著者
渡邊 昌
出版者
公益財団法人 国際全人医療研究所
雑誌
全人的医療 (ISSN:13417150)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.63-74, 2019-03-25 (Released:2019-05-09)
参考文献数
36

食生活が健康にかかわっていることは古今東西,共通であり,否定する人はいないであろう.筆者は食事を多方面から研究し,玄米,菜食,腹八分目が腸を整え,健康長寿に最もよいと確信を持つようになった.玄米と具の多い味噌汁で必要な栄養素はすべて賄え,さらに抗酸化作用をもつ多くの機能性物質も摂れる.人間は肉体的には老化していくが,精神的には成熟し続けることが可能である.正食(マクロビオティック)は玄米主体の日本食であり,菜食主義者に近い食事である.人間の腸内細菌叢の組成は食事によって変化する.玄米食は多くの酪酸産生菌の増殖を促すものであり,健康な腸内環境の維持に役立っている.長寿者の研究から,望ましい菌は大便菌(フェカリバクテリウム)やビフィズス菌などであり,酢酸や酪酸産生菌であるとされる.これら菌を養うには食物繊維を摂ることが重要で,肉を減らし野菜を多く摂る,玄米を食べるということで達成できる.筆者はコメの機能性に着目してMedical Riceのコンセプトを広めている.低たんぱく玄米は玄米の機能成分は残しつつ腎不全の進行を抑える食材としてほぼ理想的といえる.
著者
伊藤 和子 阿久津 智美 大山 高裕 渡邊 恒夫 山﨑 公位 角張 文紀 吉成 修一 荒井 一好 橋本 啓 宇田 靖
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.30-37, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3 1

高い機能性と美しい色調を持つナス由来のアントシアニン色素「ナスニン」を,現在は廃棄されているナス下漬液から回収して有効活用することを目指して試験を行った.各種の合成吸着剤の吸着性能を検討し,最も吸着能の高い合成吸着剤としてHP-20を選定した.本吸着剤1mlはナス下漬液約100mlの色素成分を吸着する一方,下漬液中の食塩の95.7%,ミョウバン由来アルミニウムの99.1%が除去できた. 吸着した色素成分は5mol/l酢酸水溶液で効果的に溶出され,ナスニンの回収率は87%であった.しかし,調製された色素画分にはナスニン以外にクロロゲン酸と未同定のいくつかの成分も混在した.この色素粉末のORAC値は1g当たり10432μmol Trolox当量であり,クロロゲン酸の活性の69 %に匹敵する比較的高い抗酸化性が認められた.
著者
渡邊 正孝
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.131-139, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Recent human neuroimaging studies indicate that by using fMRI we can “see” what people are thinking. In animals, we can more accurately see what the animal has in mind by using invasive methods that cannot be used in human subjects. Here I introduce experimental studies where single neuronal activities were examined in the monkey prefrontal cortex in relation to working memory and reward expectancy. We found that by monitoring the neuronal activity while the animal is waiting for the next event, we can see what the monkey is retaining or expecting in mind. Human neuroimaging studies have well documented “default mode of brain activity”, which is higher activity during the resting state than during cognitively demanding task, and is concerned with internal thought processes, in the medial prefrontal and medial parietal areas. In our PET study, we also found higher activity during rest in these medial cortical areas of the monkey. The result suggests that there are primitive-level internal thought processes in the monkey.
著者
渡邊 康志
出版者
沖縄地理学会
雑誌
沖縄地理 (ISSN:09166084)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-16, 2022-07-31 (Released:2022-08-01)

GISソフトを使いデジタル等高線データから埋谷法による接峰面図及び接谷面図の作成方法を開発した.この方法により,広範囲の解析や谷埋め距離などの作成条件変更による複数の解析図を作成できるようになった.また,接峰面図等もデジタルデータとして生成されるため,これを基に様々な数値地形解析結果を得ることができた.これらの適用例として,沖縄島北部の塩屋―平良以北の埋谷法接峰面図,接谷面図,起伏量図など地形解析図を作成し,同地域の地形特徴や発達過程を考察した.山地,丘陵,水系などについて,先行研究に比べ地形計量値を使った詳細な考察が行えた.本研究からは,福地川流域や周辺丘陵で活断層による丘陵・台地の変位,それに伴う河川流路の変化の可能性が高いことがわかった.
著者
森田 学 鶴見 真由美 平岩 弘 坂田 真理子 岸本 悦央 近藤 充宏 渡邊 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.205-210, 1987-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

歯口清掃による歯の動揺度の改善を, より客観的に評価することを日的として, 動揺度測定装置 (TMC-01) を考案し, 臨床応用を試みた。この装置は, 歯を水平方向に移動させるのに必要な荷重を連続量 (g) で表示するものである。外来患者20名 (被検歯総数216本) を対象に, 来院時毎に, 徹底した歯口清掃と歯間部の清掃を主日的とした刷掃指導を行った。動揺度は, 初診時, 2週, 4週, 8週後にTMC-01を用いて測定し, 同時にプラーク付着状態も診査した。その結果, (1) 動揺歯の荷重平均は, 初診時101g, 2週後141g, 4週後147g, 8週後157gであり, 短期間のうちに著明な改善が認められた。 (2) 2週後で74%, 8週後で85%の動揺歯に改善が認められた。 (3) 初診時, 79g以下の力で動揺を示した歯は, 2週以後の改善傾向が減少したが, 809以上の力で動揺を認めた歯は, 期間全体を通じて改善した。以上より今回用いた装置は, 動揺度の測定に応用できる可能性が示唆された。
著者
比嘉 聖 帖佐 悦男 坂本 武郎 渡邊 信二 関本 朝久 濱田 浩朗 野崎 正太郎 前田 和徳 中村 嘉宏 舩元 太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.458-461, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
3

脛骨に発生した骨線維性異形成(OFD)に対し,腫瘍切除後の巨大骨欠損をβ-TCPのみにて補填した3症例(男性1例,女性2例,手術時平均年齢14歳11か月)を経験したので報告する.【方法】腫瘍をen blocにボーンソーにて切除し,β-TCPにて骨欠損を補填し,不安定性への対処としてギプス固定またはplateにて固定した.【考察】OFDに対する治療において,単純掻爬骨移植では再発例が多いというのは以前より報告されていることであり,拡大切除を選択している施設も多い.当科でも同様であるが,骨欠損部が大きくなり自家骨のみでは補填困難である.当科ではBone bankのシステムも確立しておらず,症例が若年者であり採骨のリスクを考えβ-TCPのみで対処した.今回の症例ではβ-TCPは骨に置換され現時点では副作用も認められないので巨大骨欠損に対する補填材料として有用と考えられた.
著者
渡邊 安理沙
雑誌
東京女子大学言語文化研究 (ISSN:09187766)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.78-91, 2012-03-01

Today, there are innumerable advertisements in a wide variety of media such as television, newspapers and the Internet. Advertisements are sensitive to changes in society and in people's tastes as they have a strong impact on consumption.This article has two purposes. One is to investigate men's and women's lifestyles as reflected in phrases used in advertisements between 1955 and 2009. The other is to show the relationship between changes in lifestyles and changes in society. Five hundred advertisements related to the theme of this paper were analysed. They were taken from (1) the Annual Report on Dentsu Advertising Awards, (2) Monthly Newspaper Ads [compact edition], and (3) Copira,an Internet advertisement search site. The advertisements were divided into 11 five-year periods, and the characteristics of each of the periods was summarised. Finally, the mutual influence of the advertisements and society is considered.The results show that advertisements and society are closely related. Basic trends and people's tastes appear to be timeless, even though new lifestyles are introduced one after another. A strong women image, e.g., a career women, has also appeared in advertisements,reflecting women's advancement in society. In contrast, sweet-tempered men, who help theirwives with housework, have also appeared. Thus, advertisements clearly show the differencesin men's and women's lifestyles as well as the changes in the economy and society.
著者
中村 航洋 浅野 正彦 渡邊 克巳 尾野 嘉邦
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第18回大会
巻号頁・発行日
pp.23, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)

政治的意思決定や選挙行動は,政治家の掲げる公約や政策の内容だけでなく,有権者の偏見や政治家の容姿といった,政治とは直接的関連の薄い要因にも左右される。しかしながら,人々がどのような容姿を政治家としてふさわしいと感じ,なぜそれが政治的意思決定に影響を及ぼすのかは明らかにされていない。本研究では,逆相関法を用いた顔画像分類から,日本人が心のなかで想像する政治家の顔ステレオタイプを可視化し,政治家らしいと判断される顔の特性について明らかにすることを目的とした。実験では,2016年の参議院議員選挙候補者の平均顔にランダムノイズを付加した2枚の画像を生成し,実験参加者に「内閣総理大臣」あるいは「防衛大臣」にふさわしい顔つきの写真を繰り返し選択してもらう課題を実施した。参加者の画像分類を逆相関法により解析した結果,各大臣としてふさわしい男性顔および女性顔のステレオタイプを可視化することができた。
著者
伊藤 理絵 本多 薫 渡邊 洋一
出版者
山形大学人文学部
雑誌
山形大学人文学部研究年報 = Faculty of Literature & Social Sciences, Yamagata University annual research report
巻号頁・発行日
vol.8, pp.215-227, 2011-03-23

要旨:攻撃的ユーモアを笑うということを優越感から生まれる快の笑いとは異なる観点から検討した。攻撃的ユーモアを含む4 コマ漫画と非攻撃的ユーモアを含む4 コマ漫画をユーモア刺激とし, 大学生および大学院生142 名を対象に質問紙調査を行った。それぞれのユーモア刺激について, 対象者をユーモア高評価群とユーモア低評価群に分類し, 与えられたユーモア刺激を笑ったり, おもしろいと感じたりする場合の笑いについて比較検討した。その結果, 攻撃的ユーモアを笑うためには, 感覚的不適合とともに論理的不適合も必要である可能性が示唆された。日常生活におけるコミュニケーションの手段として笑いを重視していることがユーモア評価に影響していることも示された。
著者
渡邊 卓也
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.16-29, 2020-12-20 (Released:2020-12-25)

不正指令電磁的記録に関する罪(刑法19章の2)は、サイバー犯罪条約の要請により、コンピュータウィルスによる被害を防止してプログラムに対する信頼を保護し、情報処理の円滑な機能を維持するために導入された。その客体は、コンピュータを使用者の「意図」のとおりに動作させない「不正な指令を与える電磁的記録」と定義されるが(刑法168条の2第1項1号)、反「意図」性を如何なる基準によって判断すべきかは、必ずしも明らかではない。そこで、反意図性要件の意義について、近時の判例を参照しつつ論じた。具体的には、仮想通貨のマイニングを実行するために設置されたコードにつき反意図性が争われた、コインハイブ事件が対象である。同罪の立法経緯や罪質に鑑みれば、規範的観点からみた許容性こそが判断の本質である。判例の示した抽象的な基準はともかく、具体的な判断には問題があり、これを解決するためには立法による対処が望ましい。
著者
酒井 義朗 三輪 涼子 光岡 正浩 渡邊 浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.751-754, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

In the hospital, antibiotics are widely used to treat infections. We report a case of acute kidney injury (AKI) caused by an antibiotic drug combination. A 30-year-old Japanese male presented with lung metastases, pneumothorax, empyema, and methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) infection. The patient received a combination of vancomycin and piperacillin/tazobactam, which resulted in elevated vancomycin trough concentration and subsequently in AKI. Renal function was restored upon vancomycin and piperacillin/tazobactam cessation. Though this patient had AKI most likely due to the combined use of two agents as has been reported in many cases, vancomycin trough concentration showed an unexpected abnormal increase when halting vancomycin treatment. This is the first report indicating a drug-drug interaction between vancomycin and piperacillin/tazobactam with unexpected abnormal vancomycin trough concentration, leading to AKI, additionally we think that there was a situation that he stressed against the kidney by a history of medications caused renal dysfunction and co-administration. We suggest that when using vancomycin in combination with piperacillin/tazobactam, the trough concentration of vancomycin must be confirmed simultaneously with renal function and evaluation, and that the combination of these two drugs should be minimized.
著者
望月 沙紀 渡邊 昌宏
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-231_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】臨床において、下肢の神経徴候のない急性・慢性の腰痛症患者に対して大腿筋膜張筋とハムストリングスにストレッチを実施することで、疼痛の軽減だけではなく、姿勢や歩容の改善が即時的に得られると言われている。また、ストレッチにより筋を含めた組織柔軟性の維持・向上、筋運動疲労回復の促進、疼痛緩和、精神的リラクセーションが期待されると言われている。しかし、腰痛症患者の筋の柔軟性が腰痛に関わるかどうか明確になっていない。そこで、本研究の目的は筋の柔軟性と腰痛の関係を明らかにすることとした。【方法】対象者は、腰痛あり13名と腰痛なし11名の合計24名(20±2歳)の成人女性とした。医師の診断や主観的判断で神経症状、内科的疾患を示す場合は除外した。アンケートにて腰痛あり群となし群に分けた。その後、柔軟性テストにて伏臥位上体そらし(顎床間距離)、トーマステスト(床膝間距離)、体幹捻転(膝床間距離)、SLR(股関節屈曲角度)、エリーテスト(臀踵間距離)、立位体前屈(指床間距離)の順に測定を行った。次に柔軟性テストの順で対応する筋にスタティック・ストレッチを実施し、その直後に再度測定を行った。ストレッチは、各筋に対して30秒間保持、休憩10秒を挟み片側に対し計2回行い、反対も同様に実施した。解析には、実施後測定値から実施前測定値の差を計算し、柔軟性による変化を算出した。統計学的検討は、腰痛のあり群・なし群と各柔軟性テストの差に対応のないT検定を用い、有意水準は5%とした。【結果】床膝間距離は腰痛のあり群がなし群に比べ、右はストレッチ介入後の測定差に有意差が認められ(2.56±1.72cm、P=0.066)、左には有意な傾向が認められた(2.70±1.98cm、P=0.022)。その他の筋の柔軟性に関しては腰痛のあり群となし群には有意差は認められなかった。【結論(考察も含む)】大腰筋は筋力低下により伸張されると骨盤後傾、腰椎後弯が生じ、短縮が生じると骨盤前傾、腰椎前弯姿勢が生じると報告されており、腰椎の過前弯・過後弯によって腰痛が生じることが明らかとされている。今回、腰痛がある場合には腸腰筋は伸張されやすかったことから、腸腰筋の短縮が認められていたと推察された。また、筋連結の観点から腰痛は腸腰筋と直接関連すると報告されている。これらのことから神経症状がない腰痛者は腸腰筋の柔軟性が低下しており、ストレッチ介入によって伸張されやすいと考えられた。【倫理的配慮,説明と同意】対象者には、本研究の目的・意義および本研究で得られた情報は個人が特定できないように処理し、データと結果は研究目的以外に用いることが無いことを書面にて説明し、同意を得た。また、本本研究への協力は個人の自由とし、実験の途中でも不利益を受けることなくいつでも撤回できることを説明し実施した。
著者
渡邊 ひとみ
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.105-115, 2020 (Released:2020-06-25)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

This study examined the types of positive meanings derived from positive and negative past experiences and explored their effects on identity development in adolescence. Participants (494 undergraduates) were asked to recall a single or series of past events that they considered to be the most influential to their current definition of self and sense of who they are. Next, they completed the Identity Scale, Centrality of Event Scale, and other instruments for measuring benefit-finding. Several types of positive meaning—personal growth, attainment of new perspectives and values, interpersonal growth, and positive changes in family relationships—were derived from both negative and positive events central to identity. In addition, “acceptance and personal growth” from negative events and “attainment of new perspectives and values” from positive events were mainly responsible for higher identity achievement levels. Perceiving positive past events as central to identity directly promoted identity achievement. This suggests that, in addition to helping with engagement in positive meaning-making, support or interventions that actively integrate past positive experiences in the life story might lead to identity development and mental health.
著者
奥山 治美 浜崎 智仁 大櫛 陽一 浜 六郎 内野 元 渡邊 浩幸 橋本 道男
出版者
日本脂質栄養学会
雑誌
脂質栄養学 (ISSN:13434594)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.173-186, 2013 (Released:2013-10-01)
参考文献数
60
被引用文献数
1 1

Statins have been recognized clinically to raise blood glucose and glycated protein (HbA1c) levels enhancing the development of insulin resistance. However, most clinicians appear to adopt the interpretation that the benefit (prevention of CHD) outweighs the risk (new-onset of diabetes mellitus). Consistently, "Japan Atherosclerosis Society Guidelines for the Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases 2012" recommends diabetics to maintain LDL-C levels below 120 mg/dL; 40 mg/dL lower than the value for those without risky complications. This recommendation necessitates many diabetics to use statins. However, we pointed out that statins exhibited no significant benefit for the prevention of CHD in the trials performed by scientists independent of industries after 2004, when a new regulation on clinical trials took effect in EU (Cholesterol Guidelines for Longevity, 2010). Here, we reviewed clinical evidence that statins could induce diabetes mellitus, and biochemical evidence that statins are toxic to mitochondria; they suppress electron transport and ATP generation through decreased prenyl-intermediate levels. They also inhibit seleno-protein synthesis and dolichol-mediated glycation of insulin receptor leading to insulin resistance and cardiac failure, similarly to the case of Se-deficiency. These mechanisms of statin actions are consistent with clinically observed decreases in blood ketone body, mitochondrial dysfunctions and enhanced glucose intolerance. Based on these lines of evidence, we urgently propose that statins are contraindicant to diabetics and their prescription should be restricted to special cases* for which medical doctors rationally decide to be necessary.
著者
氏家 弘裕 渡邊 洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.39 情報ディスプレイ/映像表現&コンピュータグラフィックス/立体映像技術 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.21-22, 2016 (Released:2019-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

映像技術の発展とともに、超高解像( UHD)映像や 3D映像が身近なものになるとともに、バーチャルリアリティ( VR)型のヘッドマウントディスプレイ( HMD)が一般市場に流通し始めるなど、これまでに無く臨場感の高い映像を利用することができるようになってきた。ただし、こうした新たな技術に基づく製品を安心して快適に利用できるためには、場合によって生じ得る好ましくない生体影響に対しての配慮を欠くことはできない。本稿ではこの生体影響として、 3D視覚疲労及び映像酔いに焦点を当てるとともに、さらに VR型の HMDにおける VR酔いにも触れた上で、これらを軽減するための対策として進められている人間工学的指針の国際標準化動向について概説する。
著者
中村 浩規 横山 晴子 矢口 武廣 鈴木 優司 徳岡 健太郎 渡邊 昌之 北川 泰久 山田 安彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.3, pp.445-452, 2011-03-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

In this study, we investigated the effect of histamin H2 receptor antagonist (H2RA) or proton pump inhibitor (PPI) for the prevention of upper gastrointestinal lesions associated with low-dose aspirin. We carried out a retrospective study of 2811 patients who had been prescribed low-dose aspirin (Bayaspirin® 100 mg) for more than 30 days at Tokai University Hachioji Hospital from 2006 to 2008. We classified them into three groups: aspirin alone group (n=1103), aspirin with H2RA group (n=844) and aspirin with PPI group (n=864). Patients who developed upper gastrointestinal lesions were diagnosed with gastric ulcer, duodenal ulcer, gastritis or duodenitis by gastroscopy. We then compared the incidence of upper gastrointestinal lesions among the groups. The incidence in aspirin alone group, aspirin with H2RA group and aspirin with PPI group was 2.54%, 1.54% and 1.04%, respectively; that of aspirin with PPI group being significantly lower (p<0.05). Additively, the odds ratio (OR) of aspirin with H2RA group and aspirin with PPI group was 0.60 (95% confidence interval [95%CI]: 0.31-1.17) and 0.40 (95% CI: 0.19-0.86) as compared with aspirin alone group, respectively. The upper gastrointestinal lesions were developed within two years in all groups. Our results suggest that the combined administration of low-dose aspirin and PPI is effective for the prevention of upper gastrointestinal lesions associated with low-dose aspirin. Also, the pharmacists should be especially careful for upper gastrointestinal lesions development within two years after administration of low-dose aspirin, regardless of combined whether H2RA or PPI.