著者
清水 裕真 Abbas KHAYYER 後藤 仁志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_799-I_804, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1

津波や高潮襲来時の流体力による構造物の変形や破壊,タンク内液体のスロッシング現象や船舶のスラミング現象など,流体-構造連成問題(FSI問題)は海岸工学分野に関わるものが多いが,その対策の検討には数値波動水槽の活用が有用である.粒子法は完全Lagrange型数値解析手法の一つであり,大変形を伴う界面の取り扱いに優れる.その特性を活かし,近年様々な完全Lagrange型構造解析モデルおよびFSIソルバーが開発されてきた.しかしながら,これまでに提案された手法はそのほとんどが構造解析に陽解法型のアルゴリズムを用いているため,高Young率構造物の動的解析には極めて微小な時間刻み幅が必要となり,計算コストの増大および連成解析時における流体との時間刻み幅の差異が問題となる.そこで本研究では,高次の時間発展スキームに基づいて導出した陰解法型完全Lagrange型構造解析手法を開発し,非圧縮性流体と高Young率弾性構造物のFSI解析を通して提案手法の検証を行う.
著者
板谷 一宏 井上 学 飯塚 奈都子 清水 裕樹 結城 伸泰 市川 博雄
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.633-636, 2016 (Released:2016-09-29)
参考文献数
10

症例は17歳の男性である.徐々に上下肢の筋力低下を自覚し,走った際にバランスを崩すようになった.加えて姿勢時に手指の振戦が出現した.典型的慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの病型に加えて,上肢の振戦と下肢の運動失調を認めたことから抗neurofascin-155抗体の関与を疑い,陽性であった.同抗体陽性である慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの詳細な症例報告論文としては本邦初であるが,振戦,免疫グロブリン大量静注療法抵抗性といった,比較的類似した臨床像を持つ一群である可能性が指摘されてきており,同抗体の検討は有効な治療選択の一助となる可能性がある.
著者
清水 裕晶 獨協医科大学内科学(内分泌代謝)
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.T11-T17, 2010-03-25

横紋筋細胞におけるピオグリタゾンとメトホルミンの単独,及び併用投与時の遺伝子変化について解析した.最初に,ヒト横紋筋由来のA673細胞に対して,1 mMのメトホルミンと10 m Mのピオグリタゾンの単独投与群と両剤併用群を作成し一日培養後,各群にマイクロアレイを施行した.対照と比較し,単独及び,併用投与時には1000個を超える遺伝子で2倍以上の発現を認めた.単独投与で発現が増加し,併用で更に増加した遺伝子群を抽出して階層型クラスター解析と優位機能Pathway解析を施行したところ,階層型クラスター解析では,単独時と比較して,併用時で有意なミトコンドリアb 酸化回路の活性化を認めた(p<0.05).また優位機能Pathway解析では,CPT-1A を含むb 酸化関連遺伝子の活性化を認めた.本研究において,両剤の併用は横紋筋細胞のb 酸化回路を賦活化して,より脂肪燃焼・抗肥満的に作用する可能性が示唆された.
著者
清水 裕子 酒井 秀夫
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用研究会誌 (ISSN:0912960X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.53-60, 1994
被引用文献数
1

わが国の森林作業環境に適した作業服の機能と快適性を追求し,森林作業の生理的負担を軽減する目的で,アンケート調査を行った。その結果,次のようなことが明らかになった。(1)寒冷時には手足に寒さを感じており,そのための保温が必要である。(2)発汗時に汗の吸収のよい素材についての要望が大きく,素材の検討が急がれる。(3)雨天での作業も行われており,雨具の検討もすべきと考えられる。(4)伸縮性やゆとりのある作業ズボンが作業性と危険防止のために必要である。(5)携帯品が多岐にわたっており,作業服に機能的なポケットを設計することが重要である。(6)作業服の色の好みに関しては,年齢による違いがみられる。明るく斬新なデザインや色について,若い層から要望が出されており,このような点を考慮して作業服を設計する必要がある。これらの結果は,今後機能的で快適な作業服の設計に資することができる。
著者
永井 聡子 清水 裕之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.487, pp.79-86, 1996-09-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
17

This study is an attempt to clarify the relation between stage and auditorium in Adolphe Appia's theory of "LA MISE EN SCENE". Appia aimed at an unity between them. His idea cleared through Bayreuth festspielhaus and developped into the new step by experiencing Dalcroze method, eurhythmies in 1906. From the architectual point of view, there are two point about the unity; 1) proscenium arch 2) the side wall of the auditoium At the bottom, there are his concideration of the living body; actor and audience. New space appeared by the connection among body,lighting and space baced on the rhythm.
著者
大清水 裕
出版者
滋賀大学教育学部
雑誌
滋賀大学教育学部紀要 (ISSN:21887691)
巻号頁・発行日
no.67, pp.123-137, 2018-03-30

ローマ帝国支配下の北アフリカにおける「ローマ化」を考える上で、皇帝礼拝は重視されてきたテーマの一つである。古代ローマにおける皇帝礼拝は、ヘレニズム諸王国における支配者崇拝に由来するとされるが、両者は必ずしも同一のものではない。スエトニウスは、以下のように述べている。 「属州が神殿の建立について、従来もよく総督のためにすら決議していることは知っていたが、アウグストゥスはいかなる属州の決議も、自分のローマ国民共通の名義以外は、受理しなかった。首都ではたいそう頑固にこの名誉を拒否した。」 アウグストゥスは、東方では女神ローマとの合祀を条件に自らに対する祭祀を容認する一方、生前の神格化に忌避感の強かった首都ローマでは厳にそれを慎んだとされる。他方、ヘレニズム諸王国のような支配者崇拝の伝統がなかった西方の諸属州においては、ローマ皇帝礼拝は、東方やイタリアとも異なる展開を見せている。本稿では、ラテン語で刻まれた碑文が数多く出土している北アフリカを舞台として、ローマ皇帝礼拝の展開について再考を試みたい。西方諸属州におけるローマ皇帝礼拝については、 D. Fishwick による造瀚な研究が知られている。彼は、ローマ皇帝礼拝の中でも属州単位で行われた祭祀に着目し、アフリカ・プロコンスラリス属州については、後70~72年頃に皇帝礼拝祭祀が確立されたと主張している。ネロ帝死後の内乱を経て成立したフラウィウス朝の下では、その帝位を正当化するための措置が必要とされた。アフリカ・プロコンスラリス属州におけるローマ皇帝礼拝の確立も、その一環であったということになる。ローマ帝政期北アフリカの宗教研究で知られる M. Le Glay がフラウィウス朝期の変革を重視していたこととも符合する見方である。 それに対して、アウグストゥス治世からコンモドゥス治世までの北アフリカ諸都市における皇帝権の表象について検討した F. Hurlet はフラウィウス朝期に画期を見出す Fishwick の見方に疑問を投げかけている。彼は、この時期に諸都市で皇帝に対して捧げられた碑文群の他、皇帝や帝室の人々の肖像、貨幣などの関連資料も網羅的に分析し、フラウィウス朝期には前後の時期と比べて大きな変化が見られないこと、北アフリカの諸都市で皇帝像が広くみられるようになるのは2世紀以降であることを指摘している。 実際、アフリカ・プロコンスラリス属州における属州単位での皇帝礼拝が行われていたことも知られている。 他方、 J. B. Rives は、皇帝礼拝の採用がローマの文化的アイデンティの採用と同時であったと思われる事例があることを認める一方、実態は考えられてきたよりも複雑であったと述べ、いくつかのケーススタディを通して、ローマ皇帝礼拝の導入が旧来の文化的伝統の放棄だったわけではなく、ポエニ系の祭祀がその基盤となっていた可能性も指摘している。北アフリカにおけるローマ皇帝礼拝の展開も」、その置かれた条件により多様であったと考えられる。 そこで本稿では、北アフリカの中でも、属州単位での皇帝礼拝の中心となっていた州都カルタゴとその周辺地域を取り上げる。まず、アウグストゥス期のカルタゴで見られた個人による最初期の皇帝礼拝の事例について確認したうえで、都市単位での皇帝礼拝の動向について考察する。その上で、フラウィウス朝期にアフリカ・プロコンスラリス属州の単位で皇帝礼拝が成立した根拠とされる碑文を再検討し、北アフリカにおけるローマ皇帝礼拝の展開について、その特色を考えてみたい。
著者
清水 裕子 川崎 圭造 伊藤 精晤
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.517-520, 2003-03-31
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Expectations have been placed on scenic thinning in recent years in recovering the environmental conservation function and promoting recreational purposes of the increasing uncontrolled artificial forest stands. Although there have been recent reports on scenic thinning, there are very few examples of implementation. This study was conducted for the purpose of examining the possibilities of scenic thinning by investigating its impact on the place where Ito et al practiced it within the Shinshu University in 1992. We conducted the study by complete enumeration and vegetation survey of the tree and bush layers against the forest where scenic and ordinary thinning were carried out stand (scenic and ordinary thinning areas) and made a comparative review. As a result, there were no significant disparities of tree layers between both areas and no difference were found in the growth, which was expected in the scenic thinning area. However, with the bush layer, the average height of bush layer of arboreal vegetations was significantly taller with the scenic thinning and the differences in the distribution of tree height were great as well. This suggests that woodlands managed by scenic thinning can be lead effectively to multiple layered forest stands in comparison to ordinary thinning and indicates the forest's stability and the possibility of natural scenic cultivation.
著者
百目木 希実 門傳 剛 松村 美穂子 清水 裕晶 池田 志織 助川 敦子 柳 一徳 青木 千枝 川越 宣明 加瀬 浩之 笠井 貴久男 Nozomi Domeki Tsuyoshi Monden Mihoko Matsumura Hiroaki Shimizu Shiori Ikeda Atsuko Sukegawa Kazunori Yanagi Chie Aoki Yoshiaki Kawahoe Hiroyuki Kase Kikuo Kasai 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) 獨協医科大学内科学(内分泌代謝) Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine Department of Endocrinology and Metabolism Dokkyo Medical University School of Medicine
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.181-186, 2010-10-25

日本甲状腺学会から甲状腺クリーゼの診断基準が2008 年に発表された.2004 年4 月から2009 年3月に当院で臨床的に甲状腺クリーゼと診断,治療した20 症例を,その診断基準にあてはめ,治療と予後等について解析した.基礎疾患は全例バセドウ病だった.誘因として服用不規則や中断が9 例,感染症6 例,糖尿病性ケトアシドーシス3 例,情動ストレス2 例,脳血管障害1 例,外傷1 例だった.診断基準で確定診断例が15例,疑い例が1 例,除外症例が4 例だった.症状では中枢神経症状が疑い・確定診断例では11 例,脈拍130/分以上は12 例認められたが,除外例では認められなかった.治療としてはチアマゾールが全症例に使用されていた.ヨードは13 例,b ブロッカーは17 例,ステロイドは12 例の症例で使用されており全例救命できた.服用不規則や中断,感染症が誘引となりやすく,症状では中枢神経症状・脈拍が特にクリーゼの診断には重要と考えられた.後遺症を残す重症例は6 例で全て新診断基準によって確定診断された症例であり,新診断基準は予後への有用性も期待できると考えられた.
著者
清水 裕次 田森 佳秀
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.26, pp.43-48, 2002

ヒトは探索物を発見した瞬間に「Aha!」と思う。この瞬間は、いわばひらめきの瞬間のことであるから、いつ起こるのか予測できない。同様な事は他のモダリティでも見られることから、「Aha!」の瞬間は、モダリティーに共通の認知現象であると考えられる。我々は「Aha!」の瞬間に起こる神経活動の変遷を調べるために多チャンネルMEG計測を行った。電流双極子の位置推定の結果、「Aha!」の瞬間に関連する局在した神経活動は、上前頭回と帯状回前頭下部に出現することが分かった。
著者
清水 裕
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.21-32, 1994-07-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
26
被引用文献数
4 1

From the past studies which have examined the influence of negative mood upon helping behavior, the results are inconsistent and the extent to which the result can explain are not clear.This research has focused upon the decrease of self-esteem after failure experience and examined the functional similarity between failure situateon and a helping scene that is encountered afterwards, assuming that helping depends upon its “instrumentality”in order to recover decreased self-esteem.In the first study, a helping scene was set as to search for a contact lens that a confederate assumed to lose. The recovery of self-esteem after the helping behavior was higher when preceded by a failure experience that has harmed the confederate than after a negative self-evaluation. This suggests the existence of instrumentality of help.In the second study, several helping scenes were set and the influence of failure experience upon “intention of behavior”was examined.Functional similarity between preceding failure situation and helping scene had great influence, but the “instrumentality”affected the “intention of behavior”only when the “instrumentality”was perceived over at a certain level.
著者
粟野 皓光 清水 裕史 筒井 弘 越智 裕之 佐藤 高史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.324, pp.85-90, 2011-11-21

ランダムテレグラフノイズ(Random Telegraph Noise: RTN)は微細デバイスの信頼性や回路特性に関わる物理現象であり,様々なモデル化手法が提案されている.閾値電圧の変動幅と変動時定数は,種々のモデルに共通する特に重要なパラメータであるが,測定データからこれらを求めることは困難な課題となっている.本研究では,キャリアの捕獲と放出の過程を統計的モデルとして表現し,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を用いて各パラメータをベイズ推定する手法を提案する.人工的に生成したRTN信号に提案手法を適用し,良好な結果が得られたが,実測信号については課題も見られた.

1 0 0 0 IR 研究ニュース

著者
平岡 秀一 塩谷 光彦 狩野 直和 川島 隆幸 川上 厚志 牧野 淳一郎 中村 栄一 磯部 寛之 尾中 敬 岡 良隆 上野 啓司 島田 敏宏 小間 篤 東山 哲也 濱口 宏夫 清水 裕子
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.4-12, 2002-09-17

金属イオンを自在に並べる/有機ケイ素化合物におけるケイ素の配位数の制御/小型熱帯魚ゼブラフィッシュの変異体を用いた遺伝子ハンティング/GRAPE-6とゴードン・ベル賞/フラーレンの基礎n学て妬くナノバイオテクノロジー/赤外線衛星観測と衛星冷却望遠鏡/やる気を起こさせる神経メカニズム/有機分子ナノ構造のシリコン基板上への自己組織化形成/植物の受精のしくみを解き明かす/酵母生細胞の時空間分解ラマン分光/マカク細胞の加齢に関する研究