著者
渡邊 浩
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.962-963, 2019-05-10 (Released:2020-05-10)
参考文献数
7
著者
寺田 拓晃 渡邊 誠
出版者
北海道大学大学院教育学研究院 臨床心理発達相談室
雑誌
臨床心理発達相談室紀要 (ISSN:24347639)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-31, 2022-03-18

本研究では自身を「メンヘラ」という語によって理解しようとしている学生にインタビュー調査を行い、彼女たちが自身のどのような経験を「メンヘラ」として語っているのか、そこで語られる「病む」こととは何かを検討した。協力者たちの語りからは、相手と“繋がりたいのに繋がれない”ことによる傷つき、そのような傷つきを抱えた中で感情にまかせて取ってしまう“行き過ぎた”行動が、「メンヘラ」として表現される「病む」ことであるとの示唆が得られた。先行研究においては「メンヘラ」等の語を用いてセルフ・ラベリングを行うことの否定的な側面が強調されているが、本研究では、困難や生きづらさを抱えた際に「メンヘラ」という視点が、自身を見つめ直す契機となることも示された。このような両義性を踏まえた上で、人々が自らの「病む」経験を語るため利用している「メンヘラ」のような言説と向き合っていくことには、臨床的にも意義があると思われた。
著者
寺田 拓晃 渡邊 誠
出版者
北海道大学大学院教育学研究院 臨床心理発達相談室
雑誌
臨床心理発達相談室紀要 (ISSN:24347639)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-16, 2021-03-25

匿名電子掲示板群「2ちゃんねる」において初出が見られる、「メンヘラ」という語の歴史と使用の変遷を整理し、考察した。「メンヘラ」は、元々2ちゃんねるの掲示板の一つである「メンタルヘルス板」に書き込みを行う、心の問題を抱えた人々の総称であったが、人々に認知されていく中で、その意味合いは変化している。「メンヘラ」という表現が用いられる背景には、メンタルヘルスに関する専門用語では語り得ない「生きづらさ」や「心の問題」に対する捉え方が存在していると考えられる。それは今後「心の専門家」としての臨床家が向き合っていくべき課題を明らかにするものではないだろうか。
著者
渡邊 美如々 木村 将士 碓井 星二 根本 隆夫 外山 太一郎 宮崎 淳一 加納 光樹
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.AA2022-16, 2022-08-23 (Released:2022-08-23)

The fish fauna in the middle and lower reaches of Sakura River flowing into Lake Kasumigaura was investigated with casting nets, hand nets and scoop nets in May, July, and October 2020 and from April to October 2021, and compared with data from previous studies conducted in 1984–1987, 1996–2002 and 2010–2015. A total of 36 fish species in 11 families, including 20 introduced exotic and Japanese species and 16 native species, were collected in 2020–2021. The analyses of long-term changes in presence/absence of fish species from the 1980s to the 2020s demonstrated the disappearance of four threatened species (three native bitterling species and the crucian carp Carassius buergeri subsp. 2) by various artificial environmental changes and a gradual increase in introduced exotic and Japanese species spreading mainly from Lake Kasumigaura.
著者
渡邊 恭良 倉恒 弘彦
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.40-45, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
16

Chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis (CFS/ME) is a disease characterized by chronic, profound, disabling, and unexplained fatigue. Although it is hypothesized that inflammation in the CNS is involved in the pathophysiology of CFS/ME, there were no direct evidence of neuroinflammation in patients with CFS/ME. Activation of microglia and/or astrocytes is related to neuroinflammation. Our recent PET study successfully demonstrated that neuroinflammation (activation of microglia and astrocytes) is present in widespread brain regions in patients with CFS/ME, and is associated with the severity of neuropsychological symptoms. Evaluation of neuroinflammation in patients with CFS/ME may be essential for understanding the core pathophysiology, as well as for developing the objective diagnostic criteria and effective medical treatments for CFS/ME. We here describe related pathophysiological findings and topics, and mention the diagnostic and therapeutic attempts through these findings in Japan.
著者
黒木 真理 渡邊 俊 塚本 勝巳
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.21-031, (Released:2022-07-04)
参考文献数
61

Serious concern about the declining populations of the genus Anguilla and increasing related socioeconomic activities worldwide have led to a rise in the use of unauthorized Japanese names for members of this genus in various fields, as well as in academia. Therefore, it became important to clarify the standard Japanese names of all valid species and subspecies in the genus. Existing standard Japanese names for Anguilla species and subspecies were assessed, and new names proposed for some members, based on their geographical distribution and morphological characteristics, according to the nomenclature guidelines for standard Japanese fish names formulated by the Ichthyological Society of Japan in 2020. Standard Japanese names of three Japanese species and one subspecies were adopted from already-established names (Anguilla japonica, Nihonunagi; A. marmorata, Ō-unagi; A. bicolor pacifica, Nyūginia-unagi; A. luzonensis, Ugumaunagi); two Atlantic species were redefined (A. anguilla, Yōroppa-unagi; A. rostrata, Amerika-unagi); and the remaining eleven species and five subspecies were newly named (A. bicolor, Baikara-unagi; A. bicolor bicolor, Indo-baikara-unagi; A. dieffenbachii, Nyūjīrandoō-unagi; A. australis, Ōsutoraria-unagi; A. australis australis, Ōsutoraria-syōtofin-unagi; A. australis schmidtii, Nyūjīrando-syōtofin-unagi; A. reinhardtii, Ōsutoraria-rongufin-unagi; A. celebesensis, Serebesu-unagi; A. borneensis, Boruneo-unagi; A. interioris, Interia-unagi; A. megastoma, Porineshia-rongufin unagi; A. obscura, Porineshia-syōtofin-unagi; A. bengalensis, Bengaru-unagi; A. bengalensis bengalensis, Indo-bengaru-unagi; A. bengalensis labiata, Afurika-bengaru-unagi; A. mossambica, Mozanbīku-unagi).
著者
永須 龍太郎 渡邊 恵太
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-186, no.14, pp.1-8, 2020-01-08

これまでに VR の分野では,頭部への触覚提示やコントローラの慣性モーメントを制御した手への触覚提示手法が提案されている.この 2 つの手法を参考に,本研究では頭部まわりの力のモーメントを制御する手法を提案し,ヘルメット型力覚提示デバイス HeadMomentController を試作した.さらに,提案手法を用いるうえで提示すべき力のモーメントのパラメータを決定するための知覚実験を行い,モーメント知覚の心理尺度,絶対閾,弁別閾を調査した.実験の結果を踏まえ,提案手法では棒の長さを前後左右に 20cm,提示すべき質量は 200g 以下と結論づけた.
著者
田邊 真理子 中山 正 加藤 睦子 清井 理恵子 寺石 友美子 渡邊 正樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.655-661, 2017-06-05

多発消失性白点症候群(MEWDS)は,近視眼の若年女性に好発し,主に片眼の視力低下や光視症,視野欠損をきたす1)。検眼鏡的には眼底に白点病巣が多数出現するが,2 週間程度で消失し,症状も1 か月程度で自然に回復する2)。MEWDS は症状が軽微であることが多く,症状出現から受診までに時間が経っている症例が多いこと,自然治癒傾向があることから,白点病巣がどこに初発し,経過中にどのような広がりや消失過程をたどるのかということについての検討はなされていない。
著者
荒木 のりこ 江上 敏哲 坪内 奈保子 西川 真樹子 渡邊 伸彦
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.2042, 2019-08-31 (Released:2019-09-11)

2018年,国際日本文化研究センターはOCLC WorldCat に蔵書の目録情報を登録し,OCLC WorldShare ILL による海外からの本格的なILL 受付サービスを開始した。目録は30万タイトルを一括登録し,またILLは1 年間で236件の受付を実施した。実施までには紀伊國屋書店,OCLC,海外の日本研究司書コミュニティとの連携・協力があった。実施後は多方面に広報を実施した。これらにより海外の日本研究への寄与や,日文研自体の存在感向上が期待できる。課題として,謝絶の多さ,参加料・労働力等のコスト,国内他大学の参加を増やすこと等がある。
著者
久保 壱仁 田行 活視 渡邊 匡能 佐藤 元紀
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.244-246, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
8

レボフロキサシンの稀な副作用としてアキレス腱障害がある.今回レボフロキサシン投与が誘因と考えられる両側アキレス腱断裂の1例を経験したので報告する.症例は70歳男性.尿路感染症に対しレボフロキサシン500 mg/日で4日間投与され,3日目より両側足関節痛を認めていた.レボフロキサシン投与中止後NSAIDS内服にて経過観察されていたが4週後起床時に両側足関節腫脹を認め,徐々に階段昇降やつま先立ちができなくなったためMRI撮影したところ両側アキレス腱断裂を認めた.両側アキレス腱縫合術を施行し,術後3週間免荷期間を設け,その後荷重訓練を開始した.現在は自立歩行可能で再断裂は認めていない.ニューキノロン系薬剤の副作用による腱障害の機序については明らかにされていないが,高齢,ステロイド内服,慢性腎不全などがリスク因子である.
著者
渡邊 哲夫 野口 宗彦 沼野井 憲一 長谷山 聡也 青山 真人
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.123-134, 2015-09-26 (Released:2015-12-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1

ブタが他のブタの尾を齧る「尾かじり」は,被害ブタに強いストレスを与え,このブタの生産性を悪化させるので,軽減されなければならない問題行動である。本研究では,安価で簡便な尾かじり被害を軽減する飼養管理技術を検討した。栃木県畜産酪農研究センター芳賀分場において,生後約35〜40日齢から60日齢までのランドレース種とデュロック種の交雑種を使用した。実験1では,特に処理をしない対照区,鉄製・プラスチック製鎖あるいは綿製ロープを提供した環境エンリッチメント(EE)区,1.8%塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を給与したNaCl区を設定した。実験2では,飼料の形状が尾かじり被害に及ぼす影響を検討するため,ペレット状の飼料を給与したペレット区,これを顆粒状に砕いて給与したクランブル区を設定した。いずれの実験においても,ブタの尾の被害状況をスコア化し,その経時的変化を観察した。また,唾液を採取し,ストレスの生理的指標であるコルチゾルの濃度を測定した。実験1において,対照区では尾の被害スコアが増加する傾向であったのに対し,EE区では処置開始後には,時間経過に伴うスコア増減はほとんど無く,ほぼ処置前の値を維持していた。一方,NaCl区では尾の被害スコアは塩水給与後に減少した。処置前から処置約2週間後の尾の被害スコアの増加分を区ごとに比較すると,NaCl区では対照区に比べ有意に低かった。また,処置前と処置約2週間後の唾液中コルチゾル濃度を区ごとに比較すると,対照区では増減はなかったが,EE区とNaCl区では処置後に減少する傾向があり,ストレスが軽減されている可能性が示唆された。実験2において,ペレット区では尾の被害が悪化し,この区の尾の被害スコアの増加分はクランブル区に比べ有意に高かった。これらのことから,特に塩水の給与が,尾かじり被害の軽減に有効であるという結果が得られた。
著者
幸野 朋美 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.17-22, 2017-09-09

通常の布地(テキスタイル)は固定的であり,環境の変化やユーザの好み/必要性に応じて布地自体の物理的な特性を動的に変化させることはできない.そこで近年,スマートテキスタイルと呼ばれる,状態など変化可能な布地が注目されている.本稿では既存の布地を動的な布地へと拡張できる糸システムとその利用例について報告する.本システムを用いると,本来矛盾する暖かさと涼しさといった要素を両立させることができる.
著者
川瀬 佑司 吉田 成朗 鳴海 拓志 上田 祥代 池田 まさみ 渡邊 淳司 谷川 智洋 川本 哲也 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.483-492, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
16

We propose a system to prevent identification of an individual identity by changing the size and position of one's facial regions. Invasion of privacy and the right of publicity have been a problem along with the popularization of social media and improvement of image resolution. The mosaic and the blur have been used to prevent identification of a person's identity. These techniques, however, make people difficult to understand the context of the video, because the facial expressions of the characters and the background in the video are masked. In this paper, we focus on naturally conversing the facial appearance in images for protecting their privacy. We examined the proper degree of facial changing parameters, and performed user studies to evaluate these parameters.
著者
髙岡 良成 森本 直樹 三浦 光一 野本 弘章 渡邊 俊司 津久井 舞未子 前田 浩史 五家 里栄 礒田 憲夫 室井 一男 山本 博徳
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.11-17, 2020-01-01 (Released:2019-12-27)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

症例は74歳男性.2018年X月に大動脈弁置換術の際に輸血を施行した.術後2カ月頃から肝機能障害を認め,HEV-IgA抗体およびHEV-RNA陽性(genotype 3b)でE型肝炎と診断した.その後の解析で輸血前のHEV-IgG抗体陽性,HEV-RNA陰性であったことからE型肝炎既感染例と考えられた.また輸血に使用した凍結新鮮血漿からHEV-RNAが検出され,解析できた遺伝子配列が患者由来HEVとほぼ一致したため,輸血によるE型肝炎と判断した.本邦では2017年までに本例を含めると,少なくとも26例の輸血後E型肝炎が発症し,その報告数は増加しつつある.北海道地区では輸血製剤において核酸増幅検査によるHEVスクリーニング検査が行われているが,それ以外の地区では施行されていない.よって全国での核酸増幅検査によるHEVスクリーニングの早期導入が望まれる.
著者
國松 淳和 前田 淳子 渡邊 梨里 加藤 温 岸田 大 矢崎 正英 中村 昭則
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.130-139, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
28
被引用文献数
1

背景:家族性地中海熱(FMF)は不明熱の原因としては稀であるが,近年本邦でも疾患認知が高まり,診断数が増加してきている.著者らは「短期間で終息する発熱エピソードが反復する」という発熱パターンに注目することによって,一般内科外来で多くのFMFを診断してきた.当科FMF30例の臨床データを解析することにより,診断のための注意点について論ずることを本調査研究の目的とした.対象:2012年9月02015年8月までの3年間に当科でFMFとして診療された全患者を対象とした.Tel-Hashomer基準を満たさないものは除外した.結果:対象となったのは38例で,このうちTel-Hashomer基準を満たしていたのは30例だった.14例でMEFV遺伝子変異が見いだされ,変異の有る例が少ない傾向にあった.平均発症年齢は27.8歳と高かったが,典型発作を有する例は17例(56.7%),コルヒチン抵抗性例は3例(10.7%)と既報とほぼ同等だった.結論:FMFは外来に多く潜在し得る.発熱するが数日で自然軽快し,それを周期性に反復する病像に注目すべきである.
著者
高橋 康貴 下平 陽介 吉田 樹 田近 宗彦 髙橋 壮 渡邊 健太 福田 翔 小泉 重仁 松橋 保 飯島 克則
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.120, no.4, pp.325-329, 2023-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
15

64歳女性.SARS-CoV-2 mRNAワクチン(3回目)の接種翌日から排便回数増加,血便,腹痛,発熱を認めた.下部消化管内視鏡検査にて全大腸に深掘れ潰瘍を認め,潰瘍性大腸炎と類似する炎症性腸疾患としてステロイド,インフリキシマブを導入し軽快した.mRNAワクチン接種を契機に発症した潰瘍性大腸炎に類似する炎症性腸疾患を経験した.