著者
池田 稜子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.19-32, 1995-12

偏食傾向の実態を把握するため、園児(3〜6歳)及び大学生(18〜22歳)を対象としてアンケート調査を実施した結果、以下の点が明らかとなった。1.園児の約90%、大学生の約66%が嫌いな食品を有していたが、その食品の嫌偏食傾向は園児より大学生の方が強いことが示唆された。2.食物に対する好偏食傾向は園児、大学生ともに極めて低く、両者間に有意差は認められなかった。3.偏食食品に対して園児は「なんとなく嫌い(食べず嫌い)」、大学生は「味やにおい」が最大の嫌いな要因であった。4.好き嫌いの多い偏食児の男児は、女児に比してより「甘えん坊」型が多いことが示唆された。5.大学生に対する調査から偏食の矯正時期として中学生時代が最も多いことが分かった。
著者
池田 章一郎 田代 憲子 伊藤 要 小島 洋彦 伊藤 勝基 近藤 達平
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.7-10, 1978-01-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
6

Glucose sensor for implantable artificial pancreas has been developed in our laboratories. Glucose oxidase is immobilized on the surface of the Nylon membrane filter with glutaraldehyde. This type of sensor is much better than the sensor with GOD entarapping method, in the response range of the glucose concentration and in the length of the life.The exact relationship between sensor current and blood sugar level is recognized in animal experiment.
著者
池田 智彦 馬 闖 新井 遼真 森迫 昭光 劉 小晰
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本磁気学会論文特集号 (ISSN:24320471)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.10-13, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
11

In this study, FeCo magnetic wires with different widths were fabricated by photolithography and facing targets sputtering. Specifically, the domain configurations in the magnetic wires were studied. Flux closure domains with both 90° and 180° domain walls were found in magnetic wire with uniaxial transversal magnetic anisotropy. Furthermore, when the uniaxial transversal magnetic anisotropy was increased, a dramatic increase of 180° domain walls was found in the magnetic wire. These results suggest there are potential for applications for magnetic wires in stress-induced magnetic domain wall motion devices.
著者
糟谷 大河 丸山 隆史 池田 裕 布施 公幹 保坂 健太郎
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.47-52, 2018-11-01 (Released:2018-12-12)
参考文献数
19

日本新産のオオフクロタケ属菌,Volvopluteus earlei (ヒメシロフクロタケ)について,新潟県と千葉県で採集された標本に基づき,形態的特徴の記載と図を添えて報告した.Volvopluteus earleiはかさが径50 mm以下と小型である点,担子胞子長径の平均値が12 µm以上である点,側シスチジアを欠く点,そして縁シスチジアに嘴状突起を持つ点により特徴づけられる.分子系統解析の結果,日本産標本の核rDNAのITS領域は,インド,アフリカ大陸およびヨーロッパ産V. earleiのものと一致する塩基配列を有し,本菌が複数大陸に広域分布することが示された.
著者
劔 陽子 池田 洋一郎 稲田 知久 緒方 敬子 木脇 弘二 小宮 智 長野 俊郎 服部 希世子 林田 由美 渕上 史
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.755-768, 2018-12-15 (Released:2018-12-27)
参考文献数
7

目的 2016年4月に発生した熊本地震における熊本県内各保健所の災害対応を振り返り,今後の災害時における保健所・保健医療行政の役割・あり方について考察する。方法 2016年8~9月にかけて,県内各保健所長が発災後超急性期~亜急性期における自分が勤務する保健所の対応について,また県保健所長会長が同時期における所長会としての活動について,記述的にまとめた。これらを「所長会の活動」,「被害が大きかった地域を管轄する保健所の活動」,「被害が比較的小さかった地域を管轄する保健所の活動」に分けてまとめ,KJ法により課題や反省点を抽出した。活動内容 所長会は県の医療救護対策本部における「コーディネーター連絡会議」に参画し,全県的な対応が必要な事項について調整する等の活動を行った。被害が大きかった地域を管轄する保健所は,支援者・団体の調整,市町村支援として避難所の衛生管理や感染症対応支援等の活動を行った。保健所内の指揮命令系統がうまく動かなかった,市町村や外部支援団体に保健所の機能が知られていなかった,県本部との意思疎通が困難であった,などが課題として挙げられた。被害が比較的小さかった地域を管轄する保健所は,職員の安否や管内の被害状況を確認後,待機体制をとった。その後,県本部からの指示により職種別に職員を被災地域の保健所に応援派遣し,また二次避難者を管内に受け入れた。保健所「チーム」としての応援派遣はなかった。長期間の待機による職員の疲弊,ニーズと実際の応援のミスマッチ,被害が小さかった地域にも開設された避難所への対応が保健所により異なっていたこと等が課題として挙げられた。結論 次の災害に備え,災害時の保健医療部局における一本化した指揮命令系統の確立,管理職のマネジメント能力の強化,市町村や関係団体との平時よりの連携強化,災害時保健所活動についてのマニュアルの整備,被災地域を管轄する保健所への人員補強計画の作成等に取り組む必要がある。
著者
古屋 晃 池田 庸之助
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.38-44, 1960 (Released:2008-11-21)
参考文献数
12
被引用文献数
5 2

(1) 放線菌No. 62株の生産する溶解酵素の最適pHは7.6であり,熱に対して不安定な酵素であることが明らかとなった. (2) Sacchtaromyces cerevisiaeより細胞膜を機械的方法により分離し,溶解酵素により溶解されることを証明した. (3) 溶菌スペクトルを調べた結果,酵母及び糸状菌に属するかなり多くの菌株に対し溶解能を有すること及び細菌の一部をも溶解することが明らかとなった. (4) 酵素液かなり強いプロアーぜ活性を有し,酵素細胞膜はこのプロテアーゼとそれ以外の酵素との共同作用により溶解されると結論された. (5) Sacc. cerevisiaeのprotoplastが本酵素により容易に調製されることが明らかとなった.
著者
池田 茂
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.192-195, 1955

鳥取県岩美郡,鳥取市,及び気高郡内の海岸砂丘地における被覆植物並びに海岸砂防造林木(幼令木)の寄生菌について調査研究したが,要約すればつぎの通りである。<br> (1) 被害被覆植物<br> コウボウムギ,ハマゴウ,ハマボウフウ,イヌムギ,<br> スナビキソウ,ケカモノハシ,ハマニガナ,ナデシコ,<br> ハマヒルガオ,ウンラン,オオ分マツヨイグサ,アキノキリンソウ,<br> トメムカシヨモギ。<br> 被害造林木(幼令)<br> ニセアカシャ,ポプラ。<br> (2) 見出された病原菌<br> <i>Alternaria, Macrosporium, Diplodia, Phyllosticla, Botrytis, Bacterium</i>.<br> (3)病原菌で最も多いのはAlternaia で Macroporium や Diplodia, 細菌類がこれに次いでいる。また原因不明(生理病)の病害もかなり多い。
著者
池田 啓 江口 和洋 小野 勇一
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.35-48, 1979-03-30
被引用文献数
10

Pattern of habitat utilization, home range and food habits of a raccoon dog are studied in a small islet, Takashima, western Kyushu. The home range and the number of individuals in the area are established by means of a bait-marking method which is a new technique developed in this study taking notice of the peculiar behaviour or the raccoon dog to defecate its feces daily on a definite fecal pile site. The size of home range estimated by the method ranged from 1.1 to 4.3 ha (2.8 ha av.) and the total number of individuals in this islet was 8.6-16.1,0.46-0.86 per ha in density. The individual home ranges overlapped closely to each in four seasons. The small population size and high population density in this islet are explained by the confined circumstances of habitat in the one hand and by the specific modes of life of the raccoon dog, that they can live together in a small area with cooperative utilization of the habitat on the other.
著者
池田 和史 柳原 正 服部 元 松本 一則 小野 智弘 滝嶋 康弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.2474-2483, 2011-08-15
被引用文献数
2

本稿では高速かつ高精度に有害サイトを検出するため, Webサイトの背景色やリンク先, ブラウザに特定の動作をさせるスクリプトなど, 有害サイトに特徴的に見られる傾向をHTML要素から検出する手法を提案する. 提案手法では有害サイトのHTMLに偏って出現するような文字列を自動的に抽出し, SVM(Support Vector Machine)を用いてこれらの特徴を組み合わせて有害サイトの検出を行う. 提案手法はWebサイトの本文の情報を利用しないため, 既存のキーワードベース方式によって検出が困難なサイトも検出が可能である. このため, 既存のキーワードベース方式と組み合わせて利用することで検出精度を向上させることも可能である. 大規模なWebサイトデータを用いた性能評価実験を行い, 既存のキーワードベース方式と比較して, 適合率を9.3ポイント向上するなどの性能向上を確認した.In this paper, we propose high-speed and accurate algorithms for detecting malicious Web pages. Our algorithms detect the features of malicious Web pages from their HTML elements such as the background colors of Web pages, the server names related to malicious Web pages, or the name of javascript functions that makes browsers perform unusual actions in response to malicious Web pages. Strings that appear especially in HTML elements of malicious Web pages are automatically chosen. SVMs (Support Vector Machines) combine these strings and detect malicious Web pages. Since our algorithms do not rely on the text parts of Web pages, they can detect Web pages that existing text-based algorithms have difficulty in detecting. By conducting a large-scale performance evaluation with real malicious Web pages, we showed that the hybrid algorithms of our algorithms and existing text-based algorithms increase the precision of existing text-based algorithms alone by 9.3 points.
著者
齊藤 達矢 川野 健二 ヤーイー アン 笠井 美里 池田 勝久
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 = Stomato-pharyngology (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.265-269, 2004-12-10
参考文献数
6

特発性味覚性鼻漏の1例を報告した.症例は44歳の女性で幼少時より食事中に水様性鼻漏を認めていた.顎・顔面の手術歴はなかった.砂糖による鼻漏の誘発試験では, 抗コリン作動性の薬剤によって前処置を行った側の鼻漏は他側に比べ減少したが完全に抑制することは出来なかった.特発性味覚性鼻漏と診断し, 後鼻神経切断術を施行した.術後誘発試験を繰り返し実施しているが鼻漏は認められていない.味覚刺激によって誘発される水様性鼻漏は味覚性鼻漏として知られており, 原因として顎顔面や耳下腺の手術, 顔面外傷がある.今回我々はこれらの既往を持たない特発性味覚性鼻漏の1例を経験し後鼻神経切断術で良好な経過を得た.
著者
池田 隆明 小長井 一男 清田 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_970-I_980, 2017

2016年熊本地震では2日間に震度7の地震が2度発生するという特徴的な地震であった.地震の活動域は熊本県熊本地方から阿蘇地域,そして大分県の大分・別府地域に広範囲に拡大した.震度7の地震のうち最初のM<sub>j</sub>6.5の地震は日奈久断層,二番目のM<sub>j</sub>7.3の地震は布田川断層が起震断層と考えられ,ほぼ従来指摘されていた活断層の周辺で地表変位が確認された.震源近傍では強震動と断層変位に伴う地盤変形に起因すると考えられる構造物の被害が発生した.M<sub>j</sub>7.3の地震を対象に被害地域の強震動を再現するための震源モデルを経験的グリーン関数法を用いたフォワードモデリングにより構築した.
著者
池田勝 守能信次編
出版者
杏林書院
巻号頁・発行日
1999
著者
真嶋 修慈 和田 悌司 池田 貢
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.6, pp.295-302, 2012-12-01

デノスマブ(ランマーク<sup>®</sup>)は,特異的かつ高い親和性でヒトreceptor activator of nuclear factor <I>κ</I>B ligand(RANKL)に結合するヒト型抗RANKL抗体であり,2012年1月に「多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変」の適応で承認された.骨転移はしばしば生活に支障を来す骨関連合併症を引き起こすことが知られている.骨病変は,骨内に侵入したがん細胞が骨芽細胞等のRANKL発現を促し,それにより破骨細胞による骨吸収が亢進し,骨吸収により生じた増殖因子等ががん細胞のさらなる増殖を促すという悪循環により進行する.デノスマブはRANKLを阻害し,この悪循環を断ち切ることで骨病変の進展を抑制する.非臨床試験では,各種がん骨転移マウスモデルにおいて,RANKLの阻害により溶骨性骨病変の進行が抑制された.3つの無作為化二重盲検比較第III相試験は,種々の悪性腫瘍患者を対象に,ゾレドロン酸を対照薬とし,同一の試験デザイン,評価項目,統計手法を用い,デノスマブの有効性と安全性を評価した.その結果,デノスマブは悪性腫瘍の種類を問わず一貫した骨関連事象(skeletal-related event:SRE)抑制効果を示した.3つの第III相試験の併合解析では,デノスマブはゾレドロン酸と比較し,初回SRE発現リスクを17%(優越性:<I>P</I><0.0001),初回および初回以降のSRE発現リスクを18%(優越性:<I>P</I><0.0001)低下させた.抗悪性腫瘍薬の進歩により生存期間が延長しつつある中,QOLを著しく低下させるSREの制御は臨床的に重要である.デノスマブの副作用として,低カルシウム血症およびosteonecrosis of the jaw(ONJ)が認められた.低カルシウム血症についてはゾレドロン酸よりも発現頻度が高かった.デノスマブは簡便な皮下投与であり,腎機能障害による用量調節の必要はないものの,腎機能障害患者では低カルシウム血症を起こしやすいことから慎重な投与が必要である.ONJについては口腔内を清潔に保つなどして予防することが重要である.以上を踏まえ,本剤が多発性骨髄腫による骨病変および固形がん骨転移による骨病変の治療に貢献することを期待する.
著者
池田 恒彦
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, 2008-08-30
参考文献数
1
被引用文献数
1