抗体の出現は殆ど認められず、1536においてのみ45週以降になってE2抗体が出現、10週にわたる抗体価の上昇を認めた。しかしEBV-transformationの結果では、C、E1、E2いずれの抗原に対するIgG抗体産生B細胞も35週の時点で同頻度に認められた。これは54週になっても同じであった。EBV-transformationでは完全に成熟した抗体産生より分化段階の低い細胞が検出されると考えられるので、我々の結果はウイルス中和に関与すると思われるE1、E2抗体を産生するB細胞の分化が、何らかの機序により最終段階の一つ手前で押さえられていることを示していた。平成12年度は、1536において、感染後45週というかなり遅い時期に、ウイルスのE2タンパクの1つのアミノ酸に変異を生じたウイルスが出現し、その時期に一致して抗E2抗体の上昇が見られたので、そのアミノ酸変異を中心としたペプチドを合成し、ヘルパーT細胞の反応を検討した。変異アミノ酸配列のペプチドに対するヘルパーT細胞の反応が生じてE2抗体産生が引き起こされたという仮説を立てたが、結果は正常ペプチドも変異ペプチドも陰性でありその説明は成り立たなかった。更に検討を加えた結果、この45週という時期には,E2のみならず、C抗原に対してもIgM反応が急激に上昇していることが分かった。C抗体はIgGが感染初期にすでに出現上昇しており、これに遅れてIgMが出現するという、通常の免疫反応とは極めて異なる抗体反応パターンを示していた。この事は変異ウイルスが出現した時期に一致して宿主の免疫系にも新たな刺激が生じ、CとE2に対するIgM抗体産生が起こったことを示唆している。変異ウイルス自体には新たな抗原性はない可能性がので、変異ウイルスの挙動か何かにそれ以前のウイルスとは違うものがあって、それが免疫系の抗原認識に影響を与えたことが考えられる。その後我々は、この2頭のチンパンジーの感染後8週のB細胞がHCV抗原を発現していることをみいだした(未発表)。現在この抗原発現の詳細を検討しており、次に感染後期でのB細胞におけるそれと違いがないかを検討する予定である。