著者
臺丸谷 政志 小林 秀敏 PEARSON James Todd PEREZ Jose Luis 斉藤 文護
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.64, no.623, pp.2417-2423, 1998-07-25
被引用文献数
1

The present study is concerned with the estimation of power in Karate-doh. The measuring method and numerical estimation for impact forces produced by Karate-doh hand techniques such as Syutoh-uchi, Tettsui-uchi and so on, are discussed by experiments (by means of Tameshi-wari) and numerical simulations. In the beginning, an impact experiment of simply supported concrete beams was conducted to examine the impact response and the impact breaking of the concrete beam. And then Tameshi-wari of simply supported concrete beams was performed. In order to understand the mechanism of impact breaking of concrete beams by Karate-doh hand techniques, a numerical simulation was also carried using a dynamic finite element method with a Newmark-β method. The impact force generated between the hand and the concrete beam was estimated to be beyond 4.5 kN. It was also found that a reaction at both ends of the beam was almost never generated by virtue of the dominant modes of bending deformation of the beam. This indicates that, by means of Tameshi-wari, the impact breaking of the concrete beam floating in air is quite within the bounds of possibility. Therefore Tameshi-wari for concrete beams suspended in air was also tried and achieved the predicted results.
著者
福本 恵美子 川崎 浩二 林田 秀明 古堅 麗子 北村 雅保 福田 英輝 川下 由美子 飯島 洋一 齋藤 俊行
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.176-183, 2007-07-30

指しゃぶりは約半数の乳幼児が経験していると報告されており,その習慣化は歯列に大きく影響を与える.本研究の目的は,指しゃぶりの誘発とその習慣化の要因を明らかにすることである.3歳児健康診査を受診した3歳児(36〜47か月)512名を対象とした横断調査をもとに,指しゃぶりの開始と習慣化に関連する要因について分析した.対象者の36.3%が指しゃぶりを経験していた.3歳児健康診査時において指しゃぶりが習慣化している児の割合は,全対象者の15.8%,指しゃぶり経験者の43.5%であった.指しゃぶり開始の要因解析結果から,有意であったものは「郡部」と「兄弟姉妹の指しゃぶり有」であり,オッズ比はそれぞれ1.67(p<0.05),3.05(p<0.001)であった.指しゃぶり経験者における,その習慣化にかかわる要因解析では,「郡部」「弟妹の妊娠無」「母乳終了月齢12か月未満」で有意な関連が認められ,オッズ比はそれぞれ2.56(p<0.05),5.00(p<0.05),6.14(p<0.001)であった.以上の結果から,指しゃぶりの開始には「郡部」「兄弟姉妹の指しゃぶり有」が誘発要因として挙げられ,指しゃぶりの習慣化を防ぐためには母乳栄養を少なくとも生後12か月までは継続することが重要であることがわかった.
著者
小林 裕章 金子 剛 西本 紘嗣郎 内田 厚
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.749-752, 2009-12

Pheochromocytoma occurs in 0.1 to 5.7% of patients with type 1 neurofibromatosis (NF1). Radiological findings of pheochromocytoma are often similar to those of neurofibroma ; therefore, any pheochromocytoma should be excised in hypertensive patients with NF1. A 60-year-old male patient with NF1 was referred to this hospital for an incidentally discovered right adrenal mass, 7×6 mm indiameter. The patient had multiple benign tumors and suffered from hypertension for 4 years. Laboratory findings showed increased serum and urine catecholamine levels. Magnetic resonance imaging (MRI) revealed a high signal intensity on T2-weighted images, which was enhanced by gadolinium contrast. The mass was positive for 131 I-metaiodobenzylguanidine (MIBG) scintigraphy. A laparoscopic adrenalectomy was performed. A histopathological diagnosis of pheochromocytoma was made. The patient's post-operative course was uneventful, and blood pressure was normalized. Screening of the adrenal tumor is strongly recommended for NF1 patients with hypertension, since any unfavorable events due to catecholamine such as cardiomyopathy and fatal arrhythmia can be avoided by adequate surgical intervention.
著者
高橋 裕樹 オマールイスマイル 門林雄基 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.50, pp.21-26, 2003-05-21

Cookieのみでセッション管理を行っているウェブサイトでは、Cross-Site Scripting(XSS)脆弱性を利用した攻撃によってCookieが漏洩し,Cookieに関連づけられた個人情報が漏洩の危機にさらされる.この問題に対し,Webサーバ側でのXSS対策手法が存在するが,XSS脆弱性の危険性は軽視されており,また運用面での負担が大きいことから,これらの既存の対策手法には限界がある.本論文では,クライアントがWebページに入力した情報を利用してXSS脆弱性の有無を自動判定し,XSS脆弱性を持つWebページの情報を収集,共有するシステムを提案する.提案システムより,XSS脆弱性を狙った攻撃からユーザを保護することが可能になる.また,収集した脆弱性情報によって,XSS脆弱性を保持するサーバに対して警告を発することも可能となる.Cross-site scripting(XSS) attacks target web sites with Cookie-based session management, resulting in the leakage of privacy information. Although several server-side countermeastures for XSS attacks do exist, such techniques have not been applied in a universal manner, because of their deployment overhead and the poor understanding of the XSS problem. This paper proposes a client-side system that automatically detects XSS vulnerability by manipulating either client request or server response. The system also shares the indication of vulnerability via central repository. The purpose of the proposed system is two-fold: to protect users from XSS attacks, and to warn web servers with XSS vulnerabilities.
著者
林 直也 原田 宗彦 Jo Lee Tea Chon Tae Jun Won Lee Chul
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-13, 2004-03-31

本研究の目的は「みる」スポーツが「する」スポーツに及ぼす影響を,W杯の観戦という視点から考察すること,そして,その影響の違いを日本と韓国で比較検討することである.調査対象はW杯を観戦した中学生である.本研究は行動に対する態度と意図に着目した.これらの概念は人々の行動を予測する際に重要だとされている.そのため,W杯後の態度、意図の変化を明らかにすると同時に,日本と韓国での変化の違いを明らかにした.分析の結果,W杯を観戦した中学生のサッカー行動に対する態度,意図は有意に向上したことが明らかになった.そして,その変化は韓国の方が日本よりも大きかった.次に,W杯前にサッカーを実施していなかった生徒を村象に分析を行った.結果,両国ともにサッカー行動に対する態度,意図が有意に向上していた.これらのことから,W杯の観戦はW杯前にサッカーを実施していなかった生徒にも影響を及ぼしたことが明らかになった.これらの結果から,W杯の観戦は日本と韓国における中学生のサッカー行動に影響を及ぼし,特に,韓国において影響が強いことが明らかになった.これら結果は「みる」スポーツは「する」スポーツに影響を及ぼすことを示唆している.
著者
小林 隆志 村木 太一 直井 聡 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.715-726, 2005-03-01
被引用文献数
9

我々はこれまでに, 講義や研究発表などで使用されるプレゼンテーションの資料と動画をメタデータによって統合し蓄積する手法と, その統合されたデータの特性にあった適合度指標を利用した検索手法であるUPRISE (Unified Presentation Slide Retrieval by Impression Search Engine)を提案してきた.本論文では, UPRISEを適用した蓄積検索システムを実現するために, 多様なコンテンツを格納し検索できるメタデータ定義とその抽出方法を議論し, UPRISEを用いた統合コンテンツの蓄積検索の実現方法に関して議論する.また実際に蓄積検索システムのプロトタイプを作成することでその有効性を確かめる.
著者
林 美朗
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子大学紀要 (ISSN:02870525)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.181-192, 2004-03-31

症例は18歳、女性。主訴は大量服薬と過食嘔吐。高校1年の時より陸上部に籍を置いていたが、記録を伸ばすため、2年時より節食するようになる。3年時の春からは過食嘔吐も始まり、生活が乱れ、精神的にも不安定になった。自殺企図も見られたため、一時入院。以後、外来で精神療法的に関わりながら絵画療法・薬物療法等を併用した。筆者は、症例の高校生活の最後に「賞状をとるんだ」という目標を支持的に受容し、そのために生活の乱れの改善といったまずできることから始めて、「なかなか伸びない記録の代わりの成果のように錯覚していた」という過食嘔吐を、自由に自己を解放することに振り向けるよう誘導した。その結果、卒業直前の最後の駅伝大会では3位入賞を果たし、過食嘔吐も次第に抑制されてきた。また自らの闘病記を記した高校の「卒業論文」が佳作に入って、さらに症状の安定化が見られるようになった。症例は「卒業論文」は書くのがとてもつらかったと述懐していたが、本稿ではその「卒業論文」を症例の承諾が得られたので提示し、「書くこと」の自己治療的な効果を中心に、さらに若干の考察を試みた。
著者
中野 弘一 坪井 康次 村林 信行 山崎 公子
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.219-224, 1994-03-01

ライフサイクルの観点から中年期の生活を考えてみると, 社会的には職場における適応が大きな問題となっている。本論文では職場での適応について, 1つは不適応の代表として出社困難症例を検討し, もう1つは適応過剰のため心身症を発症し適応が破綻していった症例を考案した。不適応事例については, 東邦大学心療内科を受診し, 継続勤務が不良であった105例につき調査した。受診経路については, 女子では他人に勧められて来院するよりも自ら進んで来院するものの方が多く認められた(p < 0.05)。また初診までの期間別にみた復職状況では, 男子は1年以上たって受診したものは復職できているものが少なかった(p < 0.01)。さらに初診時における勤務状況別の復職者の割合については, 男子は現在の勤務状況に関連していたが, 女子では勤務状況との関連を認めなかった(p〈0.05)。また職場不適応の年代のピークは男女とも20歳代に認められ, もう1つのピークは40歳代で男性にのみ認められた。この現象は, 女性には中年の危機が存在しないのではなく, 社会進出した女性群が40代のピークを未だ迎えていないためと考えられた。さらにVDT障害による不適応の場合は他の職種に比べて不適応が早期に出現するが, これはコンピューターを使っての作業は専門性が高く, 他の人の協力や交替が得にくいためと考えられた。過剰適応については, (1)ライフスタイルの乱れから消化性潰瘍とうつ状態を呈し, 症状軽快後は外来での生活指導を拒否してしまった症例と, (2)過敏性腸症候群とともに肥満, 高血圧, 高脂血症, 高尿酸血症などのいわゆる成人病を呈し, 入院中は節制した生活をし症候全体が軽快していったが, 退院後1ヵ月で治療前の状態に戻ってしまった症例を示した。2症例を通じて, 中年期心身症の生活指導や行動変容は寛解と増悪を繰り返し, 難航するものが少なくないことを示した
著者
小林 巌雄 立石 雅昭
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.37, pp.53-70, 1992-03-15
被引用文献数
8

新生代の新潟地域に分布する新第三系〜下部更新統の層序の資料を整理し, 対比を再検討した。これらの資料に加えて, 堆積相・化石相に基づき, 8つの時代の古地理図を描き, 古環境の概略を論じた。1. 前期中新世(18 Ma)の三川期:佐渡・岩船-津川地域で陥没盆地として発生した陸上の堆積盆に主に安山岩〜流紋岩の火砕岩類と砕屑岩類が堆積した。冷涼な気候であった。2. 前期/中期中新世(16-15 Ma)の津川-七谷期:著しい海進が広域に起こり, 暖流で洗われた多島海の海域が出現した。気候は温暖となり, 暖流系の各種生物群が生息した。後半に下部浅海ないし半深海へと変わった。3. 中期中新世の中頃(14-13 Ma)とその後半(11-9 Ma)の寺泊期:海が深くかつ拡大し, 温帯水域の海洋へと推移した。当時深海下にあった頸城地域に広大な海底扇状地が成長し, 佐渡〜新潟油田地域の北部では珪藻質軟泥が厚く堆積した。さらに, 玄武岩質の海底火山が佐渡地域などで噴出した。4. 後期中新世(7 Ma)の椎谷期:堆積盆の東側に当たる脊梁地域および海域全体に起きた大きな変動は, 古海洋に様ざまな変化をもたらした。地球規模の変動もこの時代に起こり, その影響もうけて海洋・陸上生物群が変化した。とくに, 北北東-南南西方向のトラフが成長し, 東側がらもたらされた粗粒堆積物で埋積された。5. 前期鮮新世(4 Ma)の西山期前半:脊梁山地側の隆起が進行したが, 一方海盆は再び拡大し, 暖流が流入する縁海としての日本海が顕在化した。海底の火山活動が活発化した地域もあった。6. 後期鮮新世/前期更新世初頭(3-1.5 Ma)の西山期後半〜灰爪期前半:東側の隆起と南側の海退が急速に進行し, 陸地が広く現れた。寒流の影響も受けはじめ。南方系の生物群とともに北方系の生物群が渡来した。海底の一部が隆起帯を形成したり, 佐渡・弥彦地域などでは陸地が出現した。7. 前期更新世(1 Ma)の灰爪期後半:新潟堆積盆地の中部・現在の日本海域を除いて, 新生代の堆積盆が陸化し, 扇状地や海岸平野が出現した。海水準変動による海進と海退が繰り返され, 暖期には南方系の海棲動物が北上した。