著者
戸谷直之 岩野成利 橋田光代 片寄晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-8, 2011-03-19

ゲームプレイヤへの没入感の提供は,ゲームの面白さの本質的なデザイン対象である.ここで,近年急速に普及が進んでいるソーシャルゲームはプレイヤ自身の情報をゲームに取り入れやすく,没入間の演出という点で大きな可能性を持っているが,提供されているゲーム自体は単純であり,コミュニティの情報を積極的に利用しているとはいえない.今回,ゲームに今までに無い 「面白み」 と 「広がり」 を持たせることを企図し,Twitter におけるコミュニティ情報を利用したソーシャル恋愛ゲーム 『レンジできゅんっ☆してっ』 を実装・公開した.約 30000 人のユーザがゲームをプレイし,そのプレイログからユーザの広がりを確認した.
著者
戸谷直之 岩野成利 橋田光代 片寄晴弘
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011-EC-19, no.10, pp.1-8, 2011-03-19

ゲームプレイヤへの没入感の提供は,ゲームの面白さの本質的なデザイン対象である.ここで,近年急速に普及が進んでいるソーシャルゲームはプレイヤ自身の情報をゲームに取り入れやすく,没入間の演出という点で大きな可能性を持っているが,提供されているゲーム自体は単純であり,コミュニティの情報を積極的に利用しているとはいえない.今回,ゲームに今までに無い 「面白み」 と 「広がり」 を持たせることを企図し,Twitter におけるコミュニティ情報を利用したソーシャル恋愛ゲーム 『レンジできゅんっ☆してっ』 を実装・公開した.約 30000 人のユーザがゲームをプレイし,そのプレイログからユーザの広がりを確認した.
著者
松原 正樹 深山 覚 奥村 健太 寺村 佳子 大村 英史 橋田 光代 北原 鉄朗
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1_101-1_118, 2013-01-25 (Released:2013-03-05)

本論文では創作過程の視点に基づいて自動音楽生成に関するサーベイを行う.Shneidermanの創作過程の枠組みによれば,創作過程はCollect, Relate, Create, Donateの4つのフェーズからなる.計算機システム,ユーザ,システム設計者の3者全体を1つのトータルシステムと捉えると,創作においてそれぞれの要素が4つのフェーズをどう分担するか考えることができる.我々は既存の自動作曲・自動編曲・演奏表情付けシステムに対してこの観点から分析を行った.分類結果より各システムにおける4つのフェーズの共通項や差異を比較することができるようになり,音楽生成研究の進むべき方向性を示すことができた.
著者
橋田 光 田端 雅進 久保島 吉貴 牧野 礼 久保 智史 片岡 厚 外崎 真理雄 大原 誠資
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.48-54, 2014-01-25 (Released:2014-01-28)
参考文献数
17
被引用文献数
2 1

未利用なウルシ材を染色用途に利用するため,ウルシ材の織布への染色特性を検討した。ウルシ材フェノール成分の効率的な熱水抽出条件を検討した結果,炭酸ナトリウムの添加が有効なことを明らかにした。抽出液による染色特性を検討したところ,ナイロン,羊毛及び絹で良好な染色性を示した。また,炭酸ナトリウム添加抽出による染液に酢酸を添加することで,熱水抽出より効率的な濃染が可能であり,金属塩を用いた媒染においてもより濃色に発色することが示された。洗濯処理により,未媒染の染色布は大きく脱色したが,媒染や濃染により脱色の抑制が可能であり,特に酢酸鉄(II)を用いた媒染による抑制効果が高かった。また,ウルシ材による染色布は,黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対し,明確な抗菌性を有することを明らかにした。
著者
藤井 叙人 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.9-16, 2008-03-07

市販テレビゲームにおいては,CPU の人間らしさというリアリティに,プレイヤの意識が高まりつつある.従来研究では,将棋や仮想空間における CPU の人間らしさの検討はなされているものの,市販テレビゲームのような戦略型ゲームにおいて,人間らしい行動や戦略を AI 技術を用いて実現した例はほとんどない.本稿では,CPU の「人間らしさ」の実現を目標とし,戦略型カードゲームの戦略を自動的に獲得する機構を提案した.戦略学習における困難性として,部分観測に起因した巨大な状態空間が挙げられるが,サンプリング,相手の行動予測,ゲームの特徴を考慮した次元圧縮により克服した.また,戦略学習機構によって得た戦略を,ルールベースの戦略と対戦させ,有効性を評価した.The computer (CPU) like a human has lately attracted considerable attention in the video game. The past studies report strategy-acquisition scheme for the board game such as shogi. However, there are few studies about these scheme applied in the video game. We aim at the acquisition of strategy like a human, we present an automatic strategy-acquisition scheme for strategic card game. Because of this card game includes many unobservable variables in a large state space, we suggest a sampling technique, action predictor, and value function. To evaluate our method, we carried out computer simulations where our agent played against a rule-based agent.
著者
有田 翔悟 橋田 光代 片寄 晴弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.729-730, 2009-03-10
参考文献数
4
著者
橋本 祐輔 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.26, pp.43-50, 2009-02-28
参考文献数
13
被引用文献数
1

ビデオゲームのジャンルの1つとして音楽ゲームがある。1996年以降「リズムアクションゲーム」が音楽ゲームの代表的存在であったが,ここ1,2年の間で,作曲機能を持ったものや演奏時のアドリブを許容するものの発売が相次いでいる。その中で,簡単な操作で,テンポや音量の制御によって演奏表現を楽しむことを目指した拍打型演奏インタフェースが注目を集めている。拍打型演奏インタフェースにおいて制御の対象となる音楽信号は,MIDIベースのものと音響信号に大別される。音響信号を用いるものには,好きな任意の音源を用いて演奏表現を楽しむことができるというメリットがある一方で,テヌート時の音質の確保とアラインメントの実施という特有の課題がある。本稿では,音楽ゲームのサーベイランスを実施した上で,テヌート時の音質の確保とスケジューラに工夫を施した指揮演奏システムAiiMについて述べる。Music is one of the most significant targets of video games, and a genre called ``Rhythm action" has been a mainstream for this last decade. But in this couple of years, music games that enable users to compose or play music have been successfully released, and beat-oriented music performance interfaces have been drawing consumers' attention. Present beat-oriented music performance interfaces are divided into controllers of MIDI and acoustic signal. The latter has an advantage as it allows a user to play tunes that s/he often listens to. In this paper, we discuss ``entertainability'' of music video games and introduce our music conducting system for acoustic signal, called AiiM, to which we implemented an improvement regarding sound quality at the user's tenuto directions and a scheduler for ensuring naturalness to the user's tempo controls.
著者
橋田 光代 片寄 晴弘 平田 圭二 北原 鉄朗 鈴木 健嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.67-72, 2008-12-12
参考文献数
5
被引用文献数
6

演奏表情付け研究における評価研究プロジェクトとして 2002 年よりスタートした Rencon プロジェクトでは,2008 年 8 月 25~27 日,音楽の知覚と認知に関する国際会議 ICMPC との共催で,第 7 回演奏表情付けコンテスト ICMPC-Rencon を開催した.今回,初めての試みとして,今回は,人間による手作業の修正を極力排除した自律システム部門と,人間による演奏表情付けを主目的としたシステムのための打ち込み部門とを設け,当日発表の新曲に制限時間つきで演奏生成させるという条件のもとでコンテストを実施した.また,エンターテイメントイベントとして 「観客に見せる」 ことに重点を置き,演奏生成処理の様子や制作者らへのインタビュー,自動ピアノでの再生といった,会場での演出に対する工夫も行った.本稿では, ICMPC-Rencon 実施概要について報告するとともに,実施内容に対する検討について述べる.Rencon (Performance Rendering Contest) is an annual international competition at which entrants present the computer systems they have developed for generating expressive musical performances and audience members and organizers judge the performances. At the ICMPC10, the competition consisted of an autonomous section (for evaluating the ability of the entered systems to generate performances autonomously) and a system-supported section (for evaluating human performances done using computer systems). In this paper, we report the overview of the competition and discuss some of our innovation such as stage-managing as an entertainment and developing an Internet voting system.
著者
鈴木 秀明 森 貴稔 大淵 豊明 寳地 信介 田畑 貴久 池嵜 祥司 橋田 光一
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.238-243, 2011 (Released:2013-05-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2

突発性難聴に対するステロイド鼓室内注入療法 (IT) の効果を、高気圧酸素療法 (HBO) と比較して検討した。対象は治療開始までが30日以内で初診時聴力が40 dB以上の突発性難聴患者240例で、全例においてステロイド全身投与を行い、これに加えて174例に対しHBOを (HBO群)、66例に対しITを (IT群) 併用した。聴力回復の評価は、厚生省研究班の診断基準に基づいた治癒率、著効率、有効率、および聴力改善率、治療後聴力レベル、聴力利得の計6指標について行った。その結果、症例全体の有効率は、HBO群に比べてIT群で有意に高く (81.8% vs. 68.4%、p=0.039)、多重ロジスティック回帰分析でも同様の結果が確認された。めまい (-) の場合および治療開始までが7日以内の場合の有効率もIT群において有意に高かった。以上より、HBOと比較してITのほうが突発性難聴に対してより有効であることが示された。
著者
橋田 光代 片寄 晴弘 保科 洋
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111(2003-HI-106), pp.103-109, 2003-11-07

与えられた楽譜からフレーズ頂点を推定(or 付与)する手法のひとつに保科理論がある.頂点選択や演奏表現のための条件がよく整理されており,理解しやすい.ただし,保科理論では,グループ境界に関しては人間の直感的な思考を前提にしており,直接,計算機処理に用いることはできなかった.本稿では,保科理論をもとに,スラーの始点と終点に関する制約を利用し,頂点推定の根拠からのvotingによって各グループの頂点を推定するモデルを提案する.ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」第2楽章では,概ね正しい頂点を導き,他曲における推定でも約80%を超える正答率を得た.
著者
片寄 晴弘 橋田 光代 小川 容子 古屋 晋一
出版者
関西学院大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

名演奏に心打たれるという体験をした人は少なくないであろう。しかしながら、その理由、メカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究では、コンテスト優勝者クラスのピアニストの協力のもと、世界最高峰の制度を持つセンサを用い、タッチまで含めたピアノ演奏(ポリフォニー)の演奏制御情報を計測する。あわせて、普段、必ずしも意識下に上がってこないレベルのものも含めて演奏者が解するポリフォニーレベルでの音楽構造の徹底的な聞き取りを実施する。得られた演奏制御情報と音楽構造の関係について、最新の数理解析手法を用いて分析し、ピアニストが演奏表現にこめた感動のデザインについて探っていく。
著者
番庄 智也 橋田 光代 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.53-57, 2021-08-23

鑑賞者の心の動きを表現,記述する手法の一つに感情曲線がある.感情曲線はSNS等において,小説や映像作品に対する感動を共有するツールとして利用されることがある.筆者らは感情曲線の様相についての初期的検討を行った際に得られたいくつかの知見や課題を通じて,多くの人が共通に使える入力・編集ツールを整備し,公開していくことで,研究領域全体の発展に寄与できるようになると考えるようになった.そこで,我々は感情曲線に関する研究を進める上で特に課題となる(1) 感情曲線のデータ収集,(2) 使用者の表現感覚に合致する感情曲線の入力手法,(3) 様々な感情曲線への対応と言った部分で支援または解決するようなツールを開発した.
著者
橋田 光太郎
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.59-68, 2006 (Released:2020-02-29)
参考文献数
2

北九州市は,5市(門司・小倉・八幡・戸畑・若松)が1963年に対等合併して誕生した.しかし,合併に伴う旧自治体の確執で,効果的な施設配置や重点的な都市開発が展開できなかった.1988年,末吉現市長は「北九州ルネッサンス構想」1)でそれまでの多核都市構想を見直し,都心を小倉,副都心を黒崎に位置づけた都市構想に街づくりの方針を変更した.本研究ではその小倉の中心部,つまり小倉都心部の都市景観の特色と変容を,2~3時間歩いて見て周るという設定で,JR小倉駅を出発点に記述する(図1).
著者
森 鈴果 田中 哉汰 橋田 光代 藤井 叙人 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.113-114, 2020-08-22

現在,”うちで踊ろう”が流行するなど未経験者でもダンスに触れる機会が増えている.カラオケの採点機能に相当する定量的な評価がダンスに対しても提供できるようになれば,その楽しみ方をさらに拡張できるだろう.我々は,恋ダンスを対象にダンス動画から取得した時系列ポーズデータとそれに対応するキレ評価結果の組みから深層学習を用いてダンス動作のキレ度を推定するモデルの構築を進めている.本稿では,そのモデルを利用した恋ダンスの採点システムについて紹介する.
著者
馬場 隆 橋田 光代 片寄 晴弘
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.49, pp.1-6, 2013-05-04

指揮システム"VirtualPhilharmony"は,実際にオーケストラを指揮する感覚に焦点を当てた指揮システムである.ヒューリスティックに構築されたオーケストラの演奏モデルを基に設計されたコンサートマスター機能や,本番前の練習期間をシミュレートしたリハーサルモードを実装することによって,オーケストラとプレイヤ(指揮者)とのインタラクションを実現し,これによりリアルな指揮感覚をプレイヤに提供する.従来の,単一のタイムラインによるスケジューラ管理を見直し,楽器ごと,声部ごとの複数タイムラインを導入する.また,指揮における左手の役割とシミュレートの方法を議論する.
著者
橋田 光代 松井 淑恵 北原 鉄朗 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1090-1099, 2009-03-15

音楽研究用のデータベースは近年の音楽情報検索技術の発展とともに整備されつつあるが,音楽の印象を決定づけるうえで重要な役割を担っている演奏表情を扱った共通データベースは,一部の民俗音楽学を対象とするものに限られてきた.我々は,音楽情報科学,音楽知覚認知,音楽学などにおける共通研究基盤の構築を目的として,伝統的西洋音楽におけるピアノ演奏を対象とした演奏表情データベースCrestMusePEDBの作成を進めている.現在,ver.1.0/2.0として計60演奏に対する演奏表情データが用意され,本データベースを利用した連携プロジェクトも開始された.本論文では,音楽演奏表情データベース構築上の課題を整理したうえで,CrestMusePEDBの概要,演奏表情データの作成手順について述べ,現在の利用状況,応用領域,課題について議論する.