著者
池田 恵子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日英同盟期の融合文化規範としてのスポーツに着目した。質実剛健、良妻賢母は日本における中等教育機関の教育理念に相当したが、それらは英国中流階級のエリート教育において理想とされた教育理念を媒介し、スポーツ教育と帝国主義との関わりを経由している。第二次世界大戦の勃発以前には、スポーツ教育を通じて英国規範を活用したにもかかわらず、ファシズム期には国粋主義的文化規範への昇華を意図し、国防体育が実践された。いずれも、近代国民国家形成期に日本的ナショナリズムを構築する上で、巧みに利用された外国の文化システムの援用であった。これらを複合的に融合することで日本独自のスポーツ的風土が醸成された経緯を説明している。
著者
池田 博 岩坪 美兼
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

バラ科キジムシロ属キジムシロ群に含まれる広域分布種と、それらから派生したと考えられる地域固有種について、形態学的・細胞遺伝学的・分子遺伝学的解析をおこなった。解析の結 果、1) キジムシロ群植物は全て 2 倍体(2n=14)である、2) P. freyniana var. sinica は、別の種 として取り扱うべきである、3)ヒメツルキジムシロは雑種ではなく、独立した種と考えられる ことが判明し、4) P. koreana とキジムシロ、ヒメキジムシロとテリハキンバイとの雑種を見出 した。
著者
根本 正之 長崎 祐二 池田 正治
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.159-166, 1992-07-31 (Released:2009-12-17)
参考文献数
13

近年, 沖繩本島や八重山群島においてオガサワラスズメノヒエが優占する荒廃草地が増加してきた。オガサワラスズメノヒエは, 周年に亘って成長する, 生育型が叢生-ほふく型のイネ科多年生雑草で, 家畜に対しても有害である。したがってその防除法の確立が望まれるが, オガサワラスズメノヒエの生理・生態や防除に関する研究は殆どないので, オガサワラスズメノヒエが発生したいくつかの人工草地で生態学的調査を行った。オガサワラスズメノヒエは草地内で純群落を形成するまでには至らないが, 採草地周辺部あるいは刈り取り作業機の横すべりや, 牧草の取り残し等によって生じた裸地にいったん侵入すると, その形態的可塑性を有効に発揮し, 確実に空間を占有した。一度草地内に侵入したオガサワラスズメノヒエの防除は極めてむずかしいが, オガサワラスズメノヒエより草丈が高く, かつ, ほふく型で地表面を被覆する性質をそなえたジャイヤントスターグラスの牧草としての導入はオガサワラスズメノヒエ群落の抑制に有効であるらしいことがわかった。
著者
安居院 あかね 池田 直
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

軟X線領域の発光は励起された内殻電子が属するイオン内で光学過程が完結する局所発光モデルで説明されてきた。本研究は電荷秩序状態でFe2+とFe3+が交互に配列するLuFe2O4においてFe3d-2p発光分光スペクトルを測定し、スペクトル構造がFe2+及びFe3+に起因する構造だけでは説明できず、両イオンが光学過程に参加する非局所発光があることを検証した。電荷秩序系物質の示すさまざまな物性を引き起こす電子相関も非局所発光過程の観測から議論できると期待される。
著者
平野 浩 小林 良彰 池田 謙一 山田 真裕
出版者
学習院大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2007

本研究プロジェクト(JES4)では、2007年参院選後から2011年末までの期間に、全国の20歳以上の男女から無作為抽出したサンプルを対象として、前後7回にわたるパネル調査(面接調査5回、郵送調査2回)を実施した。得られたデータの分析を通じて、(1)選挙制度や政党システムの変化、(2)社会経済的な構造の変化、(3)情報環境の変化、などが投票行動に及ぼす影響が明らかにされつつある。
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.710, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては、自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。
著者
池田 寿
出版者
大正大学史學會
雑誌
鴨台史学 (ISSN:13490893)
巻号頁・発行日
no.5, pp.27-42,図巻頭2p, 2005-03
著者
田中 俊輔 市川 信一郎 川田 恭裕 池田 正文 峰 正弥 曽我 広志 山口 慶剛 棚町 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.571-572, 1995-03-27

大型衛星バス技術確立を目的として開発された技術試験衛星VI型(ETS-VI)の姿勢制御系(ACS)は、国産衛星として初めての三軸トランスファ制御等、新しい機能の他、大型太陽電池パドル、大型アンテナ等の柔軟構造物を搭載し、従来衛星以上の高精度化(姿勢制御精度=ロール/ピッチ0.05(deg)、ヨー0.15(deg):3σ)、耐故障性の要求を満たすよう設計・製造され、サブシステム試験、及びシステム試験にて十分に検証されている。ETS-VIは、昨年(平成6年)の8月28日16時50分、H-IIロケット2号機で打ち上げられ、約28分後に計画通り第2段ロケットから分離され「きく6号」と命名された。ETS-VIは分離後、初期太陽捕捉モードにて正常に太陽捕捉、太陽電池パドル部分展開を予定通り実施し、ロール軸回りに0.2(deg/sec)のレートをもったクルージング状態が17時50分に確認された。衛星は、アポジエンジンの不調により、遠地点高度39000km、近地点高度7800km、周期14時間、軌道傾斜角13度という楕円軌道に投入されたが、バス/ミッション系機器のチェックアウトの結果、ACSを含め衛星機能は全て正常に動作していることが確認された。その後、各種通信実験を最大限に実施すべく、軌道上再プログラミング機能により姿勢制御系搭載ソフトウェアを変更して、この楕円軌道上での三軸地球指向制御、ハドル自動太陽追尾、及び通信実験時のアンテナ指向精度を向上させるための姿勢バイアス制御等を実現させた。又、実験の実施が容易になるように、ペリジ高度を700km上げる軌道修正を実施して、3日毎に同一地点の上空を通過する回帰軌道に衛星を乗せた。本報告では、これまでに得られている姿勢制御系フライトデータの速報を中心に報告する。ETS-VIの軌道上コンフィギュレーションを図1に示す。[figure]
著者
松原 斎樹 石田 正浩 森下 正修 飛田 国人 松原 小夜子 藏澄 美仁 烏雲 巴根 柴田 祥江 白澤 ちあき 池田 佳奈
出版者
京都府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

温暖化対策には技術面だけでなく,人々の環境配慮意識・行動を促進するアプローチも重要である。本研究ではラジオ放送の涼しい音楽企画と学生祭典が,人々の環境配慮意識や行動を促進する効果について考察することを目的としている。研究の結果,1)当初から環境配慮意識の高い人はこれらの企画に参加することで更に環境配慮意識の向上が見られた。2)環境配慮意識があまり高くない人でも,これらの企画に参加することで環境配慮意識が向上し,環境配慮行動促進に繋がる可能性が示唆された。
著者
池田 枝実子
出版者
園田学園女子大学
雑誌
史園 (ISSN:13458396)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.31-48, 2001-12-31
著者
福島 茂之 廣瀬 勝一 池田 克夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.120-121, 1997-09-24

今日, 情報ネットワークの普及・拡大にともなって, 遠隔会議のような電子会議が行われるようになってきている. 遠隔会議では, 参加者が直接顔を合わせないため, 匿名で会議を行うごとが可能となる. 参加者が匿名で会議を行うことの利点は, 地位や人間関係にとらわれることなく, 自由に討論できることである. 一方, 匿名であることを悪用して, 会議の進行を妨げる発言をするなどの不正の行われる可能性があるという欠点もある. 本研究では, 暗号技術を利用して, 安全な匿名会議を可能とするシステムを提来する.