著者
比留間 伸行 橋本 佳三 武田 常広
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1293-1300, 1994-10-20
被引用文献数
13

両眼融合式立体テレビの試作番組を観視している被験者の調節応答を, 眼球運動を追尾して測定可能なTDO III(Three-Dimensional Optometer III)で測定を行った.試作番組は, 2系統のハイビジョンカメラとVTRで制作してNTSCにダウンコンバートし, 液晶シャッタを用いた時分割立体ディスプレイで提示した.番組観視中は, 通常の平面のディスプレイの場合に比べ, 被験者の眼球の焦点位置が近方に調節される傾向があること, また, シーンのカット切り換えの直後に被写体が画面いっぱいに現われ, 距離感が急激に変化するような演出の立体画像や, 主な被写体がスクリーン面より手前にある画像では, この効果が強く現れることが計測された.これらの知見は, 立体画像の視覚への影響の解明や立体テレビ番組の制作に役立つであろう.
著者
植屋 清見 山田 直弘 澤邊 直人 小町 昂史 比留間 浩介
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.72-83, 2009

初等体育科教育学は本学教育人間科学部にあっては将来,小学校の教師を目指す学生にとって小学校教諭普通免許1種の必修科目であり,本授業の単位取得なしでは教員免許はおろか卒業も不可能となる重要な科目である。そのような重要度の高い授業でありながら,実際の授業は半期完結制のもと,僅か15回の授業で終了してしまう。本学においてはこの15回の授業をボール運動と陸上運動の指導に当てている。それ故,陸上運動に使える回数は僅かに7回程度である。本研究は僅か7回しか使えない授業にあって,受講生が将来小学校の教師となったときに,走り高跳びの指導が可能になって欲しいと願って行われている授業である。本研究においては小学校体育の陸上運動の一つの種目である走り高跳びを取り上げ,如何にして受講生の走り高跳びへの興味関心を引き出し,彼らの走り高跳びに関する指導力(知識,経験,実技能力,師範能力等)を育成するかを命題に行われる実践報告的論文である。具体的には小学校体育における走り高跳びの目標の" 記録向上"を求めるのではなく,小学生には危険な跳躍法とされているベリーロールや背面跳びをクリアランス後のセーフティ・マットへの落下の気持ちよさを実感し,また果たして,ベリーロールや背面跳びは小学生にとって危険な跳躍法といえるのかの回答を得る授業として行われる。結論的にはベリーロールや背面跳びは必ずしも小学生にとって危険な跳躍法ではないとする回答が多数であった。加えて,このような指導を通して,受講生の体育の授業に対する態度(喜び・評価・価値)得点は有意に高まっている実態も確認された。尚,本研究の検討の対象の授業は2002 年から2008 年の前期までであった。
著者
比留間 政太郎
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.116, no.9, pp.1295-1302, 2006

皮膚糸状菌症(白癬)の臨床像は,菌種,病変部位,宿主の免疫状態などに影響され,微妙に異なる.診断で大切なことは,真菌症を疑ってみることで,次に直接鏡検によって菌を証明することである.頭部白癬は,菌が硬毛に寄生して生ずるので,毛の寄生形態を観察する.体部白癬は,多種の菌が分離され,それに伴い当然多彩な臨床像を呈する.足白癬は,全人口の4分の1を占めるとこが明らかにされ,その治療の大切さが再認識されている.爪白癬は,新しい経口抗真菌薬が開発され治療が容易となった.今後爪白癬のより良い臨床評価基準が作られることが望ましい.治療は,白癬の病型・病態また個々の症例によっても治療方針は異なる.治療薬剤の特徴を考慮して決定する.治療期間は,表皮,毛,爪のターンオーバーの期間を考慮して決める.生活指導は大切で,その感染経路を考慮して指導する.
著者
水落 円香 小林 信輔 比留間 雄大 加藤 直樹
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.11, pp.1-8, 2016-02-27

今日の学校現場では,電子黒板が普及し,黒板と共にある環境が増えてきており,黒板と電子黒板の特徴を踏まえて,どのように使うかが重要になっている.本稿では,黒板と電子黒板を組み合わせることで児童生徒の主体的な学びを支援することを目的に行った,黒板に板書された情報の電子黒板への複製・表示,電子黒板上の表示情報の黒板上への表示を可能にするシステムの提案と開発について述べる.
著者
比留間喬介 著
出版者
国民教育社
巻号頁・発行日
1942
著者
比留間 浩介 森 健一 尾縣 貢
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.699-706, 2013 (Released:2013-12-07)
参考文献数
18

The purpose of this study was to consider the selection method employed for baton passing during sprint relays in high school physical education classes. Down sweep passing and up sweep passing were compared in terms of learning effect. The results obtained after dividing the students into 3 groups according to sprint capability, and examining the learning effect, were as follows. 1.  The group with a high sprint capability tended to use up-sweep passing because this allowed the baton to be passed while maintaining sprint speed. 2.  The groups with low and medium sprint capability low tended to use down-sweep passing over a free distance, because these groups found it difficult to maintain speed in the takeover zone.   These observations suggest that physical education classes can be made more productive by choosing a suitable baton pass method according to sprint ability.
著者
宮崎 太郎 加藤 直人 金子 浩之 井上 誠喜 梅田 修一 清水 俊宏 比留間 伸行 長嶋 祐二
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-207, no.7, pp.1-6, 2012-07-19

本稿では,固有名詞を手話に自動翻訳する手法について述べる.我々が翻訳の対象としているニュースや気象情報には,地名や人名などの固有名詞が頻出するが,その手話への自動翻訳の研究はこれまで行われてこなかった.固有名詞の翻訳は従来,外国語の場合ではその読みに基づいて変換するtransliterationとして研究されてきた.しかしながら,手話では固有名詞の翻訳は読みに基づくことは少なく,「漢字手話」が使われることが多い.本稿では,「漢字手話」に基づいて日本語の地名や人名を手話に変換する手法について述べる.また,提案手法を用いた主観評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
寺谷 美雪 神白 和正 比留間 潔 奥山 美樹 藤田 浩 香西 康司 浅香 祐幸 前田 かおり 國友 由紀子 山本 恵美 高田 裕子 五十嵐 朋子 鳥海 彩子 矢澤 百合香 森口 真理子 藤本 昌子 二木 由里
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.679-686, 2010 (Released:2011-01-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

【背景・目的】赤血球濃厚液(RCC),血小板濃厚液(PC),新鮮凍結血漿(FFP)などの輸血用血液製剤(輸血用血液)は献血者の人体の一部であり,とりわけ有効利用が求められるが,一定量が有効期限切れで廃棄されているのが現状である.廃棄血を減少させるため有効期限内で別の患者に転用する努力が行われているが,一病院の中では限界がある.そこで,われわれは病院間で輸血用血液を転用し,有効利用する方法(病院間有効利用)を検討し,実施したので報告する. 【方法】東京都が運営する7病院が本研究に参加した.まず,7病院において有効期限切れが原因で廃棄となる輸血用血液の量を調査した(平成17年1~7月).その後,平成19年9~12月の間に各病院で有効期限切れが切迫している輸血用血液の情報をインターネットメールで毎日,定時に発信し,使用できる病院があれば,その病院に搬送し輸血に用いた.搬送にあたっては血液製剤搬送用温度安定剤を用い,温度を管理しながら搬送した.搬送後の品質を管理するため,温度と外観,搬送時間などを評価し記録に残した. 【結果】平成19年9~12月の間に,RCC 18本,PC 1本,FFP 4本の輸血用血液が病院間で有効利用された.その期間のRCCの廃棄率は1.06%で,H19年度の病院間有効利用を行わなかった期間の廃棄率1.78%と比較し明らかに低かった. 【結論】輸血用血液の廃棄量を減少させるために期限切れの前に他の病院で利用することは有効であり,今後,多くの病院間で試みる意義があると思われた.
著者
比留間賢八 編
出版者
共益商社
巻号頁・発行日
1910
著者
比留間 浩介
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (コーチング学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6271号)
著者
八巻 和彦 矢内 義顕 川添 信介 山我 哲雄 松本 耿郎 司馬 春英 小杉 泰 佐藤 直子 降旗 芳彦 橋川 裕之 岩田 靖男 芝元 航平 比留間 亮平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

<文明の衝突>から<文明の対話>への道は、各社会が己の価値観を絶対視することなく、互いの相違を外的表現の相違であって本質的な相違ではないことを認識することによって確保されうる。たとえば宗教において教義と儀礼を冷静に区別した上で、儀礼は各社会の文化によって表現形式が異なることを認識して、儀礼の間に相違が存在するから教義も異なるに違いないとする誤った推論を避けることである。キリスト教ユニテリアニズムとイスラームの間の教義には本質において相違がないが、儀礼形式は大いに異なることでしばしば紛争が生じ、他方、カトリックとユニテリアニズムの間では教義は大いに異なるにもかかわらず、儀礼が類似しているとみなされることで、ほとんど紛争が生じない、という事実に着目すれば、われわれの主張が裏付けられるであろう。
著者
佐久間 厚子 比留間 ちづ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.427-427, 1980-05-25

東京女子医科大学学会第230回例会 昭和55年2月22日 東京女子医科大学本部講堂
著者
太田 猛彦 塚本 良則 比留間 雅紀
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.311-321, 1985-08-25
被引用文献数
6

自然斜面における雨水移動機構とそれに及ぼす基盤地質の影響を解明するため, 新第三紀以降の地層が水平に重なる多摩丘陵に試験斜面を設け, 土層中の水分変化を観測した。観測地点は斜面頂部から谷底まで密に配置され, 精度の高い系統的観測が行われた。各観測地点での水理水頭プロファイルの時間的変化と観測井戸内の水位変動を解析して, 丘陵性自然林地斜面での降雨の鉛直浸透特性に関して以下の知見を得た。1)多摩ローム層に覆われた頂部では土層が厚く地下水面の低い場合のローム層中で一般にみられる浸透特性を示した。2)中腹の急傾斜部ではぬれ前線の降下傾向, 飽和帯の形成位置, 井戸水位の変動速度等に基盤地質の影響が強く認められ, それらは単純な「表層土厚と基岩」の関係では説明しえない。3)斜面下部では崖すい性堆積物中の能率のよい排水機構の存在が示唆された。4)各部位は相互に関連しており, 側方浸透流を考慮した二次元的解析の必要性が指摘された。
著者
菅波 盛雄 廣瀬 伸良 白木 祐美 比留間 政太郎 池田 志斈
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 = Japanese journal of medical mycology (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.319-324, 2006-10-31
被引用文献数
11 17

<i>Trichophyton tonsurans</i> 感染症は, 高校, 大学生の柔道・レスリング選手を中心に拡大していることは知られているが, 中学校柔道選手へも感染が拡大しているか否かは不明である. 本研究では, 平成17年度の全国中学校柔道大会において調査を行った. 対象は全参加1,039名のうち, 本調査の検査に同意した男子218名, 女子278名の計496名であった. 調査は質問紙法とhairbrush法を用いた. 結果は, 496例中45例 (9.1%) がhairbrush法陽性で, 1陽性例あたりの陽性ブラシ棘の集落数は1~126集落 (平均36.1±48.9) であった. 陽性例が多いのは, (1) 男子選手, (2) 他校および高校, 近隣の道場などで頻繁に練習を行う者, (3) 友人に体部白癬「有り」との回答をした者, (4) 体部白癬既往「有り」との回答をした者であった. また, (1) 体重の軽いクラスの者, (2) 戦績上位入賞者, (3) 関東と九州地区在住者に陽性例が多い傾向があった. 次にhairbrush法で陽性であった45名に検査結果を通知し, 治療を受けるように指示した. 3ヶ月後のhairbrush法再検査では, ブラシを返却した者は45例中33例 (ブラシは返却してきたが未治療9例を含む) であった. 治療による菌の陰性化率は, ミコナゾールシャンプー治療群では12例中12例 (100%) で, 経口抗真菌剤治療群では12例中6例 (50.0%) であった. 以上より, 中学生柔道選手における<i>T. tonsurans</i> 感染者が確認された (9.1%) ことより, 本症の感染拡大の阻止が急務であると考えられた.