著者
中林 隆之
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.862, pp.1-17, 2020-03
著者
久保 満佐子 小林 隆人 北原 正彦 林 敦子
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.49-62, 2011
参考文献数
47
被引用文献数
1

1.草原性のチョウ類が多く生息する富士山麓の上ノ原草原において,人為的管理が出現植物の種組成,吸蜜植物の開花,チョウ類の種組成に与える影響を調べ,チョウ類の多様性を維持する草原の管理方法を提案した.<BR>2.上ノ原草原にある1)草刈り後に草を持ち出している防火帯(防火帯),2)草刈り後に草を放置している植栽地(草刈地),3)草刈り後に草を放置している未舗装作業道路(道),4)管理放棄後3年以上経過した草原(放棄草原),5)クロツバラが優占する低木疎林(低木林)の5つの環境を調査地として,各調査地で出現植物の種組成と吸密植物の開花数,チョウ類の種組成を調べた.<BR>3.出現した植物および開花した吸蜜植物の種組成について二元指標種分析を行った結果,両種組成は,第一に植生構造の違いにより低木林に対してその他の調査地に区分され,次に管理方法の違いにより防火帯に対して草刈地と道,放棄草原に区分された.開花した吸蜜植物の種組成における指標種は,防火帯が7月,草刈地と道,放棄草原が8月と9月を中心に開花する種であった.開花数は,管理が行われている調査地で放棄草原や低木林より多い傾向があった.<BR>4.チョウ類の種組成について二元指標種分析を行った結果,防火帯に対してその他の調査地で区分された.防火帯のチョウ類の指標種は7月に発生する種であり,吸蜜植物における指標種の開花季節と一致した.<BR>5.本草原では,季節を通して吸蜜植物の開花があり,発生時期の異なるチョウ類が生息していることが特徴であった.さらに,低木林は,草原とは異なる遷移段階に依存するチョウ類の食樹であり,これらの種の主要な発生源となっている可能性があった.このため,本草原のチョウ類群集を維持するためには,草原の中で管理方法や植生構造の違いを含む植物群落の多様性を維持する管理の工夫が必要であると考えられた.
著者
小林 隆史 大澤 義明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-6, 2002-10-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文の目的はアロンゾモデルを拡張して,太陽光発電がどの地域に導入されるかを理論的に分析することにある.第一に,距離・地代関数を用いて太陽光発電と中心市街地からの距離との関係を論じる.第二に,常磐線における実際の地代データを用いて,太陽光発電導入が進むための条件を,実証的に論じる.
著者
西河 美希 市山 高志 林 隆 古川 漸
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.15-19, 1998-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

山口県下の小中学校, 養護学校の養護教諭391名を対象とし, てんかん児の水泳を中心とした学校生活の対応について, アンケート調査を行った.対象人数391名中, 回答人数278名で, 回収率71%だった.82.7%の養護教諭がてんかん児を経験していたが, 学校行事の中で水泳を制限するという回答が全体の24.5%にみられた.また, 医師から制限不要の指示がでた場合でも, 20%以上の養護教諭が何らかの制限をするという回答だった.これらの結果より学校現場の中で医学的知識に詳しいと予測される養護教諭でも, てんかんに対する知識で不適切と思われる考え方が根強く残っていることがわかった.今後, 養護教諭に対するてんかんの正しい知識の普及が望まれる.
著者
中林 隆之
出版者
大阪市立大学日本史学会
雑誌
市大日本史 (ISSN:13484508)
巻号頁・発行日
no.10, pp.83-112, 2007-05

はじめに : 嵯峨天皇は、即位後勃発した平城太上天皇の乱を平定した後、即位直後に妃とした桓武天皇の娘で異母兄弟の高津親王を廃し、弘仁六年(八一五)七月壬午、橘朝臣を皇后に立てた。……
著者
木嶋 祥麿 小沢 潔 桜井 俊一朗 仲山 勲 東海林 隆男 笹岡 拓雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.986-994, 1984

ビタミンKが欠乏すると,肝での血液凝固因子の活性化が阻害されるため出血症状が出てくるが,臨床的には新生児にしばしばみられる.成人においてはまれであるが,最近とくに乳児期にみられるビタミンK欠乏症が注目されている.一方,腎不全患者ではしばしば皮下や消化管などに出血がみられ,血小板機能・凝固困子活性の異常などが指摘されている.しかしビタミンK欠乏症の併発はあまり知られていない.最近われわれが経験した出血ないし凝固異常を呈した患者14例を検討したところ,慢性腎不全8例,急性腎不全(手術後4例,激症型皮膚筋炎・脳出血後感染症合併それぞれ1例)6例であり,このうち4例は検査結果から消耗性血管内凝固症候群(DIC)であつた.ほかの10例では肝機能異常はなく, DICの所見とも異つており,プロトロンビン時間・部分トロンボプラスチン時間の延長,第II, VII, IX, X因子活性の低下,異常な第II因子分子の出現などの所見が認められ,ビタミンK投与で改善を認めたことからビタミンK欠乏症と診断した.本症10例の臨床所見は高令の女性患者が多く,食事摂取は著しく不良で,重症感染症および手術後のため抗生物質が投与されており, DICの背景因子と共通点が多い.このような悪条件をもつ腎不全患者ではビタミンKが枯渇しやすいと考えられるので,非経口的に予防投与しておく必要がある.
著者
林 隆
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.203-206, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1

学習の障害に起因する行動特徴は学校現場で支援の対象というよりも否定的な評価を受ける対象となっている可能性がある. 一般集団では, 読みに障害があっても, そのことが直接的に情緒の発達に強く影響を及ぼすことがないことが示唆された. 読み障害の中でも不登校を主訴とする児は読み障害の程度は軽いが, 抑うつ度が高く特有の支援ニーズをもつ可能性が示唆された. 不登校を示す読み障害児のWISCの特徴は他の指数に比べて, 処理速度が高いことで, 言えばできるが, 自分では行動できないことが状況から, 教員からは怠け・やる気がないと捉えられ, 支援ではなく強い指導を受ける可能性が高く, これが不登校の引き金になっている可能性がある.
著者
木嶋 祥麿 小沢 潔 桜井 俊一朗 仲山 勲 東海林 隆男 笹岡 拓雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.986-994, 1984-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
19

ビタミンKが欠乏すると,肝での血液凝固因子の活性化が阻害されるため出血症状が出てくるが,臨床的には新生児にしばしばみられる.成人においてはまれであるが,最近とくに乳児期にみられるビタミンK欠乏症が注目されている.一方,腎不全患者ではしばしば皮下や消化管などに出血がみられ,血小板機能・凝固困子活性の異常などが指摘されている.しかしビタミンK欠乏症の併発はあまり知られていない.最近われわれが経験した出血ないし凝固異常を呈した患者14例を検討したところ,慢性腎不全8例,急性腎不全(手術後4例,激症型皮膚筋炎・脳出血後感染症合併それぞれ1例)6例であり,このうち4例は検査結果から消耗性血管内凝固症候群(DIC)であつた.ほかの10例では肝機能異常はなく, DICの所見とも異つており,プロトロンビン時間・部分トロンボプラスチン時間の延長,第II, VII, IX, X因子活性の低下,異常な第II因子分子の出現などの所見が認められ,ビタミンK投与で改善を認めたことからビタミンK欠乏症と診断した.本症10例の臨床所見は高令の女性患者が多く,食事摂取は著しく不良で,重症感染症および手術後のため抗生物質が投与されており, DICの背景因子と共通点が多い.このような悪条件をもつ腎不全患者ではビタミンKが枯渇しやすいと考えられるので,非経口的に予防投与しておく必要がある.
著者
加賀 芳恵 木村 正明 枝 恵太郎 大林 隆司
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.41, pp.125-135, 2018-07-31

ホラズミクチバは成虫が洞窟に生息するという特色的な生態を持つ蛾の一種で、小笠原諸島の固有種である。これまで幼生期や食餌植物はもとより、その発生消長・動態に至るまで謎に包まれていたが、本調査により、食餌植物としてハツバキを利用していること、洞内で繁殖が行われていることなど生態の一端が明らかになった。
著者
小林 隆嗣 吉松 大介 宮﨑 秀夫
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.246-252, 2013-11-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
24

タンパク質を主成分とする舌苔を除去すると,口気中の揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compounds : VSCs)濃度が低下することが知られている.本研究では舌苔を効率よく除去するように設計されたタブレットの評価を行った.被験者にプロテアーゼ含有/非含有タブレットを3回舐めてもらい,舌苔をスコア付けした.タブレットを舐める前後で口気中VSCs濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した.プロテアーゼ含有タブレットを舐めることで,舌苔スコアが減少し,口気中の硫化水素とメチルメルカプタン濃度が有意に減少した.
著者
岡林 隆敏 鯨津 佳久
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.493-499, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
3

写真資料を歴史資料として活用するためには、膨大な写真の保存・管理と共に、効果的な検索が必要である。近年のパーソナルコンピュータの性能の向上と低価格化が著く、中でも画像処理能力の進歩はめざましい。このような、状況の中でパーソナルコンピュータよる画像データベースが可能になってきた。本研究では、画像処理能力に優れた性能を有するMcintoshを用いて、市販のデータベースソフトウェアを適用して、歴史的写真の管理と検索のための画像データベースの開発を行なった。この論文では、画像データベースのシステム、ハードウェアおよびソフトウェアについて説明し、いくかの画像データベースの適用事例を示した。
著者
牧 利恵 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.765-768, 2020-12-15 (Released:2020-12-15)
参考文献数
7

要旨:就労支援領域で使用できる患者立脚型アウトカムが,本邦で求められている.そこで今回,Work Rehabilitation Questionnaire(以下,WORQ)の翻訳と言語的妥当性の検討を研究目的とした.方法は,Beatonによる尺度の異文化適応の順番に準拠した.まず,原著者に許可を得た後,2名が別々に翻訳をし,訳語をすり合わせた.次に逆翻訳を行い,原著者に確認をとり修正した.それから,専門委員会を開催して訳語を修正し,ドラフト版を作成した.その後,27名の対象者に予備テストを行い,答えやすさについての個別インタビューを実施し,さらに文言を修正した.最後に,最終版を原著者に報告し,日本語版がWORQのホームページで公開された.
著者
岡林 隆敏 林田 幸誠
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.183-190, 1994-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
10

近代都市の形成史を明らかにするためには、都市の骨格となる道路網の形成を明確にする必要がある。長崎市は江戸期においては、西洋との唯一の貿易港として繁栄し、明治から昭和初期にかけては、西日本の主要都市として発展してきた。しかし、軍事要塞都市と市役所の火災により、長崎市における近代道路網整備についての歴史は明確でない。本研究は、幕末から明治期、明治期から昭和初期に至る長崎市の道路網の整備の歴史を調査し、さらに、道路景観の変遷を古写真および絵葉書より示したものである。
著者
飯田 マリ 大澤 義明 小林 隆史
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.385-390, 2011-10-25
参考文献数
10

世界の観光地で活躍している2階建てオープンバスは、屋根がなく、視点が高い場所に位置する特徴から、歩行や自動車とは異なった景色を楽しむことができる。本研究では、様々な都市で適用できるように、数理的モデルを用いて、2階建てオープンバスからの景観評価を次の二つの観点を用いて行った:(1)街並み全体を「面」で眺め、その構成要素を徒歩の場合と比較することで、どれだけ「非日常的な景色」が見られるか。(2)東京スカイツリーなど街並みの中の「点」に注目し、バス移動に伴い変化する視線方向を分析することで、首振りによる「視対象の見やすさ」がどう変化するか。主要な分析結果は以下の2つである:(1)高い視点場を持つ2階建てオープンバスは走行車線を工夫することで、効果的な非日常的な景色を演出できる。(2)進行方向の決まっているシークエンス景観であることから、カーブでの首振りが観光スポットへの注目の妨げになる。以上より、複数車線を持つ、カーブの少ない観光都市は2階建てオープンバスの導入に適しているといえる。
著者
鈴木 健介 林 隆一 海老原 充 宮崎 眞和 篠崎 剛 富岡 利文 大幸 宏幸 藤井 誠志
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.169-174, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍として最も多いが,頭頸部領域に生じる骨肉腫は全体の10%以下と比較的まれである。今回,われわれは下顎骨に発生した骨肉腫を6例経験したので,文献的考察を加えて報告する。治療法は6例全例で手術が施行され,4例は手術療法単独,2例で導入化学療法が併用された。導入化学療法が併用された2例においてはいずれも化学療法の効果は認められなかった。諸家の報告と同様に,初回治療で切除断端陰性の症例では長期生存が得られていた。頭頸部原発骨肉腫の治療の中心は外科的完全切除であるため,手術時期を逸することがないよう,導入化学療法の適応に関しては慎重になる必要があることが示唆された。
著者
宇杉 富雄 中野 正明 新海 昭 林 隆治
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.512-521, 1991
被引用文献数
2 15

汁液接種によりサツマイモから3種のひも状ウイルスが分離された。M分離株は<i>Ipomoea</i> spp., <i>Nicotiana tabacum, Datura stramonium, Chenopodium quinoa, C. amaranticolor</i>に,Mo分離株は<i>Ipomoea</i> spp., <i>C. quinoa</i>および<i>C. amaranticolor</i>に,C分離株は<i>Ipomoea</i> spp.にのみ感染した。M, MoおよびCの希釈限界はそれぞれ,1,000&sim;10,000倍,1,000&sim;10,000倍および100&sim;1,000倍であり,保存限界は1日以内であった。また,不活化温度はそれぞれ50&sim;60&deg;C, 60&sim;70&deg;Cおよび70&sim;80&deg;Cであった。M, Moのウイルス粒子はそれぞれ750&sim;810nm, 850&sim;880nmに,Cは710&sim;760nmと1,430&sim;1,510nmに分布した。ウイルス粒子の幅はいずれもおよそ13nmであった。Mは容易にモモアカアブラムシによって伝搬されたが,MoおよびCは伝搬されなかった。SSEM-PAGによりMと台湾で発生するsweet potato latent virus (SPLV)抗血清との間に,Moとsweet potato feathery mottle virus russet crack strain (SPFMV-RC)との間に血清関係が認められた。しかし,3分離株の間には血清関係は認められなかった。以上の結果から,MおよびMoはそれぞれSPLV(サツマイモ潜在ウイルス)およびSPFMV(サツマイモ斑紋モザイクウイルス)の1系統と考えられた。Cはサツマイモでは未記載のウイルスであり,これをサツマイモシンプトムレスウイルス(SPSV)と命名したい。