著者
武田 剛 酒井 紳 高木 英樹
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.145_2, 2017 (Released:2018-02-15)

競泳競技はスタート台やプール壁をけることで得られる速度が泳ぎ(ストローク動作)よりも高い。この高い速度を維持する目的で、自由形種目では完全水没状態でドルフィンキックやフラッターキックを使用し、ストローク動作(クロール泳)に移行する。競技会において選手が使用するこのキックの種類は、ドルフィンキックのみとドルフィンキック後にフラッターキックを使用するタイプに分けられる。このドルフィンキック後に使用するフラッターキックの影響を明らかにすることを本研究の目的とした。対象はよくトレーニングを積んだ大学生男子競泳選手8名とした。実験参加者にはプール壁からの水中スタート後のキックの種類をドルフィンキック後フラッターキック(試技①)、ドルフィンキックのみ(試技②)の2種類で実施してもらった。選手の水着に自発光型防水LEDマーカーを貼り付け、画像分析法(2次元DLT)によって選手の泳速度を算出した。試技①のフラッターキックの使用によって有意な泳速度の低下が確認され、クロール泳の浮き上がり動作におけるフラッターキックの使用は大きな減速を招くことが明らかとなった。
著者
岸野 力 武田 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.211_1, 2017 (Released:2018-02-15)

競泳トレーニングにおいて抵抗体やゴムチューブによる牽引泳をスプリントトレーニングとして導入されるようになってきた。しかしながら実際のトレーニング現場ではチューブでの牽引力を日常的に評価することは少ない。そこで本研究は牽引力とスプリントパフォーマンスの関係性を明らかにし、スプリントトレーニングとしての牽引泳の意義とゴムチューブを介して得られる牽引力のトレーニング指標としての活用法を提案することを目的とした。対象者は日常的に水泳のトレーニングを十分に積む男性15名とした。試技は25mの屋内プール(25m×7レーン 水深1.1~1.2m)にて25mクロール泳タイム測定と牽引泳パワー測定に分けて行った。牽引泳パワー測定は牽引泳8秒と12秒休息×8セットのトレーニング内容で行った。牽引力の計測にはデジタルフォースゲージ(FGPX-100日本電産シンポ社製)にゴムチューブを装着し、クロール泳中の牽引力を測定した。牽引力の最大値、平均値と力積を求め、スプリント泳速度との相関関係を検討した。結果として最大泳速度と最大牽引力との間に有意な相関が認められ、25mの最大泳速度と牽引泳での最大牽引力には高い関係性があることが明らかとなった。
著者
武田 昌一 横里 恵 比嘉 誠 村岡 輝雄 山田 麻衣子
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.429-440, 2004-08-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
24

全日本かるた協会公認の男性読手1人が朗詠する小倉百人一首100首の音声の韻律的特徴を解析した。その結果,基本周波数に関しては,(1)発声開始あるいは小節開始時に立ち上がり後ほぼ一定の値であること,(2)局在する基本周波数の跳ね上がり下降,(3)基本周波数の概周期的揺らぎ,が全首に共通の特徴であることが分かった。ただし,他の読手音声との比較により,(2),(3)は読手に依存することが分かった。時間構造の特徴としては,(1)単語の区切り部分におけるモーラの伸長,(2)歌の終わりの極端な伸長,更に(3)上の句と比較して下の句において平均モーラ持続時間が伸長していること(有意水準1%),が認められた。
著者
武田 貴成
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

本研究課題では、亜鉛欠乏による炎症のメカニズム解明を目指し、主に細胞外アデニンヌクレオチド代謝に注目して研究を進めた。具体的には、当該年度実施した研究により、主に①in vitro系において亜鉛欠乏培養が細胞外アデニンヌクレオチド分解酵素の活性を大きく減弱させることを確かめ、研究課題の仮説を裏付ける基礎を固めた。さらに②この酵素活性の低下によって、実際にアデニンヌクレオチド分解まで影響するのかを調査するため、新たにHPLCを利用した解析系を立ち上げ、亜鉛欠乏培養により正常なATP、ADPの除去、およびアデノシン産生が大きく阻害されていること見出した。これに加え、③in vivo解析においても、低亜鉛食の給餌がin vitroの結果と同様に各酵素活性の低下、およびそれに伴った細胞外アデニンヌクレオチド分解の減退を引き起こすことを見出した。このような当該年度の研究により、亜鉛欠乏によって正常な細胞外アデニンヌクレオチド代謝が妨害されるという仮説を裏付ける解析結果を得た。これにより今後の研究の方針が決定したほか、これまでに亜鉛栄養と細胞外アデニンヌクレオチド代謝との関連を示した報告は知られていないことから、本解析結果は新規性・独立性という点において大きな意義を持つ。また、今回樹立した各酵素活性の測定系、およびHPLCによる定量系は簡便且つ正確であり、今後本研究課題を遂行していく上でも有用な手法となることが期待される。
著者
武田 敦志 チャクラボルティ デバシシュ 北形 元 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.54, pp.63-68, 2008-06-12
参考文献数
8
被引用文献数
1

近年,P2P ネットワークの普及が急速に進んでいる.しかし,2P ネットワークのための効率的な認証手法が実現されていないため,セキュアでスケーラブルな P2P ネットワークは実現されていない.そこで,本稿では,分散ハッシュテーブルを用いた P2P ネットワークのためのスケーラブルな分散型認証手法 HDAM を提案し,HDAM を P2P ネットワークで運用するための認証モジュールの設計について述べる.In recently years, P2P networks have been evolving at a rapid pace. We however can not use secure and scalable P2P networks, because an efficient authentication scheme for P2P networks is not realized. In this paper, we propose HDAM, which is a scalable decentralized authentication method. HDAM enables an efficient authentication by using Distributed Hash Table.And, we also describe the authentication module for HDAM which enables secure and scalable P2P networks.
著者
武田清子著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1995
著者
武田 祐子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.222, 2004

<b>1.背景と研究目的</b><br><br> GISユーザー層の社会的な増加に伴い、空間データクリアリングハウスには、一次データのみならず、様々なデジタル・マップを整備し公開する役割が期待される。本研究は、センサス統計を利用したデジタル・アトラスを作成し、WEBコンテンツとして公開することを目的とする。<br><br>これまで作成されたデジタルアトラスでは、3大都市圏を対象とした社会地図がWEB上で公開された例があるが、ここでは、WEBマップとして視覚的なインパクトを与えることに成功した(矢野・武田、2001)。本研究では、これにならい、「女性」に関するデジタル・アトラスを作成する。<br><br><b>2.利用データと方法</b><br><br> 利用した統計は、平成12年の国勢調査の都道府県別集計の第1_から_3次集計である。ここでは、関東地方1都3県を対象に、空間単位は、市区町村ベースとした。女性に関する指標として、未婚率、学歴、親との同居の有無、職業・産業別従事者比率、母子家庭率、保育園・幼稚園の児童数を取り上げ、これらの主題図を作成した。それぞれに関して、どのような地域においてどの程度の男女差が生じているのか、その傾向を明らかにする。また、年齢階級別の比較が可能な変数の場合、年齢別に生じる差異も検討していく。<br><br><b>3 ジェンダー・マップ</b><br><br>本アトラスでは、1)未婚率、2)単独世帯率、3)パラサイトシングル率、4)学歴、 5)女性労働力比率、6)パートタイム比率、7)専業主婦比率、8)失業率、 9)職業別人口比率、10)産業別人口比率、11)母子家庭比率、12)保育園・幼稚園児童率、についてのセンサス・マップを作成した。<br><br><br>以下では、このうち、23区内での30代前半の男女の未婚率をとりあげ比較していく。女性では大半の区で30%以上となるが、とりわけ、杉並、中野、目黒、渋谷の各区では50%を越え、地区による未婚率の高低が明瞭で分布に偏りがみられる。一方男性は、おおよそ50%以上となる。とりわけ高い60%以上を示すエリアは、女性と同じ区以外にも、千代田、新宿、豊島、台東と都心部を含む範囲に広がり、かつその地域差は小さい(図1)。女性の就業地は、先の未婚率の顕著な区とは必ずしも一致しないことから、職住近接志向の男性に対し、女性は居住環境に強いこだわりをもって特定の区に集中していることが推測される。<br><br><b>4.まとめ</b><br><br><br>本研究では、関東1都3県を対象としたジェンダー・アトラスを作成し、WEB上のコンテンツとして公開した。未婚率を論ずる場合でも、分布の男女差を説明するためには、複数の地理的な指標を考慮することが必要となる。このため、WEBアトラスとは、地理的な視点の重要性を非GISユーザーに対して発信できる貴重な第一歩といえるのではないか。<br><b><br>謝 辞</b><br><br><br>本研究は、文部省科研費基盤研究B(1)(課題番号(14380026)、研究代表者、由井義道「女性の就業と生活からみた都市空間のジェンダー化に関する研究」)の一部を使用した。その成果は、http://www.sci.metro-u.ac.jp/geog/gis/Gatlas/にて公表予定である。<br><b>文 献</b><br><br><br>矢野桂司・武田祐子、2001、GISによる全国デジタル・メッシュ社会地図、京都地域研究15、264-286.</br><br><br>
著者
岸野 力 武田 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.659-672, 2018-12-10 (Released:2018-12-20)
参考文献数
17

The purpose of this study was to investigate the relationship between towing force during tethered swimming with different high-intensity interval training (HIIT) protocols using an elastic cord and front crawl swimming velocity, and to suggest the use of towing force parameters based on the results. Ten college male competitive swimmers participated in the experiments, which involved towing force measurements during front crawl swimming using 3 protocols of HIIT and time trials over 25m, 50m, 100m, and 200m. The 3 HIIT protocols were 8 sets of tethered 20s trials with 10s rest time intervals (“TABATA protocol”, 20―10s protocol), 8 sets of tethered 8s trials with 12s rest time intervals (8―12s protocol), and 2 sessions of 5 sets of tethered 5s trials with 10s rest time intervals (5―10s protocol). The swimmers were connected to a load cell using an elastic cord to measure the towing force during tethered swimming. The times taken for the 25m, 50m, 100m, and 200m distances were recorded by counting the number of frames in the video footages. The critical speed (CS) was calculated using a regression formula from the distances and the times required for the time trials. Simple linear regression analyses were performed to investigate the relationship between the towing force and mean velocity from the front crawl time-trials. The maximum towing force during all of the HIIT protocols was significantly correlated with the mean velocity for all distances and CS, and the regression formula was significant (p<0.05). Mean towing force during all of the HIIT protocols was significantly correlated with the mean velocity for 200m and CS, and the regression formula was significant (p<0.05). Logarithmic approximation of the time-force curves (peak and mean forces in each set) during HIIT was valid, and the y-intercept (towing force) of the approximation formula were significantly and negatively correlated with the mean velocity for all distances (25―200m and CS) and all HIIT protocols, the regression formula also being significant (p<0.05). From the viewpoint of feedback, the mean towing force during HIIT was useful for evaluating the workout effort during HIIT during tethered swimming using an elastic cord. The Y-intercept of the approximation formula from the maximal or mean forces during HIIT was best for evaluating the workout effort, although arithmetic processing of the logarithmic approximation will be required.
著者
佐野町 友美 鈴木 修平 中村 翔 渡邊 千尋 熊西 亮介 中村 元治 鈴木 尚樹 渡邉 要 武田 弘幸 福井 忠久 吉岡 孝志
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal (ISSN:0288030X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-7, 2017-02-15

【背景】昨今、臨床実習の重要性が増す中で医学生の実習中の不適切言動や精神的な負荷が問題視され、検討課題とされている。がん患者を担当する場合、特に負荷が重いと推測されるが、学生から患者への説明などの実習における具体的な関わりや精神的負荷に関する検討はほとんどない。そこで今回、がん患者・医学生・医師の3者の視点から学生の説明内容の信頼性や精神的負荷へ焦点をあて検討を行った。【方法】2015年12月から約1か月間、本学においてがん患者実習経験のある学生、腫瘍内科医師並びに実習協力経験のあるがん患者へ連結不可能匿名化の質問紙法を用いて、がん患者へは実習時の説明とその説明への信頼等、学生へは患者との関わりや説明の内容等、精神的負荷等、医師へは学生の不適切言動や診療への影響等を中心に調査した。本研究は本学倫理審査委員会の承認を得て行った。【結果】学生43名、患者18名、医師9名から回答を得た。患者・医師からは守秘義務違反や無礼な行動などの不適切言動は指摘されなかった。学生が患者へ説明を行う場面は実際に存在(77%)し、学生は自身が発した情報を患者が信頼すると考えることが多い(78%)が、患者は学生が説明する内容をあまり信頼していない(p =0.022)という結果だった。患者の自由記載では学生の傾聴や応対への感謝が目立ち、医師の自由記載ではがん患者を担当することの重要性や難しさの指摘が目立った。学生の多くは実習で精神的負荷を感じ(66%)ており、精神的負荷を感じている学生は患者へ説明の経験があるという結果だった(p =0.018)。学生の自由記載の形態素解析では精神的な面に関連する単語の頻度が多く検出され、精神的に不安定ながん患者を担当する学生へは指導者は十分な配慮を行う必要性が示唆された。【結論】医学的説明を行う場面は学生には負荷となりうるが、患者の信頼は必ずしも高くなく、むしろ学生の傾聴や円滑なコミュニケーションが診療に有益である可能性が示された。
著者
金丸 芳 遠藤 千鶴 高橋 啓子 松下 純子 後藤 月江 武田 珠美 長尾 久美子 有内 尚子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】前大会で、徳島県における行事食・儀礼食の認知と経験、料理の喫食の状況を年齢区分別で比較した。そこで今回、県を地形の特徴で4区分した地域の現状を比較した。 <br>【方法】調査は留め置き法で行い、10年以上徳島県在住者240名を、徳島市105名・北部(平野部)49名・西部(山間部)47名・南部(沿岸部)39名に4区分し、行事の認知と経験、料理の喫食についてクロス集計(有意差:&chi;<sup>2</sup>検定)をした。 <br>【結果】<u>徳島市は</u>人日の経験度、お節の黒豆・昆布巻・きんとん・魚料理、人日の七草粥、上巳の潮汁の喫食度が高く、百日祝の経験度は低いが、行事全体でみると高い傾向にあり、豊かさが伺えた。<u>北部は</u>土用の丑、百日祝、結納の経験度、お節の田作り・煮しめ・蒲鉾、上巳の潮汁、結納の各種料理の喫食度が高いが、お節の魚料理の喫食度は低かった。他地域より結納、土用の丑の行事を重んじている傾向があった。<u>南部は</u>クリスマスの経験度が高かった。一方、経験度の低い行事は、秋祭り、冬至、土用の丑、結納であり、喫食度の低い料理はお節の黒豆・田作り・昆布巻・きんとん・煮しめ、節分の鰯料理、上巳の潮汁、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理、結納の各種料理であった。漁業が盛んな沿岸部にも関わらず、魚料理の喫食が低かった。<u>西部は</u>秋祭り、冬至の経験度、節分の鰯料理、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理の喫食度が高く、人日、クリスマスの経験度、お節の蒲鉾・肉料理、人日の七草粥の喫食度は低かった。他地域では経験度・喫食度の低い行事が西部では高い傾向にあった。以上、地域間に有意差があり、重視する行事に特徴が認められた。&nbsp;
著者
武田 一哉 Takeda Kazuya
巻号頁・発行日
1993-09-29

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学) (論文) 学位授与年月日:平成5年9月29日

1 0 0 0 OA 楠窓謾筆 18巻

著者
武田, 松斎
出版者
巻号頁・発行日
vol.[6],
著者
武田 卓也
出版者
日本介護福祉学会
雑誌
介護福祉学 (ISSN:13408178)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-80, 2008-04-01

本稿はひとり親家族の介護問題に注目する.その親が若くして要介護者になると,その介護は若年介護者がになうことになる.そこで本研究では,その介護過程のなかで若年介護者が抱える問題を明らかにし,双方の生活が犠牲とならず共に自己実現できる支援の方向性を探ることを目的とする.まず,背景として家族変化と介護問題の関係を述べ,次に「家族」「世帯」「家庭」の関係性の整理と家族危機について言及した.さらに介護保険制度と若年介護の問題および家族形態により若年者が介護をになうことを述べた.そして事例分析を行い,若年介護者が抱える介護問題についてその一端を示した.またその問題を「一過性の問題」と「継続的な問題」に大別し,後者が生活に制限を与えることを示し,その背景にある要因として7点を提示した。そして支援の方向性として「全体としての家族」の視点から若年介護者支援の重要性を論じた.