著者
武田 健吾 澤田 賢治 横川 慎二 新 誠一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.139, no.7, pp.786-795, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

In a system that suppresses power fluctuation caused by wind power and solar power generation by a storage battery (We call it wind turbine and photovoltaic power generation system, WPBHS), it is assumed that the number of constituent equipment is large. Therefore, by dividing the constituent equipment into a plurality of groups (We call it grouping), the operation plan is optimized dispersedly. In this case, it has been shown that WPBHS has fault tolerance by overlapping storage batteries in plural groups. Also, enumerating the grouping in advance allows us to switch the grouping and recover the system immediately when a system failure occurs. Motivated by this, we consider an overlapped grouping optimization problem focused on the performance deterioration and fault tolerance of the distributed management system. Enumerating the group, especially, the overlapped group requires large computational load with the more devices added. First, this paper formulates overlapped grouping optimization for WPBHS. Second, this paper proposes a graph representation method of the overlapped grouping and a near-optimal enumeration method.
著者
鈴木 健二 武田 綾
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.660-669, 2013
参考文献数
20

子どもをもつ摂食障害の女性患者が増加して,臨床でどう評価すべきかの課題が出ている.そこで摂食障害の患者の結婚,妊娠,出産,育児について,コントロールの女性と,面接調査による比較研究を行った.対象群は,筆者らが治療を行った子どもをもつ20名の摂食障害患者の女性で,コントロール群は子どもをもつ20名のボランティア女性であった.摂食障害の女性はコントロール群の女性と比較して,妊娠中も過食や嘔吐などの食行動異常は続くことが多く,妊娠で精神状態も悪化し,飲酒や喫煙が多かった.出産時異常に差はなかったが,産後うつ病が多く,育児期の精神状態も悪く,出産後に過食や嘔吐は増加し,子育て不安も強く,子どもへの虐待経験も多かった.また,結婚から出産後までの間に摂食障害が再発した者は30%存在した.結論として,摂食障害の患者は,食行動異常が回復しても,子どもの育児期間を含めての長期間のサポートの必要性があると考えられる.
著者
鈴木 健二 武田 綾
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.354-363, 2014

この研究は,先に発表した「摂食障害をもつ女性の結婚,妊娠,出産,育児についてコントロール群との比較研究」と同時に行った子どもの身体的,心理的,行動的障害についての研究報告であり,摂食障害の母親から生まれた子どもの日本で初めての本格的研究である.摂食障害の母親をもつ子ども30人と,コントロール群の子ども36人と発達上の問題を比較した.摂食障害の母親をもつ子どもは乳児期での発達の遅れが多く,3歳以降の排泄の問題をもち,被虐待経験も多くもっていた.摂食障害の母親のリスク因子との相関の分析では,妊娠中に喫煙した母親から生まれた子どもは生下時体重が低く,被虐待経験は,産後うつ病をもつ母親からが多かった.また妊娠中に激しい食行動異常をもっていた母親から生まれた子どもは脳に障害をもっていた.摂食障害が回復していない母親から生まれた子どもはハイリスクの状態にあると考えられるので,さまざまな専門家が協力して長期的なサポートを行う必要がある.
著者
荒木 秀明 佐々木 祐二 猪田 健太郎 武田 雅史 赤川 精彦 太田 陽介 末次 康平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0983, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】近年、MRIの普及により脱出型または遊離型ヘルニア症例の多くが数週間もしくは数カ月の内に、症状とヘルニアそのものが消失することが報告され、積極的保存療法が提唱されている。われわれは、難治性の椎間板ヘルニアに対して吉田らの提唱する椎間板加圧療法を用いて良好な結果を得ているが、今回は非観血的に椎間板の変性を目的として温熱効果を持たせた超音波療法の効果を理学検査とMRIを用いて検討したので報告する。【方法】対象は罹病期間が3ヶ月以上で、MRI画像にてT1、T2強調でともに低信号を呈する腰痛症例である。治療肢位は棘突起間を開くように両側股関節を屈曲位での側臥位とした。超音波治療はIto社製超音波治療器を用いて、周波数1MHz、100%の連続波、強度は1.0~1.5W、5分間行った。理学療法は超音波照射後、たんぱく質の変性により髄核の縮小が起こり、椎体間の不安定性が惹起されることが予測される。この不安定性に対する安定化を目的に、多裂筋、腹横筋それと骨盤底筋の共同収縮練習を背臥位、座位、立位へと段階的に進めた。その際、疼痛が出現しないように配慮した。治療効果を判断するため各種理学検査とMRIの変化を翌日、4、8、12週間後に測定した。【結果】MRI画像は超音波照射翌日、L5/S1レベル以外ではほとんどの症例でT2強調画像は炎症反応を示す高信号に変化した。ヘルニア塊の経時的変化は、4週後に軽度縮小傾向を認め、8週後にはさらに縮小し、12週後には顕著に縮小していた。加圧療法と比較すると縮小の程度は遅いものの縮小傾向が観察された。理学検査では、翌日ほとんど変化は認められなかったが、4週後には症状は軽減し、職場復帰が可能な程度であった。12週後においても症状の改善は維持されていた。【考察】過去約20年間、腰痛症例に対する治療法は積極的な手術療法から化学的酵素療法や経皮的椎間板切除術を経過し、積極的な保存療法へと移行してきている。しかし、臨床においてはこれらの治療法を駆使しても治療に抵抗する難治性の症例に遭遇する。今回、積極的保存療法に抵抗する難治性の椎間板ヘルニアに対して、椎間板の主たる構成要素であるたんぱく質を融解させることで、炎症を惹起させ、マクロファージによる吸収を促進することを目的に超音波照射を施行した。結果は仮説を肯定するように炎症を予測させるMRI画像の変化と、経時的なヘルニア塊の縮小、消失を確認できた。画像の変化に伴い理学検査においても改善が確認された。【まとめ】積極的保存療法に抵抗する難治性椎間板ヘルニア症例に対して、非観血的な中間療法として温熱効果を持たせた超音波療法を紹介した。画像所見、理学検査所見とも良好な結果を得ることができた。今後は、症例数を増やし、レベル毎の違い、照射後の副作用の有無、長期間の予後を含め検討していきたい。
著者
滝本 裕美 安江 恒 徳本 守彦 武田 孝志 中野 達夫
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.121-127, 2013-05-25 (Released:2013-05-28)
参考文献数
16
被引用文献数
3

106年生の高樹齢カラマツ(Larix kaempferi Carr.)造林木5個体を対象として,仮道管二次壁中層(S2層)のセルロースミクロフィブリル傾角(以下MF傾角)をヨウ素法により測定した。MF傾角の年輪内変動は形成層齢によらず,早材では外側に向かうにつれて減少し,晩材では早材よりも変動が小さかった。早材のはじめから早晩材境界にかけてのMF傾角の減少傾向は肥大成長速度の大小に関わらず,形成層齢の増加に伴い緩やかな減少から急激な減少へと変化した。MF傾角の樹幹内半径方向変動は,晩材では形成層齢の増加に伴い急激に減少した後,緩やかな減少に変化し,30年輪以降その変動は小さくなった。早材では形成層齢の増加に伴う減少は認められなかった。30年輪以降において年輪幅と晩材MF傾角には有意な相関は認められないことから,成熟材部の晩材MF傾角は年輪幅の変動の影響を受けないといえる。
著者
河井 正 金谷 守 田中 幸久 石川 博之 武田 智吉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.705-708, 1997
被引用文献数
2

外洋に面した人工島を保護するケーソン式防波護岸の地震時挙動を検討するため、遠心力載荷模型実験を実施した。実験ではケーソン式防波護岸が異なる地盤条件のもとで建造されることを想定し、岩盤上に設置された場合と砂層上に設置された場合の両方の場合について検討した。また一方でケーソン式防波護岸の一部である消波工部分の地震時挙動を把握するため、消波工のみからなる堤体の加振実験も実施した。その結果、岩盤設置型の防波護岸では水平震度1.0で加振してもケーソンの変位があまり生じないこと、消波ブロックのような異形材料の集合体でも、動的変形特性にひずみ依存性が認められる結果が得られた。
著者
宇野 敦彦 中川 あや 堀井 新 武田 憲昭 久保 武
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.213-222, 2006 (Released:2009-06-05)
参考文献数
52
被引用文献数
2

Motion sickness is induced by unusual patterns of spatial information input, but not by a simple strong acceleration. Thus, in the process of the development of motion sickness, the disturbance of spatial orientation is noticed somewhere in the brain, leading to the expression of autonomic signs and symptoms. What part of the brain plays this key role?Peripheral vestibular input has repeatedly been proven to be necessary for motion sickness, even for visually-evoked motion sickness. The vestibular nucleus in the brain stem where spatial information including visual and somatosensory as well as vestibular inputs converge, is the primary candidate for this key structure. In the higher brain, the limbic system, particularly the amygdala, is another candidate. In our rat animal model, bilateral amygdala lesions significantly suppressed motion sickness signs, whereas hippocampus lesions did not. Using cFos protein expression as a marker for neuronal activation, we also showed that the central nucleus of the amygdala was activated by vestibular information during the hypergravity stimulation that induced motion sickness in rats.Involvement of the amygdala may explain some characteristic features of motion sickness, such as its diversity of signs ranging from sympathetic to parasympathetic, and its conditioned occurrence where by some susceptible persons become sick even in motionless vehicles.
著者
山下 久実 細井 匠 武田 秀和 牧野 英一郎 玉木 裕子 石山 大介
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.B0904-B0904, 2005

【目的】 わが国の精神科医療機関では,数ヵ月の入院を繰り返す短期入院者と,10年を超える長期入院者との二極化が進んでおり,高齢化に伴う様々な問題が指摘されている.現在,精神病院に勤める理学療法士(以下,PT)は,PT総数の0.5%以下と非常に少ない.そこで,わが国の精神科医療機関における運動プログラム(以下,運動)の実態把握を目的にアンケートを行った.この結果,他施設の詳細な内容を教えてほしいとの要望が多く寄せられ,再調査を行った.今回,再調査の結果と精神科における理学療法士介入について報告する.<BR>【方法】先行調査で回答のあった228施設の中から,30施設に再度依頼し,運動の詳細な実施状況(対象,プログラム内容,工夫点,問題点他)を回答していただいた.対象者は,A:高齢者グループ,B:活動レベルの異なるグループ,C:積極的に実施できるグループ,D:活動性や意欲の低下しているグループの4つに分けた. <BR>【結果及び考察】今回のアンケート回収率は56%であった.<BR>回答者はほぼ作業療法士(以下,OT)で,PT1施設,レク指導員1施設であった.運動の対象は,B:活動レベルの異なるグループが31%と最も多く,次いでC27%,A18%,D9%となっており時間や曜日を決めて実施している.運動頻度は週に1回が57%と最も多く,週3~5日の実施は18%と少ない.1グループの参加数は10~40名と多い.内容をグループ別に見ると,Aはレクリエーションや散歩,Bは勝負性と活動性兼ねた球技,Cはソフトボールやテニス等のより活動性の高い球技と,自転車エルゴメ-タやトレッドミル等を使用,Dは風船バレー,ストレッチ,リズム体操,自転車エルゴメータ等その場から動かずに出来る活動を中心に実施している.<BR>運動を実施するうえで,対象者の活動度や症状,年齢,性別を考慮してルールを変更するなど,個別性が重要視されてきている.半面,個別対応の難しさに対する回答も多く,高齢化に伴う安全性や内容(運動種目)の問題が指摘された.<BR>【PTの介入について】精神科OTの基準では,2時間25人以内をOTRと助手の2名で算定可能であることから,集団活動が中心に行われる.例えば,対人関係や社会性へのアプローチを考えると,個別対応し難いことが分かる.この点,理学療法は個別,集団とも短時間で算定できること,運動はPTの主たる療法でありプログラムや目標設定の選択に幅がある等の介入のし易さが挙げられる.また,精神面に触れずに身体面へのアプローチが可能であることや,閉鎖的な入院生活による廃用性症候群の予防にも効果があることが分かっている. PTが精神科に介入することは,精神症状や抗精神薬の作用副作用等について理解を深め,精神疾患患者の身体特性を明らかにし,精神科の運動プログラムを治療活動として,方法論や評価法を確立することにつながると考える.
著者
武田 正則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】(一社)岡山県理学療法士会(以下,岡山県士会)は,学術活動として学会や各種研修会を実施している。しかし,近年は業者や団体など行う研修会が多く開催されており,以前に行われていた県士会の県外や高名な講師の招聘といった役割は少なくなってきている。今回は,岡山県士会での企画運営した研修会についてその変遷と特徴を検討し,研修会運営の参考とするために行ったので報告する。【方法】岡山県士会の過去5年間における県学会,特別研修会(日曜日1日コース),卒後研修会(平日夜2時間コース),新人カリキュラム研修会,支部主催研修会について,内容,講師,参加人数,受講者の感想・要望などを中心に検討した。【結果】学会・研修会の回数については,県学会は年1回,特別研修会は年3回,卒後研修会は年3~4回,新人カリキュラム研修会年は年1~5回,支部主催研修会は年4回を基本として行われていた。特別研修会は県外の講師が多く,分野別に多岐にわたり行われている傾向があった。卒後研修会は県内の講師が多く,応用的な内容から基本的な内容へ変遷している傾向があった。新人カリキュラム研修会は県士会員の要望により年1回開催から年5回ほどの分散開催を含めたものに変遷していた。参加者は経験年数が少ない会員が多く10年以上の中堅や特に20年以上ベテランの参加は非常に少ない傾向にあった。【考察】研修会の内容については,特別研修会はトピックス的なものを扱うことを望んでいる傾向があった。卒後研修会は,基本的な知識・技術的なものを求めることが多かった。新人カリキュラム研修会は,A1~5が1日で取得できる1日研修の参加が多く,特に県外からの参加者が近年は増加している傾向にあった。多様化する現在の理学療法に関する研修会の中で,県単位の理学療法士会が担う役割を再構築する必要もあるのではないかと考えられた。
著者
大竹 真紀子 荒井 朋子 武田 弘 唐牛 譲 佐伯 和人 諸田 智克 小林 進悟 大槻 真嗣 國井 康晴
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.217-223, 2012
参考文献数
16

従来,月の地殻組成は月採取帰還試料や月隕石の分析値を基に推定されてきたが,最近になって,月周回衛星"かぐや"データを用いた研究などにより,既存の月採取帰還試料とは異なる組成の,より早い分化段階で形成した始原的な地殻物質が,月裏側に存在する事が指摘されている.これら未採取の月裏側地殻物質を入手し,詳細な化学組成等の情報を得る事は,月高地地殻の組成,月マグマオーシャンの固化過程や熱履歴を知ることに加え,月・地球系の形成過程を考える上でも重要な課題である.本提案では,来る10年の惑星探査計画として,月裏側の高地地域から未採取地殻物質の採取帰還を行い,詳細な組成分析,同位体分析,組織分析,既存のリモートセンシングデータと比較するための分光測定,風化度測定など,さまざまな分析を行うことにより,これら科学目標達成を目指すミッションを提案する.
著者
武田 崇志 大東 誠司 塩崎 弘憲 須藤 一起 小野寺 久
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.2871-2876, 2011 (Released:2012-04-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は78歳,女性.大腸癌術後2週間目に腹部膨満を主訴として来院.腸閉塞を疑って施行した腹部CTで大腸の壁肥厚および脾彎曲から下行結腸にかけての著明な拡張を認め,中毒性巨大結腸症と診断.さらに大腸内視鏡で偽膜形成を認め,Clostridium difficile(CD)毒素陽性であったため劇症型CD腸炎が原因と判断した.全身状態も安定していたため初期には保存的加療を選択したが,入院後4日目にDICを併発し緊急で結腸全摘術および回腸瘻造設を施行した.術後経過は良好で特に合併症なく術後28日目に退院となった.劇症型CD腸炎は手術を考慮する必要があるが,下痢症状を伴わない場合は早期診断が困難な場合もある.今回は迅速に診断し救命しえた劇症型CD腸炎を経験したため文献的考察を含め報告する.
著者
藤野 英己 祢屋 俊昭 武田 功
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.218-224, 1997
参考文献数
10
被引用文献数
3

嚥下第2相では,呼吸運動と特に密接な関係が必要であると考えられている。そこでフォーストランスジューサおよび呼吸ピックアップセンサーを用いて,喉頭運動曲線,呼吸曲線を記録し,嚥下と呼吸の相互連関について検討した。嚥下時には安静呼吸に比較して,小さな呼吸が喉頭挙上に同期して生じた。この呼吸と喉頭運動の時間的相互連関を明らかにすることによって,正常嚥下の生理学的反応を推定した。その結果,喉頭挙上の開始直後に嚥下呼吸が発生し,喉頭が降下開始後に嚥下呼吸は呼息相に移行した。これは喉頭が挙上した後に嚥下呼吸の吸息が生じることによって気道内圧が下降し,気道閉鎖を完全な状態とすることを意味すると推測された。また,"むせ"の状態では嚥下呼吸が喉頭挙上に先行した。さらに,姿勢による影響について背臥位(頸中間位,頸前屈位,頸後屈位)で測定し,比較検討した。一方,この測定方法が嚥下の定量的評価として有用かについても考察を加えた。
著者
向吉 秀樹 林 広樹 内田 嗣人 吉崎 那都 武田 哲也 後藤 和彦 関根 秀太郎 笠原 敬司
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.361-366, 2018-05-15 (Released:2018-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2

In 1997, two strong earthquakes occurred on March 26 (Mj6.6) and May 13 (Mj6.4) in the northwestern part of Kagoshima Prefecture, Japan (termed the 1997 Northwestern Kagoshima Earthquakes). However no seismogenic faults associated with these earthquakes had previously been recognized at the surface. In this study, we report structural observations from newly recognized fault outcrops located 1.5 and 2 km southwest of the epicenter of the Mj6.6 earthquake. One outcrop consists of the Miocene Shibi-san Granodiorite, which is unconformably overlain by lower sandy loam, lower humic soil, upper sandy loam, and upper humic soil layers that are clearly offset by steeply dipping faults. We measured ~ 40 cm of vertical separation of the contact between the lower sandy loam and lower humic soil layers along a WNW-trending fault, above which the ground surface flexed upward by about 20 cm. The second outcrop is a streambed exposure of the Shibi-san Granodiorite that shows a 30-cm-thick layer of foliated cataclasite along a fault plane, with textural evidence of sinistral slip.
著者
岩瀬 真生 高橋 秀俊 中鉢 貴行 梶本 修身 志水 彰 武田 雅俊
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1291-1296, 2003-12-15

はじめに Trail Making Test(TMT)とは,1枚の紙に書かれた1から25までの数字などの指標を順に鉛筆でなぞるという簡易な認知機能検査である4)。TMTは1950年代に開発され神経内科領域で主に前頭葉機能を評価するために使用されてきた。 TMTは従来脳障害の判定に有用であるといわれており,左半球障害者や前頭葉障害者などではカテゴリーチェンジのないTMT-Aに比してカテゴリーチェンジのあるTMT-Bの成績が極端に悪くなると考えられている。TMT-A,B課題双方ともに成績が低下する場合には,情報処理あるいは注意力の全般的機能障害が示唆される。統合失調症患者においてもA,B課題双方ともに成績が低下し,A課題の障害に比してB課題の障害が高度であるという報告が多い。 梶本らはタッチパネルディスプレイを用いてTMTをコンピュータ化したAdvanced Trail Making Test(ATMT)を開発した2)。ATMTは原版のTMTを改変して,visuospatial working memory(VWM)の定量評価を可能にした。ATMTは原版のTMTと比べいくつかの利点がある。(1)タッチパネル上に表示された数字ボタンに直接指で触れて課題を遂行するようにし,1回のボタン押しごとの反応時間測定を可能にした。(2)数字ボタンを25までに限定せず長時間の連続測定を可能にした。(3)数字ボタンの位置が固定され,VWMにより成績向上が可能な課題(ATMT-B課題)と数字ボタンの位置が1回のボタン押しごとに変化し,課題の遂行が視覚的探索のみによる課題(ATMT-C課題)とを作成し,両者の比較によりVWMの定量評価を可能にした。ATMTは短時間で大量かつ定量性の高いデータを得られる上に,課題の教示がほとんど不要なため容易に検査を施行でき,小児から高齢者までさまざまな精神疾患へ応用可能と考えられる。 本論文では,ATMTによるVWMの評価方法を概説する。さらに,健常者と統合失調症患者の少数例でVWMの評価を予備的に開始しており,その結果について述べる。
著者
武田 和夫
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.35-42, 2013-03-31 (Released:2017-05-21)
参考文献数
8

わが国の「公認会計士法」の起源は,明治42年の日糖事件とその後の『公許会計士制度調査書』にみることができる。そこで,公認会計士法制定までの経緯と平成15年改正の内容を考察することにより,当時の職業会計士の業務内容を詳らかにし,公認会計士の使命がパブリックの概念を意識することにあり,その結果,経済主体のガバナンスの支援と内部統制のチェックを遂行することが業務の本質になることを解明した。その上で公認会計士による監査業務と内部監査の共通性を指摘し,公認会計士の内部監査への関与方法について,外部者と内部者の2つの立場から検討を加えている。前者としての立場からは,内部監査部門との共同実施の形態をとり,専門的知見に基づいた内部監査サービスを提供しなければならない。また後者の立場からは,パブリックの概念を保持することの重要性を指摘した。
著者
武田 邦彦
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.104-111, 2005 (Released:2006-04-07)
参考文献数
12