著者
梶山 純 松八重 一代 長坂 徹也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.74, 2010 (Released:2011-02-14)

リンは農業分野における食糧生産に欠かせない元素であり、肥料の他、化学工業分野でも使用されている。しかし原料であるリン鉱石は世界で遍在しており、リンは近年資源戦略化している。そのため国内でリンの安定供給を図るためには、国内に循環するリンの有効利用、再資源化が必要である。そこで本研究ではリンのマテリアルフローを作成し、国内のどこにどれくらい回収可能なリン資源が存在し、回収したリンをどこに再利用すれば良いのかを推計・考察した。
著者
梶原 洋子 樽本 つぐみ
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.32, pp.23-31, 1998-12

更年期をよりよい状態で生存するための方策として、日常の運動習慣が如何なる影響を及ぼしているのかを検討するために、ランニングを取り上げ、更年期に当たる女子ランナーの不定愁訴や気分の特徴などを、同年齢の一般女性と比較し、以下の結果を得た。 更年期にあるランナーは年齢に有意差のない健常な一般女性に比べて、更年期障害およびその中等度以上の有症状の発症頻度は有意に低値で、POMSからみた気分の状態もランナーの方が良好とされる典型的な氷山型のプロフィールを示し、メンタルヘルスも良好なことが窺われた。また、更年期の女性ランナーは低年齢の実業団選手に比べて「憂鬱」の尺度が有意に低値で、POMSのプロフィールもエリートランナーと同様に、良好なプロフィールとされる氷山型を示した。すなわち、現在のライフスタイルの中にランニングという身体活動を習慣化し、じょうずに構築している女性ランナーは心身ともに健康的で、ランニングがquality of life (QOL)の向上に好影響を及ぼしていることが明らかになった。
著者
小玉 一樹 戸梶 亜紀彦
出版者
広島大学マネジメント学会
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
no.10, pp.51-66, 2010-03

組織に対する労働者の帰属意識を説明する概念は, 組織論の観点から組織コミットメントが幅広く研究されてきた。本研究では, 社会心理学の観点から帰属意識を自己の側面からも検討した。本研究では, 社会的アイデンティティ理論および自己カテゴリー化理論を組織の文脈に援用した概念である組織同一視(Organizational Identification)に着目し, 先行研究のレビューを行った。その目的は, (1)組織同一視の再定義, (2)組織同一視および, その類似概念である組織コミットメントの構成概念の明確化, (3)組織同一視と組織コミットメントを弁別した上での理論モデルの検討であった。まず, 先行研究を検討し, 組織同一視を再定義した。つぎに, 組織同一視には認知的要素と情緒的要素があり, それらが相互に作用していることを指摘した。さらに, 組織同一視と組織コミットメントの構成概念の比較を行い, 双方を統合した理論モデルを提示した。以上の研究により個人の組織への帰属意識に関する研究に新たな視点を加えた。
著者
梶田 真
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.201-217, 2019-12-28 (Released:2020-04-01)
参考文献数
29
被引用文献数
3

山村における全日制普通高校の設置は,地域子弟の高校皆進学化の実現において重要な役割を果たした。本稿では,岩泉高校小川校を事例として,全日制転換後,子弟の進学行動がどのように変化していったのかを考察した。小川校の全日制転換は,小川地区の子弟の高校進学の道を大きく広げたが,少子化による地元子弟数の減少に加え,小川校以外の高校に進学する傾向が強まっていったことにより,小川校の生徒数は急減し,真っ先に廃校となった。地元での教育機会の創出を地域の発展に結びつけていくことができない点は多くの山村にとって困難な課題であり続けている。
著者
高山 隼矢 梶原 智之 荒瀬 由紀
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2021-NL-249, no.11, pp.1-8, 2021-07-20

人間は対話においてしばしば相手の質問や発話に対して間接的な応答をする.例えば,予約サービスにおいてユーザがオペレータに対して「あまり予算がないのですが」と応答した場合,オペレータはその応答には間接的に「もっと安い店を提示してください」という意図が含まれていると解釈することができる.大規模な対話コーパスを学習したニューラル対話モデルは流暢な応答を生成する能力を持つが,間接的な応答に焦点を当てたコーパスは存在せず,モデルが人間と同様に間接的な応答を扱うことができるかどうかは明らかではない.本研究では既存の対話コーパスである MultiWoZ を拡張し,間接的な応答と直接的な応答の対からなる 7 万件規模の対話コーパスを構築した.ユーザーからの入力発話を事前により直接的な発話に言い換えることで対話応答生成の性能が向上することを確認した.
著者
梶原 浩史 山口 浩司
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.78, 2002

豊田スタジアムは、収容人員45,000人を誇る、国際試合に対応可能な球技専用競技場である。照明設備は、大屋根に設置された222台の投光器によりFIFA(国際サッカー連盟)の基準である水平面照度1500lx以上を確保し、さらにJISのTV撮影の基準である鉛直面照度1000lx以上、均斉度0.3以上を満足している。光源には、演色性に優れる2kW高演色形メタルハライドランプ(ショートアーク形、平均演色評価数Ra90)が使用されハイビジョン放送のための要件(Ra80以上)を満足している。また、緊急時の照明として競技区域内で通常の2/3の照度を確保するため、150台の2kW投光器を瞬時再始動型とし、一瞬の電圧降下や停電によるランプの立ち消えによるパニックに対応している。
著者
梶 茂樹
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.1-28, 2012

<p>サハラ以南のアフリカは,いわゆる無文字によって特徴づけられてきた。しかし無文字社会というのは,文字のある社会から文字を除いただけの社会なのだろうか。実際に現地で調査をしてみると,そうではなく,われわれの想像もつかないようなものがコミュニケーションの手段として機能していることがわかる。本稿では,私が現地で調査したもののうち,モンゴ族の諺による挨拶法と太鼓による長距離伝達法,テンボ族の人名によるメッセージ伝達法と結縄,そしてレガ族の紐に吊るした物による諺表現法を紹介し,無文字社会が如何に豊かな形式的伝達法を持ちコミュニケーションを行っているかを明らかにする。無文字社会では,言語表現が十分定形化せず,いわば散文的になるのではないかという一般的想像とは逆に,むしろ彼らのコミュニケーションは形式的であり韻文的である。それは文字がないことへの対応様式であり,共時的に,そして世代を通して伝達をより確かなものにする努力の表れと理解できるのである。</p>
著者
梶田 美香
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.127-140, 2008-06-25

音楽科教育は表現領域と鑑賞領域に大別されているが、鑑賞教育は常に表現領域と比べて軽視される傾向にある。これは教材選択や評価方法などについての困難が大きな要因のようだが、根底には音楽の持つ抽象性や鑑賞行為が極めて個人的であるという特性との関連があるのではないだろうか。本稿では、はじめにアメリカで論争となった音楽教育哲学の二つの音楽観(美的音楽教育とプラクシス的音楽教育)を提示する。ベネット・リーマーの掲げる美的音楽教育は1980年代のアメリカで支配的な音楽教育観となったものであるが、音楽至上主義とも言えるこの教育観は、美的経験こそが音楽教育の目指すものであるとするもので、そのためには音楽の構造理解こそが必要であるとの立場である。これに対して音楽が社会の中で何らかの意義を持っているとの立場に立ったのがディヴィッド・J・エリオットのプラクシス的音楽教育である。これは音楽の実用性を指すものではなく、個人の目的に応じた「正しい行為」としての音楽との関わりを指している。この二人の音楽観は「本質知」と「行動知」の対立としてアメリカで音楽教育哲学論争を引き起こすものとなった。筆者はこの二つの音楽観から日本の鑑賞教育への何らかの示唆があるのではないかと考え、学習指導要領(音楽科)が掲げる目標と内容を分析し、本稿で課題の提示を試みる。
著者
井上 毅彦 槌谷 和義 木村 穣 梶原 景正
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2010年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.585-586, 2010 (Released:2010-09-01)

本研究の目的は糖尿病患者の負担を軽減するマイクロ無痛針を開発することである.我々はストレス評価手法を用いた痛み評価手法を用い,生体へ無痛穿刺が可能なマイクロ無痛針の最大許容外径は100μm未満であることを確認した.しかし,我々が確立した手法では直接的な痛み評価が困難である.本研究では注射針穿刺における細胞組織の損傷および侵害刺激を起因する神経ペプチドを観察し,この痛み評価手法の有効性について確認を行った.
著者
梶原 侑馬 小林 宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.967-969, 2017-11-15

マッスルスーツ®製造にかかわることになったいきさつ 厚生労働省「2010(平成22)年国民生活基礎調査)」によると,日本の腰痛人口は約2800万人(4人に1人)と報告され,自覚症状については,男性は1位,女性は2位と国民病と言っても過言ではない状況であり,日常生活満足度の低下にもつながっている.それにもかかわらず有効な予防方法や治療方法は確立されておらず,筆者は今までにない新しい方法を開発し,腰痛予防や治療に貢献したいと考えていた. また,理学療法士養成校に入学する以前は,自分の手技だけで腰痛を治せる治療家になりたいと思っていた.しかし,人の手だけでは限界があり,また,1人が治療できる人数はかなり限られてしまうことを,臨床を通じて実感した.さらに,外来・急性期・回復期リハビリテーションにおける腰痛や姿勢バランス等の研究を通して,腰痛は予想以上に完治しにくい例が多いことを知り,治療だけでなく予防が重要であることも学んだ.
著者
梶原 彩子 草野 篤子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.109, 2003

目的 1995年の農水省による「家族経営協定の普及推進による家族農業経営の近代化について」通達により、家族経営協定は政策の中に位置づけられ、長野県においても2003年現在、家族経営協定締結農家は1,416組が誕生している。しかし一方で、家族経営協定に対して「知らない」「必要ない」と考えている農業者が多いことも事実である。そこで本研究では、家族経営協定締結の動機・家族経営協定の実際等を明らかとすると共に、今後、家族経営協定未締結農家に対する有効なアプローチを考察する。方法 2002年11月下旬に長野県小川村の家族経営協定締結者30人に配票調査・インタビュー調査を行なった。結果 小川村における家族経営協定締結者は、農業改良普及センターのすすめで協定を締結している者が多かった。発案者は大半の場合女性である。協定の効果については、全体的に経営面に関する変化は少なく、生活に関する変化や後継者との関係の変化に言及した者が多かった。