著者
渡辺 扇之介 渡邊 芳英 Sennosuke Watanabe Yoshihide Watanabe
出版者
同志社大学理工学研究所
雑誌
同志社大学理工学研究報告 = The Science and Engineering Review of Doshisha University (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.166-170, 2013-07-31

組合せ最適化問題の多くは,線形計画問題として定式化することができるため,それぞれの問題に合った組合せ論的アルゴリズムだけでなく,線形計画問題におけるアルゴリズムを使っても解くことが出来る.本論文で取り上げる最適化問題は,フローネットワークにおける最適化問題の代表例である最短路問題と最長路問題である.最短路問題とは重みが最小となる道を求める問題で,最長路問題とはその逆に,重みが最大となる道を求める問題である.本研究の目的は,最短路問題と最長路問題の線形計画問題としての定式化と,最長路問題を解く組合せ論的アルゴリズムを見つけることである.本論文では,最短路問題の線形計画問題としての定式化は与えるが,最長路問題については,線形計画問題としてではない定式化を与えるにとどまる.最長路問題については,組合せ論的アルゴリズムを与える.
著者
峯木 眞知子 渡邊 康一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.155-162, 2005-04-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25

Ostrich and hen eggs were subjected to a microstructural comparison of the shell and shell membrane in the raw condition and of the albumen and yolk in the hard-boiled condition. The observation methods used were optical microscopy, scanning electron microscopy and low-vacuum scanning electron microscopy. The ostrich eggshell had a finely crackled surface. The structural components of the transverse section of the ostrich eggshell were similar to those of the hen eggshell. The shell and its vertical crystal layer of the ostrich egg were approximately five times thicker than those of the hen egg, and the spongy matrix region occupied three-quarters of the thickness of the ostrich eggshell. The results suggest that these factors were involved in the hardness of the ostrich eggshell. The ostrich eggshell membrane was two-to three-fold the thickness of the hen eggshell membrane, being composed of thick twisted fibers. The intermediate layer of the ostrich albumen showed a fine-layered structure, which seemed to be composed of thick albumen. The inner layer of the ostrich albumen comprised about 40% of the whole thickness, although its structure was indeterminate. The intensity of staining of the inner and outer layers of the ostrich albumen by the PAS reaction was stronger than that for the hen egg albumen. The ostrich yolk was packed with polyhedral yolk spheres, these yolk spheres having a similar shape and size to those of the hen yolk.
著者
久保 高明 安田 大典 渡邊 智 石澤 太市 綱川 光男 谷野 伸吾 飯山 準一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.124-134, 2017-10-31 (Released:2017-12-21)
参考文献数
49

背景:頻回のバスタブ浴を行う日本の中高年者は,睡眠の質やメンタル面が良好であるとの諸家の報告がある.  目的:本研究の目的は,大学生の入浴スタイル(シャワー浴,バスタブ浴,無機塩類含有炭酸ガス入浴剤添加浴)の違いが,睡眠と気分・感情に及ぼす影響を検討することである.  対象と方法:普段シャワー浴のみの健常学生20名(平均年齢20.3±2.1歳)を対象とし,41℃の浴槽に肩まで浸漬し10分間入浴する群(BB)と,前述の浴槽に無機塩類含有炭酸ガス入浴剤常用量30gを添加し入浴する群(BBK)について,各々を2週間で実施するcrossover研究を行った.なおwashout期間を2週間とし,研究開始の1週間前からのアンケート調査を含めて,計7週間の研究を2015年10~12月に実施した.計測項目は睡眠に関するものはOSA睡眠感調査票MA版(OSA-MA)および1ch式ポータブル睡眠脳波計(EEG)で,OSA-MAは毎朝記載させ,EEGは毎就寝中に計測した.気分・感情に関するものは日本語版Profile of Mood States短縮版(POMS),うつ病自己評価尺度(SDS),やる気スコア(AS)で2週間ごとの計4回記載させた.  結果:睡眠について,OSA-MAの「起床時眠気」と「疲労回復」はシャワー浴に比べBBKで有意差を認めた.EEGについては有意差を認めなかった.気分・感情について,POMSのT得点は,シャワー浴に比べBBで活気(V)が有意に値が高かった.そしてシャワー浴に比べBBKで活気(V)が有意に値が高く,疲労(F)で有意に値が低かった.POMSのtotal mood disturbance (TMD)スコアは,シャワー浴に比べ,BBおよびBBKで有意に値が低かった.SDSスコアはシャワー浴に比べBBKで有意に値が低かった.ASはシャワー浴に比べBBおよびBBKで有意に値が低かった.  考察:睡眠については,BBKでは炭酸ガスによる血管拡張作用や無機塩類による浴後保温持続効果,そして香りや色調による疲労軽減・活力低下予防効果がOSA-MAの主観的評価に影響を及ぼしたと考えた.気分・感情については,睡眠脳波では有意な差を認めなかったため,睡眠とは独立した因子,すなわち温熱暴露習慣が気分や感情に関する中枢神経機能に影響を及ぼしたものと考えた.  結論:シャワー浴習慣からバスタブ浴習慣に行動変容することは,健常学生のメンタルヘルスを向上させる.
著者
渡邊 浩幸
出版者
高知県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

懸念される震災等に対する保存食を過剰に収穫された時期の野菜類を使用して、栄養成分の損出を伴うことなく、室温保存が可能な保存野菜を可能にする画期的な技術の確立を行う。これは、これまで不可能とされてきた野菜類の酵素や生理活性物質の安定化を室温で長期間可能とする。この機構を解明し、食品開発への応用展開を目指すことを目的として研究を進める。これらの応用は、過剰収穫時の野菜を緊急時の保存食として利用し、災害食として食素材から見直して、災害時栄養の重要性をより具体的に見直すきっかけとなる。さらに、これまでに利用されていなかった植物の食品への応用と伝統的な食品の保存食と機能性保存食品への応用も検討した。
著者
松寺 翔太郎 渡邊 峻 谷 有希子 山口 岳史 荻野 恵 桑島 成子 土岡 丘
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.116-121, 2019 (Released:2019-11-22)
参考文献数
18

毛髪胃石は経口摂取された毛髪が胃内で一塊となったもので,稀に腸閉塞を引き起こす.今回我々は毛髪胃石による腸閉塞に対し小開腹により胃石を摘出した一例を経験したので報告する.症例は11歳女児.腹痛・嘔吐を主訴に来院した.腹部造影CTでは非絞扼性の内ヘルニアが疑われた.イレウスチューブを挿入すると大量の血性排液を認めたため緊急手術を施行した.中腹部正中切開にて開腹すると,Treitz靭帯から200 cmの小腸内に長径6 cmの毛髪胃石を認めたため摘出した.術後イレウス管抜去の際に胃内の胃石残存が疑われ,内視鏡的摘出の方針とし術後9日目に一旦退院となった.再入院後,胃石の内視鏡的摘出を試みたが困難で,初回と同じ創で小開腹し長径8 cmの胃石を摘出した.開腹歴のない腸閉塞の鑑別診断として稀ではあるが胃石によるものも考慮する必要がある.また胃石の画像的特徴を認識し重複毛髪胃石の確認を行うことが重要である.
著者
阿久澤 和彦 山田 理恵 畢 長暁 定成 秀貴 松原 京子 土田 裕三 渡邊 邦友 二ノ宮 真之 纐纈 守 村山 次哉
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.25-33, 2010 (Released:2010-04-02)
参考文献数
21
被引用文献数
2

現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っており,防腐作用(抗菌作用)を含む種々の生理活性をもつクマザサに着目し,その熱水抽出液に抗 HCMV 作用があることを明らかにしてきた.今回,クマザサ熱水抽出液の成分の一部が分離・精製・同定され,その中の 1 つである tricin がウイルス粒子産生に最も高い抑制効果を示すことがわかった.また,その抑制効果は,クマザサ抽出液同様のウイルス感染後の処理だけでなく,感染前処理した場合にも見られることがわかった.さらにリアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,tricin がウイルスの複製・増殖に重要な major immediate early (IE) 遺伝子の発現を抑制することがわかり,tricin が現在使用されている GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつことが示され,新たな治療薬としての可能性が示唆された.
著者
髙田 協平 羽田 麻美 渡邊 康志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p>沖縄島南部には第三紀の島尻泥岩と第四紀の琉球石灰岩が分布する。この地域では,島尻泥岩分布域において比高が小さく幅の広い谷を持つ低平な丘陵が,琉球石灰岩分布域では平坦な台地や段丘が形成されている(兼子・氏家, 2006)。さらに,石灰岩地域では円錐カルストや石灰岩堤(ライムストーンウォール)が分布する。本研究の目的は,与座岳周辺の残丘地形(円錐カルストを構成する円錐丘や泥岩丘陵)を対象とし,異なる地形・地質条件下における残丘の形態的特徴を明らかにすることである。</p><p>残丘の地形計測は,1948年米軍作製の1/4,800地形図を用いた。抽出する残丘は,2本以上の閉曲線で囲まれている(比高1.5m以上)かつ基底長が10m以上のものと定義した。本条件で抽出した計275個の残丘(石灰岩174個,泥岩101個)を対象に,QGISを用いて比高や底面積を計測するとともに,1/50,000地形分類図(国交省,国土調査)と1/50,000地質図(産総研)を重ね合わせて考察をおこなった。</p><p>地質別に残丘の形状を比較すると,石灰岩の残丘(以下,石灰岩残丘)は比高1.53〜54.6m(平均3.98m),底面積62〜98,291m2(平均4,112m2)であり,泥岩の残丘(以下,泥岩残丘)は比高1.53〜38.12m(平均4.77m),底面積108〜229,979m2(平均7,204m2)であった。残丘の底面積が大きいと,比高も大きい傾向がみられる。当該地域の石灰岩は,兼子・氏家(2006)によれば砕屑性石灰岩,サンゴ石灰岩,石灰藻球石灰岩の三種類に分類される。これら石灰岩の岩種別に残丘の形状を比較すると,砕屑性石灰岩において,残丘の比高が他よりも2倍程度,底面積が4倍程度大きい。また,残丘の基底面の形状の歪みを計算したところ,石灰岩残丘は泥岩残丘に比べて真円に近い傾向があった。一方で,石灰岩残丘のうち,石灰岩堤上に形成された残丘は,歪みが最も大きく基底面が楕円形をなしており,石灰岩堤がもつ直線的な形態の影響を受け,発達したものと考える。</p>
著者
来 小 渡邊 彩子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.63, 2007

<B>【はじめに】</B><BR> 中国の教育は、2001年6月に基礎教育課程改革要綱が公布され、2005年には全国で完全実施することが目指された。この改革のねらいは、これまでの知識偏重を是正して生徒の興味・関心を重視すること、現代社会に密接にかかわる内容を取り入れることと、生涯学習に必要な基礎的知識・技能を獲得できるようにすることである。中国には家庭科は置かれていないが、家庭生活や健康増進については、小中学校のいろいろな教科で学ぶようになっている。経済成長が著しく少子化傾向の中国で、この言わば生きる力の育成が求められるようになった子どもたちの生活はどのようなものか。広い国土と多様な民族・文化をもつ中国の中で、筆者の出身地であり、生活がこれから急速に変化することが予想される少数民族のモンゴル人の中学生について家庭生活の現状を調査することとした。<BR><B>【方法】</B><BR> 内モンゴル自治区東部の左后旗にあるモンゴル民族初等中学校1,2年生167名(男子81名、女子86名)とその親を対象にアンケート調査を行った。調査内容は、日常生活領域として、衣食住の消費生活、家事分担などの家庭生活、家族との関係を設定して、質問項目を設けた。調査時期は2006年8月である。有効回答率は中学生98.2%、親61.8%であった。<BR><B>【結果】</B><BR>1.属性 生徒は自宅が遠いため85%は寮に入っており、週末に帰省する。居住地は農村(農村、鎮)81.5%、都市(誠市)18.5%であった。家族形態は核家族73.5%で拡大家族より多い。きょうだい数は2人が57.7%で最も多く、1人31.3%がこれに次ぐ。<BR>2.中学生は衣食住に関する家事によくかかわっていた。「食器を洗う」「洗濯をする」「部屋のそうじをする」「気候に合った服装を自分で決める」「子どもと遊ぶ」では女子の方が男子よりやっている割合が高かった。<BR>3.家事をする理由は「自分のことは自分でする」ためが最も高かった。一方、親が家事手伝いをさせる理由は「労働観を養うため」が最も高かった。親が子どもに身につけてほしいこととして「日常生活習慣」「周囲の人と仲良くする」「自分の考えを相手に伝える」が「学習」よりも高かった。<BR>4.衣服の不良品を購入した場合、そのままにする者が多かった。また、食生活では「安全性」「栄養」に関心が高く、「低農薬」や「添加物」への関心は低かった。<BR>5.家族との団らんは「テレビを家族みんなで見る」と「会話をする」の割合が80%と高かった。また、悩みの相談は父母が最も高かった。<BR> 内モンゴルの家庭では家族の協力やコミュニケーションはよく行われている。日常生活の消費の問題についてはまだ関心が高くなく、これからの課題であろう。
著者
山田 麻紗子 渡邊 忍 小平 英志 橋本 和明
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.133-151, 2017-09-30

筆者たちは児童虐待への効果的支援のあり方を探るため,2015 年の児童虐待対応の先進国であるアメリカ(ニューヨーク市,バージニア州)視察に続いて,2016 年に韓国(ソウル市)の関係機関10 ケ所を,次の2 つの知見を得るために視察した.それらは,①韓国の児童虐待に関わる各関係機関の役割・機能,②各関係機関の連携・協働の実際についてである.その結果,過去10 年間における韓国の児童虐待等に関する取り組みには格段の進歩があり,日本にとって学ぶ点が複数みられた.政府,司法,地方自治体,民間機関が縦横に連携・協働している点やひまわり児童センターの総合支援システムには,目を見張るものがある.本稿では,韓国ソウル市における児童虐待,児童福祉の現状と課題などを紹介したい.
著者
石澤 太市 渡邊 智 谷野 伸吾 油田 正樹 宮本 謙一 尾島 俊之 早坂 信哉
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.227-237, 2012 (Released:2013-10-23)
参考文献数
30
被引用文献数
5

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。
著者
渡邊 幸志
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.351-363, 2009 (Released:2009-07-15)
参考文献数
65
被引用文献数
1

Because diamond has extremely superior characteristics in many physical properties and device performance indices compared with main current semiconductor materials, it is highly expected as “an ultimate semiconductor material.” Diamond is an ever-evolving material for semiconductor production, and this fact is supported by the technology for synthesizing high quality diamond called the chemical vapor deposition (CVD) method. Till now, various specific techniques have been proposed and used to implement the CVD method. Recently, the microwave plasma CVD method has been becoming standard. As demonstrated by the history of the production of semiconductor materials such as silicon, diamond synthesis requires not only an increase in the crystalline quality of produced diamond but also the production of large size diamond crystals. These efforts are accelerating in the world, but, on the other hand, a breakthrough or significant advance in the development in diamond synthesis technologies is required. In other words, the microwave plasma-assisted CVD method is now becoming a standard technique for diamond synthesis, but one of the important aspects in future diamond research includes determining whether this method can be a perfect final approach for synthesizing large diamond crystals quickly and effectively.   This paper discusses the characteristics of diamond when used as a semiconductor device substrate, together with the microwave plasma-assisted CVD method which is currently one of the representative diamond synthesis methods. Also this paper describes the cathodoluminescence method usually used to evaluate synthetically produced diamond.
著者
松本 万里 渡邊 智子 松本 信二 安井 明美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.255-264, 2020 (Released:2020-12-26)
参考文献数
21

目的: 組成に基づく成分値を基礎とした食品のエネルギー値 (アミノ酸組成, 脂肪酸組成, 炭水化物組成などを用いたFAOが提唱する方法, 組成エネルギー値) と従来法によるエネルギー値の相違を明らかにすることを目的とした。方法: 日本食品標準成分表2015年版 (七訂) の収載食品を対象に可食部100 g当たりの組成エネルギー値を算出し, 既収載のエネルギー値 (既収載値) と比較した。さらに, 平成26年国民健康・栄養調査の食品別摂取量から, 組成エネルギー値および既収載値を用いてエネルギー摂取量を算出し, 両者を比較した。結果: 可食部100 g当たりの組成エネルギー値 (a) と既収載値 (b) との一致率 (a/b×100) は, 126±24% (藻類) から76±20% (野菜類) の範囲であった。一致率が100%未満の食品群は14群であり, 全食品の一致率は91±17%であった。一致率80‐100%の範囲に対象食品の68%が含まれ, 一致率60‐80%に対象食品の13%が, 一致率100‐120%に対象食品の12%が含まれていた。国民健康・栄養調査の食品別摂取量を基に, 組成エネルギー値を用いて算出した総エネルギー摂取量と, 既収載値を用いて算出した総エネルギー摂取量との一致率は, 92%であった。
著者
新谷 一大 渡邊 精一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.245-252, 1990-09-30 (Released:2010-03-09)
参考文献数
20
被引用文献数
1

1988年7月から1989年6月までの1年間に, 茨城県牛久沼において採集したオオクチバス523尾の食性を調査した。同沼においては, テナガエビ, アメリカザリガニが本種の主要な餌生物であり, モツゴ, ヨシノボリがこれらに次いでいた。本種の体長が増すにつれて, アメリカザリガニの出現率が増加し, ヨシノボリの出現率が低下した。体長が増すにつれて, 餌の大きさの最大値が上昇する傾向がみられたが, 大型の個体は, 小型の餌もよく利用していた。本種は甲殻類を年間を通して (特に夏と冬) , 魚類を夏から秋にかけて, 水生昆虫を春にそれぞれ良く捕食していた。小, 中型個体は年間を通して魚類および甲殻類を主要な餌として利用していたのに対し, 大型個体では甲殻類を主要な餌生物としていた。
著者
徳永 誠 渡邊 進 中根 惟武
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.324-328, 2006-09-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

外来患者170例において待ち時間と満足度を組み合わせた外来患者調査を行った。許容できる待ち時間の平均は、受付18分、診察待ち37分、検査23分、計算会計10分、病院滞在時間68分であり、診察待ち、検査、病院滞在時間では、許容時間よりも実際かかった時間の方が長かった。実際かかった時間が許容範囲内であった患者の割合は、診察待ち時間で45%、病院滞在時間で38%であった。満足度でも「診察待ち時間」が最も満足度が低く5段階評価の平均は3.0点であった。外来受診への満足度は、医師の診察への満足度や診察待ち時間への満足度と強い相関があった。外来待ち時間調査の際、患者の考える許容待ち時間と満足度を同時に調査すれば、待ち時間の数字だけでは捉えきれない患者の評価がわかる利点がある。
著者
坂倉 杏介 川口 ゆい 渡邊 淳司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2772-2781, 2009-12-15

筆者らは,身体の内外を移動するように感じられる音を提示し,聴覚によって位置づけられる自己の感覚を再認識するワークショップ(「HERE/HEAR『いることと聴くこと』のワークショップ」)を企画,実施した.本論文では,このワークショップにおける体験デザインの指針を,ハードウェア,音響コンテンツ,ワークショップシナリオの視点から論じ,実施結果を考察する.ハードウェアは,3つの音響装置:トランジスタラジオ,超音波スピーカ,環境スピーカで構成され,参加者はシュラフに身を包み,床に横たわりながら,これらからの音を聴いた.音響コンテンツは大きく,1)環境を再現する音,2)身体内部音・感情と関連する音,3)声・言葉,の3種類に分けて構成された.ワークショップの実施にあたっては,それぞれに分類される音響コンテンツを聴いた後,その感覚を参加者同士で対話,共有し,徐々に体験を深める形式で進めた.ワークショップを通じて,参加者は,音と自己の位置づけ,それにともなう感情や身体状態の変化への気付きなど,聴覚とそれに強く関連した自己の存在に関する感覚をそれぞれのやり方で感じることができた.