著者
法隆 大輔 林 武司
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.125-143, 2013-02-28 (Released:2013-03-07)
参考文献数
23
被引用文献数
3 7

Definition of similarity is required for clustering co-expressed genes or estimating gene regulatory network from gene expression data. Pearson correlation coefficient and mutual information are the popular measures to evaluate similarity between gene expression profiles. To investigate which measure is appropriate for evaluating similarity between gene expression profiles, we have compared these two measures using Gene ontology annotation similarity. Genes that have similar Gene ontology annotations can be interpreted that they have commonality in biological processes or molecular functions. The results showed that the better similarity measure is different depending on the purpose of the analysis or from which organism the data derived. In the case of evaluating similarities among more than three genes, mutual information was a better similarity measure for the data derived from multicellular organisms, though Pearson correlation coefficient was a better similarity measure for the data derived from unicellular organisms. In the case of finding genes whose transcripts have similar functions or genes that participate to similar processes, Pearson correlation coefficient was always a better measure.
著者
松下 紀子 小宮山 浩大 田辺 康宏 石川 妙 北條 林太郎 林 武邦 深水 誠二 手島 保 櫻田 春水
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.1117-1121, 2013-09-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
10

症例は,45歳,男性.通勤時に突然の上腹部痛を自覚し他院へ搬送された.精査のために施行した腹部造影CTで上腸間膜動脈に解離を認め,急性上腸間膜動脈解離症と診断され,加療目的に当院へ搬送となった.来院時は血圧 143/85mmHg,上腹部に自発痛と圧痛を認めたが腹膜刺激症状は認めなかった.血液検査ではアシドーシスは認めず,CK 182U/Lと軽度高値,D-dimerは正常範囲内で腸管虚血を示唆する所見は認めなかった.軽度の腹痛は残存するものの,症状は落ち着いていたため保存的加療の方針とし,禁食・ヘパリン持続投与を開始した.来院8時間後に,急な腹痛を訴え腸管の虚血所見を認めたため緊急カテーテル検査を施行した.上腸間膜動脈起始部から解離を認めIVUSでは偽腔により真腔が大きく圧排されていた.解離を修復するように遠位より,2本のステント(PALMAZ Genesis® 6×15mm,E-Luminexx® 10×60mm)を留置し,良好な血流が得られ腹痛も軽快した.急性上腸間膜動脈解離は比較的稀であり,その治療法も一定していない.今回,われわれは急性期に反復する腹痛と腸管虚血を呈した上腸間膜動脈解離に対してステント留置を行い良好な結果が得られた.文献的考察を踏まえて報告する.
著者
佐藤 李菜 林 武司
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.30-36, 2012-01-05 (Released:2012-02-06)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

近年,多くの自治体で洪水ハザードマップが作成されている.ハザードマップの原図となる浸水想定区域図の作成に使用する地盤高データは50 mメッシュを基本としているが,日本の多くの都市が立地する低平地の地形を表現するには不十分と考えられる.そこで,秋田市茨島地区を対象に,洪水ハザードマップに使用されている浸水想定区域図の地盤高データの精度を検証し,地形情報の精度が浸水想定区域に及ぼす影響を明らかにした.結果,浸水想定区域図の地盤高データには実際の地形との誤差があり,洪水ハザードマップの浸水想定区域に誤差が生じていた.これにより,ハザードマップを使用する側が水害に対するリスク評価を誤って受け取る可能性が指摘された.
著者
菊池 信彦 内田 慶市 岡田 忠克 林 武文 藤田 高夫 二ノ宮 聡 宮川 創
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s17-s20, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
9

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)は、2020年4月に、「コロナアーカイブ@関西大学」の運用を開始した。コロナアーカイブ@関西大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下における関西大学関係者の日常の記録や記憶を、ユーザからの投稿によって収集するコミュニティアーカイブプロジェクトである。KU-ORCASでは、コロナアーカイブ@関西大学を、昨今の歴史学の一つの潮流ともなっているパブリックヒストリーの実践として位置づけることで、収集の結果として蓄積されるアーカイブ資料だけでなく、アーカイブするという行為そのものも重視している。本報告では、コロナアーカイブ@関西大学のデジタルアーカイブシステムの構築とともに、資料収集の現状、そしてデジタルパブリックヒストリーとしての実践について、今後の展望を交えて報告する。
著者
山中 亮 松林 武生 佐伯 徹郎 榎本 靖士 山崎 一彦 杉田 正明
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.307-313, 2016-06-01 (Released:2016-05-14)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to examine the relationships between running performance and the cross–sectional area of the psoas major, peak oxygen uptake, and running economy in male junior long–distance runners. The subjects were 37 male junior athletes who achieved good records in interscholastic athletic competition during 5 years (2011–2015). Their seasonal best times in a 5,000 m race (5,000m–SB) were 14:04.11 ± 0:07.25 (13:53.64–14:16.15). In a multiple regression analysis, 5,000m–SB was statistical significantly correlated with the cross–sectional area of psoas major (16.0 ± 1.7 cm2) measured on magnetic resonance imaging and peak oxygen uptake (4.25 ± 0.36 l min-1 [76.9 ± 5.8 ml min-1 kg-1]) during a lactate curve test comprising five stages. However, 5,000m–SB was not related to oxygen uptake at the work–load which was less than the load at the lactate threshold estimated by using the lactate curve test results. These results suggest that a high volume of the psoas major, the largest hip–flexor muscle, and peak oxygen uptake are among the important factors for junior long–distance runner performance.
著者
土井 徹 匹田 篤 林 武広
出版者
日本地学教育学会
雑誌
地学教育 (ISSN:00093831)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.41-52, 2015-05-31 (Released:2016-07-20)
参考文献数
19

小学校6年生を対象に,大気中の二酸化炭素濃度の日変化をどう考えるかについて調査した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)燃焼,生物の呼吸,植物の光合成による二酸化炭素の出入りについての学習を行う前は,「大気中の二酸化炭素が日中に濃く,夜は薄い」と考える児童が最も多く,学習後は「大気中の二酸化炭素が夜に濃く,日中は薄い」と考える児童が最も多くなる.(2)大気中の二酸化炭素濃度の日変化の仕方とその理由を考えさせる授業後は,多くの児童が二酸化炭素濃度の日変化の理由について既習内容と関係づけて理解するようになる.
著者
高林 武彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.662-675, 1985-09-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
39

Niels Bohr は今世紀物理学の巨人として Einstein と並べられまた対比される. 彼は原子物理学の父であると同時に対応原理と相補性の提唱者でもある. これらの原理は Einstein の相対性原理の場合のようなスッパリとした明快さはなくいくらか曖昧さを許さねばならないようなものであるが, ミクロの物理学の方法論・認識論において指導的な役割を果たしてきた. Bohr の生涯の研究はその人間を刻印するような独自の連続性と coherence と深さをもっており, みだりに分断できない. 以下ではその径路をたどりながらその業績の意義と方法の特徴を具体的に考察し, その全体像にせまりたい. そこでは彼が幾多の英才たちとのきびしい討論の中で物理をおし進めていった経緯や, また彼の方法が成功しなかった局面などにもおのずからたち入ることになる. Bohr の論文はとかく長くなりがちであったが, この拙文もいきおい長くなる惧れがある. しかしなるべく簡単に書くよう心掛けよう.
著者
小林 武
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は2年を期間としたもので、第1年度たる平成13年度においては、基礎をなす作業にとりくみ、まず直接民主政にかんする研究文献に検討を加え、またスイスに赴いて、その直接民主主義制度を調査した。これをふまえて、第2年度の平成14年度においては、文献の研究を深め、また、アメリカ合衆国カリフォルニア州の直接民主政、とくに住民投票について調査した。こうした研究の進行の中で、大韓民国において憲法上定められている重要政策についての国民投票をも検討対象とし、その調査のためにソウル市に赴いた。わが国で、この間に直接民主政にかんして顕著な動向がみられたのは、住民投票、とりわけ市町村合併についてのそれである。市町村合併は、住民生活の場のありようを決定する基本的な問題であるだけに、住民投票の動きが全国各地で生じており、直接民主政研究にとっての重要テーマである。そこで、関係の自治体に赴いて実態にふれ、調査した。併せ、国立国会図書舘等で文献研究を進めた。以上の作業をとおして、平成14年には、スイスの国家緊急法制および政治過程を扱った各研究、またわが国の民主主義を立憲主義との関係で論したものとを公にした。ついで、平成15年には、憲法改正手続および首相公選構想における国民投票と、市町村合併等における住民投票にかんする論稿を発表した。『研究成果報告書』は、これらを軸にしたものであり、そして、今後できるだけ早い時期に、本研究の包括的成果を一書にして上様したいと考えている。
著者
大林 武久
出版者
熊本大学
巻号頁・発行日
2011

黄色ブドウ球菌は、血液凝固異常併発により治療困難となるグラム陽性菌敗血症や細菌感染による心内膜組織破壊によって誘発される細菌性心内膜炎の主要な原因菌である。この菌が分泌するシステインプロテアーゼであるスタホパイン(staphopain)には、スタホパインA(staphopain A)とスタホパインB(staphopain B)の2種類が存在し、いずれも敗血症などの感染症病態に密接に関与しており、重要な病原因子として認識されている。そこで、凝固異常と組織破壊に直結するスタホパインの病原作用を研究するために、スタホパインの血漿凝固誘導およびコラーゲン(主要な結合織成分の1つ)分解作用を調べた。