著者
寺戸 綾佑 林田 守広
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2019-MPS-122, no.14, pp.1-2, 2019-02-21

サイバー攻撃に対する防御法として,ネットワークベース侵入検知システム (Network-based Intrusion Detection System : NIDS) による攻撃の検知が挙げられる.本研究では,NIDS 評価用データセット Kyoto 2016 Dataset に対して勾配ブースティング木を用いることで,サイバー攻撃の検知精度向上を目指す.
著者
伊藤 華江 保沢 こずえ 牧野 伸二 近藤 玲子 熊谷 知子 平林 里恵 関口 美佳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.191-196, 2009-11-30
被引用文献数
2 1

<B>【目的】</B>プリズム非装用時と眼鏡内組み込みプリズムレンズ、膜プリズム装用時の視力、コントラスト感度、高次収差を比較検討した。<BR><B>【対象と方法】</B>屈折異常以外に眼疾患のない正常者20例20眼(21~47歳、平均28.8歳)を対象に、屈折矯正下でプリズム非装用下(装用なし群)、8Δ組み込みプリズム装用下(組み込み群)、8Δフレネル膜トライアルレンズ装用下(膜プリズム群)の視力、コントラスト感度、高次収差を測定した。コントラスト感度は、CAT-2000™(ナイツ)を用い、昼間視の状態で100%、25%、10%、5%、2.5%で測定した。高次収差はKR-9000PW™(トプコン)を用い、瞳孔測定径4mmのコマ様収差(S3)、球面様収差(S4)、全高次収差を測定した。<BR><B>【結果】</B>視力(logMAR)は装用なし群の-0.08±0.0に比較すると、組み込み群では-0.07±0.02と有意差はなかったが、膜プリズム群では0.04±0.10と有意に低下した(p<0.001)。コントラスト感度は装用なし群と組み込み群ではいずれのコントラストでも有意差はなかったが、膜プリズム群では有意に低下した。高次収差は装用なし群と組み込み群ではS4で有意差がなかったが、S3、全高次収差は組み込み群で有意に大きく(p<0.05)、膜プリズム群ではS3、S4、全高次収差の全てで有意に大きかった(p<0.005)<BR><B>【結論】</B>眼鏡内に組み込み可能な8Δまでの組み込みプリズムでは、同じ度の膜プリズムに比べ、視機能への影響は少ないことが推測された。
著者
林 壮一 川村 康文 村上 聡
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.191-196, 2015

東日本大震災後に高等学校で物理を学習した生徒に対して,高校時代の物理で実施した実験や放射線に関する講義・実験や実習などの調査をアンケートによって行った。その結果,物理実験を行った経験のある生徒の割合は,山崎らが調査した結果に比べて増加していた。しかし,放射線に関する講義や実験,実習の経験のある生徒は全体の10%以下であり,山崎らの調査結果同様にその実施の割合は少ないままだった。このことから,東日本大震災後であっても,放射線に関する学習がほとんど実施されていないことが明らかとなった。
著者
小林 悦郎 植松 喜稔 須貝 稔 樋口 美起雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.8, pp.1319-1325, 1981-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

酸化チタン(IV)-水和物(メタチタン酸)と活性炭から複合体を調製し,このもののリン酸イオン,メチレンブルー,ヨウ素,有機物質などの吸着特性を研究した。メタチタン酸の原料には酸化チタン(N)製造における中間体としてのTiOSO4の硫酸溶液(TiO2250g,H2SO41044g/l)を用いた。吸着剤としての複合体はつぎのようにして調製した。適量のTiOSO4の硫酸溶液と粒状活性炭とをまぜあわせ,混合物を180℃ に加熱して過剰の硫酸を除き,活性炭に添着した酸化硫酸チタン(IV)を水洗してメタチタン酸に加水分解したのち,生成物を乾燥した。適当な調製条件(5mlTiOSO,溶液/10g活性炭)で得た複合体は市販メタチタン酸と同程度のリン酸イオンを吸着(Freundlich式;q=kc1/nのk値は17~19mg-PO43-/g-吸着剤)し,複合体中に含まれたメタチタン酸の質量あたりに換算したリン酸イオンの吸着量は市販メタチタン酸のそれの約10倍の値を示した。複合体はまた縮合リン酸イオンを吸着した。吸着等温線の傾きFreundlich式の1/nは,オルトリン酸イオンではO.116,三リン酸イオンでは0.261であった。複合体は担体としての活性炭の特性を活かし,メチレンブルー,ヨウ素,有機物質(フェノール)などを吸着した。それらのものに対する吸着能は複合体の調製条件におけるTiOSO,溶液(ml)と活性炭(g)との比の増大によって減少した。カラム試験では複合体中に吸着されたリン酸イオンは,2N水酸化ナトリウム溶液と水で溶離され,のち吸着剤は酸で再生した。
著者
林 典雄 浅野 昭裕 青木 隆明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CaOI1021, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】肘関節周辺外傷後生じる伸展制限に対する運動療法では、特に終末伸展域の改善には難渋することが多い。その要因について筆者らは、上腕筋の冠状面上での筋膜内における筋束の内側移動、上腕骨滑車を頂点とした遠位筋線維の背側へのkinkig、加えて長橈側手根伸筋の筋膜内後方移動、上腕骨小頭と前面の関節包と長橈側手根伸筋のmusculo-capsular junctionでの拘縮要因などについて、超音波観察を通した結果を報告してきた。一方、肘伸展制限は前方組織にのみ由来するわけではなく、肘伸展に伴う後方部痛の発生により可動域が制限される症例もまれではない。このような肘終末伸展に伴う後方部痛は、関節内骨折後の整復不良例や肘頭に発生した骨棘や遊離体が原因となる骨性インピンジメントを除けば、後方関節包の周辺組織の瘢痕や関節包内に存在する脂肪体に何らかの原因を求めていくのが妥当と考えられる。本研究の目的は、後方インピンジメント発生の好発域である30°屈曲位からの終末伸展運動における肘後方脂肪体の動態について検討し、運動療法へとつながるデータを提供することにある。【方法】肘関節に既往を有しない健常成人男性ボランティア10名の左肘10肘を対象とした。肘後方脂肪体の描出にはesaote社製デジタル超音波画像診断装置MyLab25を使用した。プローブは12Mhzリニアプローブを用いた。方法は、被験者を測定台上に腹臥位となり、左肩関節を90°外転位で前腕を台より出し、肘30°屈曲位で他動的に保持した。その後徐々に肘を伸展し、15°屈曲時、完全伸展時で後方脂肪体の動態を記録した。 画像の描出はプローブにゲルパッドを装着して行った。上腕骨後縁が画面上水平となるように肘頭窩中央でプローベを固定すると、上腕骨後縁、肘頭窩、上腕骨滑車、後方関節包、後方脂肪体、上腕三頭筋が画面上に同定される。その後、上腕骨後縁から肘頭窩へと移行する部分で水平線Aと垂線Bを引き、水平線Aより上方に位置する脂肪体と垂線Bより近位に位置する脂肪体それぞれの面積を計測し、前者を背側移動量、後者を近位移動量とした。脂肪体面積の計測はMyLab25に内蔵されている計測パッケージのtrace area機能を使用した。統計処理は一元配置の分散分析ならびにTukeyの多重比較検定を行い有意水準は5%とした。【説明と同意】なお本研究の実施にあたっては、本学倫理委員会への申請、承認を得て実施し、各被験者には研究の趣旨を十分に説明し書面にて同意を得た。【結果】背側移動量は30°屈曲時平均26.7±10.5mm2 、15°屈曲時平均42.2±16.1mm2 、完全伸展時平均59.7±15.5mm2であった。完全伸展時の脂肪体背側移動は、30°屈曲時、15°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時との間には有意差はなかった。近位移動量は30°屈曲時平均5.4±2.9mm2 、15°屈曲時平均11.9±8.4mm2 、完全伸展時平均20.6±10.8mm2 であった。完全伸展時の脂肪体近位移動は、30°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時、15°屈曲時と完全伸展時との間には有意差はなかった。【考察】本研究で観察した後方脂肪体は滑膜の外側で関節包の内側に存在する。肘後方関節包を裏打ちする形で存在するこの脂肪体は、超音波で容易に観察可能であり、薄い関節包の動態を想像する際に、伸展運動に伴う脂肪体の機能的な変形を捉えることで、間接的に後方関節包の動きを推察することが可能である。今回の結果より後方脂肪体は、肘の伸展に伴い肘頭に押し出されるように機能的に形態を変形させながら、より背側、近位へ移動することが明らかとなった。この脂肪体の移動は併せて関節包を背側近位へと押し出す結果となり、後方関節包のインピンジメントを回避していると考えられた。我々は以前に後方関節包には上腕三頭筋内側頭由来の線維が関節筋として付着し、肘伸展に伴う挟み込みを防ぐと報告したが、後方脂肪体の機能的変形も寄与している可能性が示唆された。投球に伴う肘後方部痛症例や関節鏡視下に遊離体などを切除した後の症例で伸展時の後方部痛を訴える例では、後方脂肪体の腫脹像や伸展に伴うインピンジメント像をエコー上で観察可能であり、肘後方インピンジメントの一つの病態として認識すべきものと考えられた。【理学療法学研究としての意義】実際の運動療法技術においては、後方関節包自体の柔軟性はもちろん、肘頭窩近位へ付着する関節包の癒着予防が脂肪体移動を許容する上で重要であり、内側頭を含めた上腕骨からの引き離し操作も拘縮治療を展開するうえでポイントとなる技術と考えられる。
著者
Crichton Michael 小林 収
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1066, pp.68-72, 2000-11-13

問 クライトンさんの最新作『タイムライン』はいわゆる時間旅行(タイムトラベル)物ですが、「量子テレポーテーション」という最新のテクノロジーを使って、現代の若者たちが14世紀のフランスに行くという設定がとても斬新でした。ただ、疑問も感じたんです。もっとエキサイティングな時代と場所があるはずなのに、なぜ14世紀のフランス、つまり中世の西欧を選んだんでしょう。
著者
林 聖子 岡田 薫 川喜田 健司
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.45-53, 2010-03-15 (Released:2013-06-26)
参考文献数
24

To investigate underlying mechanism of subjective pain ⁄ numbness sensation following ischemia-reperfusion of upper arm, we examined the changes in skin blood flow (SBF) and current perception threshold (CPT). Eighteen healthy volunteers with informed consents were used. A 140 mm wide tourniquet cuff was inflated to 200 mmHg and maintained for 15 min at non-dominant upper arm. SBF was measured by Laser Doppler flow meter before, during and after ischemia at the index finger. Magnitude of the evoked pain ⁄ numbness sensation after ischemia-reperfusion was recorded by VAS with an electric device continuously. CPT was measured by 5, 250, 2000 Hz of sine-waves randomly applied to the index finger. SBF was increased immediately after reperfusion in all the subjects. Pain ⁄ numbness sensation was also evoked after reperfusion in all subjects.But baseline SBF, increased SBF and magnitude of subjective sensation after reperfusion were different among individuals. Correlation between changes of SBF and magnitude of subjective sensation measured by VAS did not show statistical significance. After ischemia-reperfusion, significant increases of CPT were observed in 250 and 2000 Hz (baseline vs. after reperfusion, p<0.01). The sine-wave stimulation of 5, 250 and 2000 Hz were assumed to activate C, A-delta and A-beta fibers, respectively. The production of pain ⁄ numbness sensation was accompanied with the significant increases of CPT at 250 and 2000 Hz after reperfusion. These results suggest the participation of A fibers in the production of pain ⁄ numbness sensation evoked by ischemia-reperfusion.
著者
林 慎一郎 室町 泰徳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.853-858, 2008-10-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では、東京都、神奈川県内から平成19年8月1日に放置車両取締り関係事務の民間委託が行われた4地域を選定し、制度変更前後で駐車している車利用者を対象としたアンケート調査を行った。この2回のアンケート調査結果を基に、違法駐車取締りの制度変更が車利用者の意識にどのような影響を与え、それと共に車利用者の駐車行動がどのように変化したのかを検討した。本研究の主な結論としては、1回目のアンケート調査において、路上を選択した車利用者の内、31%が2回目のアンケート調査において、駐車場を選択したことがわかった。また、駐車場所選択ロジットモデルの推定結果より、徒歩時間、駐車料金、反則金の意識などの通常の変数の他、車利用者の意識を表す変数のパラメータが有意に推定された。また、このような意識を表す変数を組み込んだモデルの方が取締り制度変更後の車利用者の行動をより良く説明できることが示され、車利用者の意識変化が駐車取締り制度の変更前後において、駐車場所選択行動に影響を与えたことが明らかにされた。
著者
林田 隆幸 酒向 達也 井上 浩史 本宮 嘉弘 福山 邦男
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.183-186, 2005

In this study, the authors investigated the effectiveness of using a computer simulation for a traffic accident. The accident being simulated was a highway head-on collision caused by a tire blowout on a truck. The accident was investigated in great detail through observing the behavior of the vehicles by reconstructing the accident using various data collected, of which included skid marks left on the road and damage of the vehicles from the computer founded data. Furthermore, the circumstances of the accident were reconstructed in animation to included view of those persons involved (drivers, eye witness) and the efficacy of the accident was examined through the computer simulation.
著者
渡部 哲史 山田 真史 吉田 奈津妃 佐々木 織江 神谷 秀明 田中 智大 丸谷 靖幸 峠 嘉哉 木村 匡臣 田上 雅浩 木下 陽平 林 義晃 池内 寛明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.260-265, 2017
被引用文献数
1

&emsp;平成29年2月18,19日に東京大学本郷キャンパスにおいて,合計16名の参加者により第6回目となるWACCA (Water-Associated Community toward Collaborative Achievements)meetingを開催した.第6回となる今回は各自の研究内容を理解し,多様なスケールで展開される様々な水関連研究の現状やそれぞれが抱える課題,それらを克服するために必要なブレークスルーについて考える機会を設けた.各自の研究発表を基に,様々な研究分野に共通する課題やブレークスルーなど研究に関する議論や,アウトリーチのような活動に関する情報共有,その他研究を進める上で感じていること等の意見交換を行った.本報告ではそれらの議論の概要について記す.
著者
関川 修司 長尾 泰孝 辰巳 菜津子 大西 直樹 小林 紀明 原田 義規 前田 利郎 丸山 恭平 岡上 武
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.583-586, 2003 (Released:2008-02-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

症例は, 17歳, 女性. 黄疸と全身倦怠感を主訴に受診した. 肝胆道系酵素の著明な上昇を認めたが, 各種肝炎ウイルスマーカー, 抗核抗体などはすべて陰性であった. 梅毒血清反応強陽性で, 扁桃梅毒, 足底にバラ疹を認め, 二期梅毒と診断した. 早期梅毒性肝炎を疑い, amoxicillin(AMPC)内服を開始後, 肝機能検査値, 黄疸, 梅毒症状は速やかに改善した. 肝生検所見も早期梅毒性肝炎に矛盾しないものであった. 早期梅毒性肝炎で黄疸の出現する例は少なく, 若干の考察を加え報告する.
著者
小林 茂之
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学論叢 (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.237-248, 2009

古代日本語における主要部内在型関係節は,Kuroda(1974)や近藤(1981)によって統語論的観点から研究されてきた。黒田は,「の」が先頭位置を占めることに着目し,制約(the Pivot Initial Constraint) を提案した。これは,Kayne(1994)などの線状性に関する理論にとって興味深い問題であり,竹沢・Whitman(1998)は,Kayne の仮説に従って,日本語のDP 構造を分析している。当研究も,通時統語論的観点からこの仮説を検討する。近藤は,黒田より広い範囲の主要部内在型関係節を3タイプに分類した。本稿は,これらの一つから他の発達を構造の再分析を通した文法化として分析する。音韻的縮約は文法化を示す(Roberts and Roussou 2003)。本稿は,「の」の変化に伴うアクセントの縮約を指摘し,これが「の」の再分析を支持することを論じる。