著者
浅田(梶原) 彩子
出版者
奈良女子大学社会学研究会
雑誌
奈良女子大学社会学論集 (ISSN:13404032)
巻号頁・発行日
no.17, pp.189-207, 2010

清水新二教授退職記念号
著者
高橋 裕史 梶 光一 吉田 光男 釣賀 一二三 車田 利夫 鈴木 正嗣 大沼 学
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.45-51, 2002-06-30
被引用文献数
6

洞爺湖中島において移動式シカ用囲いワナの一種であるアルパインキャプチャーシステム(Alpine Deer Group Ltd., Dunedin, New Zealand)を用いたエゾシカ Cervus nippon yesoensis の生体捕獲を行った.1992年3月から2000年2月までに,59日間,49回の捕獲試行において143頭を捕獲した.この間,アルパインキャプチャーの作動を,1ヶ所のトリガーに直接結びつけたワイヤーを操作者が引く方法から,電動式のトリガーを2ヶ所に増設して遠隔操作する方法に改造した.その結果,シカの警戒心の低減およびワナの作動時間の短縮によってシカの逃走を防止し,捕獲効率(捕獲数/試行数)を約1.1頭/回から3.5頭/回に向上させることができた.
著者
伊藤 岳史 岩堀 裕介 筒井 求 梶田 幸宏 花村 浩克
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.598-601, 2017

16歳女性,ハンドボール選手.ハンドボール中に右肩水平外転肢位を強制され,右肩関節が亜脱臼した.その後,右肩脱臼不安感が持続するため当科受診した.外傷性肩関節前方不安定症と診断し,Bankart損傷とSLAP損傷および関節上腕靭帯上腕骨側剥離(HAGL)損傷の鏡視下修復術を行った.術後に腋窩神経固有支配領域の知覚低下と三角筋麻痺を確認し,針筋電図検査にて三角筋に脱神経電位を認めたため,術後3か月時に腋窩神経剥離術を行った.HAGL修復に用いた縫合糸が腋窩神経を貫通し結紮していた.糸を除去した上で神経剥離術を行った.神経症状は良好に改善し,再手術後6か月でハンドボールに完全復帰した.HAGL損傷の鏡視下修復術の際には腋窩神経損傷の危険性を念頭に置いて慎重に行う必要がある.
著者
土井 修一 山崎 貴司 安岡 茂和 甲斐 拓也 梶原 剛史 夘野木 昇平
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.96-98, 2021

正極活物質に大気中の酸素を用いる次世代二次電池「水素/空気二次電池」において、ガス拡散電極(空気極)は、酸素を還元・発生させる役割を担うため、水素/空気二次電池の特性に大きな影響を与える。本研究では、放射光を利用した高分解能X線CTを用いて、Bi<sub>2</sub>Ru<sub>2</sub>O<sub>7</sub> 触媒、Ni 粉末及びポリテトラフルオロエチレン (PTFE) で構成される空気極の内部構造の調査を目的として、非破壊観察を試みた。また、実際にX線CT像を取得しながら観察用の試料作製方法を検討した結果、試料をキャピラリーに充填する方法が良いことが分かった。測定の結果、空気極内部に触媒粒子の凝集物や大きな空隙が存在しており、空気極の課題を抽出することができた。
著者
土井 修一 安岡 茂和 石田 潤 甲斐 拓也 梶原 剛史 夘野木 昇平
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.83-87, 2021

ニッケル水素電池の負極として用いられる RE–Mg–Ni–Al (RE: 希土類元素)系の水素吸蔵合金について、電池反応と固気反応における結晶構造の変化を放射光粉末X線回折により調べた。民生用のニッケル水素電池として使用実績のある合金を用いた測定の結果、主相 A<sub>2</sub>B<sub>7</sub>(2H) 相の回折ピークに関し、電池の寿命末期に近い 600 サイクル充放電を行った試料と 80℃ での水素ガスによる固気反応5サイクルの試料を比較すると、処理前の合金からのピーク位置の変化量はほぼ同じであったが、ピーク形状が異なることが明らかとなった。電池反応と固気反応では、格子歪みや結晶子サイズの観点で、水素吸蔵・放出の結晶構造への影響が異なると推測される。
著者
梶原 剛史 夘野木 昇平 甲斐 拓也 土井 修一 安岡 茂和
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.270-274, 2017

正極活物質に大気中の酸素を用いる次世代二次電池「水素/空気二次電池」の開発に向け、放射光粉末X線回折を用いて、酸素還元・発生の二元活性を持つBi<sub>2</sub>Ru<sub>2</sub>O<sub>7</sub>パイロクロア型酸化物触媒の結晶構造を調査した。触媒試料は、共沈法により調製した前駆体を焼成することで作製するが、共沈時に分散剤を加えた試料は結晶子サイズが小さく副生成物が減少したが、電池評価では放電電圧が低下した。
著者
森 昭裕 梶田 和男 山北 宜由 森田 浩之 村井 敏博 安田 圭吾 杉浦 正彦 三浦 清
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1147-1161, 1991-10-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

Recently several types of anti-pituitary-antibodies (APA) have been found in patients with pituitary disorders including hypopituitarism and diabetes incipidus, and in postpartum women. However, the pathophysiological role(s) of APA still remains unknown. In order to elucidate the clinical significance of APA, longitudinal follow-up and family study of APA in patients with hypopituitarism were performed.APA in serum was examined in a total of 11 patients with various types of hypopituitarism (7 of isolated ACTH deficiency, 1 of partial hypopituitarism, 3 of Sheehan's syndrome, 6 males and 5 females). Chronic thyroiditis was associated in 3 out of 7 patients with isolated ACTH deficiency, and empty sella was found in each one patient with isolated ACTH deficiency and partial hypopituitarism, and in 3 patients with Sheehan's syndrome. APA was examined on 2 or 3 occasions at more than a 6 month interval (longitudinal study). In 5 patients, their 16 family members were examined for the presence of APA, and pituitary functions were evaluated in 3 out of 7 family members with positive APA (family study). For pituitary function tests, arginine infusion test, TRH, LH-RH or CRH test and insulin tolerance test were performed. APA reacting to rat pituitary cytoplasmic antigens (pituitary cell antibodies: PCA) and APA reacting to rat GH3 cells and/or mouse AtT20 cells surface antigens (pituitary cell surface antibodies: PCSA) were assayed with indirect immunofluorescence method.At the initial examination, 6 out of 11 patients (55%) showed positive APA. Thepatients were divided into 3 subgroups according to the longitudinal study: the group with disappearance of initially positive APA (3 patients), the group with altered titers or types of initially positive APA (3 patients), and the group with sustained initially negative APA (4 patients). No effects of replacement therapy on the alterations of APA were observed.In 16 family members of 5 patients (each 1 with partial hypopituitarism and isolated ACTH deficiency syndrome, and 3 with Sheehan's syndrome), APA in their sera were investigated. Seven out of 16 members (44%) showed positive APA. Among 6 first-degree relatives of 16 family members, both or either one of APA and PCSA were positive in 4 (67%). Out of 10 of their second- or third-degree relatives, 3 (30%) were positive for PCA or PCSA. All of 3 relatives with positive APA studied showed mild pituitary hypofunction without any clinical manifestations.These results suggest the possibility that autoimmune mechanism-induced hypofunction as well as hereditary background might participate in the pathogenesis of some hypopituitarism, and that APA might have a causative role in such disorders.
著者
橋本 泰樹 梶山 朋子 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.73-76, 2014

2006年に発売されたソニー・コンピュータエンタテイメントのPlayStation 3(PS3)は、同時期に発売された任天堂のWiiに市場シェアの獲得で遅れをとった。これまで、PS3の失敗要因については、「イノベーションのジレンマ」に代表されるように、本体(ハード)の問題を中心に議論されており、ゲーム機の特徴である補完財(ソフト)の側面からは十分な議論がされてこなかった。そこで、本研究では、ソフトがハードに与える間接的ネットワーク効果に着目し、PS3の失敗要因の解明を目的とした。分析の結果、PS3ソフトは多くが既存ソフトを活用して作られていること、それによりPS3ではネットワーク効果が働かなくなったことを明らかにした。
著者
大川 裕行 坂野 裕洋 梶原 史恵 江西 一成 田島 文博 金森 雅夫 緒方 甫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0782, 2005

【はじめに】車いすマラソンは障害者スポーツの中でも過酷な競技の一つである.選手のコンディションを把握できれば安全な競技運営に加え,高いパフォーマンスの発揮を可能にすることが考えられる.そこで,マラソン競技の前後で選手の疲労度とストレス,免疫機能を調査し若干の知見を得たので報告する.<BR>【方法】第23回大分国際車いすマラソン大会出場選手中,協力の得られた選手59名を対象とした.その中でデータの揃っている者46名(平均年齢37.3±10.4歳,フルマラソン出場選手22名,ハーフマラソン出場選手24名,男性44名,女性2名,クラス2;7名,クラス3;39名)の結果を検討した.調査項目は,心拍数,血圧,主観的疲労度,コルチゾール,免疫グロブリンA(IgA),競技順位とした.心拍数と血圧は競技前日に測定した.競技前日,競技開始直前,競技終了直後,競技翌日に主観的疲労度をvisual analog scaleで測定し,同時に採取した唾液からコルチゾール,IgAを測定した.調査実施に際しては十分な説明を行い,文書による同意を得て行った.<BR>【結果】測定期間中にコルチゾール,IgAともに正常範囲から逸脱した選手はいなかった.選手の競技前日の心拍数と競技順位,コルチゾールには有意な相関関係が認められた(p<0.05).競技前日を基準として競技直前,競技直後,競技翌日の変化率を求めたところ,主観的疲労度は45.6%,214.1%,58.7%,コルチゾールは73.5%,91.0%,30.0%,IgAは2.0%,5.0%,10.0%に変化していた.競技前日の主観的疲労度,血圧,IgAと競技順位には関係を認めなかった. <BR>【考察】選手の主観的疲労度は競技終了直後にピークを示し,競技翌日にも競技前日の値に戻っていなかった.選手は競技翌日にも中等度の疲労を感じていた.一方,ストレスホルモンであるコルチゾールは競技翌日に競技前日の値に戻っていた.選手の主観的疲労度と客観的なストレス指標には乖離があることが分かった.競技前日のコルチゾールが競技前日の心拍数と有意に相関し,競技順位と有意に相関したことは,トレーニングにより一回拍出量が増加し安静時心拍数が低下している選手,競技開始前に落ち着きを保っている選手は競技成績が優れているという結果を示すものである.IgAの値は競技翌日にピークを示した.選手の主観的疲労度とは異なり車いすマラソンにより高まった選手の免疫機能は運動後にさらに向上していた.選手にとって車いすマラソンは免疫機能を高める適度な運動強度である事が示唆された.さらに詳細な調査を続けることで選手の安全管理と競技力向上へ有益な情報が提供できる可能性がある.
著者
久保 ゆき子 高島 康裕 中武 繁寿 梶谷 洋司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.881-888, 2000-04-15
参考文献数
10
被引用文献数
8

平面配線領域上に指定された複数の点を相互に結ぶスタイナ木を別のスタイナ木へ変換するアルゴリズムFlipを提案する.これは,現スタイナ木の1枝をそれを含む面上のパスで迂回させる操作である.Flipは高速で働き,また任意のスタイナ木から任意のスタイナ木へ多項式回の適用で到達できることが証明できるので,VLSI配線における複雑な評価に対する有効なアルゴリズムになる.Flipは,2層HV配線領域のスタイナ木にも適用できるよう拡張される.例として採用した総配線長,クロストーク,スキュー,VIA数などの複合評価関数に対応する実験では,従来の構成的手法では達成できない特徴を有する結果を得ることができた.また,類似の手法であるrip-up and reroute手法との差異を付録で論ずる.Given a Steiner tree thatconnects designated terminals on a plane routing area, the Flip isdefind as a procedure that makes a current Steiner tree change itsconfiguration.It is to replace one of the edges of the Steiner treewith a detour on an adjacent face.Since the procedure runs quickly, and the reachability is proved, theidea can be a useful routing algorithm if it is implemeted bysimulated annealng.The idea is enhanced to the 2-layer HV routing.The performance of the algorithm was experimented for multipleobjectives.Some unique and satisfiable results were observed.The difference from the rip-up and reroute strategy is discussed in Appendix.
著者
梶 兼太郎 中田 託郎 青木 基樹 大岩 孝子 望月 健太朗 大鐘 崇志
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.28-31, 2014-12

アルコール性肝障害による極度の低血糖が原因と思われる心肺停止蘇生後,葉酸欠乏性貧血,痛風発作の既往がある60歳代男性.入院1週間前に腰痛が出現しほぼ寝たきりとなり,全身の振戦が出現したため当院に救急搬送され,腎盂腎炎に伴う敗血症性ショックが疑われ当科入院となった.血液・尿培養ともにKlebsiella pneumoniae(K. pneumoniae)が検出され,感受性のあるセフメタゾール投与にて治療を開始したが,発熱が遷延し,腰椎化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍,肺膿瘍を併発したため,メロペネムを第18から44病日まで投与し,computedtomography(CT)で膿瘍の改善を認めた.本症例はK. pneumoniaeに感受性のあるセフメタゾールを投与したにもかかわらず,化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍,肺膿瘍を合併し,治療に難渋した.糖尿病やアルコール中毒などの基礎疾患を伴うK. pneumoniaeの敗血症では,全身の多発膿瘍出現を考慮して治療方針を選択する必要がある.