著者
巻出 健太郎 小林 幸雄 圦本 尚義
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.249-249, 2004

Acfer214中の酸素同位体組成は、個々のCAI中で均一であるが、異なるCAI間に16O-richから16O-poorに至る約50‰の巾に分布している(Kobayashi et.al,2003)。本研究は26Alの存在と酸素同位体組成の不均一の相関を明らかにするため、Acf214中の酸素同位体組成の異なる6つのCAIについて二次イオン質量分析計(Cameca ims-1270)を用いてAl-Mg年代測定を行った。結果すべてのCAIについて26Mgの過剰はなく、26Alの存在と酸素同位体異常の程度に相関はなかった。これらの結果は原始太陽系円盤進化に次のような制約を課す。(1)Al-Mgシステムが時計として働くのであれば、CAI形成は原始太陽系円盤において300万年以上継続しその間酸素同位体不均一が円盤内に残っていた。もしくは、(2) 26Alと酸素同位体の不均一が円盤内に存在してこの両者の分布は相関がなかった。
著者
小林 幸治 秋葉 祐子 瀬間 久美子 小林 法一 山田 孝
出版者
社団法人日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 = The Journal of Japanese Occupational Therapy Association (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.266-276, 2009-06-15
参考文献数
37
被引用文献数
1

わが国のOTにおいて,脳血管障害者の心理社会面に対して行われている支援内容を明らかにすることを目的として文献的研究を行った.過去10年分の論文,日本作業療法学会演題から,OTRが行った支援内容が記述された箇所をラベルとして抽出し,KJ法によってグループ編成を行った.1. 障害とともに生きていくための支援を行う,2. 作業を介した治療的関わりを行う,3. クライエント-OARの協業的関係を築く,4. クライエント・家族の生活環境づくりを行う,の4つの大カテゴリーが見出された.1が本支援内容のコアカテゴリーであると考えられた.脳血管障害者の心理社会面について,本結果の内容を組み込んだOTを計画し実践する必要がある.The purpose of this study was to investigate the kinds of psychosocial supports occupational therapists provide for stroke clients. We examined Japanese journals of occupational therapy from 1995 to 2004 and formed categories by using the KJ method. As a result, we discovered four typical categories: (1) support to live with disability, (2) use of therapeutic activities effectively, (3) establishment of client-therapist collaborative relationships, (4) providing comfortable environments for clients and families. We regard category (1) as the core category. In conclusion, it is necessary for occupational therapists to understand the psychosocial supports necessary for stroke clients.
著者
浅輪 智丈 杉山 幸宏 小林 幸基
出版者
日本イオン交換学会
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.42-46, 2016-09-25 (Released:2016-09-21)
参考文献数
6
被引用文献数
2

当社は水道水向け殺菌剤, 高純度次亜塩素酸ソーダ水溶液「ニッケイジアソー®S」の上市を皮切りに, その応用展開として化学反応向け次亜塩素酸ソーダ5水塩「ニッケイジアソー®5水塩」を開発し, 多くの研究者の方々に使用していただくための, 基礎的な酸化反応例や物性情報の収集を進めてきた。ここではニッケイジアソー®5水塩を紹介し, その特徴と幾つかの応用事例についても報告する。
著者
朱宮 哲明 国政 陽子 菱川 千鶴 大場 陽子 澤田 智恵美 林 幸子 西村 直子 尾崎 隆男
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.80-82, 2004
被引用文献数
2

平成14年4月~平成15年3月の1年間に, 昭和病院の栄養科職員35名より提出された事故報告書 (インシデント・アクシデントレポート) 158件を集計分析し, 今後の事故防止に向けて検討した。<BR>項目別の事故報告書件数は, 事務処理ミスが90件 (57%) と最も多く, 次いで配膳ミス56件 (35%), 異物混入8件 (5%), その他4件 (3%) の順であった。事故の大半が確認不足により発生しており, 反復確認, 複数の職員による確認など確認の徹底が事故を減少させると思われた。事故報告書の内容および原因を職員にフィードバックすると共に, それらを分析して, 新たな事故防止マニュルを作成してゆく必要がある。
著者
島田 敬 山下 達雄 山本 正生 竹林 幸治
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.556-566, 2010

これまで,滑走路等の建設工事では,舗装工事と航空灯火設置等の電気工事とを別々に施工する方法が採用されてきた.関西国際空港第2滑走路工事では,「航空灯火基台設置と舗装の一体施工法」及び新型の「航空灯火基台」を考案・開発し,現地実験等を行い実施工に採用した.これにより,第2滑走路工事において,工期短縮,建設コスト縮減,環境保全の課題解決に大きく貢献することができた. </br> 本研究は,「航空灯火基台設置と舗装の一体施工法」を実用化するために行った灯火基台開発及び現地実験を総括するとともに,工期短縮,建設コスト縮減,環境保全効果について分析を行ったものである.
著者
石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.75-82, 1999-08-26
被引用文献数
8

過去に,音質評価語の収集及びグループ化を行い, それらを多次元空間にマツピングし, 解析することにより, 高度感性情報に関連する評価語群(16語)を明らかにした. しかしながら, 多次元空間内の心理距離による評価語のクラスタ化で, 少数の重要な評価語がクラスタ化されない事, 多次元空間内における解析で求められる評価語の重要度と衆目評価法による重要度の順序が一致しない事などの問題があり, これ以上の解析はできなかった. そこで, 聴取者の音楽再生における音の聴き方の違いから, 評価語のグループ化を行い, 各グループ毎に評価語の解析を行うという新しい考え方に基づき, 多次元尺度構成法(MDS)やDematel法を行った結果, 上記問題点が解決された. そして, 得られた各グループと高度感性情報との位置付けを議論すると共にキー評価語の抽出を試みた.
著者
宮原 誠 石川 智治 小林 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

高度感性情報再現を目的としたスピーカの新設計理論を示す.高度感性情報とは人に感動を呼び起こすもの(深々さ, 凄み, 実在感など)である.コーン型のスピーカによる電気音響信号の再生(主として低温の再生)は, 制御理論の臨界制動(ζ┤0.7)の考え方を基本とする設計とは全く異なり, むしろ軽く, サスペンションの柔らかい振動板が, 複雑な電気信号に高度高く駆動されるように設計することが重要である.具体的には, 目標をQ_0<0.2, 高周波数帯域はボイスコイル近傍のみを振動板のピストン運動領域とする, などである.又, スピーカが空振りせずに空気をしっかりとらえて, 自由空間に精密な波面を放射させるようなメインアンプも含んだ新しいスピーカ駆動理論を示す.
著者
西澤 美仁 居駒 永幸 菊地 仁 木下 資一 小林 幸夫 錦 仁 浅見 和彦 花部 英雄
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度から19年度まで、8月上旬または下旬に、和歌山(高野山及び熊野)・伊勢、香川(白峯及び善通寺)・静岡(小夜の中山及び専称寺)の実地調査を西行伝承研究会(第9回〜第12回)として開催した。その間、現地の研究者との交流を行い、口野西真定(高野山奥の院維那=当時)・樫山茂樹(南方熊楠記念館常務理事=当時、故人)・晝川楠茂(伊勢市立郷土博物館)岩井田尚正(伊勢御師)・岡田登(皇學館大学教授)・高橋弘(坂出郷土資料館)・中井博一(鎌刃越開拓)・片山友一(水茎の岡西行庵管理)ほか多くの方々から有益な御協力を得た。研究会の開催以外にも、和歌山県博物館で木村蒹葭堂『熊中奇観』を調査したほか、岡山県瀬戸内市長船で「西行腰掛石」の縁起を調査、山梨県南部町西行で西行の一族を伝承する遠藤家系図・西行像を調査、長野県山ノ内町で興隆寺の縁起に連なる『寺志』『萬松山興隆寺之賦』を調査するなど、全国各地の西行伝承調査を行った。中でも、日比・渋川から白峯への航路及び鎌刃越を経由する伝承ルートを直接体験することができたこと、『佐久郡三十三所縁起』との関連で、布引観音から善光寺に至る西行伝承が滋野一族のアイデンティティーを語るものとして真田信之の松代藩政に利用された可能性を見出したこと、『紀伊続風十記』『紀伊名所図会』に連なる紀伊国地誌の原点ともいうべき『紀路歌枕抄』校本を完成させ、西行伝承の形成を具体的に判明させつつあること、は大きな収穫と思われる。19年年末には名古屋大学阿部泰郎教授が主催する研究集会を共催して、シンポジウム・講演会ほかを行い、三次10年間に及ぶ「西行伝説の説話、伝承学的研究」及び12年間に及ぶ「西行伝承研究会」の締めくくりとした。