著者
森園 哲也 山田 陽滋 山本 貴久 梅谷 陽二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.69, no.679, pp.705-712, 2003-03-25

There are many tasks in which cumbersome protective suits or large mass of objects to be manipulated obstruct "intuitive" skills such as picking up and grasping. Workers engaged in such tasks are distressed for inefficiency or early fatigue. However, the efficiency or fatigue will be improved if they can perform their intuitive skills even in those tasks by wearing an intelligent machine. Based on this idea, we proposed the concept of the wearable robot "SkilMate". This paper proposes a new type of mechanism named "wearable HEXA" as a prototype shoulder joint of the SkilMate. This mechanism is designed wearable and to give no constraint caused by geometrical factors for a wearer, so that movements of his/her shoulder necessary for the intuitive skills are not impeded and interfered. Detail of the mechanism and its design process are described, and evaluation for an experimental mechanism manufactured along the design process is demonstrated.
著者
倉田 陽平 相 尚寿 真田 風 池田 拓生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.459-460, 2015-03-17

Flickr等の写真共有サイトに投稿された旅行写真データは,観光行動分析や観光情報ツールの基盤として頻用されている.このような活用例が信頼に足るものであるためには,その前提として,各写真のタイムスタンプやジオタグが精確でなければならない.しかし我々の調査によれば,Flickr上の写真の2.7%に昼夜逆転レベルの大幅なタイムスタンプの誤りが見られた.そこで本研究では,タイムスタンプの誤差をもたらす要因について整理し,これをふまえて投稿写真群のタイムスタンプの信頼性を向上させる手法を開発した.本手法では,①カメラ内蔵時計およびGPSで計測されたタイムスタンプの相互比較,および②時間帯別投稿頻度を元にしたタイムゾーン設定の推定により,タイムスタンプを補正できるものは補正し,信頼度が低く補正も施しようのない写真についてはデータから排除する.これにより,昼夜逆転レベルの写真の割合を0.05%にまで減少させることができた
著者
塩谷 茂明 牧野 秀成 永吉 優也 柳 馨竹 嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_838-I_843, 2011
被引用文献数
1

航海の安全のため、航海情報は非常に重要である。航行船舶の安全性は海難回避のために要求される。海難の原因の第1位は衝突、第2位は乗揚である。船舶の乗揚は沿岸域の比較的浅い海域で発生している。そのため、乗揚回避のために水深情報の有効な提供が非常に重要である。さらに、航行船舶に影響を与える気象・海象の情報提供も重要である。本研究の目的は、船舶乗揚回避のための水深、気象・海象に関する有効な航海情報をGISを用いて提供することである。航海シミュレーションによるこれらの情報提供が有効であることを示した。
著者
岡本 和磨 池田 陽子 甲斐 朱莉 末元 真子 水谷 晴香 米田 紗菜 池見 陽
出版者
関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻
雑誌
Psychologist : 関西大学臨床心理専門職大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-19, 2021-03

PCAGIPとは、メンバー間の相互作用を通じて事例提供者に役立つ新しい取り組みの方向や具体策のヒントを見出すためのグループ体験であり(村山・中田,2012)、様々な分野で活用されている。しかし昨今の世界的な感染症の流行に伴い、オンライン上で行うなど方法上の工夫が求められている。そこで、本論文ではZoomを使用してPCAGIPを実践し、オンライン上で行うことのメリット・ディメリットについて検討した。また、事例提供者にとってどのような応答が役に立っていたのかについても検討を行った。実施の結果メリットとして、随時全員の表情を画面上で真正面から捉えることが出来るため、対面にはない臨場感のある体験が可能であることが挙げられた。ディメリットとしてセキュリティの脆弱性に対する5つの不安が挙げられた。しかし、Zoomのアップデートによりそれらの不安のほとんどが解消されているのではないかと思われた。また、PCAGIPにおいて役立つ応答を検討した結果、メタファー表現による自己理解の生成過程、及びメタファー表現との交差やメタファーを用いた相互の追体験が重要であると考えられた。
著者
赤江 尚子 吉井 美穂 笹原 志央里 山口 容子 澤田 陽子 金森 昌彦 西谷 美幸
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.37-45, 2012-06

Hand roughness is a problem for medical practitioners who frequently wash their hands.It is currently recommended that hand care preparations are provided to medical practitioners, but the effect or influence when such preparations are used together with antiseptics has not been investigated. In this study, we investigated how drying hand care preparations affect the sterilizing effect of antiseptics.Staphylococcus epidermidis (S. epidermidis) and Staphylococcus aureus (S. aureus) were used as the test strains. The trial medications used were a skin protective agent.As a result, the sterilizing effect after the hand care preparation had dried for 30 minutes was better against S. aureus than S. epidermidis. The present results showed that hand care preparations do not affect bacterial proliferation, that when using hand care preparation and antiseptics together. Moreover, the hand care preparation needs to be dried sufficiently.In the future, comparisons with the present results and further research conducted with consideration of the conditions of the hand care preparation will be needed.
著者
船木 洋晃 佐々木 彬 岡崎 直観 乾 健太郎 深田 陽介 竹下 隆一郎 田森 秀明 野澤 博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1K32, 2014

<p>本研究では2013年の参議院議員選挙より解禁されたインターネット選挙を受け、 ツイッター上での選挙運動を分析し、実際の選挙結果との相関を考察する。さら に,特定の候補者に対する当選・落選を期待する言語表現から当選運動・落選運 動を予測する分類器を生成し、各候補者に関する運動の盛り上がりを分析する。</p>
著者
岡田 陽介
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.17-25, 2017
被引用文献数
1

<p>This study sheds light on the effect of non-verbal information on impression for politician, and tested whether voice pitch influenced perceptions of politicians. In the experiment, we manipulated voice pitch of recordings of the debate by nine political party leaders and asked participants their impressions (favorableness and trustworthiness). We found that while lower-pitched voices increase favorableness and trustworthiness in politicians' image, higher-pitched voices negatively effect on these images, particularly on trustworthiness. </p>
著者
姚 思遠 三上 栄 三上 隆一 多田 陽一郎 塩津 聡一 池田 篤志 村上 哲平 池田 宏国 原田 武尚 山本 満雄
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.177-184, 2016-03-01 (Released:2016-03-18)
参考文献数
23

上腸間膜動脈症候群は腹部大動脈と上腸間膜動脈の成す角度が狭小化していることによって,十二指腸水平脚が圧迫されて通過障害を来す疾患である.開腹で行うバイパス術を経て,現在は腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術が最も広く行われている外科的治療法となっている.症例は20歳の女性で,17歳のときに上腸間膜動脈症候群と診断された.以来,保存的加療にて経過を見ていたが,良好な結果を得られなかった.若年女性であるという点を考慮して,術創を最小限に留めるために単孔式腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術を施行した.術中および術後経過はともに良好であった.今回,我々は上腸間膜動脈症候群に対する単孔式腹腔鏡下十二指腸空腸吻合術を施行したのでここに報告する.本術式は,美容の面で若年女性にとって有用となりうると考えている.
著者
原田 陽子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.122-130, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本研究を通して主に以下の点が明らかになった。1)X団地では、未利用地が74%であり、その内の約76%が雑草や樹木が繁茂している。2)居住者の多くは雑草等が生い茂った空き地が多いことや車がないと移動しにくいことに困っている。3)不在地主の多くは高齢者で県外の人も多く、所有地への訪問頻度の少ない人も多い。不在地主の土地入手の動機では、資産として購入などが多く、今すぐにでも売却したいと思っているが売れないため所有地を持ち続けている人が多い。4)X市は土地の寄付を受け入れてきたが、維持管理費がかかるため事実上X団地の土地は対象外となり、集約化も頓挫した。5)雑草等管理事業に対して、不在地主に一定のニーズがあることが明らかになったが、一方で無関心な不在地主や連絡先の分からない不在地主も多い。
著者
浜岡 秀明 伊賀崎 央 吉田 泰子 押川 達郎 村松 知佳 鶴澤 礼実 柴田 陽三
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.J-59_1-J-59_1, 2019

<p>【はじめに】18トリソミーは多彩な合併奇形を有し、重度の発達遅滞を呈する予後不良の疾患であり、大規模な調査に基づく生命予後は1年生存率5.5~8.4%、生存期間の中央値10~14.5日とされている。今回、急性呼吸器感染症を繰り返す18トリソミー女児を担当する機会を得た。母親は潰瘍性大腸炎に羅患し、定頚が不十分である児を常に抱っこすることが困難なため、児は1日の大半を臥位で過ごしていた。そこで、前傾クッションを作成し、坐位保持を導入したので報告する。</p><p>【症例紹介】1歳6ケ月、女児。原疾患は18トリソミーで、Fallot四徴症等を合併した重症心身障害児(発達指数DQ12)である。某日、咳嗽後の嘔吐が頻回となり急性呼吸器感染症で入院した。入院時、鼻カニューラにてO2:3L、SpO2:87%、咽頭発赤、湿性咳嗽、陥没呼吸を認めたがチアノーゼはなかった。動脈血ガス(ABG)はpH:7.45、PaCO2:45mmHg、PaO2:34mmHgであった。</p><p> </p><p>【経過】入院後抗菌薬にて治療開始。第12病日に高炭酸ガス血症に伴う意識障害を呈し、第14病日にてんかん発作が出現した。第15病日に呼吸リハ目的で理学療法開始となる。第16~18病日には無酸素発作出現、第19病日のABGはpH:7.25、PaCO2:79.0mmHg、PaO2:33.0mmHgであり、高炭酸ガス血症を認め高流量鼻カニューラ(以下NHF)を装着した。4時間後には、pH:7.45、PaCO2:47.0mmHg、PaO2:29.0mmHgへ改善し、第23病日にNHFを離脱し鼻カニューラに変更となる。第24病日、前傾クッションを作成し坐位訓練を開始。バイタル著変なく、第34病日、自宅退院となる。理学療法開始時、鼻カニューラにてO2:3L、SpO2:70%台で陥没呼吸がみられ、脈拍は110~120回/回であった。追視は可能で、吸引時に微弱ながら啼泣がみられた。粗大運動能力尺度(以下GMFM)は臥位と寝返り領域が5.8%であった。臥位は頭頸部、骨盤右回旋位、左股内旋位で、入院前は左側臥位まで寝返りが可能だったが、理学療法開始時は困難だった。坐位は定頸不十分、体幹低緊張、骨盤後傾、右回旋位、左股内旋位で保持が困難であった。以上の評価から筋緊張の改善や、呼吸が安定しやすい、前傾坐位を取り入れた。退院時、GMFMは臥位と寝返り領域が17.6%へ改善。日中、笑顔で過ごす時間が増え、前傾坐位は見守りで保持が可能となり、周囲への反応や頭頸部のコントロールが向上した。</p><p> </p><p>【考察】呼吸と姿勢は密接に関係し、背臥位より腹臥位や坐位が呼吸に適しているとされ、特に前傾坐位では、重力により胸郭が下方に広がりやすく、舌根沈下や下顎後退を防げるとされている。園田らは、姿勢ケアは安定性のもとに運動の自由度を増す設定にすることで児の隠れた能力を引き出し、それを日常生活場面で取り込むことが大切と述べている。本症例でも、前傾クッションを作成し呼吸が安定しやすい前傾坐位を導入したことで、骨盤、胸郭が安定し、頭頸部のコントロールが向上し、運動発達の一助となったと考えた。</p><p> </p><p>【倫理的配慮、説明と同意】ご家族には、本症例報告の主旨と個人情報の保護について十分に説明し、書面にて同意を得た。</p>
著者
石井 忠雄 田名部 雄一 玉置 禎紀 正田 陽一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.634-640, 1971

1) 希薄溶液中のサイロキシンは,硬質ガラス製,スチロール樹脂製および硬質ポリエチレン製の容器壁に吸着されやすいが,吸着はブロピレングリコールまたは血漿の存在により防止される.<br>2) サイロキシンとヨード131標識トリヨードサイロニンとの競合を利用しているこの測定法で最も重要な役割を演じている血漿蛋白質はサイロキシン結合グロブリン(TBG)であり,TBGを含む血漿は標準血漿として使用できる.<br>3) アセチル化ポリピニルアルコールスポンジとラジオステレオアッセイの原理とを利用して家畜の血漿中サイロキシン測定法を得た.
著者
藤林 真美 梅田 陽子 松本 珠希 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.336-344, 2011-04-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

多様化した現代社会の中で,ストレスを抱える人口が激増している.ストレスも長期にわたると精神障害の発症を招く可能性が指摘されており,心の健康の維持・増進は重要課題である.本研究では,一般社会人20名を対象として予防的観点から運動トレーニングを4週間介入,介入前後に安静時心電図を測定し心拍変動パワースペクトル法を用いて自律神経活動を分離・定量化し,さらに質問紙法(Center for Epidemiologic Studies Depression:CES-D)を用いて抑うつ傾向を評価した.運動トレーニングの介入により,Δ心拍数とΔCES-D,および副交感神経活動を反映するΔHFとΔCES-Dに有意な強い相関を認めた.これまで運動トレーニングが身体および心理的な改善作用を有することは数多く報告されているが,本研究より,身体と心の改善は独立した変動ではなく心身相互作用である可能性が示唆された.
著者
早瀬 智広 冨田 陽二 木下 靖朗
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.339-341, 1995-04-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

We report a case of chronic sclerosing sialadenitis in the sublingual gland.<BR>A 34-year-old woman was referred to our hospital for an indolent mass in the sublingual region. No salivary stone nor foreign matter were found. The histpathological diagnosis was chronic sclerosing sialadenitis. Immunological variable, (RA, IgA, IgG, IgM) were within normal limits postoperatively.
著者
横平 政直 山川 けいこ 成澤 裕子 橋本 希 松田 陽子 今井田 克己
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.46, pp.S6-3, 2019

<p> 現在でも胸膜悪性中皮腫の発生率は上昇しており、特にアスベストの生産・輸入に関する規制の緩い国ではその傾向が顕著である。我々はこれまでに、アスベストに類似したK<sub>2</sub>0・6TiO fiber (TISMO)の毒性についての評価を行ってきた。TISMOの胸膜への影響を検索するため、できるだけ多くの被験物質を胸膜に暴露させることを目的に、開胸下に直接被験物質を胸腔内に投与する方法を用いた。</p><p> A/Jマウスの左胸腔内に同成分でサイズや形状の異なる3つの微粒子(TiO<sub>2</sub> micro size particle、TiO<sub>2</sub> nano size particle、TISMO)を投与する実験を行った。実験開始21週目に針状のTISMO投与群のみ肺胸膜の肥厚が見られ、球状のTiO<sub>2</sub>微粒子投与群は大きさに関係なく胸膜の変化は認められなかった。TISMOはアスベストに似た形状を有する針状粒子であり、胸膜悪性中皮腫の発生原因も危惧される。そこでTISMOの左胸腔内投与後、長期間(2年以上)飼育する実験を行った。その結果、肺胸膜の著明な肥厚を再確認し、さらに異型を伴う中皮細胞の出現が観察された。驚くべきことに、TISMO粒子は胸腔内投与にも関わらず、多臓器(肝、腎、脾臓、卵巣、心、骨髄、脳実質)で確認され、広範な播種が認められた。</p><p> また、TISMOの経気道暴露を想定して、気管内投与による実験も行った。TISMOが誘発する肺実質内の炎症所見は軽度であり、人への吸入毒性が低いとされる炭酸カルシウム微粒子(チョークの粉)とほぼ同程度であった。このように、経気道的に侵入したTISMOは、気管支および肺実質内での炎症誘発作用は乏しいものの、胸膜に到達すると強い反応性変化を誘発することが判明した。</p><p> 以上より、TISMOの胸膜への影響、および呼吸器系から体内に侵入したTISMOが多臓器に分布するリスクが明らかとなった。</p>